この学生、元放置提督 世界が変わっても、やることが変わっても、いつも通りにする。ただそれだけ 作:七福えると
ブラック鎮守府個人的に好きだから流行ってくれ~!自給自足にもいずれ限界がきそうなんだ!
「え!?もう決まった!?」
妖精A「はい。こちら詳細になります。」
いくらなんでも早すぎるだろうが!という心の叫びは置いとくとして…
「…ご苦労様でした。これ、お礼のお菓子」
妖精A「わーい!提督さん太っ腹~」
「この程度ならいくらでもあげるよ。ただ何かあったり、頼みたいことがあったら助けてほしいな」
妖精A「合点承知!」
電「お仕事、お疲れ様なのです」
妖精B・C「「いえ、当然のことをしたまでです!」」
電「えらいですね~」ナデナデ
妖精B「こ、これは…!」
妖精C「流石に気分が高揚します」
電「ふふふっ、可愛いのです」
いいなぁ…あの妖精達…
妖精A テシテシ
「おう、どうした」
妖精A「撫でてるつもり~」
「…ありがとうな」
妖精A「いえいえ~お礼にお菓子をくれたら文句ないのですよ~」
「ちゃっかりしてんなぁ…ほら。味わって食べろよ」っチョコレート
妖精A「わーい!」
電「司令官さん、今日は何をするのです?」
「今日行うのは今後活動することになる鎮守府の視察だ。そこの提督が蒸発したらしく、そこを視察、場合によってはその場で改善できそうな事があるなら、それを行えという元帥の指示だ」
「視察だが、そこまで遠い場所でもない。一日の着替えさえ持っていければ良いだろうしな」
妖精トリオ「「「留守は任せろ~バリバリ~!」」」
「おう、頼りにしているぞ」
昨日の騒動から翌日、一日単位でホイホイ事が進んでいっているように感じるが、本当に人生何が起こるか分からんな…
電「司令官さん。準備出来たのです」
「こっちも準備は整った。行くか」
二人「「いってきます」」
妖精トリオ「「「いってらっしゃ~い」」」
廊下に出る。すると周りからすさまじい出迎えを受けた
『早く帰ってきてね~!』
『隣にいる駆逐艦…羨ましい!』
『駄目よ!私達は人間。あんな汚い兵器と一緒にいられるのは崇高なるあのお人、ただ一人だわ!』
電「…司令官さん。すごいですね」
「勘弁してくれ」
ふふふっと笑う電が隣にいる。これだけでこんな悪魔の巣窟のような場所から出られると考えると心が軽くなる
大淀「提督、お待ちしていました」
「大淀さん、お久しぶりです」
電「…司令官さん。あの人は大淀さんであって、大淀さんではありませんよ」
「何?」
大淀「はい。私はトラック泊地の大淀です。お会いできて光栄です。提督」
「同じ艦か…」
…なるほど、確かに元帥の所にいた大淀とは違い、服の所々がほつれていて、目も生気がない…更に怯えているのか足が震えている。握手をしようと手を差し出しているが、その手は震えているしガサガサだ
そして何より化粧下手だ。いや、これがこの世界の女性の化粧の正しいやり方なのは分かる。だが…艦娘の顔でそれをされるとちょっとな…
電「…司令官さん」
あぁ、分かっている。そんな不安そうな目でこちらを見ないでくれ
「…無理はするな。元帥から簡潔にある程度の事は聞いている。気を使わなくていい」
大淀「へ、あ…分かりました…」
電「この司令官は大丈夫なのです。ほら、深呼吸しましょう?」
大淀「…ス~…ハ~」
「…すいません、落ち着きました」
「電、君は助手席に。僕は後ろに座るよ」
大淀「え…あ…!だ、駄目です!助手席は駄目です!」
…なるほど。昔、似たようなことをされたことがある。なんとなくオチが読めたよ
「では電、先に僕が座る。その後、僕が下りた後に座ってくれ」
電「え?は、はい…」
反応を見るに電はどうやら身体的なことはされたことがないようだな。安心したよ
大淀「て、提督…」
「俺がしなければ、お前が艦娘達に怪しまれるだろう。そうなればお前はもう居場所がないのではないのか?」
大淀「そ、それは…」
「それに覚悟は決まっている。気にするな」
そういうと、ドアをあけ、座席に座る
瞬間、下半身全体に鋭い痛みが走る。大きさ的に画鋲だろう
