七囚人『深淵の蛇』   作:ゲヘナ狂

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音を奏でる者と呼ばれている…(ジョジョネタ)




ストーリーって時系列的には

対策委員会3章→プロローグ→対策委員会1~2章→パヴァーヌ1章→エデン条約編全章→パヴァーヌ2章→カルバノグ1章→あまねく奇跡の始発点→カルバノグ2章→百花繚乱

でいいのよな…?

6/20追記

ユメパイセンの苗字を追加しやした。
失踪してないよホントダヨ
ちなみにクチナシの花言葉自体は『とても幸せです』とか『優雅』みたいにポジティブなんだけど、やはり名前のせいか『死人に口なし』を連想してしまうために日本では縁起の悪い花とされることも多いってGoogle先生が教えてくれました。





総監部活動日誌:砂漠の砂粒一つ程も後悔はしていない

 

「よーし今日の部活終わり!」

 

ヤツメの号令で、総監部部室に集まっていたメンバーは三々五々と散っていく。

帰路につく部員達を見送りながら、ヤツメはこの後の予定に思いを馳せた。

普段なら脳内であれをしようこれをしよういやでもなーを繰り返した末、ハルナと飲食店に行ったり(に拉致されたり)、万魔殿組に目を付けられたり、ヒナに遠慮がちに袖を引っ張られて一緒に帰ったりすることになるのだが、今日ばかりはきちんとした予定が入っていた。

 

(部活帰りに食べるラーメンとかうますぎるに決まってる!!!そうだそうだ!)

 

部活中、唐突に今日はラーメン食べたいなと思い至ってから今になるまでじっくり温めてきた予定である。

ヤツメの期待度は高い。

更に…

 

「ちょいとここらで柴関とやらにも顔を出してみようではないか!!!」

 

作中でおいしいと明言されていたアビドスの柴関ラーメン、それを食べると言うのだから期待は俄然高まる一方であった。

…今からアビドス行きの電車に乗るとなると、明日ゲヘナに帰るのは昼過ぎになってしまうが。

 

「ゲヘナは無断欠席なんて日常茶飯事だしな!」

 

作中でヒナが言っていたように、欠席届の類は存在するのだろうがまともに使用しているゲヘナ生など1パーセント以下である。

 

「では行ってきますわぁ~♪」

 

似非お嬢様になりながらも、ヤツメは駅の方向へ歩を進めた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…柴関?」

 

「確かアビドスにあるというラーメン店ですわね…」

 

「何ィ!?アビドス!?ド田舎じゃないか」

 

「でも風紀委員の情報部は何か警戒してるみたいよ?」

 

「…………ヒナ?その書類は…」

 

「ちょっと風紀委員に用事があったのよ」

 

「ヒナ先輩…バレたらただじゃ済みませんよ?」

 

「大丈夫、いざとなったら先輩を嗾けるわ」

 

「はぁ…ほんとヒナは…」

 

「如何にも常識人面しないでくださいカヨコ先輩、あなたも大概です」

 

「イロハは細かいことを気にしすぎ、禿げるよ」

 

「口にバームロールぶち込みますよ」

 

「落ち着いてくださいイロハさん…」

 

ふむ……柴関か…では先輩方、私は源泉の気配をアビドスに感じたので向かうとするよ」

 

「キキッ……毎度毎度タイミング良く源泉の気配を察知するではないか」

 

「ハッ…きっとヤツメ先輩の威光に晒されて源泉も出てくるのだろう、いやこの場合はオアシスか」

 

「…カスミ」

 

「ピィ!?…ど…どうしたんだヒナ先輩…」

 

「…抜け駆けは許さないわ」

 

「ア…ハイ…」

 

 

 

 

 

………後ろに愉快な仲間(ストーカー)達を連れて。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁ~…今日も疲れたなぁ~…」

 

「そうですね……さすがにグランド1000周はやり過ぎだったかもしれません…」

 

閑散としたアビドス市街をふらふらと歩いていく二つの影があった。

御大層な高層ビルが建ってはいるが、それはほぼほぼ廃墟同然の状態で、かつて賑わっていた頃に多くの広告を映したであろう大型の掲示板達も全て電源が落ちており、時折吹き付ける砂塵と共に退廃とした雰囲気を醸し出している。

自治区全域で閑古鳥が鳴いているアビドス自治区だが、しかしその二つの影はそんな状況を微塵も感じさせないのんびりとした口調で駄弁り続ける。

 

「私は五百周が限界だったな~」

 

「私は何とか九百の大台に乗りました」

 

「すっご~い!ホシノちゃんが強くなってくれたらヘルメット団なんて目じゃないね!」

 

「先輩も強くなればもっと楽になると私思うんですよ」

 

