遊戯王SEVENS If continue OCG 作:テトラポッド
放課後、遊我は全速力で自転車を漕いで校門を出ようとしていた。
校門にはルークの姿があった。
「王道遊我だな」
遊我は自転車を止める。
「と・・・。君は隣のクラスの」
「ゴーハ7小ナンバーワンデュエリスト、上城龍久」
彼はデッキケースを構え、キメポーズをとった。
「ルークと呼んでくれ」
「お、おう・・・」
「ちょっと顔を貸してくれないか」
「えっ?悪いけど忙しいんだ。また今度」
遊我は電動自転車を漕ぎ始める。そこにルークが手をかざす。
すると、自転車が止まった。
「ん?あ・・・あれ故障?」
おかしい、と自転車を確認しようとすると自転車をのぞき込むと上から声がかかった。
「お前の新しいデュエルシステムをインストールするのにふさわしい場所を」
遊我は頭を上げるとルークと目が合う。
「俺は・・・、知っている」
この時、遊我の頭からはとっくに学人との約束は抜け落ちていた。
「遊我くん遅い!ムッ、ムムム!」
彼の視線の先には学校から出ていく遊我とルークの姿があった。
▽
夜のゴーハ市、そのとある一角に遊我とルークがやってきていた。
「見違えるほど大きな月、充ち満ちる時そのデュエリスト、未知なる道を切り開き、世界を繋ぐデュエルの王となる」
遊我は何言ってんのこのポエマーといった感じにルークを白い目で見ていた。
「お前も一度は聞いたことがあるだろう?」
「いや、全然」
「あ る の!こういう伝説が!」
都市伝説だと遊我は内心思っていたが、彼自身、つい最近宇宙人と友達になった身。
否定する材料はないかな、と思わず溜息が出た。
▽
「ずっと昔、ゴーハ社のエンジニアがデュエルのシステムに秘密のドアを作った」
とあるビルの地下に続く扉を開け、ルークはポツリポツリと話し始めた。
「それを見つけた者はデュエルの王になれるらしい」
「デュエルの王?」
遊我は一瞬、王になった自分の姿を想像する。
「べ、別にそういうの興味ないけどね」
「めちゃめちゃありそうだぞ」
ルークは嘆息しながらも石板を指し示す。
珍しく彼の表情は硬い。遊我も何かあるかと思い身構える。
「見てろ」
突如、石板が青く輝き、白い服の仮面の男が姿を現した。
「1週間前、やっとここを見つけた俺はコイツに勝てば、デュエルの王になれると思ったんだ」
ルークは男をにらみつけ、話を続ける。
「だが、ヤツの課したデュエルのルールはあまりにも過酷だった」
「過酷?」
「制限時間付きのデュエルだ。コッチの持ち時間はたったの7秒!」
「7秒!?」
「普通に戦ったんじゃ時間切れであっという間に負ける。だけど今日、学校でお前の話を聞いて思いついたんだ。伝説にある未知なる道を切り開きってのは・・・」
「そうか!新しいデュエルシステム!?」
それに、月が充ち満ちる時間とこの場所。
それから宇宙の力を借りた"ラッシュデュエルシステム"の性質上、うまくいく可能性がある。
でも、と遊我は肩を落とす。
「でも僕、インストールには5回失敗しているんだ。あと1回でアカウントはBANされちゃう」
もし失敗したらと思うと足がすくむ。
そういう思いを遮るかのようにルークは自身のデュエルディスクを男に向ける。
「その最後の1回、これにかけてみないか?」
そうして遊我は気づく。
「あっ!ルーク、君は・・・」
「俺にはできなかった。だがお前ならきっと、この窮屈なデュエルの世界を変えられるに違いない!」
その言葉に遊我に熱いモノが込み上げてくる。
「いいね!やってみよう!」
『フッ』
遊我がデュエルの覚悟を決めた時、場違いな声がイセキに響いた。
「遊我くん!放課後、生徒会室に来るように言ったはずで・・・」
そこで学人は、ハタと気づく。目の前には謎のホログラムのマスクマン。
「って、何ですかこれは~!」
ルークは闖入者の出現に溜息を吐く。
「大人しくしていろ。今から一世一代の大勝負が始まるんだからな。ギャラリーは多い方がいい」
更にルークは遠くの柱の影に呼びかけた。
「そこのお前もな」
柱の影からギターケースを担いだ少女が前に出た。
「なんだ、気づいていたの」
「霧島ロミンくん!?」と、学人。
「小学生バンドの人気ギタリストまでもがデュエルの王をねらってたとはな」