あまりの痛みに飛び上がると、何かの糸に触れた気がする。その瞬間、ヒュンという音が聞こえるより早く大淀に体を引っ張られた
車から引き釣り出された瞬間、頭のあった場所を見ると車の後ろの座席辺りからナイフが発射されたようで、車の助手席にあるミラーに突き刺さっていた
電「ひ、酷い…」
「…これが今から行く鎮守府の現状か」
大淀「お、お願いします!どうか!どうか彼女たちを解体しないであげてください!」
解体…その言葉にとてつもなく必死な顔で懇願する大淀…
解体は普通の人間に戻るのではないのか?と以前のおぼろげな知識で考えるがこの反応をみると違うようだ
助けを求める顔で電を見ると、意図を察してくれたのか説明してくれた
電「…解体は文字通り、艦娘の体を解体して少数の資材を残し、その艦娘は…死ぬということです」
「…!」
その言葉を聞いて絶句した。この世界では解体はそこまでの意味をもっていたのか
しかし、その言葉を聞いた同時に大淀のこの反応に納得してしまった
「…大淀、安心しろ。そんなことはしない」
大淀「…え?」
「電ととある約束をしてな。その約束に誓ってそんなことはしないと誓おう」
大淀「ほ、ホントですか!?」
「ま、解体とはいかずともある程度の罰は受けてもらうがな…」
電「司令官さん、顔が悪い顔になっているのです」
おっとしまった。流石にこの顔はいざやり返す準備が整った時にしよう
「大淀、確認するがこれ以上の罠はないな?」
大淀「は、はい!ないです!」
「よし、じゃ画鋲取り除くの手伝ってくれ。それが終わったら向かおう」
二人「「はい!」」
・・・車の中・・・
あれから数時間が経った。大淀さんが運転するとのことだが、僕は運転免許を取っていなかったのではしらせることは出来ない。電は免許を持っているには持っているが、この車の運転席が大きすぎて足が届かない。届かせても今度は前が見れない。とのことなので大淀さんが運転することになった
電「すみません、大淀さん」
大淀「はい?何でしょうか?」
電「今から行く鎮守府の艦娘達を教えてほしいのです」
大淀「あ、説明していませんでしたね。重巡が一人、軽巡が二人、駆逐艦が四人います。その内…重巡の人は大破しているのですが轟沈してもおかしくない怪我を負っています。軽巡のお二人は戦闘があったにも関わらず、入渠が出来ずに大破のままです。駆逐艦は四人のうち三人が捨て艦と呼ばれる作戦に使われ大破。残りの一人も捨て艦に使われましたが、こちらは不幸中の幸いと言うべきなのでしょうか…中破で済んでいます」
「…想像以上に酷いな」
電「なのです…」
捨て艦か…ホントにクソだなこの世界
艦娘達は轟沈するその時…自身の未熟さを嘆く者、未来に希望を託したまま沈む者、過去の艦である記憶がフラッシュバックするもの…様々なやつがいたはずだ
今まで一緒に生きてきた仲間が目の前で沈んだ…それは心に傷を深く刻み込んだだろう。俺も目の前で誰かが死んだらそうなる。それが身内であれ、親しき者であるほど傷は深くなる
彼女達艦娘は深海棲艦と戦闘をする毎日だ。そのような場所で生きてきた以上絆は深いはずだ。もしかしたらそういう場面に出くわすことがあるだろう…しかし、それが故意によるもので無ければ出くわすことはほぼあり得ない
理由としては、艦娘は大破進撃という事さえしなければ、その戦闘中は体力1で残る食いしばりが発動するはずだ。その状況まで陥れば基本的には撤退だ。そうすれば彼女達は無事に母港まで帰ることが出来るはず…と、ここでゲーム世界と同じように考えるのは駄目だ。ここは現実。普段何気なくやってきた事でもおそらく不測の事態はいくつも起こりえるはずだ
食いしばりはあくまで、その戦闘中のみにしか起こらない。裏を返せば進撃して戦闘が更に起こったり、戦闘以外の時に何らかの原因でダメージを負うと轟沈してしまう
おそらく撤退中に敵と遭遇し轟沈した…といったのもあるだろう
「なあ、大淀…聞きたい事がいくつかある」
大淀「な、何でしょうか?」
やはり俺との会話はまだキツいか…
「そっちの鎮守府に妖精はいないのか?」
大淀「あ…それは…」
…やはりか。入渠出来ないと聞いた辺りから予想はしていたが、まさか当たってしまうとはな
