この学生、元放置提督 世界が変わっても、やることが変わっても、いつも通りにする。ただそれだけ 作:七福えると
雪風(元師)「司令官さん!こちらの設営準備終わりました!後は当日になればテントを建てるだけで出来ますよ!」
「うーし。お疲れ。じゃあ今日は休みな。どうせ開催までまだ2週間以上あるんだし」
雪風(元師)「分かりました!じゃあ今日はここに失礼します!」
「…ん?これで失礼します。じゃなくてここに失礼します?」
雪風(元師)「はい!元帥から鎮守府公開祭の間はここでお世話になるようにとのことです!」
「……ねぇ、なんか聞いてる?」クルッ
電「電は特に何も」
大淀「私もです」
電話『トゥ〜ルルルるる。トゥ〜ルルルるる』
「元帥から貰った携帯からか」ピッ
元帥『提督。元気か?』
提督「元気も何も…」チラッ
窓の中に元帥『ん?どうした?まさかこんな距離なんだから電話をするなとでも言いたいのか?』
「
元帥『雪風だけじゃないぞ。他にも数名そっちによこす』
「はぁ?どうして?」
元帥『妨害工作を受けんためだ』
「妨害工作?」
元帥『あぁ。お前は知らんだろうが、私達が戦争しているのは深海棲艦だけじゃない。まぁ戦争と言っても情報戦が主だが』
「あー…。つまるところ、外部からの何かしらの攻撃を受けていると。で、それを今回の件で利用されない為にも、何人かは残しておくって事ですか」
元帥『そういう事だ。ちなみにどんな奴がいるか聞きたいか?』
「そこまで興味は無いですが…じゃあ一人だけ」
元帥『ふむ。そうだな。今はイギリスとロンドンに拠点を構えてる人間…と言うには怪しい奴がいる。ソイツの部下は吸血鬼と呼ばれる不死の軍勢を「待て待て待て待て」ん?』
「え。何?世界ってそんなやべぇ奴がいるって明確に分かってるんです?っていうかどうして放置してるんですか?」
元帥『放置とはなんだ。そんな事してないぞ。我々海軍とは別の機関が対応しているだけだ』
「あっはい。もう良いです。これ以上聞いたら関わることになりそうで」
元帥『そうか?お前ならもう関わってると思ったが。といってもアイツはまた別だから会わんか』
HEL◯S◯NGかよ!?つーか関わってる奴がいるかも知れんってなんだ!?別機関って事はまさか教会の…?
「
元帥『あるぞ。たまにその人本人が指導をしている事もある』
「ヒュッ…」
電「…司令官さんの顔、信号機みたいにチカチカ変わりますね」
大淀「まるで嘘のつもりで言った言葉が現実になったオオカミ少年みたいな……」
電「あぁ。顔色がまさにそれなのです」
雪風(元師)「面白い方ですね!」
元師『ちなみに海軍に所属しながら深海棲艦以外相手に戦っている者は何人もいるぞ。というより殆どがそうかもしれんな』ハッハッハ
「笑えんわ!ホントに俺らは深海棲艦との戦争に集中して良いんですよね!?」
元師『大丈夫だ。信じろ。そいつらの問題はそちらで片づける。私達はただついでに艦隊運営を手伝ってもらっているだけだ』
「……むしろ艦隊運営がその人達にとって負債としてなってませんかね」
元師『心配性だな。安心しろ。お前の立場で言うのならゲームで本編と関係のないサブストーリーみたいなものだ。本編が終わったらそちらのサブストーリーもゲームの終了に伴って何事もなく終わるだろう?そういうものだ』
「う、うーん…分かりましたよ。そこまで言うなら信じます」
元帥『それで良い。あぁ、そうだ。妖精さんがスペース作って装備の展覧会をしてたが、アレはお前の指示か?』
「え?いえ、そんな指示は出してませんが…」
