バトルスピリッツ憑依転生ダン   作:エンペライ

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4話激突vs灼熱

「カザン君、バトスピやろーぜ〜」

 

「そんな暇はない、急ぎ異界王閣下に会わねばならない」

 

シルクハットの男がカザンをバトルに誘うがカザンはそれを一蹴する。

 

「ほう、穏やかじゃないねぇ。何かあったのかな〜?」

 

「コアの光主が現れたのだ」

 

「「「ッ!」」」

 

カザンの言葉にざわめきが起こる。

 

「ほほう、じゃあなぜ連れてこないのかな?」

 

「…バトルに敗れた。よってルールに従い連行できなかった」

 

「なーるほど、ではこの私めクラウンがそのコアの光主を倒してご覧に入れよう」

 

「いや俺が行く!」

 

「いいや俺だ!」

 

「俺だ!」

 

多くの者が赤の戦士を倒すのは自分だと声を上げるが、スパンという音と共にカードが床に刺さり、場が静寂に包まれる。

 

「…これは」

 

「鉄騎皇イグドラシル!」

 

「やめた方がいい」

 

イグドラシルのカードが確認されると共に百瀬勇貴が現れる。

 

「今回の赤の戦士は歴代の中でも屈指の実力、かくいう俺も赤の戦士に敗北し、異界王閣下も彼の実力を認め今はパンテーラを差し向けている」

 

「「「なっ!」」」

 

勇貴の言葉に驚きを受け、先程よりも大きなざわめきが起こる。

 

「まさか、異界三巨頭の1人である勇貴様が敗れるとは…」

 

「そして今は同じく異界三巨頭の1人であり、灼熱の異名を持つパンテーラ様が…」

 

「赤の戦士に勝利し、異界王の元へ連れてきた者は異界王直々に願いを叶えてくれるとのことだ。励むといい」

 

勇貴が去った後、赤の戦士を倒さんとバトルに臨む者たちの熱気で溢れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方弾たちはカザンたちが去った後、カードステーションにて休息を得ていた。

 

弾はテーブルにカードを並べ、デッキの編集。

ズングリーはそれを見学し、マギサはお酒の入ったジョッキをぐいっと干す。

 

「そういえばダン、あなたなんでバトルフォームを持っていたの?」

 

「ああ…あれは白の戦士とバトルした時にもらった」

 

「白の戦士って!ちょっとどういうこと!?」

 

「あいつがそう名乗ってた…よし、できた」

(すまん勇貴、そういうことにしとく)

 

「バトルはどうだっただか?」

 

「馬神 弾と百瀬勇貴のバトルなら彼の勝利で決着している。そうだろう?」

 

「お前は…」

 

弾たちの前にズングリーの質問に答えた男が現れる。

 

「お初にお目にかかる馬神 弾。俺の名はパンテーラ、百瀬勇貴と同じ異界三巨頭の1人と言われている」

 

「パンテーラ…」

(まさかこんなにも早く会うことになるとは…)

 

「追撃の手が早すぎる。異界王はダンを狙ってるの?」

 

「先程のバトル見事だった」

 

「…見ていたのか」

 

「昂ったぞ、人形であるはずの俺が存在しないこの胸の高鳴りを抑えきれないほどにお前とのバトルを望んでいる」

 

「随分と好意的じゃないか」

 

「強者との戦いほど燃えるものはない、お前ほどの男ならわかるはずだ」

 

「ああ」

 

「千を超える数多の光主たちは全て俺が倒した。それによりついた二つ名が灼熱のパンテーラ!彼らには挑まれる側であったが、今回俺は挑戦者としてお前と戦おう!」

 

「いいだろう、ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「赤の戦士…いや、馬神 弾!俺にお前の熱き魂の輝きを見せてくれ!」

 

パンテーラはスーツを脱ぎ捨て、自身の体がバトルフォームであることを示す。

 

「ああ」

 

「では、よろしくお願いします」

 

「…テンションの落差が凄いな」

 

「ダァン!けっぱるだよ!」

 

「異界三巨頭の1人…相手は異界王直属の配下よ、気をつけて!ダン!」

 

 

 

 

 

「楽しみですね、兄様」

 

「そうだね、華実」

 

バトルフィールドの観覧席に勇貴と華実が姿を見せていた。

 

「始まったか…」

 

勇貴と華実がいる観覧席に金色のバトルフォームを纏った男が現れる。

 