「では、補給はどうしてる?」
大淀「補給は艦娘でも出来るので問題はありません…ですが大破していたり、心に傷を負ってしまい戦闘したくない。という理由で補給をしていない子がいます。おそらく鎮守府の皆さんは補給している所を見たことないので、皆さん燃料や弾薬がないと思います。もし仮に燃料や弾薬が残っていたとしても一発撃つのが限界かと思われます」
「なるほど、良く分かった。ありがとう」
大淀「い、いえいえ!これくらい当然ですから!」
「…電、最悪の場合戦闘になるかもしれん。もしそうなった時お前は撃てるか?」
電「…それは分からないのです。申し訳ないのです」
「だよな…」
流石に酷な事を言い過ぎたか…すまんな、電
「よし、大淀。少し相談したいことがあるんだが…」
大淀「は…は!何でしょうか!」
「鎮守府の見取り図はないか?今のうちに確認しておきたい」
大淀「は、はい!ここ、こちらになります!」
「ありがとう。助かる」
大淀「え、は、はい…」
大淀『…電さん、司令官さんって変わってますね』コショコショ
電『そうなのです。司令官さんは変人なのです』コショコショ
「聞こえてるぞ、二人とも」
二人「「ひ、ひゃい!すみません!」」
…たく、僕のどこが変人なんだよ…て、そういえばこの世界では艦娘が醜女として扱われていたんだったな。そりゃそうなるか
さて、気を取り直して確認だ。あとで電にも見せて情報を共有しておくか
・・・確認中・・・
なるほど、これを見る限り入渠施設があるが、×と書かれたマークがある。おそらく使用不可ということだろう。他にも×とつけられた場所があるが、ここも使用不可…
しかし、やけに震えているな。お世辞にも綺麗なマークとは言い難い…が、一つだけ綺麗な〇が書かれている。これは…執務室か?
他にも何か書いてないか?裏面とか…と、これはこれは…
大淀「…?あ!」
「…どうした?渡す見取り図でも間違えたか?」
大淀「そ…それは…」
電「し、司令官さん…目が怖いのです…」
「…ごめんな。でも今回ばかりはこんな顔にならざるを得なくてな」
電「それってどういう…?」
「ほら、さっき大淀に渡された見取り図だ。お前も見てくれ」
電「…これって」
見取り図『提督を近づけるな。大本営を信じるな。人間を信じるな。信じれるのは同じ艦娘のみ』
ふぅ…闇が深すぎるぜ…
大淀「も、申し訳ありません!司令官!本来はこんなことを言う人達ではないのです!全て…全て前提督のせいで!」
「あぁ、分かっている。お前が気負う必要はない。むしろこれに関しては同じ提督としてこちらが謝罪しなければならない問題だ。」
「今まで放置してしまい、すまなかった」
大淀「…提督、その謝罪はずるいのではないでしょうか?」
「すまんな。少しでも誠意を見せないと君達は納得しないと見た。ならば、それに答えれるようこちらは全力で答えなければならない。例えそれが死ににいく謝罪だとしてもな…」
電「司令官さん…」
とまぁ、あんなことを言ったが、マジでどうなってしまうんだ?
電はともかくとして、俺の身の危険がやばそうだしな…
「…よし。電、大淀、作戦会議だ」
二人「「作戦会議?」」
「あぁ、大淀も仕事とはいえ、ここまでのミスをやらかしたんだ。多少は何らかの罰が下るだろう。それに電も、もし一緒にいれば危険な目に合うかもしれない。ということで別行動しようと思ってな」
電「だ、ダメなのです!電は司令官さんと一緒にいたいのです!」
「駄目だ。流石に許可出来ない。電は初期艦とはいえ、練度は積んでないだろう。大破しているやつらがほとんどとはいえ、流石に囲んで叩かれたらいっかんの終わりだ」
電「で、でもそれでは、提督が艦娘と接触してしまった時はどうするのですか?」
「それは心配するな。妖精から秘密兵器をもらってるしな」
二人「「秘密兵器?」」
「ま、少なくともこれがある限りは大丈夫だよ。心配するな」
電「…分かったのです「電さん!?」」
「でも、本当に危なくなった時は大声を上げるなりして助けを求めてください!約束ですよ!」
「あぁ…分かった分かった…」
なんて、流石にしないけどな!こんな面白そうな事、みすみす見逃すわけないだろう!
