クレヨンしんちゃん りゅうおうのおしごと! 名探偵コナン のんのん日和 嵐を呼ぶ死神のだらぶち日和   作:SOD

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こういうの好き


自己紹介

 

 「母ちゃんおかえり〜」

 「ただいまでしょー」

 

 夕方ごろ、春日部 野原一家にて。

 

 「そうとも言う〜ホイ、これ」

 「え? 何この封筒……」

 

 野原一家の長男、嵐を呼ぶ5歳児。野原しんのすけがアクション幼稚園から帰宅すると一通の封筒を母みさえに手渡してきた。

 

 「玄関に落ちてた」

 「おかしいわねえ……郵便の時間は過ぎてるのに」

 

 不審に思いながらも確認すると、宛先も間違いなく我が家。宛名は野原しんのすけ様。しかし切手も消印も無し。

 

 「誰かのいたずらかしら? 捨てといたほうが……いや、でも幼稚園の友達の可能性もあるか」

 

 違和感を感じつつも、幼稚園児の母としては無垢な子どもからの手紙の可能性を考えると、中身を確認せずに捨てることも出来ず、みさえは丁寧に封筒を開封した。その時。

 

 prrrrrrr……

 

 電話の呼び出し音が鳴り、みさえは手紙をテーブルに置いて受話器を取りに向かった。

 

 「はーいもしもし〜。あら、おケイー」

 

 「………………」←これは長くなるなと思っている。

 

 みさえの代わりにしんのすけが封筒から手紙を取り出し、便箋を拡げた。

 すると…………。

 

 

 「……お?」

 

 

 何も書かれていない白紙。真っ白だ。 

 

 「…………おえかきしようっと」

 

 5歳児にとって白紙の紙など、絵を描くための物でしかない。『おもちゃぼこ』からクレヨンを取り出すと大好きなアクション仮面やカンタムロボ。ぶりぶりざえもん。そして裏側にもクレヨンを走らせる。

 

 その後、友達とのお喋りに夢中になって手紙の存在を忘れたみさえ。お絵描きに飽きてアクション仮面を観ていていつの間にか手紙が封筒ごとなくなっていたことも気付かないしんのすけ。

 両者ともの記憶の中から、手紙は無かったことになったのだった。

 

 じゃ、そういうことで。

 

 

 

 

 

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 「ししょーただいま戻りました!」

 

 リアルに敗北したロリコン棋士の家に、単身押し掛けて弟子になった幼女が元気よく帰宅する。

 

 彼女の名前は雛鶴あい。ロリコン垂涎の小学三年生だ。

 

 「おかえり、あい。

 

 手紙が届いてたぞ」

 

 「ありがとうございます、ししょー。

 

 お手紙、お母さんからかな?」

 

 手紙を受け取ったあいは、封を切って中身を確認した。しかし。

 

 「…………ししょー。この手紙、なんにも書いてないみたいなんですけど」

 

 「え? 何も書いてない手紙?

 

 何だろう、炙り出しかな?」

 

 「炙り出しって何ですか?」

 

 「ミカンの果汁とかで紙に字を書いて、それを火で炙ると書いた文字が浮かび上がってくる……みたいな感じかな。

 

 ちょっとやってみようか?」

 

 「はいっ、よろしくお願いします。ししょー」

 

 二人はキッチンのコンロの火を使い、手紙を炙ってみる。

 

 「こうやって紙が燃えないように火で炙っていくと、段々と文字が浮かび上がって……熱ッッッ!!!??」

 

 「ししょー!?」

 

 無様にも手紙に引火させてしまったロリコンは、手紙を放り投げてしまった。運のいいことに流し台に落ちたので、あいは迅速に水を出して手紙を消火すると、救急箱を取って駄目な師匠の火傷の手当を始めるのだった。

 

 

 ちっ!!

 

 

 

 

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 リコーダーの音が鳴る。  

 そこは壁もなく、車もなく、人もロクにいなく、たまに牛やタヌキが出る。

 

 「…………もしかしてウチ、田舎に住んでるのん?」

 

 田舎どころかほぼ限界集落と言っても良い土地に住む少女、宮内れんげは空を仰ぎ見た。

 

 すると、一枚の封筒がひらひらと舞い降りてきた。

 

 「…………お手紙なのん?」

 

 リコーダーをピカピカの赤いランドセルに差し込んで不規則な軌道で落ちる手紙を難なく摘み、れんげは手紙の宛先を見た。誰かの物なら届けてあげなくては。そんな気持ちで。

 だが、そこに書かれていたのは。

 

 『住所不明 宮内れんげさまへ』

 

 「れんげ。

 れんげ……れんげ…………?

