この学生、元放置提督 世界が変わっても、やることが変わっても、いつも通りにする。ただそれだけ   作:七福えると

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くっそ長くなりましたが後編です。前後編合わせて3万文字超えるのは覚悟してましたがここまで長くなるとは…正直疲れました
かなり長くなっているので誤字・脱字あるかもしれません。そんな時は「あぁ…こいつぶっ通しで書いてたんだなぁ…」と思ってくださると幸いです(4時間くらいずっと書いてた)


新任提督 視察します 後編

「ところで電、執務室の様子はどうだった?」

 

電「…惨状だったのです」

 

「そうか…」

 

龍田「ところで聞きたいのだけれど、貴方ってお風呂で電を怒鳴りつけてたじゃない?あれって貴方がイライラを駆逐艦にぶつけたんじゃないの?」

 

「そうだ。それがずっと疑問だったんだ。なんで電と風呂に入った所が知られてるんだ?」

 

天龍「執務室にモニターがあるんだよ…そこでお前らの映像が流れてきたんだ。何を言ってるかはスピーカーが壊れてたから聞こえなかったけどな」

 

…そういうことか。そりゃ見てる本人たちからすれば、ただ怒鳴ってたようにしか見えんわな

 

「否定はしない。とだけ言っておこう」

 

龍田「そう…」

 

龍田の目が厳しくなったが事実だ。全てがそうだというわけではないが、今の状況で言っても信じて貰えないだろうな

 

龍田「…疑問に思ったことがあるんだけど聞いていい?」

 

「なんだ?」

 

龍田「なんで私達といて平気なの?普通は気持ち悪がるか、びびって近づいたりしないのに」

 

「あ~特に理由はないぞ。というかこの質問何回目だよ…」

 

電うんうん頷くの止めなさい。どれだけ根深い問題なんだよこれ…

 

龍田「理由がないってだけで済ませて、はいそうですかってなると思う?もっとちゃんと答えてほしいんだけど?」

 

…ごもっともです。というかそれをはっきりしなかったから電に対して怒鳴っちゃったからな。悪いの僕なのに

 

「強いて言うなら美人だしな。美人に気持ち悪がるとかありえないだろ」

 

三人「「「!?」」」

 

電「し、司令官さん…電達が美人…なのです?」

 

「どう見たって美人だろ。むしろ僕からしたら世間のモデルとかの方がブスだしもはやグロだからな、あの顔は」

「あ、電の場合は可愛いの方が似合うか」

 

天龍「…お前、変わってるな」

 

「よく言われる」

 

龍田「じ、じゃあどんな所が美人なの?それを聞かなきゃお世辞を言われてるのと変わらないわ」

 

「む…それもそうか」

 

三人「「「ゴクリ…」」」

 

「とりあえず世間一般的に言われている美人と真逆だな。分かりやすいだろ?」

 

どうした三人とも、そんな人ホントにいるんだ…みたいな顔は

 

電「…司令官さんってB専なのです?」

 

「おいこら、そんな言葉どこで覚えたんだ」

 

電「え…元帥の持ってる本に書かれてありましたよ?」

 

…もう元帥じゃなくて紳士とでも呼べばいいんだろうか。変態という名の

 

大淀「あ、皆さん!何してるんですか!島風ちゃんから全部聞きましたよ!」

 

島風「み、みんな…お帰りなさい…」

 

「あぁ、ただいま」

 

島風「…ねぇ、もう怒ってない?」

 

怒った?怒ってた時なんてあったか?

 

龍田「えぇ、もう怒ってないわよ?あの時は怒鳴っちゃってごめんなさいね~」

 

あぁ、あの時の事か…確かにいきなり怒鳴ったらそうなるわ。電がそうだったし

 

電「司令官さん…」

 

そんな目で見るんじゃない電、誤解だから!

 

天龍「…とりあえず大淀。そのメイクはやめていいと思うぞ。視察に来た提督様には受けが悪いらしい」

 

大淀「え?そうなんですか?」

 

「…」コク

 

大淀「…あとで洗い落としてきます」

 

妖精「あ、提督いた~頼まれてたこと済ましてきたよ」

 

「お、お疲れ様。ほら、これお礼」

 

妖精「わ~い!提督さんありがとう~」

 

大淀「よ、妖精さん!?なぜこんなところに!?」

 

「ん、言ってなかったな。妖精さんいたにはいたらしいんだが、提督が蒸発しただろ?結果、こいつらが動けなくなって、姿を見せることが出来なかったんだと」

 

大淀「…そんなことが」

 

天龍「おいおい!妖精がいるなら俺らみんな治すことが出来るんじゃないのか!?」

 

妖精「残念だけどそれは無理なの…入渠施設が壊れてて直そうにも資材がないから直すことも出来ないの」

 

天龍「…そうなのか」

 

妖精「でもでも~さっき元帥に連絡したら資材を送ってくれるって言ってくれたのですよ~」

 

天龍「ほ、本当か!?」

 

龍田「待って、天龍ちゃん…元帥とはいえ大本営の人間よ。信頼出来るの?」

 

電「それを言えば電も元は大本営にいた艦娘です…」

 

龍田「あ、えぇと…そういうことじゃなくてね…」

 

…龍田が困惑しているのはレアだな。追い込まれても強気の姿勢を崩すことのないあの龍田が…

 

「そんなこと言っている余裕はあるのか?もしここで断れば次はいつ治すチャンスが訪れるか分からないぞ?」

 

龍田「そ、それは…」

 

天龍「…龍田。今回は大本営に甘えるしかねえよ」

 

龍田「て、天龍ちゃんまで…!?もし資材に何かおかしなものでも入れられてたらどうするの!?」

 

天龍「たとえそうだとしても、今は頼るしかないんだよ…選んでる余裕なんて今の俺たちにはないんだからな…」

 

二人ともうなだれながら話し合ってるが、まぁ気持ちは分からないでもない。僕も親と喧嘩したときに頼みたい事があって話したらそうなったもん

 

大淀「…お二人とも、援助を受ける。ということでよいでしょうか?」

 

二人「あぁ」『えぇ…』

 

「いつ頃資材は届く?」

 