電「…司令官さん、なんだか楽しんでません?」
「気のせいだ」キリッ
電「心配なのです…」
大淀「電さんも大変なのですね…」
電「ご理解痛み入るのです…」
早く着かないかなぁ~!いざ、接触したらどうやって逃げようかな?いや、戦闘してもいいよな…くぅ~!楽しみだ!
「じゃあ作戦を説明をするぞ…」
・・・数時間後・・・
大淀「提督、到着しました」
「あぁ、ありがとう。ご苦労だった」
電「では、手筈通りに電は大淀さんと一緒に艦娘達に会いに行ってくるのです。司令官さんはどこにいくのです?」
「入渠施設に行ってみようと思う。大破しているやつがいるんだし、そこに行って何か使えそうなものがないか探してみるよ」
電「分かりました。司令官さん、くれぐれも気を付けてくださいね」
「あぁ。そっちは頼んだぞ」
*ーーーーーーーーー*
大淀「電さん、良かったのですか?」
電「何がなのです?」
大淀「司令官さんの事です。私達艦娘のように兵器である我々は守るべき人間達から忌み嫌われています。しかも醜い女性でもあります。ですが、あなたはそれを思わせないほど彼から信頼を得ているように思います。そんな彼と離れてしまって大丈夫なのですか?不安ではないのですか?」
…う~ん、難しい質問なのです。確かに電はあの人を司令官として認めました。しかし…なんというか司令官から近づいてきているようで、近づいてこないのです。何というか…まるで夢でも見ているような感覚と言えばいいのでしょうか…
電「不安…といえば不安です。あの人は電の司令官であり、電の今後を一緒に考えて支えてくれる人だとも思っているのですが…なんとも言えない距離感を感じるのです」
大淀「あ、その感覚分かります。私を見る目が何というか…フィギュアを見ているような目といいますか…」
電「そ、それなのです!電も初めて出会った時そんな感じだったのです!」
大淀「…なんだか彼という存在が分からなくなってしまいますね」
電「同意なのです」
と、そんな話をしているうちに執務室につきました。ここに皆さんがいるんですよね?
大淀 コンコン
大淀「大淀です。視察にきた提督と一緒についてきた艦娘を連れてまいりました」
???「あぁ…入ってくれ…」
「失礼します」
ガチャ
電「え…!これは…!?」
ボロボロの女の子?「痛い…痛いよ…」
片足の女の子「あ、あ、私の足…」
大きなボロボロの女性「う…あ…」
…そこは一言でいうなら惨状でした。傷だらけの艦娘達がたくさんいたのです
中には四肢の一部が欠損している子もいたのですが…応急処置とも言えないお粗末な処置が施されているだけでした
そして一番ひどいのが、奥で倒れている大きな女性です。ふくよかな女性だというのが胸を見てすぐに分かるのですが…目に包帯をつけており、髪は一部色が抜けたのか白くなってしまっています。心なしか肌の色も白いのです…
眼帯をつけた女性「大淀、その子は例の…」
大淀「はい、以前モニターに映し出された艦娘です」
電「え?モニター?」
辺りを見渡すと、大きなテレビ程のモニターが天井からぶら下げてある。おそらくあれのことだろう
眼帯をつけた女性「それで…アイツはどうなった?」
大淀「は!報告しますと、ナイフで後頭部を刺したものの血を流すだけで死には至っていませんでした。なので計画失敗と判断しすぐさま離脱しました。しかし艦娘は無事だったので指示された通り、この子をここまで連れてきた所存です」
眼帯をつけた女性「ご苦労だった…と、お前は暁型駆逐艦の四番艦「電」であっているか?」
電「は、はい!その通りなのです!」
茶髪の女の子「い、電…?いえ、あの子は私の目の前で…」
「あ、あぁぁぁ!!!嫌あぁぁぁ!!!」
眼帯つけた女性「ッチ!フラッシュバックさせちまったか!大淀!頼む!」
大淀「は、はい!」
そういうと大淀さんは先ほど大声を上げた子の傍に近寄っていきました。すぐさまなだめているようですが、中々落ち着いてくれません…
眼帯をつけた女性「ここじゃあれだ…少し外に出よう…」
電「は、はい…」
…司令官さん。ここは想像以上に酷い所なのです。どうか皆を…助けてあげてほしいのです
*ーーーーーーーーー*
ふぅ…なんとかここまで誰にも会わずにこれたか…
とりあえず、中に入って資材のありようを確認しないとな
ガラガラ
???「誰~?」
!?しまった!中に誰かいたのか!