 

 はっ! ウチの名前が書いてあるん!

 

 

 もしかしてこれは…………カラスさんからのお手紙なん!!」

 

 限界集落の少女、カミサマだの天使だのなんて発想は出てこなかった。カラスて……。

 

 

 

 その後、お家に帰って白紙の紙を確認したれんげは……炙り出しや鉛筆の芯を削った粉を吹いて文字が出ないかなどを試した。

 

 が、なんも反応が無かったのでその内大事にしまって存在を忘れるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 日本列島で最も行ってはいけないあの場所……米花町にて。

 

 「ただいまー蘭姉ちゃん」

 

 鎌を持たぬ死神、江戸川コナンが毛利探偵事務所へと帰還した。家主の小五郎は留守にしており、彼を出迎えたのは角の生えた人間、毛利蘭。

 

 「おかえりーコナン君。コナン君宛にお手紙が来てるよ〜」

 

 「うん、ありがとう!」

 

 (この令和の時代に手紙? しかも消印すら無い。妙だな……)

 

 「ぼく、博士のところに行く約束してるから行ってくるねー」

  

 「うん。爆破事件や落下死体に気をつけてね〜」

 

 「はーい」

 

 年間の他殺率グラフが天まで登る勢いの米花町。人も歩けば死体に当たる。これが米花町のニュートラルの挨拶だ。うそである。

 

 

 「………………この手紙、まさか組織の奴らからなんてことは、ねえよな」

 

 

 

 

 

 その後、なんやかんや手紙は紛失した。

 

 

 

 

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 あれからしばらく経って、コナン以外の全員が手紙のことなどすっかり忘れ去った頃……。

 

 

 

 

 

 

 白い壁。白い床、白い天井。飾り気もなければ人の心も感じさせない無感動な部屋が一つ。

 窓が無いので外の様子は伺えず、そもそも何処から入ってきたのか? 壁しか無い完全な密室に、小学生以下と思われる4人の少年少女達が眠らされていた。

 

 特に怪我をした様子もなく、冷たく硬い床で眠らされているだけ。

 寝心地は間違いなく最悪。よほど眠りが深くなければ、嫌でも目が覚める子供も居るというものだ。

 

 「…………んん……っ。ふわぁ……」

 

 最初に目が覚めたのは、長い髪の毛のおさげが特徴的の少女。手には扇子を握りしめている。

 起きると同時に頭が覚醒したようで、周囲を見渡すと異常を悟った。

 

 「--え!? 何でわたしこんなところで寝てるの!?

 

 というか、ここどこ!? し、ししょー! どこですかーししょー!!」

 

 最初に覚醒した少女、雛鶴あいが騒いでいると、すぐ隣で眠っていた紫銀色の髪をツインテールに束ねた少女が目を覚ました。

 

 「んー……もう朝なのん?」

 

 眠たそうな目をして起き上がると、眠そうな目からは想像出来ないくらい元気に、とうっと立ち上がった。

 

 「ん〜見かけない部屋なんなー。ねえねえもいないんなぁ。

 見れど暮せど知らない人だらけ…………はっ! まさか、これが噂に聞く誘拐!

 

 ウチ、身代金要求されるんな!!」

 

 

 

 

 (………どうやら女の子二人は、目を覚ましたみたいだな…)

 

 実は少女二人が目を覚ますよりずっと早く意識を覚醒させていたメガネをかけた少年は、身体を横にしたまま動かずにいた。

 

 (誘拐なんてもう慣れっこだが……まるで見覚えの無い子供が3人も集められているこの状況。まさかこいつら全員、黒の組織のクスリの被害者なんてことはねえだろうな?)