元帥『そうか。まぁどんな武器が使われてるかを民間に知ってもらう良い機会でもある。時間があれば観に行ってやってくれ。ただし艦娘の艤装以外で作らせた物以外を出させるなよ』
「そりゃ勿論。流石に妖精さんもそこら辺は分かってくれてると思いますよ」
元帥『妖精さんを舐めんほうが良いぞ。個性が強い奴もいる。時折そんな奴がいるから大変でな』
「……それ聞いて不安なってきました。ちょっと見てきます」
元帥『行ってこい。場所は工廠近くにある展示スペースだ。じゃあ切るぞ』ピッ
「……はぁ。ちょっと妖精さんが装備の展示会を作り始めたみたいだから、今から行ってくる」
電「いってらっしゃいなのです。電達は雪風ちゃん達の泊まる場所を考えたら案内してきますね」
大淀「雪風ちゃん達の部屋の割り振りについての詳細は執務室にお戻りになった時に報告書としてまとめておきます」
「ん。任せた」
雪風(元師)「あ、司令官さん!雪風、司令官さんに後で聞きたいことがあるんです。もし要件が終わったらまたお話していいですか!?」
「ん?いいぞ。変な事でも何でも答えてやるからな」
大淀「機密は話さないでくださいね」
「話すか!」
雪風(元師)「大丈夫です!ここの機密を聞くことはありません!雪風だってそこは分かってます!」
「ん。おう。なら良いか」
電「……はぁ。とりあえず司令官さんはさっさと行ってきてください。妖精さんが暴走してとんでもない物作っても知りませんよ」
「ウイ。じゃあ行ってくるわ」
三人「「「いってらっしゃい」」」
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天龍「あ〜。間宮さんの料理うめぇ~。公開祭毎日でも良いからしてくれねぇかな」モグモグ
龍田「天龍ちゃん。口ついてるわよ」パクッ
天龍「ちょっ…!龍田!?」
間宮(元師)「あらあら。仲の良いことで」
ヲ級「……悔しいですが、美味しいです」モグモグ
間宮(元師)「そうは言いますけど、ヲ級さんのご飯だって美味しいですよ?私だって負けてられません」
ヲ級「例え一部そうでも、全部に勝てなきゃ意味がありません。料理も戦いも。全部負けられませんから」
間宮(元師)「あら。じゃあ私も負けていられませんね。ここの提督さんに間宮の料理が美味しいって言わせられたら勝ちと言うのはどうですか?」
ヲ級「…良いでしょう。その勝負乗ります」
間宮(元師)「では、今日の晩御飯に勝負しましょう。一品だけで」
ヲ級「あまり量が多いのは無しです。提督が食べられなくなりますから」
間宮(元師)「あら。そういう所には気が回るんですね。てっきり物量を考えずに攻めてくるものかと」
ヲ級「勝負を持ちかけられた時点でコチラが煽りに弱いと踏んだんでしょう?そこから勝つ事に躍起になって好みだけを作って量が増えた所をカウンター狙い。その企みは分かってますから」
間宮(元師)「……提督は随分と凄い人を育てましたね」
天龍「間宮さん。ヲ級は読みが深いからその手は効かないぜ。常に相手の粗探しをしながら自分の立場見てんだからな。そのおかげで何回演習で初手大破されたか…」
龍田「天龍ちゃん。いっつもヲ級さんと当たる時はボロボロだもんね〜」
天龍「うるせぇぞ龍田ァ!」
間宮(元師)「ふふっ。ここに来て良かったわ。貴方達みたいに変われる人が沢山いるのね」
天龍「……いや。どうだろうなぁ」
龍田「…どうかしらね。私がそんなに変わったなんて思わないもの」
ヲ級「んー。私もですね。どちらかって言うと提督も理解あって私を前線に良く出させてくれますけど」
間宮(元師)「あら?ヤる事はしっかりやってるのに?」
ヲ級「ブフッ!」