???「ん~?もしかして新しい提督さん?」
…ん?この腑抜けた声は…もしや
「…妖精さんか?」
妖精「イグザクトリー、その通りでございます」
「なんでここに妖精が?確かいなかったんじゃなかったのか?」
妖精「ん~ん、ちゃんといたよ。でも前の提督さんが私たちをずさんに扱うから、ボイコットを起こしていたの。でもそのあとに提督さんがいなくなっちゃったから、私達も動けなくなっちゃったんだよ~」
「なるほどな…」
どうやら妖精というものは提督とセットでついてくるらしい…妖精がいなければ艦隊が回ることもないが、提督がいなければその妖精さん自体が動くことが出来ない…面倒な設計だな
「とりあえず、いるなら話は早い。早速だが、この入渠施設を直してくれないか?」
妖精「それは無理~」
「なんでだ?まさか出来ないわけじゃないだろう?」
妖精「資材がないから無理なの。私達妖精でも無から有を生み出すのは不可能なの」
「…なるほどな。ならあの人を頼るしか方法はなさそうだ」
妖精「!提督さん隠れて!」
「は?なんだよ急に?」
妖精「いいから早く~!」
一体なんだってん「誰かいるの~?」
…あぁ、そういうことね
*ーーーーーーーーー*
眼帯をつけた女性「そういえば名前を名乗ってなかったな。俺の名は天龍!ふふふ、怖いか?」
電「怖いのです…」色々な意味で
天龍「…おぉ、まさか本当に怖がってくれるとはな。へへへ、生きてみるのもいいもんだな」
ピピピピッ
天龍「おっとすまん。通信が入った。ちょっと待っててくれ」
電「はいなのです。」
天龍『こちら天龍、龍田、何かあったのか?』
天龍『は?なんだって?侵入者?』
まさか…司令官さん?
天龍『分かった。だがお前は大破してるんだ。敵わない、無理だと思ったら撤退しろ。俺も今からそっちに向かう』ピッ
電「天龍さん、さっきのって…」
天龍「侵入者だ。見回りの龍田が言うには入渠施設で誰かが侵入したみたいでな。お前も一緒に来てくれ」
電「わ、分かったのです…」
天龍「…」
いざとなれば、私の身を挺してでも司令官さんを助けなくては…
・・・移動中・・・
天龍さんと一緒に入渠施設まで来ましたけど…辺りがボロボロすぎて足場が今にも崩れそうなのです…
天龍「!龍田ぁ!」
電「て、天龍さん!?どうしたのです!?」
天龍さんの向かう方向を見ると龍田さんが倒れていました。それは遠目からでも分かるほどのボロボロ具合でしたがおそらく争ったのではないのでしょう。体の血が服と一体化してしまっているようでびっちりと張り付いていました…おそらく長くそのままであったためにあのような姿になってしまったのだと推測できるのですが、新しく怪我をした傷がないのでおそらくただ倒れているだけなはずです
天龍「龍田!返事しろ龍田!」
龍田「て、天龍ちゃん…」
天龍「龍田!誰にやられ「天龍ちゃん大好き~//」」
二人「「は?」」
龍田「天龍ちゃんどこにも行かないで?ずっとここでお話ししよう?」
…龍田さんが倒れているかと思ったら急に天龍さんに甘えだしたのです。確かに同性同士でそういうことをしてる人達もいるって聞いたことありますけど、ここまでの破壊力を持っているとは…これを使えば戦争で誰も傷つく事無く勝てそうなのです
天龍「お、おい龍田!変なところを触るんじゃねぇ!」
電「は、はわわ…」
ガサッ
ん?何かポケットに感触が…
『電へ、龍田がそうなっているのは僕の秘密兵器のうちの一つを喰らったからだ。しばらくはデレデレになって相手に甘えるらしいが、数分もすれば効果は切れる。だから安心して艦娘の様子を見てやってくれ。頼んだぞ』
…とりあえず司令官さんが無事なようでホッとしましたが…提督の秘密兵器に関しては後で没収なのです。司令官さんならあんな顔をする位だし、悪戯に使うに決まっているのです
天龍「た、龍田ぁ…頼むからもう止めてくれ…変な気分になっちまう…//」
龍田「えへへ~天龍ちゃん~」
電「て、天龍さん…大丈夫ですか?」
天龍「た、助けてくれ…早く…」
…もう少し見たいと思いましたが、流石に止めないと…っていやいや!電は何を思ったのです!?正気に戻るのです!