 

 

 

 そして、四人のうち最後の一人の少年は………

 

 

 「zzz……zzz……アヒェヘヘヘヘ。いや〜ん。キレイな水着のおねいさんがいっぱい〜オラ困っちゃうゾ〜エヘエヘエヘ……zzz……zzz……」

 

 クネクネと身をよじらせ、完全に夢の世界の楽園を満喫しきっていた。

 

 「どうしよう…ドアも窓も見当たらない……閉じ込められちゃってる」

 

 「んー……こういう時にワルモノが仮面付けて現れるテレビもないんなー」

 

 (つまり、犯人はいずれどこかにある出入り口から現れるハズだ……。

 こんな場所を用意する資金やツテがある奴が、閉じ込めて終了な訳がない。脱出の機会はあるはず……)

 

 メガネの少年は、眠ったフリを続けながら、自身のベルトを確認している。

 

 

 しばらくすると、少年の読み通り……または眠たげな眼の少女の期待通りに。扇子を持った少女の認識を裏切って。部屋の壁の一部に窪みが空き、そこからモニターが現れた。

 

 映っているのは、いかにもなペルソナをつけた、太った大人だった。きっと臭い。

 

 

 『デュフフ……ゴホン。

 や、やあ(上擦った声)。未来と、しゃ……才能ある少年少女たち。御機嫌如何かな? ぼ、わ、わたしはこの世界の未来を憂いる者--サッドマンだ。』

 

 

 「おおー! 壁からテレビが出てきたのん!!

 秘密基地みたいなんなー!」

 

 (……………黒の組織かと思って警戒してたら、何だアイツ。

 オレ……こんなのに気配も無く眠らされて拉致されてたのか……?? オイオイ……)

 

 「エヘヘへ……おねいさぁ〜ん……zzz」

 

 

 色んな意味でショッキングな映像に各々が反応していた中、画面の中の奴にビシッ! っと指差して会話を始めたのは、雛鶴あいだった。

 

 

 「世界の未来をうれいてーー? いたら! 何で私たちが誘拐されなきゃならないんですか、小太りのオジサン!!」

 

 『こぶ……あの、サッドマンです……』

 

 自称サッドマンの反論など気にもとめず、あいは言葉を続けた。

 

 「誘拐は犯罪ですよ! 世界の未来をうれいていたら犯罪に手を染めてもいーんですか? 世界の前に自分の将来をうれいるべきなんじゃないんですかぁ〜?」

 

 若干煽るように正論をぶつけるあい。容赦の無い一撃はサッドマンにクリーンヒットし、愕然とさせた。

 

 「うーん。もう少しかっこいい犯人を想像してのに、かっこ悪くて残念なんなー……」

 

 『ぐふっ!???』

 

 追い打ちとばかりにれんげがポロリと溢れた本音。かいしんの一撃だ。

 

 「だいたいそのカッコつけてるつもりの仮面が全然似合ってないんですよ! おひげの剃り残した二重あごが目立ってますよ!!」

 

 「太ってるのは健康に良くないのんな。ダイエットするのん」

 

 「あと背後にジュースの缶とかカップ麺の食べ残しとか映ってます! 汚いから掃除してください!!」

 

 「お家は綺麗にしないとダメなんなー」

 

 「頭にフケが付いてるのも凄く不快です!」

 

 「お兄さん、お風呂が怖いん? ウチがビニールプール貸してあげるんなぁ」

 

 

 

 『う……うわあああああああーーーーん!!!!』

 

 

 

 少女たちの連撃についに心が耐えられなくなったサッドマンは、モニターから姿を消してしまった。モニターそのものは消されていないので

 

 “たけしー!! アンタうるさいよ! 今何時だと思ってんだい!!”

 “おめえこそうるせえんだよクソババアー!! こんな陰キャに産みやがってえええー!!”

 

 “親に向かってその口の聞き方は何だクソガキゴルアアアアアアアアアアァーー!!!!”

 

 “ぎゃああああーー!!? ママ許ちてええええぇーー!!!!”

 

 などと微笑ましい家庭内会話が漏洩するのだった。

 

 「………………」

 

 こんな犯人にマジに警戒していた自分が恥ずかしくなったのか、メガネの少年は寝たフリをやめてカラダを起こした。

 

 「おっ。寝てる子が起きたのん。にゃんぱすー」

 

 「え? にゃ、にゃんぱす??」

 

 「こんにちは。わたし、雛鶴あいです。

 突然だけど、あなたはここが何処か分かるかな?」

 

 「ウチは宮内れんげです。れんちょんって読んで欲しいのん!」

 

 「オレは江戸川コナン。ここがどこかは、悪いがさっぱりだな」

 

 「そうだよね……。やっぱり私たち、誘拐されちゃったんだ。

 

 ………あんなのに」

 

 「仕方ないんなー。人生いろいろあるん。誘拐されることもありえるんな。

 

 あんなのでも」

 