「うえ~…それはもうちょっと時間が欲しいなぁ~」

 

「ほんとにがんばってくださいね…」

 

青色の髪を弄びながら気怠そうに会話をするのは『梔子ユメ』という名の少女で、それに返事を返すのはピンク髪でユメと比べたら小柄な少女『小鳥遊ホシノ』であった

彼女らは過疎化の進むアビドス高等学校の数少ない生徒の内の二人であり、また生徒会役員でもある。

そんな彼女らは、アビドスに時たま襲撃してくるヘルメット団を何とか鎮圧した後、鍛錬の為グラウンドで千週走ったりなんやかんやしてきた後であり、端的に言ってすごい疲れていた。

 

「ねぇ…ホシノちゃぁん」

 

「どぉしましたぁ?」

 

「柴関行こ!」

 

「妙案ですね」

 

疲労困憊極まりない二人は、今日の夕食を自炊する気力ももう残っていなかった。

故によくお世話になる店に行こうと思ったのは必然であり、そこで新たなカオスと出会うことになるのもある意味必然だったかもしれない。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいしい!!!もっとくださぁい!!!!」

 

「お客さん、いっぱい食べるじゃねぇか…何玉目だ?」

 

「かれこれ十玉は行ってると思う!!」

 

「バケモンか」

 

ヤツメ、替え玉10回目突入──

恙なく辿り着いた柴関にて、ヤツメは期待通り…いやそれ以上のクオリティを目の当たりにして替え玉が止まらない事態へと陥っていた。

これには大将も苦笑い。

 

「嬢ちゃんはどこから来たんだ?」

 

「ん、ゲヘナからもぐもぐ部活むしゃむしゃ終わガツガツ」

 

「きちんと食べてから話しな」

 

「ん」

 

頬をリスのように膨らませながら喋ろうとするヤツメ。

勿論の事全く喋れておらず、これには大将も苦笑い(Vol2)。

 

「……ムグ、ゲヘナから来たのだ、部活終わりに」

 

「ゲヘナか!部活終わりだとしても随分遠くじゃないか?」

 

「ははっ、帰れるのは最低でも明日の昼になるな」

 

「…大丈夫なのか?」

 

「それが大丈夫なんだなぁ~♪」

 

「ゲヘナ…恐ろしい場所!」

 

柴大将も思わず慄くゲヘナの実態、なんでも万魔殿では爆発が絶えないとか風紀委員はみみっちいとか温泉部は半分テロリストだとかなんとか。

様々な噂が自治区を越えて飛び交っている。十人十色やね。

 

「やっほ~大将さぁ~ん」

 

「塩ラーメンくださぁいぃぃぃ」

 

「おぉ、ユメちゃんにホシノちゃんか、いらっしゃい」

 

ラーメンを貪り食い本日何度目かも分からない優勝を繰り返しているヤツメを尻目に、入店してきたアビドス二人組は注文を告げた*1

が!しかし!仮にも原作知識持ち転生者であるヤツメがその名を聞いて反応しない訳も無く!

 

フォヒフォ(ホシノ)~?…ゴクン、あァ…小鳥遊ホシノか」

 

「……………そういうあなたは誰ですか?」

 

「ちょ…ホシノちゃん!」

 

「ヤツメ。八岐ヤツメ」

 

「八岐ヤツメ……」

 

「え…えっと!ヤツメちゃんは一体どこから来たのかな…?」

 

ただラーメンを食べているだけなのだが、ホシノの野生の勘はヤツメの底知れなさを感じ取ったのか警戒しながら尋ねた。

ユメは後輩の粗相に慌てたが、ヤツメが名乗ったために話題を次に進めた。

ユメとてアビドスでヤツメの様な生徒を見たことが無かったし、制服も見たことが無かったからだ*2

 

「ゲヘナだよ。部活終わりにちょいとね」

 

「「ゲヘナぁ!?」」

 

「えっ…いやだって制服……」

 

「私が頭張ってる部活の制服さ。お洒落さを意識しすぎて校章だのが分かりにくくなったのは改善点だな」

 

「そ…そうなんだね……」

 

「そういう君らはアビドス生だろ?」

 

「そうですけど……何で私のことを…?」

 

「何か知らんが風紀委員にマークされてたしな、ホシノちゃん」

 

「「えぇ~~~!?!?」」

 

アビドスは広い。これほどまでに荒廃してしまっても最低限+αの生活が成り立つほどのインフラはあるのだ。

故にアビドス生二人は生まれてこの方アビドス以外の自治区に行ったことが少なかったし、キヴォトスで特に影響力の高い学園の一つであるゲヘナ、その上風紀委員という実力派な組織に名が知られていることなど予想だにしていなかったのだ。

 

「ホ…ホシノちゃん、何やったの…?」

 