「デュエルの王なんて興味ないわ。上のビルでギターの練習をしていただけよ」
闖入者はまだ続く。
『警告 警告 不正なアクセスを検知しました。コレよりここにいる全員にペナルティーを課します』
ドローンだ。その言葉に学人は頭を抱えて焦る。
「ペナルティーですと!」
「はー!はっ!」
ルークがドローンに手を翳すとドローンはピタリと動きを止めて墜落した。
「えっ!」「何したの!?」
「フッ、実は俺の魂は悪魔に憑かれてて・・・」
驚く2人にドヤ顔でルークは解説を始めるが、そこに遊我が口を挟む。
「それはパウリエフェクトだね。ギャラリーも揃ったし、最後のデータのインストールといこうかな」
デュエルディスクを構え、仮面の男に向き合う。
「話の途中なのに・・・パウリエフェクト?インストールまだなのに何でデュエルディスクを構えているんだ?」
首を傾げるルークに対し、ロミンはあっ、と声を上げる。
「そっか、『リアルタイム・デュエル・プログラミング』!」
「そういう事。未完成のシステムに2人のデュエリスト、答えはソレしかないよね」
このやりとりに疑問を覚えたルークはロミンに声をかける。
「お前、デュエルに興味ないんじゃなかったっけ?」
「きょ、興味なんてあるわけないじゃない」
挙動不審なロミンに違和感を覚えるも、ルークは肝心な事を解決できていない事を思い出した。
「で、結局制限時間7秒はどうすんだよ」
「「7秒!?」」
「へへっ、まぁ見ててよ。リアルタイム・デュエル・プログラミングを起動!」
「起動を許可する」
仮面の男はデュエルディスクを構え、そう宣言した。
「さあ、勝負だ!」
「「デュエル!!」」
遊我の先攻だ。今から起こる事に緊張しながらも興奮を隠すように大きく息を吸い込む。
「僕のターン、さあいくぞ!ラッシュフェイズ!」
そう声を張り上げると、半球の透明なバリアが遊我の周りを包み込んだ。
「7秒なんて何もできないじゃないですかー!」
学人の叫びも当然だ。何が起こるのか身構える3人に対して、動いたのは予想外の人物。
「私のターン、ドロー!」
「仮面の男・・・?どうしてだ?今は遊我のターンじゃ・・・」
「フッ、少年はおもしろい事をするな。彼のフィールドをよく見るがいい」
3人は目を凝らすと遊我のフィールドに獣に、魔法使い、弓手、3体のモンスターが既に召喚されている事に気づいた。
《ダーク・ソーサラー》ATK1500
《魔獣ウォルフラム》ATK1100
《スペル・アーチャー》ATK1000
伏せカード2枚
「ずっと目を離さなかったのに!いつの間に!」
目を丸くするロミンに、遊我はこう答えた。
「これが僕の、僕らが作り上げた“ラッシュデュエルシステム”の一角。“ラッシュフェイズ”さ。ラッシュフェイズ中、この空間の時間は777倍の速度で流れたんだ!」
「「「え~~~!!!」」」
驚く一同。その中でいち早く冷静になってきたのは学人。
「時間加速ですって、そんなもの非科学的過ぎます!小学生ができるものじゃないでしょう!?」
時間加速は現代科学ではあり得ないのが常識。
だが、遊我は現代科学の物差しで図れない者とコンタクトを取っている。
「宇宙人の友達が協力してくれたんだ」
彼の瞳の奥には浮世離れした宇宙人の姿があった。
遊我の妄想のような言動に唖然とする3人。
「・・・デュエルを続けよう」
「あ。クールぶっているけど、アンタも驚いているんだろ」
「私達のデュエルディスクはデュエルを介して相互リンクしている。この意味が分かるか」
「おい、無視すんな!」
ルークが脇で暴れているのを尻目に遊我は次の行動を予測して、目をすがめる。
「ではこちらも。ラッシュフェイズ!」
仮面の男のディスクからも半球状のドームが広がり、遊我のドームとつながり、ルーク達を覆うような大きなドームが出来上がった。
「フンッ、私は《砦を守る翼竜》(☆4 ATK1400)と《ベビー・ドラゴン》(☆3 ATK1200)を召喚!」
「2体のモンスター!?」
「ありえません。デュエルモンスターズでは通常召喚は1ターンに1度の筈では?」
「ラッシュフェイズではありえるのさ。“ラッシュモンスター”はラッシュフェイズなら1ターンに何度でも召喚できるんだ!」
皆の反応に対し、遊我は得意気に解説していく。
「最初からアクセル全開!猛スピードでロードを突っ走る!」
