術式『ほのぼのにゃんにゃん』で呪術の世界を生き残る   作:藍沢カナリヤ

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第37話 人外魔境新宿決戦ーi伍ー

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『黒閃』を経て出力を上げた『宿儺』の猛攻により、ラルゥを皮切りに真希、『脹相』もその『黒閃』を食らい、倒れる。だが、希望は繋がっていた。『脹相』から受け取った血の塊。それを、

 

 

「『穿血』」

ーーバシュッーー

 

『!』

 

 

虎杖は撃ち出した。『穿血』は『宿儺』の顔に直撃するも、反撃を受ける虎杖。それでも虎杖は譲らない。『宿儺』がいくら調子を上げようと、虎杖の攻撃を食らえば呪力出力と肉体の支配は鈍る。この好機を逃す訳にはいかない。

 

 

ーーぐぐッーー

 

 

『宿儺』は虎杖から『黒閃』の予感を感じていた。攻撃を、そう思えどしかし、『宿儺』の意識は撤退途中の彼女から目が離せない。ラルゥの術式『こっちを向いて(キューティーハニー)』。効果は一瞬。だが、今の虎杖にはそれで十分だった。

 

 

 

「『黒閃』っ!!」

ーーバヂバヂバヂバチッーー

 

『か……ッ!?』

 

 

 

黒い火花が『宿儺』の腹を捉えた。度重なる『黒閃』で潜在能力を解放した虎杖は、そのままもう一度『黒閃』を打つ。続けざまに、彼が柱に触れた途端に現れる『キリトリ線』。

 

 

ーービビッーー

 

『やはり……使えるか』

 

 

虎杖悠仁の中に刻まれた『宿儺』の術式『御廚子』が足場を切り取った。さらに、体勢を崩した『宿儺』の左脚に虎杖が触れ、『御廚子』がその脚を切る。

 

 

ーーバツンッーー

 

 

『宿儺』から見て、虎杖の『御廚子』は出力も低く、障害になるものではない。『赤血操術』も然り。しかし、

 

 

「『黒閃』っ!」

ーーバヂバヂバチッーー

 

 

『御廚子』で崩されたところを『黒閃』で落とされる。この当て感の方がよっぽど厄介だ。『黒閃』は『宿儺』と言えど狙って出せるものではない。

 

 

「『黒閃』ッ!!」

ーーバヂバヂバチッーー

 

 

『宿儺』自身も狙って出すことのできないものを、目の前の人間が引き当て続けていることが煩わしく、腹立たしい。それは興味も引かれないただの人間が、自らに並ぼうとしているようでーー

 

 

『っ』

 

ーーバキッーー

ーーザンッーー

 

 

打撃と斬撃を混ぜ合わせた攻撃をしようと、

 

 

ーーバヂバチッーー

 

 

直接触れて『解』を叩き込もうと、

 

 

ーーバヂバチッーー

 

 

虎杖悠仁は止まらない。

 

 

『小僧ぉッ!!』

 

 

「『黒閃』ッ!!!」

ーーバヂバヂバヂバチッーー

 

 

8度目の黒い火花が散る。それらは全て『両面宿儺』と伏黒恵の魂の境界に打ち込まれていた。これにより『宿儺』は、『黒閃』で戻るはずだった『反転術式』を取り戻す契機を失っていた。危機ではある。だが、『宿儺』は慌てるでもなく、掌印を結ぶ。

 

 

『領域展開ーーーー『伏魔御廚子』』

 

 

それは奇しくも五条悟と同じ掌印。

今回の領域は、掌印を変更した上、五条悟の領域『無量空処』でやられていない脳の部位での術式及び結界の運用により、本来の形ではない『伏魔御廚子』となっていた。一目で分かるほどに歪な形ではあるが、その術式強度は落としていない。絶え間無く降り注ぐ『解』と『捌』で、領域内の全てを解体する。それが『宿儺』の思惑である。

 

 

「シン・陰流『簡易領域』」

 

 

それに対して、虎杖は入れ替え修行で身につけた『簡易領域』にて斬撃に耐えていた。付け焼刃ではあるが、日下部の体で体感したことで完成度は高い。それでもって見るからに不完全な『伏魔御廚子』を耐え抜く。

 

 

ーーザザザザザザザザザザッーー

 

 

時間にして99秒後。

『伏魔御廚子』は崩壊した。

それを好機と見て、各々『簡易領域』で耐えきった高専術師が動き出す。その瞬間、『宿儺』は再び口を開いた。

 

 

 

『『(カミノ)』』

 

『『(フーガ)』』

 

 

 

それは『両面宿儺』の最終奥義。

『解』と『捌』の経てやっと開かれる『竈』。実戦では使いにくい『竈』を『宿儺』は『縛り』をつけることで、その術式効果を底上げしていた。

領域展開中以外での多対一での『竈』の使用禁止。

それにより、『伏魔御廚子』で斬り刻み粉塵と化した全てに『竈』と同等の爆発性の呪力を帯びる。そして、領域範囲内に広がった呪力は超高温と衝撃波、減圧と超加圧で死をばらまく。一瞬で『宿儺』以外の全てを焼き尽くす『万死の炎』。

 

 

『………………?』

 

 

それが放たれる直前、『宿儺』は強烈な違和感を感じた。

領域内において、入った人間の位置はその呪力によって判別できる。禪院真希のような例外はあるが、それでも領域にいる呪術師は勿論、領域内に紛れ込んだ一般人や呪霊の存在も感知する。だから、万死の炎の中に何者かが急に飛び込んできたのにも気づいていた。ただ東堂葵や憂憂の呪力ではない。それは、ここで戦った術師のものではなくーー

 

 

 

ーーーーーーーーにゃぁぁぁーーーーーーーー

 

 

『ほっ!』

 

【挿絵表示】

 

 

 

領域外のビルの最上階から降り立った『ソレ』の姿に、『宿儺』は覚えはない。だが、『ソレ』から醸し出される呪力には覚えがあった。

 

 

 

『や、伏黒きゅん。助けにきたよ』

 

 

 

そこにいたのは『羂索』によって取り込まれたはずの呪術師・『羽々場ねこ』であった。

 

 

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今回も元のねこ同様に紅香様に描いていただきました!
絵師様:紅香様https://skima.jp/profile?id=184673
Xアカウント@kou130km
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