「何もしてませんよ!?いつも通りです!!」

 

「私総監部だから分かんにゃ~い」

 

「へいおまち、注文のラーメンだ」

 

「大将ここ寿司屋とちゃうで」

 

混乱するアビドス組に向かって差し出されるシンプルな塩ラーメン。

元より疲労困憊であった二人は、考えるのを一旦やめ脳死でラーメンを啜ることにした。

また、ヤツメは柴大将の発言がツボに入り大爆笑している。(ボケの速度が)疾風迅雷やね。

ひとしきり笑った後、ヤツメは思い出したように懐を探り、あるものを取り出した。

 

「おん、こいつが風紀委員調べのホシノちゃんのデータね」

 

「「え?」」

 

取り出した書類─思いっきり機密指定だとか判子が押されているし何なら紙面にはでかでかと『複写』の文字が浮き出ている─それを徐にアビドス生二人に渡して見せるヤツメ。

二人は一瞬受け取りかけたが、偽造防止の工夫が凝らされたそれを前にしてカートゥーンのように驚愕のリアクションをしていた*3。それを見てヤツメは仲が良いなぁと思っていたのも束の間、再び店に来店者が現れた。それも勢いよく。

 

「先輩!!!さすがにそれはアウトです!!!というか前提からもうアウトです!!!!」

 

「おうおう、賑やかでいいじゃないの。というか付いてきてたのね」

 

「何呑気なこと言ってるんですか!?!?!?バレたら総監部がとんでもないことになりますよ!?!?!?!?」

 

「こまけぇことばっか気にしてると禿げるぞイロハちゃん」

 

「もう一生分禿げ散らかしてますよ!!!!!」

 

イロハの他にもぞろぞろと総監部員達が入店してくる。

皆一様に呆れたような雰囲気を纏っていたのがヤツメやユメ、ホシノには妙に印象に残っているらしい。

 

「イロハ、さっきはごめんね」

 

「カヨコ先輩も何か言ってやってくださいよ!?」

 

「いや…もうダメだと思う……」

 

「キキキッ、そうカッカすることはないぞイロハ!万魔殿次期議長足る私が就任すれば全て解決することだ!」

 

「……具体的にどうするんですか?」

 

「言いがかりを付けて仕事を増やしたり温泉辺りを焚きつけて騒ぎを起こさせ仕事を増やしたり……」

 

「それのどこが解決なんですか!?!?」

 

「キキッ、仕事に忙殺されるあまり風紀委員は情報部の失態なぞ気にしている暇が無くなるという寸pいったぁぁい!!」

 

「いきなり何をするヒナァ!」

 

「え、いや、なんだか殴っておかないといけない気がして……」

 

みなさん

 

カオスに呑まれていた空間に響いた一声。

その主とは、いつの間にか注文していた柴関のラーメン(豚骨)を前にして、この上なく上品且つ威圧感を湛えた笑みを浮かべるハルナであった。

それを聞いた一同は自然と静まり返る。

その声音は鈴が鳴るような可憐な雰囲気とは裏腹に、噴火寸前の火山のような……あるいは餌を前にした猛獣のような剣呑且つ獰猛な気配を漂わせており、ホシノやヒナなど、実力者に分類される生徒は思わず銃に手が伸びかけていた。

 

食事をする際は静かにするように……

 

『はい!!』

 

一同の心からの返事である。

この場の全員が、食事関連でハルナを怒らせてはいけないと心で理解した瞬間であった。

 

「そうだぞ~、皆ちょっとうるさかったぜ?あ、ハルナちゃんこの胡椒入れると倍美味しくなるべ」

 

「ありがたくいただきます、先輩」

 

……………およそ一名、いつも通りであったが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かくして、アビドスと総監部は出会った。

その後、砂漠という環境に目を付けたヤツメによって定期的にアビドスとの合同演習が持ちかけられることとなり、秩序戦争開戦まで双方は交友を深めていくこととなる……………

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
ヤツメ「あの時一瞬だけだけど本当にあの二人の周りの空間が歪んだんだよ」

*2
総監部の制服はシンプルなスーツスタイルなので、ゲヘナの制服とは印象がまるっきり違うため。ちなみにヤツメは数あるカラーバリエーションの中でもド級のシンプル、ドシンプルなブラックスーツスタイルである。リトル黒服

*3
ヤツメ「あん時だけ某トムジ〇リとか某蒸気船アニメみたいな時空になってた気がするな」




何かヒナちゃんの好感度高くね?この女誑かしめ……
ちなみにカスミ部長(仮)は途中で油田を掘り当てたので色々対応に追われていて柴関には来れませんでした。




あと久しぶりにノれる曲見つけてテンアゲになりながら書き上げました(Bling-Bang-Bang-Bornで検索)
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