術式『ほのぼのにゃんにゃん』で呪術の世界を生き残る 作:藍沢カナリヤ
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原作描写を見れば分かる。
伏黒甚爾には、息子への愛情がある。
ただその愛情はめちゃくちゃに不器用で、なにより伏黒くんの母、最愛の妻が死んでしまったことで、息子にどう接すればいいのか分からなくなってしまったのだ。本来の『渋谷事変』での彼の最期が伏黒くんへの愛情を物語っている、と思ってる。様々な考察や同人誌が出ているのもその証拠だと私は思う。私もそれ関係で2冊ほど本出したし。私を始めとしたオタクという生き物は、そういうキャラクターの背景や心情を補完し、理解した気になる能力に長けているのだ。往々にして、それは気持ち悪いのだけどさ。
……とにかくだ。
私が考えた『渋谷事変』を乗り切る1つの秘策がこれ。
伏黒甚爾を味方につけることであった。
原作改変も甚だしい? 知らん、私は目の前の推し・伏黒くんを救うことしか考えてねぇよ!!
結果として、
「…………」
『…………』
彼からの攻撃は止まった。正座の私と伏黒くん、胡座をかいて右腕で頬杖をつくお義父さんが向かい合って座っているという、なんともシュールな光景となっていた。
「いやぁ、よかったよかったぁ」
「よくねぇよ」
「ん?」
最善の選択を自画自賛していると、なぜか伏黒くんが突っ込みを入れてくる。これ、どういう状況だ。そう聞いてくる。一応説明はしたんだけど、まぁ、もう一回。
「この人、伏黒くんのお父さんだよ。ついでにもう死んでる。ですよね?」
『あぁ』
「あぁって……」
堂々と肯定するお義父さん。それを見て、伏黒くんは頭をかく。なんなら半分キレてるっぽい状況を理解し切れてないんだろうな。
「ちなみに、お義父さんは意識あります?」
『まぁな。何が起きたかは知らねぇが、体は動く。鈍ってはいるだろうがな』
「……それで五条悟殺せるくらいには?」
『ハッ、嬢ちゃん、皮肉が効いてるじゃねぇか。気に入ったぜ』
よっしゃ! 気に入られたぜ!!
「………………はぁ。羽々場、後で詳しく教えろ」
「はーい!」
私達は立ち上がる。それに釣られて、お義父さんも欠伸をしながら立ち上がった。
『ふわぁ、折角生き返ったんだ。俺は自由にやらせてもらうぜ』
「あ、お義父さん!」
『……おい、そのお義父さんっての止めろ』
「耳貸してください!」
『聞いてねぇな……なんだ?』
私はお義父さんの耳元に口を寄せて、伏黒くんに聞こえないように、こっそりと呟く。
「私、伏黒くんを救いたいんです。あなたの大切な息子さんを」
『…………』
私の言葉を受けた彼はバツの悪そうな顔をして、軽く頭をかいた。
「だから、1つだけ、私のお願いを聞いてくれますか」
『……ハッ、場合によるな』
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これでいい。伏黒甚爾が味方についた。大きな成果だ。よくやったぞ、私!
さぁ、次の問題はーー
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「間に合った!」
「ねこ! 恵!」
私達は全員で地下5階に辿り着く。目の前には、真希先輩、七海さん、そして、禪院家の親父がいた。そこにいるのは誰かと真希先輩や七海さんからの視線が向くけど、今はそれどころじゃない。簡単に、義理のお父さんですとだけ答え、敵に向き直る。
敵は1体。特級呪霊『陀艮』。原作では七海さんと真希先輩、禪院家の親父、そして、途中参戦の伏黒くんとお義父さんで祓った相手だ。(実質、倒したのはお義父さんだけだけど)
だから、こいつの相手はーー
「皆さん、先に行ってください」
ーー私だ。
「お、おい、羽々場」
「ハッハッハッ! 大丈夫だよ、伏黒くん。こいつの呪力見れば分かるでしょ、そんなに強くないよ」
「…………」
「羽々場さん、相手は恐らく呪胎です。今はそれほど洗練されていない。ですが、為る可能性があります」
「そうだ。後輩1人にやらせられねぇだろ」
流石は七海さんだ。1級呪術師には相手の技量が分かってる、ぽいね。七海さんの言葉に便乗するように、真希先輩も同意してくる。
……まったく、仕方ない。
「……この近くに、この呪霊よりも数段強い特級がいるはずです」
「「!」」
「火を使う呪霊で、渋谷にいる中で最も強い……倒せるのは恐らく特級クラスの人間だけです。もしくは……」