妖精「早くて明日の午前には着くとのことです」

 

天龍「明日か…」

 

大淀「でも、いつ救いがくるのか分からなかった毎日と比べればまだマシです。早く明日が来ることを祈るしかありません」

 

天龍「そうだな…とりあえず、早いとこチビ達の様子を見ないとな」

 

「では早速入らせてもらおう」ガチャ

 

天龍「あ、おいこら!何を勝手に…」

 

後ろで天龍が何か言ってるが無視だ無視。大淀の話が本当なら、提督である俺が確認するのは当たり前だろう

 

「…これは」

 

電から聞いてはいたがここまでとはな…

 

「おい、これを怪我してるやつの傷口に当ててやってくれ」っ布

 

電「司令官さん、これは?」

 

「高速修復材を染み込ませたものだ。入渠施設を探索してた時に中身が多少残っているバケツを見つけてな。それを集めたんだよ。変色もしていなかったから使っても問題はないはずだ」

 

電「分かりました!早速使ってみるのです!」

 

龍田「…ねぇ?なんでここまでするの?貴方がやっても何の利益もないのに」

 

「利益ならある」

 

龍田「どんな?」

 

「美人や可愛い子が見れる。それだけで僕にとっては充分利益に繋がる」

 

島風「提督ってばナルシスト~」

 

…有名な五歳児みたいに言うんじゃないよ。そして天龍と龍田、そのうわぁ…ナンパする人の常套句だ…みたいな顔をするの止めてくれ。そして電、何故君は顔をキラキラさせてるんだ。大淀もちょっと赤くなるのやめなさい。色々誤解されるから

 

妖精「あ、伝え忘れてたのです」

 

「なにがだ?」

 

妖精「お二方が寝る予定の部屋は綺麗にしておきましたので、今日はそこでお休みくださいなのです」

 

「あぁわかった。ありがとう」

 

妖精「お礼はモチロン…?」

 

「…ほらよ」キャンディ(ハッカ)

 

妖精「わ~い!提督ありが…!あぁ~!口の中が~!」

 

すーっとするよなぁ、あれ。どうにも苦手であげちゃったけど妖精が食べたらあぁなるんだな…

 

ボロボロな服の女の子「ん…?あ、あれ?痛くない…?」

 

「お、目が覚めたか」

 

ボロボロな服の女の子「ヒッ…男!?」

 

…なるほど。中にはこういうのもいるんだな

 

「島風、すまんが変わってくれるか?」

 

島風「分かった!島風に任せて!」

 

「おう、張り切ってくれるのは嬉しいが、ピョンピョン跳ねるの止めなさい」

 

色々見えるんだよ…君の格好だと…

 

「大淀、少し出かけてくる」

 

大淀「え?あの…どちらに?」

 

「ここに来る途中で見えた町まで行ってくる。早めに戻れるよう頑張るからしばらく待っててくれ」

 

大淀「は、はい…分かりました」

 

「電も今はここを頼んだ。男の俺だとトラウマを思い返してしまう子達もいるようだしな」

 

電「分かったのです」

 

天龍「待て、外に出て何しに行く気だ。まだ俺はお前を信用した訳じゃないんだぞ」

 

「必要な物を買ってくるだけだ。何もお前らを苦しめる道具を取りに行くわけでもないから安心しろ」

 

天龍「そういう発想を出すから信じられねえんだよ…」

 

「気にしたら負けだ。じゃ行ってくる」

 

 

*ーーーーーーーーー*

 

 

電「司令官さん…出かけて行ってしまわれましたが大丈夫なのでしょうか…?」

 

天龍「あんな提督、どこ行こうが平気だろ。変人だし」

 

最後の言葉で妙に納得してしまうのです…

 

???「ね、ねぇ…貴女…」

 

電「はい?どうしたのです?」

 

???「や、やっぱり電じゃない!私よ!雷よ!」

 

電「い、雷お姉ちゃん!?」

 

天龍「あ…」

 

龍田「天龍ちゃん…少し二人だけにしましょう?」

 

天龍「…ああ」

 

雷「電ぁ…ごめんね…あの時守れなくってごめんね…」

 

おそらく雷お姉ちゃんは前にここにいた私と間違えているのでしょう。だけど…ごめんなさい。私では雷お姉ちゃんの知ってる「電」ではないのです…私では代わりにはなれないのです…

 

龍田「…電ちゃんのせいじゃないわ。悪いのは前提督よ」

 

電「龍田さん…」

 

龍田「だからその顔をやめなさい。あの人に可愛いと言われたあなたの顔がもったいないわ」

 

電「ごめんなさい…来るのが遅くなってしまって…もう少し電達が来るのが早ければこんなことにはならなかったかもしれないのに…」

 

天龍「もしもの話をしても仕方ないだろ。俺たちは生きてる限り目の前の事に対して精一杯やっていくしかないんだからよ…たとえそれが地獄だとしてもな」

 

雷「電…電…どこにも行かないで…」

 

電「…大丈夫なのです。電はもうどこにも行かないのですよ。だから安心してください。お姉ちゃん」

 

雷「ごめんね…ほんとうに…ほんとうにごめんね…」

 

島風「ねぇ皆~こっちも手伝ってよ~」

 

天龍「あぁ、今そっちいくよ」

 

電「でしたら電も…」

 

龍田「電ちゃんはダァ~メ♪」

「今はその子を見てあげて?ね?」

 

電「…分かったのです」

 

龍田「良い子ね。ホントなんであんな男の下にこんないい子がいるのかしら?不思議でならないわ~」

 

司令官さんもだいぶここの人達と馴染んできたようなのです。この調子でいけば皆といずれ仲良くなって行けるかも知れないのですが…この不安はなんなのでしょう?この不安が当たらなければ良いのですが…

 

*ーーーーーーーーー*

 

???「ねぇ…もうあの男はいない?」

 

島風「あの男って提督のこと?」

 

???「…!やっぱりアイツ提督なの!?」

 

島風「う、うん…そうだけど?」

 

???「島風!アイツが何をしてきたのか知らないわけじゃないでしょ!?なのになんでそんなに落ち着いていられるの!?」

 