天龍「ちょっ…!?間宮さん!?」
龍田「天龍ちゃん。多分ブラフだから…」
間宮(元師)「龍田さん。耳赤いわよ」
龍田「あっ…」スッ
ヲ級「……龍田さん。真っ赤な嘘よ」
龍田「………」キュッ
間宮(元師)「あらあらあら。ホントにホントだったんですね!」ワクワク
天龍「……一体俺達、どれだけ他所に知られてんだよ」
間宮(元師)「んー…知られてるのは皆さんではなく、提督の方ですよ。あの人結構な功績残してますから」
天龍「ん?そうなのか?」
間宮(元師)「ご存知無かったんです?球技大会に深海棲艦呼べたり、今回の鎮守府公開祭だって提督の実績があっての事ですよ?」
天龍「って言われてもなぁ。俺達は俺達でやる事やってるだけだし、提督だってその筈だぞ?いきなり言われても良く分かんねぇよ」
間宮(元師)「無頓着ですね。いえ、寧ろ無頓着だからこそここまでの事が出来たのかも知れませんね」
龍田「……けど、提督譲りってのが大きいんですよ。あの人は無頓着の極みというか、最早何も考えずにその場その場で行動してると言いますか」
ヲ級「…言われてみればそうですね。鎮守府という狭い場所ですので相手を知るのは自然な事ではありますが、トップだからこそ、その背中を無意識の内に追ってしまっているのかも知れません」
天龍「ま、家族みたいなもんだろ。俺達の家はここなんだからよ。でもそう考えたらアイツは俺達の親父って事になるのか?」
間宮(元師)「とすると奥さんは誰になるんでしょうか?」
天龍「そりゃ勿論」
三人「俺(私)達だろ」
間宮(元師)「……」プルプル
天龍「ん?どうしたんだまみ「あっはっは!」!?」
間宮(元師)「なん、何なんですかそれ!提督さんの事、散々嫌ってるとか艦娘は逆らえないとか色々な噂が立ってましたが、皆さんが離れないのはそれですか!」クスクス
ヲ級「…間宮さんってもっとこう、含んだ笑いをする人かと。吹っ切れたらこんなに大笑いするんですね」ヒソヒソ
龍田「えぇ。ちょっと…いやかなり意外よね」ヒソヒソ
天龍「ていうか間宮さん。提督を嫌ってるとか逆らえないとか。それ何の話だよ?」
間宮(元師)「アハッ、ハァ…。そうでした。知らないんでしたね」
間宮(元師)「前々から密かに噂はあったんですよ?提督さんがここに着任されてから数日後位に、鎮守府が破壊されたって」
天龍「あー…アレか」
間宮(元師)「鎮守府は国の防衛ですからね。世間でも結構騒がれてたんですよ?まぁ。それよりも鎮守府が数か月で元に戻ったという報道が流れた時は更なる騒ぎになったんですが…」
天龍「……改めて聞くと全く知らねえな。俺達」
龍田「私は知ってたわよぉ?」
ヲ級「あ、私もです」
天龍「はぁ!?なんで!?」
龍田・ヲ級「「スマホ持ってるから」」Andr○id
天龍「……俺持ってねぇ」
龍田「だって契約しないんだもの。携帯なんてめんどくさいなんて言って」
間宮(元師)「あら。じゃあもう天龍さん以外は世間からどのように呼ばれてるかご存知ですか?」
龍田「えぇ。まあね」
ヲ級「ボロ鎮守府。不死鳥鎮守府。一般鎮守府。問題だらけの鎮守府。良く聞くのはここら辺ですかね?」
天龍「……ボロは分かる。不死鳥ってのも復興が速かったからだろ?問題だらけってのも間違ってねぇ。でも一般鎮守府ってのはなんだ?普通の鎮守府と何か違いでもあんのか?」
間宮(元師)「簡単ですよ。ここが一般人であった人が提督をしてるんです。この噂自体は提督が鎮守府に着任してすぐに流れてましたよ」
龍田「へぇ。それは知らなかった。というと元師が流したのかしら?」