天龍「い、いなづまぁ…はやくぅ…」
電「ご、ごめんなさいなのですー!」
・・・それからそれから・・・
天龍「ひ、酷い目にあった…」
龍田「天龍ちゃんごめんね~。何だか体がいうこと聞かなくって」
龍田さんが心なしかキラキラしてるのです…
電「た、龍田さん。あの…先ほどでた不審者の事なのですが…」
龍田「あぁ…そういえばここのドアを開けた瞬間意識を失っちゃって…何にも覚えてないのよ…ごめんなさい…」
なるほど…でもそれならまだしばらくは大丈夫そうなのです
龍田「ところで天龍ちゃん?救出は済んだの?」
電「き、救出?」
龍田「もう…とぼけなくっても良いのよ。貴方、確かあの変態提督の所の艦娘よね?」
…!?な、なんでこっちの情報が漏れてるのです!?
電「あ、あの…天龍さん…救出ってどういうことなのです?」
天龍「あぁ…昨日急にモニターにお前らが映ったんだよ。ほら、執務室にあったモニター覚えてるだろ?あそこに風呂に入ってたお前らが映し出されたんだよ。あんな変態のいるところに電を置くのは危険だと判断したから大淀に頼んで大本営に連絡を入れてここまで連れてきたってことだ」
電「…なるほど。でもなんで電達がモニターに映ったのです?」
天龍「知らねえよ。ただ急にモニターが付いたと思ったらお前らが出てきたんだ」
電「と、ということは話してた内容も全部聞こえていたのです?」
龍田「いいえ、それはスピーカーが壊れて聞こえなかったわ。ただ怒鳴られてたりしてたのは見てて分かったからね~」
とすると、天龍さん達はあの場面を見たけど、音声が聞こえてこなかったから色々誤解したまま。ということですか…なんというか、司令官さんって不幸の星のもとにでも生まれたのですか?
天龍「俺らの提督は男だったんだ…あのクソ野郎…俺らはお前の道具じゃないってんだよ!」
龍田「天龍ちゃんいない人間の事を言っても仕方ないわ。逃がしたのは痛いけど絶対いつか見つけ出してやるんだからね…」
司令官さん…強く生きてくださいのです…
大淀「あ!天龍さんに龍田さん!今までどこにいたんですか!」
天龍「いや…色々あってな。ところでどうした?そんなに慌てて」
大淀「島風ちゃんが…島風ちゃんがいないんです!」
天・龍「なんだって『なんですって』!」
*ーーーーーーーーー*
食堂にお邪魔しま~す…
前回の私は、巡回中の艦娘に見つかってしまったスニーキングが完璧ではない提督でしたが、今回の私のスニーキングは完璧です
妖精「何言ってるのですか…」
おっと、紹介を忘れていた。この妖精は入渠施設で出会った妖精だぜ!ちなみに俺が来るまで寝ていたお寝坊さんでもあるぞ!
妖精「そのテンションやめるのです。流石にうざいのですよ」
何故俺の心の声が聞こえる!?