ここでロミンが、はたと気づく。
「そういえば、カード何か違くない?星がたくさんあったけど数字になってる」
「ムム、本当です。《砦を守る翼竜》ですと、☆☆☆☆となるところが☆の中に4と書かれています。これは一体・・・」
「委員長、良く気づいたね。ラッシュモンスターは普通のモンスターと枠やステータスの書き方が違うんだ。ちなみに種族の横に“ラッシュ”って書いてあるよ」
「つまり、こういう事ですね↓」
《砦を守る翼竜》(OCGver) 風属性
☆☆☆☆
【ドラゴン族/通常】
ATK1400 DEF1200
↓
《砦を守る翼竜》(ラッシュver) 風属性
【ドラゴン族/ラッシュ/通常】
「確かに違うな」
「でも、こんなカード売られていないはずですよね」
「そうさ。普通のカードの上にソリッドビジョンで貼り付けてあるんだ」
遊我はそう解説した後、眼前のドラゴン達を見据える。今はまだデュエル中だ。
「フム、最初から複数のモンスターを召喚できるとは中々、新鮮。これはダイナミックなデュエルになりそうだな」
「そのとおり。ラッシュフェイズならスタートから超気持ちいいんだ!」
「フッ、では《砦を守る翼竜》で《魔獣ウォルフラム》を攻撃!『火球の飛礫』!」
「甘いね。トラップカード発動!《火の粉のカーテン》!攻撃してきたモンスターの攻撃力を500下げるよ」
《砦を守る翼竜》ATK1400→900
炎の玉を魔獣は避け、翼竜の首元に食いついた。
「ムゥ」
仮面の男LP4000→3800
「トラップカードを上手く使ったな。私は攻撃していない《ベビー・ドラゴン》をリリースし、レベル5の《カース・オブ・ドラゴン》(ATK2000)をアドバンス召喚!」
「アドバンス召喚もできるのか。だけど、どうして攻撃前に召喚しなかったんだ?」
ルークの疑問も最もだ。予め《カース・オブ・ドラゴン》を召喚していれば、更に追撃できたはずだ。
その理由はラッシュフェイズの特異性にある。
「まだラッシュフェイズの真価は発揮していない。そうだろう?私は《カース・オブ・ドラゴン》で《魔獣ウォルフラム》を攻撃!【ヘル・フレイム】!」
赤黒い火球が獣を焼き焦がした。
「2回目のバトルフェイズですと!?」
王道遊我LP4000→3100
「くっ!ラッシュフェイズはメインフェイズとバトルフェイズが合体しているんだ。ラッシュフェイズ中ならいつでも召喚や攻撃ができる!その代わりにアドバンス召喚する場合は攻撃後のモンスターをリリースできなくなるけどね」
モンスターの召喚とバトルのタイミングが別になっているなんてキュークツだ。遊我はそう考えてこのルールを作り上げたのだ。そもそも無理やりフェイズを入れ込んだ弊害でもあるのだが。
「へぇ、ラッシュデュエルシステム・・・。なかなか、おもしろそうだ」
ルークはこんな状況ながらもそう宣った。生粋のデュエリストであるルークにとって大量に並ぶモンスターに召喚とバトルが入り乱れるこの“ラッシュデュエルシステム”はとてもワクワクさせてくれるのだ。
「レジェンドマジックカード《天使の施し》を発動。カードを3枚ドローし、2枚捨てる。《フェアリー・ドラゴン》(☆4 ATK1100)を召喚」
羽が生えたような蛇が姿を現した。
「また、モンスター!?」
「《フェアリー・ドラゴン》で《スペル・アーチャー》を攻撃!」
王道遊我LP3100→3000
「カードを1枚セット。フフフ、ターンエンド」
仮面の男 LP3800
フィールド:《カース・オブ・ドラゴン》、《フェアリー・ドラゴン》、伏せカード1枚
手札0枚
「次は遊我くんのターンですが、手札がありません!どうするんですか!」
「まぁ、あわてんな。遊我の場にはモンスターが残っているし、伏せカードだってある。手札1枚だって大丈夫だろ」
焦る学人にルークはそう冷静に返す。だが、遊我からはルークが想定していた答えと全く異なる答えが返ってきた。
「ドローできる手札は1枚じゃない!僕のターン、ドロー!」
引いたカードは5枚。
「なっ!」 「何をしているんですか~!?」
「ドローは1ターンにつき1枚、それがルールです」
「ラッシュデュエルシステムは違う!自分フィールドと墓地のカードがラッシュカードのみの場合、手札が5枚になるように何枚でもドローできる!」
「そうか!