 「ハハハ……」

 

 

 (だがその通りだ。()()()()でもオレたちは誘拐されて、脱出どころか、出口すら見当たらない部屋に閉じ込められている。

 

 あの芝居の台本を読もうとしてグダグダになっているところを見ると、犯人は典型的な中二病のダメ人間。自分がまだ本気出してないだけって言って現実から目をそらし続けて来たタイプだ。

 

 そんな人間が、子供サイズとはいえ四人も無傷で誘拐に成功しているところを見るに、共犯者……あるいは、あの犯人を操っている奴は確実にいる。そうでなければあの歳で実家に住んでいるような人間に、こんな場所を用意出来るはずがない)

 

 「とりあえず、そっちで寝ている奴も起こして、状況を整理しようか」

 

 「そうだな」

 

 三人は簡単に自己紹介を済ませると、未だ幸せな夢の中の坊主頭の少年に意識を向けた。

 

 「ポンポン。おーい。起きるのーん」

 

 「zzz…zzz……」

 

 「うーん……全然起きないのん。」

 

 「しゃーねえなぁ、起きるまで放っておくか」

 

 「けど、それじゃあ風邪引いちゃうのんな。むぎゅ」

 

 少女は一人幸せな夢を視ていた少年の鼻を摘むと、そのまま口元を自身の小さな手で覆った。

 

 

 「zzz…………? …………??

 

 〜〜!? 〜〜!!?」

 

 少しして少年がジタバタし始めたところで、少女は手を離してすうーっと息を吸い……。

 

 「ーーにゃんぱす~!!!!」

 

 

 「ほわぁああああーーー!???」

 

 

 元気な声で挨拶をしたところで、ようやく少年が目を覚ましたのだった。

 

 

 「凄い力ワザだね……」

 

 「ハハハ……ガキは容赦ねえなぁ……」

 

 容赦のない起こし方だったが、幸い坊主頭の子どもは目を覚ましたようだ。

 

 

 

 「うう〜ん……母ちゃんより起こし方に容赦が無い……まいっちゃうゾ」

 

 

 

 「起こしましたー」

 

 ドヤ顔で二人に報告する少女であった。

 

 「………お? ここどこ?

 オラ水着のおねいさん達といたはずなのに」

 

 「それは夢だろ」

 

 「なんですと!? これはもう一回眠っておねいさんたちと運命の再会を……」

 

 「したらウチがもう一回起こすのんな〜」

 

 「--と思ったけど、オラこれから起きる予定があったんだった」

 

 流石にあの起こし方をもう一回されるのは勘弁願うところらしい。

 

 「おりこうさんなん」

 

 「それで、みなさんお揃いで何でこんなとこにいるの?」

 

 「みんな、気が付いたらここにいたんだよ」

 

 「ついさっきまで誘拐犯の顔も映ってたんだがな……」

 

 メガネの少年が向けた目線の先には、先程のモニター。

映し出されるのは、いかにもな子供部屋おじさんの汚部屋。ファンシーな動物の壁紙などモロである。

 

 「うわぁ…………汚い部屋だゾ。オラんちの押入れといい勝負してる」

 

 「カップ麺や飲み物の食べ残しが置いてある押入れなんて、あると思いたくないよ」

 

 「わっかんないゾ? 母ちゃんケツデカ三段腹ババアだから。こっそり隠れて食べてるかもしれないし〜」

 

 (その母親がいたら、今頃ぶん殴られてるだろうな……)

 

 「とにかく、お前の家の押入れはいいよ。

 

 まずは自己紹介しようぜ?」

 

 「そうだね。またあのオジサンが出てくる前に済ませちゃおう。

 

 

 改めて、わたしは雛鶴あいです。小学校3年生です」

 

 「にゃんぱすー。ウチ、宮内れんげです。小学一年生なん」

 

 「オレは江戸川コナン。小学一年生だ」

 

 

 

 「オラ、野原しんのすけ。5歳。しんちゃんって呼んでね」

 

 

 

 

 こうして、住む場所も環境も年齢もバラバラな子供たち4人は知り合った。

 

 これから先、こんな気の抜けた事態からは想像もつかない程の苦難に襲われるとも知らずに…………。

 

 

 

 

 

 

 クレヨンしんちゃん&りゅうおうのおしごと!&のんのん日和&名探偵コナン 〜嵐を呼ぶ死神のだらぶち日和〜

 

 

 始まります。

 




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