妖精「顔がうるさいので何となく分かりますよ」
(´・ω・`)
妖精「…もしかしてさっき自分で発射した煙、自分で吸いました?」
吸っちゃったぜ♪
妖精「…流石にそのテンションで話されるとうざったいのですこーし痛い目にあってもらいますよ?あ、安心してください。死にはしないと思うので」E. バールのようなもの
…お手柔らかにお願いします
妖精「往生せいやぁぁぁ!!」
あ、これ、死ぬや(ゴシャ)
妖精「…死にはしないと言ったが、昏睡しないとは言っていない。嘘は言ってないし大丈夫でしょ」
「とりあえずコイツはそこら辺の椅子にでも寝かしておくか…さて、寝ていた分仕事するぞ~!」
・・・数分後・・・
???「…皆怪我してて動けないし、何もしないでいるのも飽きちゃったよ…ん?」
「何?この人?というかなんでこんな所に人が?」
「…胸がない。顔は普通だけど、なんで頭から血が出てるの?」
「く…ぅ…」
???「おう?起きた?」
くっそあの妖精…思いっきり頭をぶん殴りやがって…俺じゃなきゃ死んでるぞ
…そして目の前にきわどい服をきたボロボロの子がいるが…大事な部分はちゃんと隠しているようだし良し!
「…一応聞きたいんだが君は艦娘かい?」
???「その声…もしかして男の人!?」
「男だぞ。というかここの提督が確か男だっただろうに」
???「そうだけど、島風あの人嫌いだったからあんまり知らないの。皆を助けてくれないし大っ嫌い!」
「…君は建造されたてなのかい?」
島風「うん!といっても、一回の戦闘で中破しちゃって、それ以来ずっと置いておかれてたの…その後は比較的大丈夫だった私が皆を助けたりしてたんだよ?偉いでしょ!」
「あぁ…島風はいい子だなぁ…」ナデナデ
島風「えへへ…」
とすると、島風もおそらく捨て艦になったがしばらく使われずにそのままでいたとなると…見た目のせいかな?
島風 ヘソ出し、太もも、ミニスカート、所々見えそうなボロボロの服
僕からすればお礼を言いたくなる姿だが、この世界の男からすれば受けいれがたい姿なのだろう…
ドア『グワーッ!』バァン!
そんなことを考えているうちに勢いよく扉が開かれた…そちらを見ると二人の女性の姿が見える
???「島風!どこだ!」
???「天龍ちゃん!あれ!」
…生命の危機を感じる
島風「おうっ!?二人共どうしたの?」
眼帯をつけた女性「島風!そいつから離れろ!そいつはおそらく提督だ!」
島風「え、提督?この人が?」
槍を携えた女性「島風ちゃん早くそいつから離れてね?じゃないと島風ちゃんの事も傷つけちゃうかも知れないから…」
「…島風、早く離れなさい。危ないからね」
島風「で、でも…」
三人「「「『いいから』早く離れ『ろ』『て』!」」」
島風「う、わ、分かりました…ごめんなさい…」
よし、食堂から逃げていったな。あのままいけばいずれ電達に保護されるだろう
「ふぅ…で、君らは龍田と天龍で間違いないな?お前らが前提督が蒸発した後色々していたそうじゃないか?」
龍田「あら?そこまで分かってるのね?」
天龍「だからどうした?お前には関係ないだろ!」
「僕は今度ここに配属される提督だ…その提督を殺害しようとした処分は重いぞ?」
天龍「ふっ、関係ないな。どうせお前はここで死ぬんだからよ!」
龍田「提督~?覚悟してくださいね?」
…こいつら本気で言ってるみたいだな。流石に二対一はきついぞ。と言いたいが龍田の様子が少し変だな。心なしかふらつきが目立つな
「…そんな震えた体でか?武器を持つ手が震えてる状態なのに、まともに僕の相手が出来るとは思えないけどね?」
天龍「うるせぇ!お前は黙って俺らにやられればいいんだよ!」
「お前はそうかもしれんが…隣のやつはどうだ?」
天龍「なに?」
龍田「て、天龍ちゃん…私ちょっと変みたい…」
天龍「た、龍田!?」
そういえばガスの説明書に…
説明書『このガスは使うと相手に催涙ガスなるものを発射するのです!しかし、そこは妖精の力。改良を加えており、ガスをくらった人は初めに見た人物に対してしばらく甘え続けます!尚、副作用として時間経過で全身に力が入りづらくなっていきます。が、数分で元に戻るのでご心配なく!ちなみに提督さんが吸い込むとテンションがおかしくなるだけですのでご心配なく』タグ:妖精印の痴漢撃退道具 5680¥
あれ見たとき何かの冗談かと思ったがマジだったんだな…まぁそのおかげで今生きてる訳なんだけど
「なるほど、ガスの効果が完全に抜けきっているわけではなさそうだな」
天龍「ガス…?まさかお前が龍田を!?」
「あぁ、といっても安心しろ。あのガスは相手に甘える効果を持っているが、その後の反動で力が入らなくなるだけだ。体には何にも影響がないからそこは気にしなくていい」
天龍「て、てめぇ…龍田に変な事してないだろうな!?」
「変な事って?」
天龍「お、お前ら提督は、俺達艦娘いたぶって楽しむ変態たろうが!」
「そんな趣味はない」キッパリ
あるわけないだろうが!…まぁ、魅力的な物は確かにあってそれに目を奪われはしたけどな!