島風「…知ってるよ。でも、あの人は提督だけど前の提督じゃない…それは貴方も分かってるでしょ?潮ちゃん」

 

潮「確かにあの人は前提督ではないよ…でも男なんて皆同じよ!」

 

島風「潮ちゃん…」

 

潮「もう嫌なの!あんなに激しく叩かれたりするのはもう嫌!私達艦娘が無茶苦茶にされている姿が好きなのよ!男たちは絶対そういう趣向なやつらばかりなのよ!」

 

島風「潮ちゃん…それは偏見だよ…」

 

天龍(でもあの提督だしなぁ…)

 

龍田(あの提督だしね…)

 

電(司令官さんならそういう趣味もありそうなのです…)

 

大淀(潮さん…貴女はあの提督を知らないからそう言えるのです。ただちょっと変なだけで…)

 

妖精『妙な所で意気投合する四人であった。』

 

*ーーーーーーーーー*

 

???「ねぇ…大淀さん…そんなに新しい提督さんは嫌な人なの…?」

 

大淀「…分かりません。ですが悪い人ではないと思います」

 

???「そうなんだぁ…」

「…ならもっと早く来てくれれば良かったのにな。そうすれば皆いなくならなかったかも知れないのに」

 

大淀「夕立ちゃん…」

 

夕立「ううん、こんなこと言っても仕方ないのにね…ごめんね大淀さん…」

 

大淀「ごめんね…」

 

夕立「…?大淀さん、泣いてるっぽい?」

 

大淀「ごめんね…私だけ助かってしまって…ごめんね…!」

 

夕立「大淀さんは悪くないっぽい。むしろ私達を守ろうと頑張ってくれたでしょう?悪いのはあの提督さんなんだから気にする必要はないっぽい」

 

大淀「でも…」

 

夕立「…大淀さんが不安なら何度でも言ってあげるっぽい。だから安心して泣いてほしいっぽい」

 

ごめんなさい…こんなに弱い私で…本当にごめんなさい…

 

 

私…大淀は、初めてこの鎮守府が出来たときにここに来た艦娘でした。その時に補佐をしていたのが、前提督でした…

 

彼は一言でいえば優秀でした。ですがそれはあくまで書類上での話…

彼は提督としても…人としても最低な人間でした。基本的に作戦らしい作戦も立てずに送り出し、失敗すれば私達の責任にし、成功しても自分の手柄だという人でした

 

大本営に会議で行かなければならないときは、必ず艦娘を同行させなければならないのですが、その時にはいつも私を選んで連れていかれました…

おそらく彼は艦隊のことを微塵も把握出来ていなかったのだと思います。ただ、駆逐艦、軽巡洋艦、重巡洋艦、といった艦種でしか判別しておらず、艦娘の人数なんて数字でしか判断しないような人でしたので、作戦の詳しい説明をするとき、誰を戦場に送り出すのか?もし、失敗した場合誰を出陣させ被害を食い止めるのか?

…艦娘の名前も覚えていられない人だったので、全て説明は私に丸投げでした。そして考えた作戦も全て私が考えたものです。それをあの提督は全てが自分の手柄に…

 

ある日、彼がとある作戦を実行しろ。との命令をしました…それが捨て艦作戦です

駆逐艦を囮に使い、敵の意識が駆逐艦に向いている間攻撃をするというものでした

そのような作戦をすれば、当然反感を買います。しかし…私のせいで皆は反乱が出来なかったのです…

彼は私を人質に取り、艦娘に向けて脅してきました…

 

前提督『お前ら艦娘は兵器だろ!所有者の俺の言うことにしたがってればいいんだ!もし逆らうと言うのならこの大淀のように奴隷になってもらう!…分かったな?』

 

その後の生活は酷いものでした。何をするにしても提督がついてまわり首に鎖をつけてまるで犬の散歩のように連れ歩く…それが私の日常でした。私以外にも被害を受けた人達はたくさんいましたがどうなっていたのかは私も知りません。ただ…耳をつんざくような叫び声が聞こえていたのは覚えています…

 

提督の機嫌が悪い時には暴力を振るわれ、またある時には暴言で私を責め立てる日々でした…しかし、そんな傷も入渠で治ってはしまいますが、精神までは治すことは出来ません…そんな私達を見かねて何人かの艦娘が提督に掛け合ってくれたのですが、皆解体されてしまい最後に残ったのは我々だけでした

そんな日々についには限界が来てしまい、私の中で何かが壊れてしまったのでしょう…その日からまるで人形のように生きていく日々だったのです…

 

しかしそんな日々に変化が訪れました。提督が蒸発したのです

今まで奴隷の扱いを受けてきたきましたが、この時についに解放されたと分かりとても嬉しかったのを覚えています

ですが今まで提督がいたので大本営の支援を受けれていたのですが、蒸発してからは受けられなくなってしまい、妖精さんも消えてしまうという事件が起こったのです

 

その後はただただその日を生きるために皆と励ましあって生きていく日々…そのかいあって今の今まで何とか持っていましたが…もう我慢しなくていいんでしょうか…

 

 

夕立「大淀さん…夕立少し眠くなったっぽい…」

 

大淀「でしたら毛布を持ってきますね。少し待っててください」

 

夕立「ありがとうっぽい…」

 

 

ふぅ…誰かと一緒にいると昔を思い出してしまいます。もう忘れたい過去なのに何故思い出してしまうのでしょうか…

 

ん?あれは…提督さん…ですよね?

手にたくさん持ってる袋…背中にはどうやって背負っているのか分からない程の大きな荷物に…台車までもっています…毛布を取りに行った後で手伝いに行ってみるのもいいかもしれませんね…

 

*ーーーーーーーーー*

 

だぁ~!疲れた!マジで荷物が多すぎる!