遊我はルークの言葉を受けて得意げに頷く。
「序盤から一気に盛り上がる。そしてどんなピンチでも、大量ドローができるから常に逆転の可能性がある。それがラッシュデュエルシステム!」
皆へと振り返り、こう続ける。
「すっごく楽しいデュエルだと思わないかい?」
正面を向き手札からカードを選び、手に取る。
「まずは、マジックカード《マジカル・ストリーム》。伏せカードを破壊するよ」
「ホゥ」
「僕は《ジェスペル・ウィザード》(☆4 ATK1300)と《エアロ・ソーサラー》(☆4 ATK1500)を召喚!」
現れたのは黒と緑の衣の魔術師。
「僕はさっき出した2体のモンスターをリリースしてアドバンス召喚!」
これより現れるのは王道遊我の相棒。
「ゆく手を阻む壁も山も惑星も!ロードを切り開いて突き進む!いくぞ!《セブンスロード・マジシャン》!」
《セブンスロード・マジシャン》 闇属性
【魔法使い族/ラッシュ/効果】
(1):デッキの1番上のカードを墓地に送って発動する。自分の墓地のモンスターの属性の種類1つにつき、このカードの攻撃力はターン終了時まで、300アップする。
「セブンスロード・・・」 「マジシャン」
「これがお前のエースモンスターか、遊我!」
背後に七つの光の文様を従え、現れたのは片目を隠した黒き衣の少年魔法剣士。
その姿は親しみやすさがありつつも、どこか頼もしさをみんなは覚えていた。
「ここで一気にダメージを与えるよ。デッキトップを墓地に送ってセブンスロードの効果を発動!『エレメンタルロード』!墓地の属性は闇・炎・風!属性1つにつき攻撃力を300、つまり攻撃力は900アップする!」
捨て札:《セブンスロード・ウイッチ》
《セブンスロード・マジシャン》ATK2100→3000
「攻撃力3000!」「これで大ダメージだ!」
「まずは《ダーク・ソーサラー》で《フェアリー・ドラゴン》を攻撃!」
仮面の男LP3800→3400
「いくよ!《セブンスロード・マジシャン》で《カース・オブ・ドラゴン》を攻撃!『セブンス・マジック』!」
少年魔法使いの背後に再び7つの光が灯り、それぞれが《カース・オブ・ドラゴン》に殺到した。
「むぉ!」
仮面の男LP3400→2400
「よしっ!カードを1枚セットしてターンエンド」
王道遊我 LP3000
フィールド:《セブンスロード・マジシャン》、《ダーク・ソーサラー》、伏せカード1枚
手札:0枚
「私のターン、5枚ドロー!」
「仮面ヤローも大量ドローしやがったか」
苦々し気に吐き捨てるルーク。仮面の男はニヤリと笑みを浮かべる。
「逆転に次ぐ逆転。確かに面白い。だが、まだまだだ。私がデュエルモンスターズの底力を見せてやろう!メインフェイズ!」
「「「「メインフェイズ!?」」」」
この局面に来て、ラッシュデュエルからの脱却はさしもの遊我も想定外だ。
だけど、ゲームシステムとしては想定の範囲内だ。
今までのデュエルモンスターズとの共存も、ラッシュデュエルシステムの目標の1つ。
このデュエル中に来るとは思わなかったけど、そう遊我は独り言ちた。
「私の墓地のモンスターに同名カードはなく、墓地のモンスターは5枚以上。手札からレベル8《影星軌道兵器ハイドランダー》(ATK3000)を特殊召喚!」
多頭の首を持つおどろおどろしい姿の機械竜が舞い降りた。
そう、ラッシュカードにならないカードもあるのだ。
事実、実験では母親から借りた《黒魔女ディアベルスター》のカードもラッシュカードのテクスチャを貼り付けられなかった。
どのカードがラッシュカード化するのか遊我にもわからない。ステータスが低いカードが変わりやすい法則だけは見いだせたが
「ソイツは相手のカードを破壊する凶悪なモンスターだ!遊我!」
「うん!トラップカード発動!《エクスキューティー・ライディング!》。《影星軌道兵器ハイドランダー》の攻撃力を1800ダウンさせて、墓地から《セブンスロード・ウィッチ》(☆6 ATK1600)を特殊召喚!」
