バトスピやろうぜ!!
「雷皇龍ジークヴルムでアタック」
「っ!…ライフで受けます」
「ありがとうございました」
「決まったー!バトスピチャンピオンシップ、今大会を制したのは激突王こと馬神 弾‼︎ なんと無敗での三連覇を達成したぞ!」
ギャラクシーの声が響き渡る中、一人のカードバトラーがバトルスピリッツの頂点に佇む。
最強のカードバトラーと謳われるこの男。
馬神 弾は憑依転生者である。
これは平凡な日常を送っていたとあるカードバトラーが不慮の事故でその生を終え、馬神 弾に転生し、その定められた未来(死)に抗う物語である。
チャンピオンシップも終わり、三度目となる優勝者インタビューも無難に済ませた俺は帰路に就こうとする中、原作から外れた今の状況について思考を巡らせていた。
(本来今日のチャンピオンシップ中に華実とバトルするはずだったが、バトルどころか会えもしないとは…大会にも参加していないようだしこのままだとグラン・ロロに行くことができない)
(時系列も心配だ。本来ならグラン・ロロついてすぐに主要人物の2人、マギサとズングリーと出会う…が現状グラン・ロロに行くどころか百瀬兄妹からの接触もない。このままだと完全にフェードアウトして異界王世界征服エンドになりかねない。なんとかしないと…まずは百瀬兄妹を探すとこから…)
「君が激突王、馬神 弾くんだね?」
急に声をかけてきた人物。
それは探そうとしていた百瀬兄妹の兄、百瀬勇貴だった。
「…そうだが?」
「よかった、会えて光栄だよチャンピオン。俺は百瀬勇貴。彼女は俺の妹、華実」
百瀬勇貴の後ろから百瀬兄妹の妹、百瀬華実が現れる。
「実は妹が君のファンでね、よければ相手をしてほしいんだ」
(なるほど…歴史の修正力というやつか…)
「わかった…相手するよ」
「ありがとう。華実」
「はい、兄様」
兄の言葉に答えた華実から光が溢れ出る。
「…っ!!これは!!」
(マザーコアの光!!)
「私のお友達、力をください」
華実の言葉に答えるように鮮やかな緑色の羽を持つ蝶が華実に集まってくる。
「グラン・ロロは求めます。コアの光主たちを」
華実が手を差し出すと華実の元にいた蝶が俺に向かってくる。
(ここからは賭けだな)
俺は蝶から逃げ、あの場所を目指す。
向かう先はアニメで馬神 弾がゲートを潜ったあの場所。
「いくぞ!!」
「ゲートオープン!界放!!」
俺は光に包まれた。
「まさか…ゲートを開いて自ら飛び込むとはね」
彼が消えた場所を見つめながら百瀬勇貴は馬神 弾について考えていた。
「兄様、赤の戦士がバトルフィールドにいるのを感じます」
「そうか、随分と好戦的だね」
微笑みながら呟く百瀬勇貴はどことなく嬉しそうだった。
「兄様楽しそうですね」
そんな兄を見て華実も嬉しそうに答える。
「ああ、予定を変更しよう華実。彼の相手は俺がする。久しぶりにバトルしたくなった」
「わかりました。兄様、ご武運を」
「ありがとう華実。ゲートオープン!界放!!」
気がつくと俺はバトルフィールドに立っていた。
「第一関門はなんとかなったか…あとは…」
俺の目線の先、バトルフィールドの反対側に百瀬勇貴が現れる。
「あいつを倒すだけだ」
(華実じゃない…か。可能性として考えていたがきつい戦いになりそうだ)
「簡単に言ってくれるね。色々と聞きたいこともあるが今は…」
「ああ」
両者同時にデッキを構える。
「「勝負!!」」
デッキを置き、手札を4枚揃える。
(確かコアを求めるんだったな)
コアがライフとリザーブに現れる。
「よし、やるぞ!!」
「待て、その前に華実」
「はい、兄様。赤の戦士これを」
華実から1匹の蝶が俺の元へ飛んで来る。
俺の元に来ると蝶が金の龍を模した勇ましいバトルフォームへと変化した。
「これは…」
「さあこれで準備は整った。始めよう」
「ああ」
百瀬勇貴の第1ターン
「先行はもらう。スタートステップ」
「ドローステップ」
「メインステップ、『盾精ラングリーズ』をLv.2で召喚」
フィールドに白のシンボルが現れ、砕けると共に黄緑色のコアのような結晶の中に球体があるスピリットが召喚される。
「っ!!…厄介なスピリットを」
(ラングリーズだと!!原作とデッキの中身が違うな…)
「ターンエンド。さあ君のターンだ」
馬神 弾の第2ターン
「スタートステップ」
「コアステップ」
「ドローステップ」
「メインステップ。『ナイフ投げのジャグリーン』を召喚、Lv.1だ」
フィールドに赤のシンボルが現れ、砕けると共に可愛らしい赤い道化師のスピリットが召喚される。
「ナイフ投げのジャグリーンは自分フィールドにスピリットが2体以下の時、Lv.3として扱う」
『ナイフ投げのジャグリーン』
Lv.1 BP1000 → Lv.3 BP5000
「さらにネクサス『灼熱の谷』をLv.2で配置」
俺の後ろに灼熱の谷が現れる。
「アタックステップ!灼熱の谷の効果で自分スピリット全てにBP+1000。よってBP6000となったジャグリーンでアタック!!」
ジャグリーンがナイフを構えて駆け出す。
「ライフで受けよう」
ジャグリーンが振り下ろしたナイフが百瀬勇貴のライフを1つ奪う。