 

「すいません、こんな所まで運んで頂いて…」

 

???「イエ、構ワナイワ。ムシロ貴方ニ惹カレタノ。タダノ気マグレ、トイウヤツヨ」

 

「良ければ僕の仕事場に来ますか?お菓子位ならこちらで用意したものがあるのでお出しできると思いますが…」

 

???「ソレハ出来ナイ。見タトコロ貴方ハ提督ヨネ?ソンナ立場ニ居ル人間ガソウホイホイト敵ヲ連レコムノハ止メテオキナサイ。味方ニ見限ラレタラ一人デ生キテイクシカ無クナルワヨ?」

 

「…それもそうですね。でしたらこれだけでも受け取ってください。私の気持ちです」

 

???「饅頭…チナミニ中身ハ?」

 

「こしあんです…お嫌いでしたか?」

 

???「イヤ、ソンナコトハナイ。ムシロ大好キヨ。アリガトウ」

 

「どういたしまして」

 

???「ソレジャアネ。提督。海デ会ウコトガ無イヨウ祈ッテル」

 

「えぇ、本当にありがとうございました!」

 

???「フフッ…オカシナ人ネ…」

 

大淀「提督!大丈夫ですか?」

 

「あぁ、大淀か。すまんが中まで運ぶのを手伝ってくれないか?僕一人じゃとてもじゃないが時間がかかりすぎるのでな…」

 

大淀「はい!お任せください!」

「…ところで提督?この量は流石に一人で運べる量を超えていますが…誰かに手伝ってもらったのですか?」

 

「あぁ、そんなところだ」

 

大淀「でしたらお礼を言わないと!その方はどちらに?」

 

「あ~いや、その人ならここまで来たら帰ってしまわれてな。お礼は渡したから考えなくて大丈夫だぞ」

 

まさか背の高い大きな爪の人に手伝ってもらった。なんていっても信じないだろうしな…

 

大淀「そうなんですね…じゃあとりあえず、この荷物運んじゃいますね」

 

「あぁ、頼むよ。僕はこっちを運ぶからそれは食堂に運んどいてくれ」

 

大淀「分かりました!」

 

…さてと

 

「お~い、妖精さん。ここにお菓子があるからこっちおいで~」

 

シーン…

 

…流石に駄目か。仕方ないここはひとまず『急げ急げ~!』『お菓子だって!』『久々の甘味なのです~!』

 

…なんか恐ろしい大群が向かってきているような気がする

 

妖精達「お菓子はどこですか~!?」

 

多すぎるだろうが!なんだこの大群!どっから現れた!?少なくとも20はいそうだが…

 

「あ~ちょっと待ってくれ。流石に全員にあげる分のお菓子はない。なので手伝ってくれた奴に渡そうと思うのだが…」

 

「なら私が!」

「いやいや!私が!」

「私がもらうの!皆はやっちゃだめー!」

 

…これが世紀末か

 

「あー、じゃあそことそこの君。頼んだ」

 

妖精A・B「かしこまり!」

 

その他妖精「え~、そんな~」

 

「また今度なにかあったら頼むから!その時にお菓子あげるからうなだれるんじゃありません!」

 

その他妖精「は~い…」

 

「ふぅ…皆をまとめるのも疲れるな…」

 

妖精A・B「ねぇねぇ、何するの~?」

 

「おっと、そうだった。一番きれいな部屋にこれを置きに行ってくれ。部屋が小さいならバラバラでも構わないから」

 

妖精A・B「分かった~」

 

「さて…厄介な荷物はこれで片付いたから、あとはこれを持っていくだけか」

 

 

 

妖精達『ねぇ…私達もお菓子もらうにはどうすればいいと思う?』『鎮守府を綺麗にしたらいいんじゃない?』『それだ!早速やっていこう!』『さんせ~い!』

 

・・・移動中・・・

 

 

「お~い、戻ったぞ」

 

電「し、司令官さん!?今来ては駄目なのです!」

 

「え?何言って」

 

???「死んじゃえ!」

 

瞬間、轟音が鳴り響いた。おそらく弾が発射されたのだろう。だが幸運というべきか、弾は当たる事なくドアを通り抜け、後ろの壁に向かって飛んでいくだけだった…後ろの壁に当たったことにより破片が飛ぶこと以外は

 

「ぐ…!」

 

い、痛い…車の中で刺さった画鋲以上に痛い…!息が…出来ない…!

 

「っあ…おおぉ…」

 

電「し、司令官さん!大丈夫ですか!?」

 

落ち着け、こういう時こそ息を整えろ。状況を把握するんだ。背中の怪我は酷いが動けないほどではない…

大丈夫、動ける。まだ動ける…!

 

「だ、大丈夫…それより電こそ…怪我は無い?」

 

電「電は大丈夫なのです!でも…司令官さんが!」

 

「大丈夫、弾には当たっていない…ただ衝撃で後ろの壁から破片が飛んできただけだ…」

 

ドアの前に立っていた自分にだけ破片が当たったようで、部屋内にいくつか破片はあるがぶつかった者は誰一人としていないようだった

 

天龍「おい!潮、お前!」

 

潮「くそっ!次は外さない…!」

「喰らえ!」カチッ

「う、嘘…!」

 

…弾切れか。そういえば大淀が言っていたな。弾は撃てて一発のみだと

 

「ふ、ふふふふ。さぁ~て。潮、覚悟はいいな?」

 

天龍「お、おい!提督!」

 

「安心しろ。そこまで酷いことをするわけじゃない」

 

潮「い、いやぁ!来るな!来るなぁ!!!」

 

龍田「提督…?潮ちゃんに変な事をするのは許しませんよ~?」

 

「…君達が僕をどう思ってるかは良く分かったよ。ただ悪いことをした子供をしつけするだけだ」ガシッ

 

潮「は、放して!私に何をするつもり!?」

 

「こうするんだよ…!」バシッ

 

潮「!?!?」

 

「あと9回ね~」

 

潮「ち、ちょっと!何して!(バシッ)っ~!!!」

 

「あと8回」

 

潮「や、やめて!それ以上するなら噛むわよ!(バシッ)っう~!!」

 

「…反省の色なし。10回追加ね」

 

潮「う、嘘!ちょっとやめ(バシッ)うぅ!」

 

(あぁ~、ちょっと楽しくなってきたかも)ニコニコ♪

 

周りの艦娘(うわぁ…)

 

・・・数分後・・・

 

潮「す、すいませんでした…」

 

「反省したならいい。荷物は無事だったからあれで終わりな」包帯巻き巻き

 