間宮(元師)「えぇ。今だから言いますけど、提督がここに来たのって必然だったりするんですよ。元師が噂を流したのも民間に安心させるため。一般人に任せても海軍は負けない。例えどんな事があっても再び立ち直れる力を艦娘は持っている。ってね」
天龍「立ち直ったって…今だから別に良いけどよ。割とマジで提督来なかったら俺達はずっとあのままだったぞ?」
龍田「……」
間宮(元師)「そうね。でも、結果的に今は立ち直ってるでしょ?ならそれが全てじゃない」
ヲ級「……はぁ。何回か聞いた話とはいえ、ホントにそうなってるから困るのよね」
間宮(元師)「…でもね、だからこそ今回の公開祭。失敗する訳にはいかないのよ。だから提督だって力を借りれる所にはどこにだって借りてるわ。今回の件だって、元師がここを手伝いに来てはいるけど、実際に元師が動いたのは提督のおかげでもあるのよ」
龍田「え?でも、球技大会開催のチラシに公開祭をやるってあったけど、それを元師が知らないなんて変よ?」
間宮(元師)「えぇ。知らなくて当然よ。だってあれ、本来のチラシに後付けで追加されたものだもの。それも全体の百分の一にも満たないレベルで紛れ込まされててね。流石に気づかなかったわ」
ヲ級「……私、今胃の中がキュッとしたんですが」
龍田「私も」
天龍「同じく」
間宮(元師)「独断ですね。提督の」
天龍「何やってんだアイツ!?」
間宮(元師)「元師が気づいた時には既にチラシは何枚かバラまかれた後だった。それを回収したとしても、それを見た人がいたという事実は変わらないわ。だから元師としては決行するしか無かったのよ」
間宮(元師)「でも、正直それを咎めるにしても提督のやってきたことに実績はあったのよ。今まで色々してきたけど、何かしらの行動を起こせば結果として良いものとして返ってくる。元師はそれにかけて許可だしたのよね」
龍田「あの、私が言う事でもない。いや、部下だから言うべきなのだとは思うのだけれど、本当にウチの提督がすみません…」
間宮(元師)「良いのよ。寧ろ元師が褒めてたわ。早い事は良い事だってね」
間宮(元師)「深海棲艦との戦争はもう長いわ。人の被害は初めこそあれど、今ではほとんど海上だけで民間への被害はない。それ自体はとても良い事なのだけれど、そのせいで戦争をしているという実態が見えずらいのも事実。貴方達は知らないと思うけど、結構本部に耳の痛い声が届いているのよねぇ」
天龍「なるほどな…少なくともウチの提督は一手を進めてたわけだ」
間宮(元師)「そういう事。だから提督の事、あんまり悪く思わないであげてね。見えないからこそ分からないっていうのは内でも外でも同じことなんだから」
龍田「…見えないからこそ、本当に何もしていないのか。そこに隠れた何かを私達は知らないのよね」
間宮(元師)「そういう時こそ、噂とかを聞いたりするんですよ。そこには必ず元となる何かがあって、例えそれが嘘から始まったことでも、ウソをつくことになったきっかけが何かを知ることが出来ますから」
天龍「そうだ。話が逸れちまったが、結局提督の噂って何があるんだ?」
間宮(元師)「色々ですよ?まず民間では期待の新星とか明けの明星とか言われてますね。逆に軍内部では艦娘たらしや深海棲艦たらし。それらをまとめて女たらしって言われてます」
天龍「結局ただの女たらしじゃねぇか!」
間宮(元師)「あ、後もう一個ありました」
ヲ級「なんですか?」
間宮(元師)「偏屈天邪鬼」
三人「「「納得」」」
※偏屈 … 素直でなく、考え方や好みが世間一般の常識から外れてねじ曲がっている人
※天邪鬼 … 多数派や一般的な「好き・嫌い」と、あえて逆の態度をとる人。ひねくれもの