テニスの試合で先輩に勝ったら粘着されたんだが   作:ガラクタ山のヌシ

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完全なる息抜きで書きました。
ツッコミどころはあるだろうけども、軽く流していただければ…。


テニスの試合で先輩に勝ったら粘着されたんだが

ある日の帰り道、とある中学に通う一年、郡山純一は通学路でラケットケースを担いで自転車を押していた。

彼は短く刈り上げられた染められていない黒の髪の毛に少し引き締まった体躯、それからそこそこの身長、ピアスも開けていない見た目で、大抵の人物には、割とどこにでもいる真面目生徒と言った印象だろう。

そしてその評価は、あながち間違ったものではない。

 

しかしその表情は、どこからどう見ても浮かないものだ。

 

「はぁ…どうしてあんなことに…」

 

そうぼやく彼には、つい先日のことが思い出されていた。

 

「ゲーム郡山!!5ゲームストゥ4!!」

 

場が、盛り上がっていた。

全国中学のテニス大会シングルス決勝、相手は同校の先輩にして去年の全国王者夜神月(月と書いてライトと読むらしい)との熱戦を制して勝利を収めた。

 

夜神は彼にとって…と言うか、どの部員にとっても優しく頼れる先輩で、実際彼も夜神には良くしてもらっていた。フォームの確認や膝の曲がり具合、ストレート、クロスの打ち分けと世話にならない日は無かったと言ってもいい。

そんな夜神は今大会においても紛れもない優勝候補筆頭だった。

それまではいい。

 

問題は…

 

「やあ」

「あ、夜神先輩…どうも…」

 

待ち構えていたかのように電柱付近から現れたのは同じ学校の制服の男子生徒…当の先輩夜神月その人だ。

郡山はペコリと頭を下げて挨拶する。

 

「どうしたんだ?僕に勝った男が、そんなに浮かない顔して…」

 

先輩こそどうしたんです?先輩の家は確か反対の方向ですよね?

受験生がそんな暇人みたいな真似してて良いんですか?

 

なんて聞こうものなら長々とここにいる説明(と言うか負け惜しみ?)を聞かされるので敢えて聞いたりはしない。

と言うかそれは試合当日に経験済みだ。

 

この先輩は全国模試一位をとるくらいには頭が良く、人望もありさらには容姿まで整っているうえ、家も裕福とまさに完璧が服を着て歩いていると言っても過言では無い。

だからこそ…気に食わないことがあればどんな報復をされるかわかったものでは無い。

将来は警察官になると言っているくらいに正義感の強い先輩がそんなことをするとは思いたく無いが…何が起きるかわからないのが現実というやつだ。

 

「いえ…俺はただ、どうすればプロテニスプレイヤーになれるかなって…」

「あっはっは!!郡山らしいなぁ!!」

 

アレほど頼れる先輩に見えていた男が、その柔和な笑みが、今となっては作り笑いに見える。

 

「僕に勝ったんだ、是非プロになってもらわないと…示しがつかない」

 

誰に対しての示しだそれは…。

 

口元こそ笑顔だが…よくよく見れば笑っていない目に、郡山は戦慄する。

そして運動公園の前を通りがかった時、良いことを思いついたと言わんばかりに…或いは、それが狙いだったかのように…

 

「そうだ!!」

 

とわざとらしく夜神月は声を上げる。

 

「改めて僕が君を見てあげよう!!」

「え?でも俺部活で疲れてて…」

「なあに、プロになるんだろう?ならそのくらいの疲労はあってないようなモノだろうさ」

 

逃げようとする郡山の肩を、夜神はガシッと掴む。

 

またか…。

そう思うのも当然と言えば当然。

なぜならばこの一週間…郡山はずっと、夜神に絡まれていたのだから。




多分続かない
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