…誤解のないように言っとくと尻を叩いただけだぞ。ぶっちゃけ結構叩き心地は良かった

 

電「司令官さん。破片は全部取り除けたと思うので大丈夫だとは思います」

 

「あぁ、ありがとうな」

 

島風「…提督はもし悪い事したらいつもあれするの?」

 

島風のセリフと共に何人かの艦娘がびくっと震える

 

「安心しろ。今回はたまたま思いついたのがあれだったってだけだ。いつもするわけじゃない」

 

艦娘達「良かったのです…」「流石にあれは受けたくねぇな…」「悪いことをしたらあれをすればいいのね…勉強になるわ」

 

何か言ってるが無視でいいだろう…ただ駆逐艦達に変な影響がでたら困るからその時は止めさせるか…特に雷とかは要注意と

 

「ところで何人か目覚めてるやつがいるようだから、包帯を取り換えるぞ。重症度が高い奴から優先して取り換えるから、皆、電の治療を手伝ってやってくれ」

 

電「え!電がするのです!?」

 

「流石に皆みたいな重症患者はみたことないんだ…手際の良さから電は経験があるようだし、やってもらおうと思ってな」

 

電「なるほど…」

 

龍田「…それでも提督自身は軽く処置は出来るのでしょう?ならせめて少しでもいいから包帯を変えてあげるのはどうなの?」

 

「…君達女性。僕男性。OK?」

 

龍田「あら?何か問題が?」

 

天龍「…龍田?何考えて「ん?」なんでもありません」

 

「…あのな?流石にお前らの体に治療をするとなると俺が耐えられないんだよ」

 

龍田「それは…私達が気持ち悪いから?」

 

「そうは言ってない、お前らの体が魅力的すぎるんだ。しかも色々見えてるし、自分を抑制しながらお前らを治療するのは不可能なんだよ…」

 

龍田「…なるほどぉ~?」

 

…龍田め、これを狙ってたな?俺の弱みを握って今後に使おうというわけか

 

「…安心しろ。お前らにそんな目を向ける気はない。潮みたいに男がとことん嫌い。ってのもいるからな」

 

龍田「電ちゃんとは一緒にお風呂に入ったのによく言えますね~」

 

潮「なんですって!」

 

雷「電…それ本当?」

 

電「あ、あわわ…た、龍田さん!それは言わないでほしいのです!」

 

電に流れ弾が…ごめんよ電

 

「もう許してくれないか…頼むから…」

「とりあえずそこで横になっている…その人は?」

 

大淀「この人が重巡の愛宕さんです」

 

「…酷いな」

 

おそらく怪我を放置してずっと戦場へ向かっていたのだろう…目が包帯で覆われており、腕が片腕しかない。足は無理矢理動かしていたのか。少し変な方向に曲がっている

 

大淀「彼女は第三艦隊の旗艦でした…その為、この中では一番多く仲間の轟沈を見てきたかと思います…」

 

「そうか…」

 

どうやらこの世界でも旗艦は轟沈しないようだな…しかし、ついには艦隊に入れることが出来なくなりあとはそのまま放置といったところか。それだけではないように思える傷もいくつかあるけどな…

 

「…それじゃあ電、あとの事は任せたぞ」

 

電「は、はいなのです…」

 

潮「ち、ちょっと待ってよ!貴方は何をするつもりなの!?」

 

「全員の飯作りにいくんだよ。多分皆、腹減ってると思ってな」

 

潮「ご、ご飯?」

 

…潮のこの反応は一体なんだ?

 

「…おい、まさかとは思うが飯も知らんのか?」

 

潮「知ってるよ!でも何でご飯なんか作るのよ!しかも私達の分まで!」

 

「腹が減ったら食う。当然の事だろ?それとも何か?お前らは食わなくても生きていけるのか?」

 

潮「当たり前じゃない!」

 

えぇ…そうなの?

 

周りの艦娘に目をやると皆うなづいていた。どうやら本当らしい

 

「そうなのか…だが作る以上食べてもらうぞ。毒とかは入れないから安心しろ」

 

潮「…信用できると思う?」

 

「なら誰か一人見張りでもつけるか?むしろそいつに少しばかり手伝ってもらいたいんだが…」

 

島風「じゃあじゃあ!私やりたい!」

 

…確かに島風がこの中では一番の軽傷者か

 

「よし分かった。島風頼んだぞ」

 

潮「…」

 

龍田「潮ちゃん、納得がいかないかも知れないけどあの人なら大丈夫よ」

 

潮「…お尻を叩かれたのが許せないだけですから」

 

龍田「ふふふっ、あれは私でも受けたくないわね?流石に恥ずかしいもの」

 

天龍「おい、愛宕を動かすから誰か手伝ってくれ。電は動かしたらすぐさま治療にうつってくれ」

 

電「分かったのです!」

 

雷「電…行っちゃうの?」

 

電「お姉ちゃん…」

「これは私にしか出来ない事なのです。それにどこにも行かないと言いましたよね?だから安心してください」

 

雷「…分かったわ。愛宕さんのことお願いね?」

 

電「任せてほしいのです。あ、司令官さん、出来るだけ消火にいいものをお願いします。もしかしたら胃が受け付けない可能性もありますので」

 

「ん、分かった」

 

島風「提督~早く早く~!」

 

「あぁ、今行くよ…頼んだぞ。電」

 

電「はいなのです」

 

 

・・・食堂・・・

 

 

さて、米とうどん麺はあるから…どっちを作ろうか

 

「島風、こっち(米)とこっち(うどん)どっちがいい?」

 

島風「ん~、じゃあこの長いやつ!」

 

「うどんだな。良し、作るか」

 

…そういえば台所も汚いのだろうか?流石にそうなったらまた町までひとっ走りしてガスコンロでも買ってこないとな

 

台所『キラキラやで』

 

提督「…こんなに綺麗だっけ?」

 

妖精「あ、提督さんです」

 

声のする方を見ると数人の妖精がその場で佇んでいた。胸を張ってエッヘンとでも擬音がつきそうなくらいの誇らしい顔をしている

 

「…もしかして君らがやってくれたのか?」

 

妖精A「はい!さすがにうちの鎮守府がボロボロなのは妖精的に受け入れがたかったので~」

 

…妖精さんグッジョブ!