天龍「信用出来るかよ!」ダッ
おいおい…こっちに向かってくるのは良いけど、そんなにフラフラしてると危ないぞ
「ほい、残念」
こちらに向かって剣を構えながら走ってくるがあまりに遅かった。ゆっくりと左に躱して足を引っかける
天龍「うぉ!?」
突然の出来事に天龍は反応出来ずにそのまま倒れていったが、その時に掴んでいた剣を手から離してしまったようで、地面にぶつかることなく龍田に向かって真っすぐ飛んでいく
「!バカやろう!」
龍田「ヒッ…」
龍田も流石にこれはまずいと感じたのか、口から恐怖がもれる
おそらく普段の龍田なら槍で払うことも可能だろう。だが今の龍田は秘密兵器の副作用でまともに体を動かせないでいる…このままじゃ…!
???「危ない!」
そう叫ぶ声が聞こえたと同時に、剣の動きが一人の艦娘の前で止まる。その艦娘が剣を掴んでいた
電「ふぅ…危なかったのです…」
二人「「電!」」
よくやった電!後でいやってくらい褒めてやるからな!
龍田「あ…電ちゃん、どうしてここに?」
電「龍田さんと別れて探していたら、たまたま島風ちゃんと出会ったのです。どこにいたか聞けば、食堂だったと聞いたのですが、そこで二人が提督って呼ばれた人と争っていると聞いたので…すぐさま駆けつけたらこうなったということなのです」
「なるほど…よく来てくれたな」
電「あ、司令官さん」
「うん?どうし「あとで秘密兵器の事洗いざらい出してもらいますよ」…分かりました」
…電が怖い。なんかオーラみたいなのが見える
天龍「…電、そいつの傍を離れるんだ。そいつはお前を理不尽に怒鳴る奴だぞ」
「え?怒鳴る?」
電に怒鳴ったことなんて昨日の風呂場のことしか心当たり無いぞ?なんで天龍がこれを知ってるんだ?
電「あとで色々説明するのです。とりあえずこの場は電に任せてほしいのです」
「すいません天龍さん。私は理不尽に怒られたわけではありません。むしろ私の我儘に付き合っていただいて、その結果怒られただけなのです。司令官さんは何も悪くありません」
天龍「そんなこと信じられるか!」
「…お前は自分に都合のいいことしか信じられないのか?」
天龍「何!?」
「信じられるのは艦娘だけ…確かあの見取り図にそんな事が書かれていたよな?」
「電は艦娘だぞ?大本営からやってきた艦娘とはいえ、信用出来ないのか?」
天龍「そ、それは…」
龍田「天龍ちゃん…悔しいけど…アイツの言う通りよ…」
天龍「龍田まで!?」
龍田「確かにあの男の言うことは信用できないけど…それでもこの子が悪いわけではないわ。それにこの子は私を助けてくれたのよ?少しは信用してみてもいいんじゃない?」
天龍「…ッ!分かったよ!だが勘違いするな!お前じゃなく、龍田と電を信用しただけだ!お前の事を認めたわけじゃないからな!」
「あぁ、それでいい。そういうのには慣れてるからな」
電「…?」
「とりあえず、一旦執務室に案内してもらおうか。そこに艦娘達がいるんだろ?」
龍田「…分かったわ」
「電、天龍に手を貸してやってくれ。龍田は自力で歩けるか?」
龍田「えぇ、少しは動けるようになったわ」
「でも、あなたに名前を呼ばれるのは気味が悪いからやめて頂戴」
提督は心に5のダメージを受けた