術式『ほのぼのにゃんにゃん』で呪術の世界を生き残る   作:藍沢カナリヤ

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第14話 京都姉妹校交流会ー団体戦ー

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『天元』様による特訓は割愛させてもらおう。

決して面白い特訓ではなかったことは明言しておく……だって、結局、毎日『結界術』の練習をクーラーついた部屋でしてただけだし。あ、土産物は2人で美味しく食べました。

ともかくだ。この1ヶ月間の特訓を経て、私は遂に高専の皆と合流できることになった。

そう、京都の姉妹校との交流戦の時がやってきたのである。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「はい、これね」

 

 

そう言った五条悟が運んできたのは、巨大な箱2つ。漫画で見た覚えのある箱であった。

 

 

「五条先生、これは?」

 

「ん? 前に言ったでしょ、サプライズだよサプライズ。これに入ってばばーんと登場しよう!」

 

「おー! いいね! えー、どうしよう、なんて言って登場したらいいかなぁ」

 

「そうだなぁ、おっぱっぴー! とかどうよ?」

 

 

下らないことを相談する2人をボーッと見ながら考える。この後のことだ。きっと私もこれに入るように言われる。まぁ、それはいいとしよう。抵抗できるとも思えないし。問題はその後の白けまくった空気に私が耐えられるか、だ。なにより伏黒くんに白い目で見られたくはない。ならば、私はおっぱっぴーをせずに、自然に箱から出ていく。そして、ちゃんと生きていたのに黙っていたことを謝ろう。

……うん、そうしよう。そうすればきっと穏やかに笑い合えるはずだ。

 

 

ーーーー1時間後ーーーー

 

 

「故人の虎杖悠仁くんと羽々場ねこちゃんでぇ~っす!」

 

「はい、おっぱっーー」

 

 

 

「ふしぐろきゅぅぅぅんっ♡♡♡」

 

 

 

箱から飛び出すと同時に、私は彼めがけて跳ぶ。呪力で強化した脚力での跳びつきだ。その上、不意を突かれたのだ。避けられるはずもない。そんな私が狙うは唇1択である。自分を好いていた、死んだと思っていた女の口づけだ。なんやかんや感動とかなんかで、唇を奪い(舌も入れよう)、味わい尽くしてから、その罪を有耶無耶にしてやるっ!!

 

 

「なっ!? くっ、『玉犬』っ!」

 

「あまいッ!!」

 

 

俊敏性に優れた『玉犬』を呼び出した伏黒くん。咄嗟にその選択ができるとは、流石は我が推し。だけど、ワンテンポ遅れたね。その一瞬で、私は彼の首の後ろに腕を絡ませられる。私の方が速い! これは獲れるッ!!

 

 

「もらったァァァ!!!」

 

「はーい、ストップストップ~」

 

 

そう言って、私と伏黒くんの間に割り込んできたのは、五条悟である。無下限呪術バリアーのせいで、私の体に触れることなく、止めやがった。くそがァァ!?!?

 

 

「がるるるるるっ、離せ! 伏黒きゅんの唇を奪わせろ。フシグロキュゥゥゥンッ!!」

 

「えぇと……硝子~、麻酔とか持ってな~い?」

 

「俺の登場、台無しじゃーん……」

 

 

数分後、私はどうにか落ち着いた。いやぁ、失敗失敗。冷静に誠実に謝るつもりだったん炊けどなぁ。でも、久しぶりに推しの顔を見たんだ。ああなっちゃうのも、仕方がないよねぇ?