 

「良くやってくれた。今はもってないが後でお菓子を一杯やるぞ」

 

妖精達「やったぁ~!提督さん大好き~!」

 

「ははは、可愛いやつめ」

 

島風「…妖精さんだけお菓子ってずるい!島風もほしい!」

 

「え、いや…しかしだな…」

 

しまった…まだ子供の島風の前でいうべきじゃなかったぁ…

 

島風「ほしいほしいほしい~!お菓子ほしい~!」

 

「あぁ!分かった分かった!あとで島風にもやるから寝転がって駄々こねるのやめなさい!」

 

島風「え?ほんと!?」

 

…なんか少し慣れてきた自分が嫌だ

 

「提督、嘘、つかない」

 

島風「約束だからね?もし破ったら提督に潮ちゃんがされてたことそっくりそのままやるからね?」

 

「分かった。約束しよう。だから勘弁してください。流石に19にもなってそれは嫌すぎる」

 

島風「やったぁ~!それじゃあ提督!早速始めよう!」

 

 

準備するもの

・うどん(一人前)

・塩(少々)

 

まずは湯を沸かし沸騰させる。ある程度湯が沸いたらうどんを投入する。この時に塩を追加するが入れすぎないように注意することだ。ある程度ゆであがったらお椀にうつす。この時に軽くお湯を飲んでみて、熱すぎないかを確認する。まぁまぁの量を作らなければいけないが、それでも体調が悪い人間に熱々の飯はキツイだろう

 

「と、こんなところか。島風。大丈夫か?」

 

島風「大丈夫!見てて簡単だったしすぐに出来るよ!」

 

「おし、それじゃあガンガン作るぞ」

 

島風「おー!」

 

・・・執務室・・・

 

「料理出来たぞ~」

 

ガチャ

 

目の前にはいざ包帯を取りかえている途中なのだろう皆がいた。皆バラバラに包帯を巻いていたようで肌が見えているもの。一部が露出しているもの。千差万別であったがなんとか理性を保つ。しかし、次に目に入ってきた光景に言葉を出すことは出来なかった

 

???「あ、貴女が…提督ね?」

 

「…」

 

奥で寝転んでいる女性が話しかけてきた。この部屋に初めて入った時に遠目でみていたから分かってはいたが、良く観察すると分かる、かなりデカイ。何とは言わないが

しかし包帯の隙間から痛々しい傷が胸いっぱいに広がっている。跡の形があまりに凄惨で言葉を失ってしまった

 

「…ほら、飯だ。食えるか?」

 

???「ごめんなさい。手が震えてちょっと無理そうで…」

 

「そうか。とりあえず、周りの人たちに配ってくるからちょっと待ってろ」

 

???「えぇ、分かったわ」

 

「皆、食事の時間だ。自分で食べられそうなやつは自分で食べてくれ。自分で食べられそうになかったら、周りの奴らに頼れよ!」

「目が覚めてないやつも起こしてやって、食事の時間だと教えてやってほしい。全員が準備出来たら食べるぞ」

 

艦娘達「分かりました!」

 

大淀「ほら、夕立ちゃん起きて。ご飯よ」

 

夕立「んん…大淀さん…ご飯っぽい?」

 

大淀「えぇ、そうよ。自分で食べられる?」

 

夕立「うん、食べれるよ…でも何で食事が?」

 

大淀「あとで説明してあげるから、まずは食べちゃいましょう」

 

夕立「うん…分かった…」

 

電「雷お姉ちゃん、自分で食べられそうなのです?」

 

雷「…ごめんなさい。ちょっと手が震えちゃって…お手伝い…お願いしてもいいかしら?」

 

電「はい、任せてほしいのです!」

 

雷「ふふっ、ホントは電が甘えなきゃいけないのに…ごめんね…」

 

電「謝らないでほしいのです。むしろお姉ちゃんを助けることが出来て嬉しいのです!」

 

雷「…ありがとう。電」

 

天龍「おし、龍田食えるか?」

 

龍田「もう…食べられるわよ。そんな天龍ちゃんこそ食べられる?」

 

天龍「大丈夫だよ。そこまで子供じゃねぇっての」

 

龍田「そうよね~天龍ちゃんはお姉ちゃんだもんね~」

 

天龍「…頼むからいじるのは止めてくれ」

 

島風「潮ちゃんご飯だよ。提督さんの様子を見てたけど、何も変なものは入れてなかったよ」

 

潮「…あなたが提督とグルじゃないって証拠はないの?」

 

島風「…それは酷いよ。潮ちゃん」

 

潮「…ごめんなさい。あの人を警戒しすぎて疑う必要のない人まで疑ってしまって…」

 

島風「別に怒ってないからいいよ。それより早く食べよう?」

 

潮「うん…ありがとう、島風ちゃん」

 

「…みんな行き届いたな。それじゃ食べるぞ」

「いただきます。」

 

艦娘達「いただきます。」

 

???「ねぇ、貴方の分は?」

 

「先に病人の介護が先だ。後から食べるから安心しろ」

 

???「…分かったわ。ありがとう」

 

「ほら、口開けな」

 

うどんを箸で掬い、息を吹いて冷ます。熱がある程度冷めたと思えば艦娘の口に運ぶ

 

???「ん…」

 

「熱かったか?」

 

???「いいえ、大丈夫よ…」

 

「そうか。まだあるから食べてくれ。ゆっくりでいいからな」

 

???「ありがとう…」

 

そこからは時間をかけて食べさせた。その途中で色々と教えてもらった事がある

まず、今僕が介護している艦娘が愛宕とのこと。しかし記憶にある愛宕と違い、髪は一部白いし肌も少し白い。本人曰く、出撃を重ねていたらこうなったとの事らしい…一部は変わらずでかいが

 

愛宕「…あの、すみません」

 

「どうした?」

 

愛宕「お水を頂けますか?のどが渇いてしまって…」

 

「あぁ、少し待ってくれ」

 