「レオン、お前まで来たのか」

 

「閣下が警戒するカードバトラー、馬神 弾を一目見ようと思ってな。パンテーラが負けるとは思えんがお前が敗北し、パンテーラまで負けたとなれば次はワシが相手することになるだろうからな」

 

「彼はそう簡単には負けないよ」

 

「ほう、ではお手並みを拝見させてもらおう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弾の第1ターン

弾は『猛角獣ホーングリズリー』を召喚し、ターンエンド。

 

パンテーラの第2ターン

パンテーラは『冥闘士バラム』を召喚し、アタック。

弾はそれをライフで受けた。

馬神 弾 ライフ5 → 4

 

弾の第3ターン

弾はネクサス『無限蟲の蟻塚』を配置し、アタックせずにターンを終えた。

 

パンテーラの第4ターン

パンテーラは『リザドエッジ』と『ダークディノハウンド』を召喚し、冥闘士バラムとダークディノハウンドでアタック。

弾は再びライフで受けた。

馬神 弾 ライフ4 → 2

 

弾の第5ターン

弾は『ナイフ投げのジャグリーン』と『ドラグノ暗殺者』を召喚。

さらにホーングリズリーとネクサス無限蟲の蟻塚をLv.2にアップさせ、ホーングリズリーでアタック、【激突】の効果でリザドエッジとバトルし、破壊した。

そしてネクサス無限蟲の蟻塚の効果によってホーングリズリーが回復するが、この後弾は攻められる状況にも関わらずターンを終了した。

 

そしてパンテーラの第6ターンを迎える。

 

 

 

 

 

「パンテーラの方が優勢だな、激突王は守りつつ攻める為の準備中といったところか」

 

「君にはそう見えるかい?」

 

「何?この状況で激突王の方が優勢だというのか?」

 

「いいや、確かに彼の方が不利な状況だ。ライフの差も大きい。だが、俺には全て彼の望む展開のように思える」

 

「自ら不利な状況を作り出したと?いくら敗れたとはいえ奴を過大評価しすぎではないか?」

 

「もし俺の予想が正しければ…答えを見せてくれるはずだ」

 

 

 

 

 

パンテーラの第6ターン

 

「なぜ攻めてこない馬神 弾。俺はお前との熱いバトルを期待していたのに…『リザドエッジ』、『ゴラドン』を召喚。そして…」

 

パンテーラは手札から一枚のカードを掲げる。

 

「巻き上げよ、灼熱の砂塵!嘶け、炎竜の牙!竜騎将ディライダロス召喚!!」

 

赤のシンボルが砕け散ると砂嵐が吹き荒れ、騎竜に跨る竜人がフィールドに現れる。

 

「不足コストはリザドエッジとゴラドンから使用する」

 

コアが取り除かれ、リザドエッジとゴラドンが消滅する。

 

「アタックステップ。竜騎将ディライダロス!やれ!アタック時の効果、BP2000以下のスピリットを1体破壊する。よってジャグリーンを破壊」

 

ディライダロスの放つ斬撃を受け、ジャグリーンが破壊される。

 

「さぁ、どうする馬神 弾!」

 

「フラッシュタイミング、マジック『ヴィクトリーファイア』を使用」

 

「マジックでカウンターだと!?」

 

「マジックの効果により、バラムとダークディノハウンドを破壊」

 

弾の前からv字の炎が発射され、パンテーラのスピリットを焼き尽くす。

 

「だが!ディライダロスのアタックは受けてもらうぞ!」

 

「ホーングリズリーでブロック」

 

「ッ!!」

 

ディライダロスとホーングリズリーがぶつかり合い、互いに消滅する。

 

「攻め急ぎすぎたか…ターンエンド」

 

 

 

 

 

「パンテーラのやつめ、手痛い反撃を受けたな。しかし激突王、ここまでとは…」

 

「ああ」

 

「ディライダロスを失い、他のスピリットも全滅。ディライダロス召喚の為に手札も消費し残りは1枚のみ…自身のターンでここまで不利になったのだ、パンテーラの胸中は穏やかではなかろう」

 

「対して激突王は手札4枚にコアも充分、ライフの差こそあるが形勢は一気に傾いた。次のターンをパンテーラが凌ぎ切れるかどうか」

 

 

 

 

 

馬神 弾の第7ターン

 

「メインステップ。『ナイフ投げのジャグリーン』を召喚。そして、雷よ、天を裂け!『雷皇龍ジークヴルム』Lv.2で召喚!」

 