 

 

「…………」

「 ´・ω・` 」

 

『私達は悪趣味な人間です』

 

 

……まぁ、そんで今に至る。

 

 

「あのぉ~、これは……見方によってはとてもハードなイジメなのでは……?」

 

「うるせぇ、しばらくそうしてろ」

 

 

その後、遺影フレームを2人で掲げながら、各々自己紹介をする。

私と虎杖くんは正座をしながら、その他の人は思い思いに座って、交流戦1日目、団体戦についての話を進める。急遽メンバーが追加されたことで、動きを変えようかという話も出ていたが、虎杖くんのスペックを伏黒くんが口にしたことで、話がまとまったようだ。

 

 

「それで? お前は何ができるんだ?」

 

「え、あっ、私は交流戦出ませんよ」

 

「そうなの?」

 

 

そうなのって虎杖くんは五条先生から聞いてたでしょうに。向こうは6人で、こっちも虎杖くんを含めて6人。人数の差を考えると、私は必然的に余り物になってしまう。というより、私自身が辞退したのだ。そもそも私はこの団体戦で何かをしようというつもりもない。この勝敗で『伏黒くんの生死』に関わることはないし。それよりも、『有事』の時に動けるようにした方がいいからね。

そうこうしている間に、話は進みーー

 

 

「勝つぞ」

 

「がんばれ~!!」

 

 

姉妹校交流戦1日目、団体戦が始まった。

 

 

 

ーーーーモニター室ーーーー

 

 

つつがなく試合は進む。

虎杖くんVS東堂葵。パンダ先輩VS究極メカ丸。野薔薇ちゃんVS西宮桃。伏黒くんVS加茂憲紀。原作通りの展開で進んでいく。

その中の真希先輩VS三輪霞の試合を見ながら、私の隣に座る冥さんが口を開いた。

 

 

「フフフ、面白い子じゃないか。うちの弟子(2級術師)と比べても、彼女の方が体術だけならば上。さっさと2級にでも上げてやればいいのに」

 

「僕もそう思ってるんだけどねぇ」

 

 

禪院家が邪魔しているようだと五条悟は続ける。金以外のしがらみは理解できないと言う冥さん。それに付随するように、五条悟は虎杖くん周りのカメラが切れることを指摘していた。さらに、どっちの味方だと彼女に訊ねる五条悟。当然、冥さんは……。

 

 

「どっち? 私は金の味方だよ。金に換えられないモノに価値はないからね。なにせ金に換えられないんだから」

 

 

まぁ、こういう人ですからねぇ。

冥さんは金によって動く。だから、五条悟からの依頼で私に修行もつけるし、虎杖くんの暗殺を隠蔽しようともする。良くも悪くも金次第である。

 

 

「そういう割には、ねこのこと、ちゃんと育ててるじゃないか」

 

「!」

 

「…………まぁ、この子は大事だからね」

 

「!!!」

 

 

そんな五条悟からの突っ込みに、冥さんは私が大事だと言ってくれた。そ、そうだよねぇ! 金だ金だ言いつつも、私のことは弟子と認めてはくれているし、そんな弟子にはちゃんと愛情をもって接してくれてるんだ!!

 

 

「冥さんっ! 私のことーー」

 

「そりゃあ彼女の給料から投資してる株が最近上がっているからね。彼女は大事な金のなる木だよ」

 

「………………」

 

「ん? どうしたのかな、羽々場くん?」

 

「なんでもないですぅぅ……」

 

 

悪びれずにそう言うもんだから、開いた口が塞がらなかった。

うん。今日、寮に帰ったら泣こう。

そんなやり取りをしている間も試合は進む……って、そうだ! 今、伏黒くんはどうしてる!? っておい! もう校舎の中に入ってるじゃんっ!!

 

 

「ヤベっ!」

 

「ん? どうかした?」

 

「え、あっ、いやぁ……」

 

 

いきなり音を立てて立ち上がった私を怪訝に思ったようで、常識人・庵歌姫がそう訊ねてきた。うーむ、どう答えたものか。これから特級呪霊が襲撃しに来るので、助けに行きます、なんて答えるわけにもいかないしなぁ。

そう考えていると、

 

 

「彼女はそういう子なんだ。たまに妙なことをし出す。気にしないでやってくれ」

 

「冥さんがそう言うなら……」

 

 

冥さんが助け船を出してくれた。グッジョブ、師匠! それじゃあ私の目的を果たしに行動開始だ。

 

 

「いってきま~す!!」

 

 

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