器を地面に置き、水の入ったペットボトルに手を伸ばす。蓋を開け愛宕を軽く持ち上げる時に愛宕の腕を首に回し体を起こす。すると喉に冷たい感触がする

 

「…なんのつもりだ?」

 

愛宕「すいません、私は貴方をまだ信用することができません。なのでこれから質問をします」

「返答しだいでは…分かりますね?」

 

「…あぁ、聞いてくれ」

 

愛宕「では一つ目、貴方は私達の敵ですか?」

 

「違う」

 

愛宕「…では次です。あなたの目的は?」

 

「そういったものはない」

 

愛宕「真面目に答えてください」

 

「…艦娘達のハーレ「言いましたよね?先ほどの話を聞いていなかったのですか?」…正直すまんかった」

 

うーん、これはマジだな。流石にしっかりしないと殺される

 

「僕はここに配属される予定の提督だ。そこを視察してこいとの指示を受けやってきた。そこでもし何か出来ることがあればやってこいとの話だったので今こうして色々やっている…という所だ」

 

愛宕「…嘘はついていないようですね。いいでしょう」

「では、これが最後です」

 

愛宕「…あなたは、私達を助けてくれますか?」

 

「当たり前だ」

 

むしろ助けにこないと思っていたのならそもそも来てないよ。というツッコミは心の奥底にしまっておこう

 

愛宕「…そうですか、それを聞いて安心しました」

「じゃあ早く飲ませてください。喉が渇いたのは本当なので」

 

「あぁ、喉につまらないよう気をつけろよ」

 

…これで少しは愛宕と近づけたのだろうか?

 

・・・数分後・・・

 

愛宕「ご馳走でした」

 

「よし、何とか食い切ったみたいだな。すぐには横にならずに座っておきなよ。太っちゃうからな」

 

愛宕「あら?太ってる女性が男性は好きなのでは?」

 

「…お前の偏見も大概だな。僕は瘦せてる方が好きだ。太ってる人も嫌いかと言えばそうではないけどな」

 

愛宕「そうなんですね~、以後気を付けま~す」

 

「あぁ、そうしてくれ」

「…で、どうした皆、そんな顔して」

 

艦娘達 じーっ…

 

「…何かあったのか?」

 

電「その…司令官さんは何でもいいのですか?」

 

「は?」

 

電「い、いえ。何でもないのです…」

 

艦娘達『アイツ見境なしか?』『女性にそこまでこだわりがない男性は初めて見たわ…』『本当にあの人が提督で大丈夫なのでしょうか…』

 

君達酷くない?泣くよ?むせび泣くよ?男泣きしてもいいんだね?

 

愛宕「提督?私の胸借りますか?」

 

大淀「駆逐艦の前で何言ってるんですか!?」

 

おう、大淀。お前今何考えた

 

「お前の提案は俺にとってヤバすぎる。もう少し自分の容姿とスタイルを自覚しろ」

 

愛宕「…醜いとは理解していましたが何もそこまで言わなくても…」

 

艦娘達『あんな酷いこと言わなくてもいいのにね~』『提督は世の男共とタイプが正反対なんだよ』『え…何それは…』

 

そういやあの三人以外には好きなタイプ言ってなかったっけか。そりゃ誤解もするか

 

「あーいや愛宕が思っているようなことじゃない。むしろ逆だ。スタイルが完璧すぎて別の目的で胸を借りそうになるからだよ」

 

電 …ペタペタ

 

龍田 ナデナデ

 

…ごめんよ電。まさかそこまで気にしていたとは思わなかったんだ

 

愛宕「提督、最低です。人が善意で言ってるのに…」

 

『…だって死因が胸で窒息死とか笑えないし』ボソッ

 

愛宕「何か言いました?」

 

「いや、なんでもない」

 

妖精A「お~い、提督さ~ん」

 

「おう、どうした?」

 

妖精A「一番きれいな部屋が艦娘寮だったから、掃除してそこに荷物置いておいたよ~。中に布団があったから向こうで寝られるんじゃない?」

 

「良くやってくれた。はいこれ。」っクッキー

 

妖精A「わ~い!ありがとう!」

 

島風「あ!甘い匂いするそれってお菓子!?」

 

「あぁ…ほれ。皆でわけな」

 

島風「やったぁ!ありがとう!提督!」

 

大淀「提督…いいのですか?」

 

「ちゃんと歯を磨けば問題ない…って言いたいんだが、みんな歯を磨いたことある?」

 

艦娘達「知識としてはあります」

 

「ならお菓子は食べてもいいけど、食べた者はちゃんと歯磨きするんだぞ!食べてないやつもさっき飯食ったから歯磨けよ!」

「あ、だけど手が震えて無理とかなら、周りに手伝ってもらえよ。洗面器あるからそれに向かって吐き出してくれたら後で処理するから」

 

艦娘達「分かりました!」

 

…前提督はこんなことも教えなかったのか?ホントに救えんやつだな

 

愛宕「提督~?ちょっと手伝っ「はいはい。お前は俺がやってやるから」天龍さん…」

 

天龍「お前、あいつに甘えすぎだぞ。さっきまで喉元にナイフを当ててたやつのやることか?」

 

愛宕「気づいてたの?」

 

天龍「龍田とか夕立みたいな勘がいいやつは気づいていたと思うぞ」

 

龍田「そうね~、流石にあれを見たときはヒヤッとしたから止めてほしいわ~」

 

愛宕「ごめんなさい…どうしても試してみたくなって」

 

龍田「試す?彼を?」

 

愛宕「潮ちゃんがあの人に向かって撃ったでしょ?あれを見たときどこまで許されるのか気になったのよ。正直あれをやってた時は私も何か罰を受けるのかドキドキしたわ…」

 

天龍・龍田(顔を赤くしながら言わないでほしい…)

 

「誰か手伝いほしいやついるか?」

 

夕立「提督さ~ん。手伝ってほしいっぽ…手伝ってほしいです」

 

「夕立か、良いぞ」

 

夕立「あれ?夕立提督さんに自己紹介した…しましたっけ?」

 

あ、そうか。そういえばコミュニケーションとってないのに分かるのは少し不自然だよな

 