弾の背後から雷の龍が現れ、咆哮とともにフィールドに降り立つ。

 

「ここでジークヴルムか!!」

 

「おお〜ジークヴルムやっぱりかっこいいだよぉ」

 

「激突王たる由縁のスピリット、雷皇龍ジークヴルムか。だがこれで激突王の手札には他の低コストスピリットがないことが割れたな」

 

「確定ではないがな、だがその分マジックを警戒する必要ができてパンテーラは攻めづらくなった」

 

「アタックステップ。ジャグリーンと暗殺者でアタック」

 

「どちらもライフで受ける!」

 

2体のスピリットがそれぞれ武器を構え駆け出しライフを奪う。

 

パンテーラ ライフ5 → 3

 

「ターンエンド」

 

「ほう、ジークヴルムをブロッカーに残したか」

 

「無限蟲の蟻塚があるからな、これで守りも完璧か」

 

 

 

 

 

パンテーラの第8ターン

 

「まだだ、このドローに俺の全てを賭ける!ドローステップ!…フッ」

 

(何か来たな…)

 

「メインステップ。最強の竜騎士軍団、皇十二竜騎を従える『魔帝龍騎ダーク・クリムゾン』召喚!」

 

天を割り、槍を掲げる黒き龍がフィールドに降り立つ。

 

「ダーク・クリムゾンか…」

 

「ダーク・クリムゾンの召喚時効果、自分のデッキを上から7枚オープンし、その中の系統龍帝または竜騎を持つスピリットカードすべてを、コストを支払わず転召させずに召喚できる」

 

『レイニードル』

『トライデントフレア』

『魔龍帝ジークフリード』

『デモ・ボーン』

『フェラールスラッシュ』

『冥剣士ベリト』

『竜騎集う円卓』

 

「オープンされたカード、『魔龍帝ジークフリード』をノーコストLv.2で召喚!」

 

地を割り、2体目となる黒き龍が咆哮と共に召喚される。

 

「Xレアをノーコストでなんて…」

 

「ダァン…」

 

「アタックステップ。魔龍帝よ、やれ!」

 

魔龍帝ジークフリードが翼を広げ、飛び立つ。

 

「攻めるか…わしも同じ状況であればあの残り一枚の手札がなんであれアタックしていただろうが…」

 

「ここでジークヴルムを倒せなければパンテーラはほぼ詰みの状態となる、アタックする以外の選択肢がない」

 

「ジークヴルム、ブロックだ」

 

ジークヴルムが咆哮と共にジークフリードへ突貫する。

 

「フラッシュタイミング、マジック『メテオフォール』を使用。コストは暗殺者から確保。ジークヴルムをこのターンの間BP+2000し、色を青として扱う」

 

『雷皇龍ジークヴルム』

Lv.2 BP6000+2000

 

「くっ!」

 

ジークヴルムの突撃を受け止めた魔龍帝ジークフリードだが、ジークヴルムの纏う炎が蒼に染まると同時に耐えきれなくなり後方へ弾き飛ばされると追撃のブレスを浴びて爆発と共に破壊される。

 

「ネクサス無限蟲の蟻塚の効果によりジークヴルムは回復」

 

緑の風を纏いジークヴルムが起き上がる。

 

「…ターンエンドだ」

 

 

 

 

 

馬神 弾の第9ターン

 

「メインステップ。ジークヴルムをLv.3に、そして『雷皇龍ジークヴルム』を召喚」

 

弾の背後から2体目となるジークヴルムが現れ、咆哮とともにフィールドに降り立つ。

 

「2体目か…」

 

「アタックステップ。ジークヴルムLv.3でアタック!【激突】だ!!」

 

ジークヴルムが飛び立ち、炎を纏う。

 

「ブロックだ!ダーク・クリムゾン!!」

 

灼熱の流星となった雷の龍を黒き龍は槍を構え迎え討ち、渾身の一突きを放つも雷の龍は身体を捻り槍を回避しつつバトルフィールドの端まで弾き飛ばす。

黒き龍はそのまま力なく倒れ消滅する。

 

「続けてジャグリーンでアタック」

 

「くっ…ライフだ!」

 

ジャグリーンの投げナイフがパンテーラのライフを奪う。

 

パンテーラ ライフ3 → 2

 

「ターンエンド」

 

 

 

 

 

パンテーラの第10ターン

 