《影星軌道兵器ハイドランダー》ATK3000→1200
「ラッシュカードの伏せカードはメインフェイズやバトルフェイズでも使えるんだ!逆は無理だけどね」
ラッシュフェイズの亜光速のデュエルには通常のカードはついてこられないのだ。
「デッキトップ3枚を墓地に送り、《影星軌道兵器ハイドランダー》の効果で《セブンスロード・マジシャン》を破壊する!」
頭の内の1つの眼に赤い光が灯ったかと思うと、次の瞬間レーザーが《セブンスロード・マジシャン》を貫いた。
「《セブンスロード・マジシャン》!」
「まだだ。《竜の尖兵》(レベル4 ATK1700)を召喚!手札から《アナザー・バース・ドラゴン》を墓地に送ることで攻撃力が300アップする!」
《竜の尖兵》ATK1700→2000
「速攻魔法《銀龍の轟咆》を発動!甦れ!レベル8《アナザー・バース・ドラゴン》(ATK2500)!」
この世界のモノとは思えない
一般販売されていない激レアカードの1枚だ。
「バトルフェイズ!《竜の尖兵》で《ダーク・ソーサラー》を攻撃!」
竜人の槍が魔術師を貫く。
王道遊我LP3000→2500
「《アナザー・バース・ドラゴン》で《セブンスロード・ウィッチ》を攻撃!」
紫色のブレスが魔法少女を消し飛ばした。
王道遊我LP2500→1800
「くそっ!」
だが、遊我の前にドラゴンの頭が幾頭も迫る。
「《影星軌道兵器ハイドランダー》でダイレクトアタック!」
様々な方向からレーザーが遊我を捉えた。
「うわぁあああ!」
王道遊我LP1800→600
「メインフェイズ2に移行し、《ドラゴニック・タクティクス》を発動!《アナザー・バース・ドラゴン》と《竜の尖兵》を墓地に送り、デッキからレベル8《ブラック・ホール・ドラゴン》(ATK3000)を特殊召喚!」
黒い恒星から上半身だけのドラゴンが現れた。
「このカードはカードの効果で破壊されない。更に《ブラック・ホール・ドラゴン》は特殊召喚成功に成功したターンのエンドフェイズに《ブラック・ホール》1枚を手札に加える。ターンエンド」
仮面の男 LP2400
フィールド:《影星軌道兵器ハイドランダー》、《ブラックホール・ホール・ドラゴン》
手札2枚(内、1枚は《ブラック・ホール》*4)
「ムムム、まずいですよ遊我くん。このままでは次のターンに《ブラック・ホール》を発動されて負けちゃいますよ!」
「ああ。しかも《ブラック・ホール・ドラゴン》は効果破壊されない。どうするんだ」
攻撃力3000が2体並ぶマズい状況だ。遊我にとってこれを超える方法はたった1つ。
「攻撃力5400以上のモンスターで攻撃する。コレが僕の勝利へのロードだ!」
「えぇ~~~!」
「幸いなことに、ハイドランダーの効果はラッシュフェイズには発動できない。ラッシュフェイズではラッシュカード以外のいかなるカードも発動できないからね」
最も《ブラック・ホール・ドラゴン》のような耐性などの永続効果は有効である。
「ボクのターン、ドロー!」
運命のラストドロー。遊我は今から2つ、いや3つの賭けに勝たなければならない。
だが、表情は厳しい。まだ1つしか条件は満たしていない。
「まずはレジェンドマジック《死者蘇生》を発動!再びいくぞ!《セブンスロード・マジシャン》(☆7 ATK2100)!」
「来たな《セブンスロード・マジシャン》!」
「《ミスティック・ディーラー》(☆3 ATK1000)を召喚。手札から《魔剣士アンサラー》を捨て1枚ドロー!」
遊我は引いたカードに闘志と共に笑みを浮かべる。
「次だっ!マジックカード《ハイマジック-ダブルアクセル》を発動!墓地の《セブンスロード・ウィッチ》と《魔剣士アンサラー》をデッキに戻し、《セブンスロード・マジシャン》の攻撃力を2倍、2100アップ!」
《セブンスロード・マジシャン》ATK2100→4200
「後、1200!」