チラリとお義父さんに視線を送る。緊張感なく欠伸をする彼だが、五条悟もおらず、『宿儺』も表に出す訳にいかない今、『漏瑚』を倒せる可能性があるのは、お義父さんしかいないだろう。
もし、彼で倒せなかった場合に備えて、五体満足で呪力も十分にある七海さんと禪院家の親父がバックアップする。これでどうにか『漏瑚』は倒せるだろう。それに後々のことを考えたら、お義父さんの姿は真希さんに見せておきたいのもある。『領域』対策に、『領域』を使える伏黒くんもいてほしいしね。
奴にこの5人を当てる。それで恐らく必要十分だ。だから、やはり目の前にいる特級呪霊『陀艮』は、私が1人で倒すしかないのだ。
「皆さんに会敵してほしい呪霊の特徴は伏黒くんに話してあります。走りながら聞いてください。その呪霊は恐ろしく速く強い。『領域』も使います。伏黒くんの『領域』で中和しながらなら、なんとかなると思います」
「…………ご武運を」
私の情報を信じてくれたようで、七海さんは他の人たちを連れて、私と『陀艮』の間を走り抜けていった。
「さ、『陀艮』。私と戦ろうか!」
『ぶ、ぶぶぶ……』
柱の陰に隠れるようにして、こちらの様子を伺う『陀艮』。まったく、時間がないんだ。やることは山ほどある。早く変態してもらえないかねぇ。仕方がない。
「……おい、『陀艮』! 早く攻撃してこいよ、じゃないと『花御』みたいに祓っちゃうぞぉぉ!」
『ぶふっ!!! 『花御』っ、『花御』ィィっ』
私の言葉を受けて、ブルブルと震えだす『陀艮』。こいつは『花御』を慕っていたようで、原作でもそれが地雷となって変態を遂げていた。あぁ、ちゃんと原作再現だ。今、私の目の前で特級呪霊が姿を現した。
『『花御』はお前達、人に祓われた。しかし、我々こそ真の人間だ。『花御』の遺志は私が引き継ぐ』
「賢くなったつもりかよ、『花御』の腰巾着がっ! おいで、『ほのぼのにゃんにゃん』」
『にゃっ!』
『にゃぁぁ』
『?』
挑発しつつ、『猫』を呼び出し、共に走り出す。特級が相手だ。重面や低級の呪霊とは違う。どの程度『猫』の意識誘導が効くか分からないから、『猫』を2匹まとめて動かす。2匹集まることで、一度に潰される可能性は上がる『縛り』をつけ、その分術式効果を上げる。一瞬でいい。意識を一瞬だけ誘導してくれれば!
「ふんっ!!」
ーーバシャッーー
『!』
全力の蹴り。だが、水のリングに阻まれた。ほぼ全自動発動か。まぁ、想定内。まずはどれだけの連撃で削れるか確認してやる!
ーーバシャッーー
ーーバシャッーー
ーーバシャッーー
ーーバシャッーー
ーードゴッーー
「5発、だなっ!」
『フンッ!!』
私の攻撃力では、同じ箇所に連続で5回当てないと届かない。初見だからできた隙だ。今もそうだったが、『猫』は一瞬で同時破壊されてしまう。再発動までも少しかかるし、意識誘導も保って6、7秒。その間に5回の攻撃を当てるのは難しいな。なら、
「これでも喰らっとけ!!」
ーーザクッーー
『ッ!?』
『舌抽』による一振りは、奴の水のリングを素通りする。『舌抽』の魂の分離させる術式には、肉体も呪力による防御も意味がない。魂のみを捉えて、分離させるのだ。特級呪霊相手にどれほど効果があるか知らないけれど。
『ぐっ!』
ーーブンッーー
「おっと!?」
『陀艮』のカウンターの大振りを紙一重で躱す。どうだ!?
『…………大きなダメージはない。だが、ナマクラというわけでもない。なんの術式だ?』
「教えるか、バーカ!」
『……つくづく人間は愚かである』
奴の言う通り、大きなダメージは与えられなかったようだ。ただし、それは表面上の話で、魂は分からない。何度も言うが相手は特級だ。『舌抽』が効いているにしても、一撃だけでは足りないし、すぐには効果が出ないかもしれない。奴も種の分からない攻撃を無視はできないだろう。とにかく水のリングを無視できる『舌抽』で攻め続けるのみ!
「らぁっ!!」
ーーザクッーー
『……領域展開ーー『
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殺伐としてきてるので、1年生それぞれとの日常パート入れていいですか?
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見たい
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本編を進めてくれ