「パンテーラ…ここまでだな」

 

「そうだな、ここからの逆転は簡単にはできまい…」

 

「ドローステップ…ッ!!」

 

ドローしたカードを見て動きを止めるパンテーラ。

 

「どうしただか?」

 

「おそらくスピリットを引けなかったのね。スピリットがいなければ攻撃も防御もできないから…」

 

「じゃあ、ダンが勝っただね!!」

 

「まだ油断できないけどね、まあ前のダンのバトルを見た限り心配ないと思うけど」

 

「メインステップ。マジック『トライデントフレア』を使用。BP3000以下のスピリット3体を破壊する。よってジャグリーンを破壊」

 

パンテーラから放たれた3つの炎弾の内の1つがジャグリーンを撃ち抜き破壊する。

 

「さらにマジック『フレイムサイクロン』を使用。BP5000以下のスピリット1体を破壊する。ジークヴルムLv.1を破壊」

 

パンテーラの前で炎が渦を巻き、ジークヴルムへ向け発射される。

その炎はジークヴルムを貫き、爆発と共に破壊する。

 

「ターンエンドだ」

 

 

 

 

 

馬神 弾の第11ターン

 

「手札とコアを使い切っての赤マジック連続使用、パンテーラの最後の賭けか…」

 

「激突王に一体でもスピリットを召喚された瞬間に敗北が確定するが…」

 

「ドローステップ…」

 

「リフレッシュステップ」

 

「メインステップ」

 

 

 

 

 

「『天槍の勇者アーク』を召喚」

 

赤のシンボルが割れ、斧槍を持つ竜が召喚される。

 

「…ここまでか、来い!馬神 弾!!」

 

「ああ、アタックステップ。アークとジークヴルムでアタック!!」

 

「ライフで受ける!!」

 

アークの斧槍の一振りとジークヴルムのブレスによってパンテーラの残り全てのライフが砕かれた。

 

パンテーラ ライフ2 → 0

 

winner馬神 弾

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ディライダロスを召喚したターンが勝敗を分けたか…」

 

「あそこで無理にディライダロスを召喚したせいで手札を消費したからな、その後にアタックしたのも悪かった」

 

「そうか…前のバトルを見てお前のレオン・ハウルを警戒しすぎたのもあったか、中々悔いが残るバトルだった」

 

「悔いが残る、悔しいっていうのは成長できる証だ。人と何も変わらない」

 

「フッ、そうか…これが悔しいという気持ちなのか…」

 

「ありがとうございました。いいバトルでした」

 

「ありがとう、ございました?」

 

「バトルの前によろしくお願いしますって言ってくれただろ?同じようにバトルが終わったらこう言うんだよ」

 

「そうか…」

 

「またバトルしよう」

 

「ああ、リベンジさせてもらおう」

 

弾とパンテーラは握手をし別れる。

 

「敵なのによくそんなに仲良くできるわね」

 

呆れ顔で弾に問いかけるマギサ。

 

「あいつは、バトルした俺には悪い奴じゃないと思えたから」

(何とかしてあいつも助けられないものか…)

 

「ダンが言うんだったらそうなんだで!」

 

「ズンちゃん…そうね、きっとそうね」

 

 

 

 

 

「良きバトルが見れた」

 

「次はお前が行くのか、レオン?」

 

「いいや、パンテーラまでも大敗を喫した以上わしが行ってもおそらく敗北するであろう。しばらくは様子見させてもらう。もちろん閣下のご命令であれば全力を持って激突王に挑む覚悟だ」

 

「そうか、もちろん俺もこれで終わるつもりはない」

 

「フッ、二度目の敗北を閣下が許すとは思えん。気をつけることだな」

 

「ああ」

 

会話を終えるとレオンは去っていった。

 

「兄様、私は赤の戦士の更なる情報を集めます」

 

「ありがとう華実。だが、他の戦士をグラン・ロロへ導くことを優先したい」

 

「ご安心を、赤の戦士へは配下の者を当てる予定です」

 

「そうか、彼の手の内をできるだけ晒してくれることを祈ろう」

 

赤の世界の荒野を男が鍋を引きずりながら進んでいた。




ズングリーは家族を救う為、
弾、マギサと旅立つことを決意する。
だが旅の始まりは前途多難で白の戦士からの刺客も迫る。

次回バトルスピリッツ憑依転生ダン
VS蛮騎士ハーキュリー
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