「いや、あと300だ。セブンスロード・マジシャンの効果で900は攻撃力アップできるんだよな」
「流石ルークだね」
「遊我くんの墓地のモンスターの属性は炎、風、闇。あと1つの属性ですね」
そこにロミンが《ミスティック・ディーラー》を指さす。
「あのカードは水属性って書いてあるけど。墓地?に行けないの?」
「いきなり、墓地には・・・。待ってください。遊我くん、手札に上級モンスターはありませんか?」
それができれば4属性が揃う。
しかし———、
「手札に上級モンスターはないよ。だけど、属性を追加する方法なら1つある!」
仮面の男を見据え、デッキトップに手を近づける。
「そうか!効果の発動にデッキトップ1枚がコストになる」
「水、地、光3属性の内、どれかならいけるってことか!」
「そのとおり!《セブンスロード・マジシャン》の効果を発動!『エレメンタルロード』!」
「チャンスは・・・」 「一度だけ!」
捨て札:《ルミナス・シャーマン》光属性
「来た!光属性!」
「攻撃力5400!」「遊我くん!」
「《セブンスロード・マジシャン》で《影星軌道兵器ハイドランダー》を攻撃!」
少年魔法剣士の剣に光が収束していく。
「切り開け!僕のロード!『セブンスマジック』!」
大きな光が周囲を包み込んだ。
「うおおおお!」
仮面の男LP2400→0
【Rush Duel Systm Installed】
「インストール・・・できた?」
遊我は夢見心地のように感じた。
だが、これは夢ではない。
「すげぇ、すげぇよ。遊我」「やったー。やりましたー」「おめでとう」
皆からの祝福。この声は夢なんかじゃない。
「アハハハハ!」
更にもう1つ。
「見事だ!今ここに新たなロードが開かれん」
意思でできたような巨大な門が現れた。
「ロード?」
何故、ロードという言葉が、ここから?遊我は疑問に思うが、けたたましくなった電子音がその思考を打ち消す。
デュエルディスクを見ると、ペナルティが消えていった。それだけではない。
「なんですかコレ!?」「うぉおおお!」
学人とルークは懐から光輝いているデッキケースを取り出し、中を見る。
それは遊我のデッキにも起こっていた。つられて中を確認する。
《セブンスロード・マジシャン》 闇属性
【魔法使い族/ラッシュ/効果】
(1):1ターンに1度、デッキの1番上のカードを墓地に送って発動する。自分の墓地のモンスターの属性の種類1つにつき、このカードの攻撃力はターン終了時まで、300アップする。
デュエル中でもないのにカードがラッシュカードになっていた。
2人とも同様のようだ。
「開かれた・・・。僕のロードが!」
この現象はゴーハ市全域で起きていた。
規模はどの程度だったか、この時はまだ誰も知る由はなかった。
そして、彼にも———。
遊我の秘密研究所に突き刺さった宇宙船その上に、彼、ユウディアス・ベルギャーの姿があった。
「やったな、遊我。これで新しいロードが始まる」
彼のデッキケースは
通常罠/ラッシュ
(1):相手モンスターの攻撃宣言時、攻撃モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで500ダウンする。
(OCG ver)
速攻魔法/ラッシュ
(1):このカードは自分フィールド上に魔法使い族モンスターが存在する場合にフィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。
(OCG ver)
通常罠/ラッシュ
(1):相手が効果モンスターを表側表示で召喚・特殊召喚した場合、そのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力以下の自分の墓地のモンスター1体を選び、自分フィールドに表側攻撃表示で特殊召喚する。その後、相手フィールドの表側表示モンスターを2体まで選んでその攻撃力をターン終了時まで1800ダウンできる。
(OCG ver)