百瀬勇貴 ライフ5 → 4
「ターンエンド」
百瀬勇貴の第3ターン
「スタートステップ」
「コアステップ」
「ドローステップ」
「リフレッシュステップ」
「メインステップ。『機人ドロイデン』を召喚」
黒い甲冑のスピリットが召喚される。
(ここでドロイデンか…)
「アタックステップ。機人ドロイデンでアタック」
槍を振り回しドロイデンが迫って来る。
「ライフで受ける」
ドロイデンの槍が俺のライフを奪う。
馬神 弾 ライフ5 → 4
「……」
「バトル慣れしてるみたいだね。ターンエンド」
馬神 弾の第4ターン
「…スタートステップ」
(結構痛いな…)
「コアステップ」
(まあ慣れるしかないか…)
「ドローステップ。この時灼熱の谷の効果でドロー枚数+1、その後手札を1枚破棄する。俺は『天槍の勇者アーク』を破棄」
「リフレッシュステップ」
「メインステップ。『猛角獣ホーングリズリー』をLv.2で召喚する」
フィールドに赤のシンボルが現れ、砕けると共に首から伸びる3本の立派な角を持つ熊のスピリットが召喚される。
「激突スピリット…ついに来たね」
「アタックステップ!灼熱の谷の効果で自分スピリット全てにBP+1000。ホーングリズリーでアタック!ホーングリズリーアタック時効果【激突】!!相手は可能ならば必ずブロックしなければならない」
「ラングリーズでブロック…だがBPは互角、相打ちだ」
ホーングリズリーとラングリーズがぶつかりどちらも消滅する。
「この時ラングリーズの破壊時効果が発揮する。ラングリーズ上のコアを他のスピリットに置くことができる。コアは機人ドロイデンへ、よってLv.2にアップ」
『機人ドロイデン』
Lv.1 BP3000 → Lv.2 BP5000
「さらにドロイデンの効果で白のスピリット全てにBP + 1000」
「続けるぞ…ジャグリーンでアタック」
「ライフで受ける」
ジャグリーンの放つナイフがライフを奪う。
百瀬勇貴 ライフ4 → 3
「ターンエンド」
百瀬勇貴の第5ターン
「スタートステップ」
「コアステップ」
「ドローステップ」
「リフレッシュステップ」
「メインステップ。ドロイデンをLv.1にダウン」
『機人ドロイデン』
Lv.2 BP5000 → Lv.1 BP3000
「マジック『ストームドロー』を使用。デッキから3枚ドロー…その後2枚破棄する。俺は『バーサーカー・ガン』、『盾機兵バルドル』を破棄」
(改造はされているが基礎的な作りは同じみたいだな。気をつけるのはイグドラシルくらいか…)
「そして…ネクサス『ダイヤモンドの月』を配置する」
勇貴の頭上にダイヤモンドの月が現れる。
「ダイヤモンドの月…赤のメタカードか…」
「悪いが君のことは研究し、色々と対策させてもらったよ激突王。俺の全力を持って君を倒そう。ターンエンド」
馬神 弾の第6ターン
「スタートステップ」
(ダイヤモンドの月…Lv.1の今のうちに破壊したいところだが、今の手札にネクサス破壊のカードはない)
「コアステップ」
(なら今のうちに攻める!!)
「ドローステップ。灼熱の谷の効果でドロー枚数+1、手札を1枚破棄俺は『ドラグノ暗殺者』を破棄」
「リフレッシュステップ」
「メインステップ。『一角魚モノケロック』をLv.3で召喚。灼熱の谷はLv.1にダウン」
フィールドに白のシンボルが現れ、砕けると共に立派な一本角を持つ鯨スピリットが召喚される。
「白のスピリット…」
「俺のことを研究したのならわかっているだろう?」
「ああ、君のデッキは赤属性を中心とした混合デッキだ。チャンピオンシップを含む多くの大会で頂点へと至ったデッキ」
「…続けるぞ、アタックステップ。モノケロックでアタック」
「ライフで受ける」
モノケロックが突っ込みライフを砕く。
百瀬勇貴 ライフ3 → 2
「続けてジャグリーンでアタック」
「ドロイデンでブロック、この時ダイヤモンドの月の効果が発動。ドロイデンのBPを+1000、よってBP4000」
『機人ドロイデン』
Lv.1 BP3000 → Lv.1 B4000
「さらにマジック『アバランチオーラ』を使用。ドロイデンをさらにBP+2000」
『機人ドロイデン』
Lv.1 BP4000 → Lv.1 BP6000
「…こちらのフラッシュはない」
突っ込むジャグリーンはドロイデンの槍に阻まれ、破壊される。
「返り討ちか、ターンエンド」
百瀬勇貴の第7ターン
「スタートステップ」
「コアステップ」
「ドローステップ」
「リフレッシュステップ」
「メインステップ。ドロイデンをLv.2にアップ」
『機人ドロイデン』
Lv.1 BP3000 → Lv.2 BP5000+1000
「そして…そびえよ、美しき鋼の城、『鉄騎皇イグドラシル』Lv.2で召喚」
白のシンボルを中心に竜巻が発生し、その中から白のマントを靡かせ金色の騎士が現れる。
「イグドラシル…ついに来たか」
to be continued…
「なんなのこれ、すごく強いコアの力を感じる…」
「なんだ?この感覚は…」
「誰かが…戦ってる」
「ボクは…ボクは!!」
「なんで…誰なんだよ…これ」