「ま、まぁ提督だしな。ある程度の艦娘の事は当然覚えているよ」

 

夕立「ふ~ん、私達の名前を覚えてるなんて変な提督さん」

 

他人の名前を覚えるのはマナーとして当たり前だ。他人の名前覚えられなくて許されるのは学生までだぞ

 

「それより、歯を磨くから口を開けなさい。やりながら覚えてもらうから、次からは一人でも出来るよう頑張るんだぞ」

 

夕立「分かったぽ…了解しました」

 

「…いつも通りの夕立で居てくれ。変に改められると気持ち悪いからな」

 

夕立「かしこまり「んんっ!」…分かったっぽい」

 

変な提督さんってボソッというな。至近距離だから聞こえてるんだよ

 

「ほら、磨くぞ」シャカシャカ

 

夕立「へいほくはん、はみはきひょうずっぽい」(提督さん、歯磨き上手っぽい)

 

「そりゃどうも…とここは磨き残しが多いから気をつけろよ」

 

夕立「ほうかいっぽい!」(了解っぽい!)

 

…娘その2だな。電のような落ち着いた子じゃなく、むしろわんぱくに育ちそうだ。ちなみに娘その3は島風だ。元気一杯な女の子だが、意外と寂しがりやな子に育っていきそうなんだよな

 

「…よし。こんなものだろう。ほら、ぺっしなさい」

 

夕立「…提督さん、流石に恥ずかしいからちょっとあっち向いててほしいっぽい」

 

「あぁ。分かったよ」

 

夕立 ぺっ

 

「終わったか?」

 

夕立「うん。もうこっち見てもいいよ」

 

「おし、よくできたな。偉いぞ」

 

夕立「…変な提督さんっぽい」

 

電「…提督さん。こっちも終わったのです」

 

「お、お疲れ。それじゃ運ぶの手伝ってくれないか?」

 

電「分かったのです」

 

「これが終わったら皆を寝室に運ぶぞ。流石にいつまでもこんなとこに置いとく訳には行かないからな」

 

天龍「は?寝る場所ってどこにあるんだよ」

 

「さっき、妖精が艦娘寮に荷物を置いたって言ってただろ?そこが皆の寝室だからそこで寝るぞ」

 

天龍「分かったよ。移動させる準備でもさせておけばいいのか?」

 

「話が早くて助かるよ。頼んだぞ」

 

天龍「へいへい」

 

「それじゃ電。行こうか」

 

電「はいなのです」

 

雷「電…」

 

電「お姉ちゃん?どうかしたのです?」

 

雷「…ううん、なんでもない。早く帰ってきてね?」

 

電「分かったのです。すぐに戻るので安心してくださいね」

 

雷「…いってらっしゃい」

 

・・・移動中・・・

 

「…おし、これで処理は終わりだ。電、今日一日お疲れ様」

 

電「はい、司令官さんもお疲れ様なのです」

 

…電の様子が心なしか不機嫌な気がする。なんでだ?

 

「…電。僕なんかしたか?」

 

電「…その逆なのです。何もしてくれないから怒ってるのですよ」

 

…?あ、そういうことか

 

「電~?」

 

電「なんなので「はい、ぎゅう~」…へ?」

 

「今日一日頑張ってくれてたのにちゃんと褒められなくてごめんな?中々タイミングがなくて出来なかったんだ」

 

電「…司令官さんはずるいのです」

 

「でもその分こうやって甘やかしてるだろ?なら素直に甘えなさい」

 

「…はいなのです」

 

???「…」

 

「おし、んじゃ戻りますか」

 

電「はいなのです!」

 

・・・移動中・・・

 

「お~い、戻ったぞ~」

 

大淀「あ、お帰りなさい。もう皆準備出来てますよ」

 

「あぁ、ありがとう。それじゃ皆移動するから動けない者。動きづらい者に関しては周りに手伝ってもらえ」

 

愛宕「提督~?少し手伝ってほしいのだけれど…」

 

「あぁ、分かった」抱きかかえ

 

愛宕「て、提督!?何してるんですか!?」

 

「なにと言われても抱っこだが?流石に怪我が酷い奴を担ぐわけにもいかんだろう」

 

愛宕「そ、それはそうですけどぉ~」

 

電(羨ましいのです…)

 

龍田(男なのに女性を持ち上げるって…そういうのは女の役割のはずなのだけれどね~)

 

龍田「んんっ、部屋はどうするの?艦娘寮は一つ一つの部屋はそこそこの大きさがあるけど、流石に皆が入れるわけじゃないわ?」

 

「それに関しては考えてあるから安心してくれ。まず駆逐艦達は二人ずつに分かれて龍田と天龍に分かれて寝てほしい。そして愛宕、お前に関しては大淀と一緒に寝てもらいたい。何かあった時は大淀に話をしてくれ。もしこうしたいとかの要望があるなら言ってくれ。また考えるから」

 

雷「…司令官、私は電と寝たいのだけれどいいかしら?」

 

「ふむ…電はどうだ?」

 

電「私は大丈夫ですよ。むしろ歓迎するのです!」

 

龍田「じゃあ、私が一緒に寝るわね」

 

「おし、じゃあ電は雷と一緒な。付き添いで龍田も…他に要望があるものは?」

 

島風「じゃあじゃあ、私は提督と一緒に寝たい!」

 

「それは却下だ」

 

島風「お願い聞いてくれるって言ってたのに…駄目なの…?」

 

考えるとは言ったが、叶えるとは言ってない。島風の為にも少しは鬼にならなきゃな

 

「駄目だ。許可しない。人肌が恋しいなら潮と一緒にでもなればいいだろう」

 

島風「わかり…ました…」

 

「潮もそれでいいな?」

 

潮「私はいいですけど…男ってやっぱり酷いですね…」

 

…潮の男嫌いも課題か。ただ島風の件に関しては勘弁してくれ。電と一緒に寝たときは心臓やばかったんだから!

 

天龍「じゃあ俺が一緒に寝てやるから安心しろよ!怖くねぇように子守歌でも歌ってやるからよ」

 

助かる天龍!マジでありがとう!

 

夕立「ん…そうなると夕立は誰と寝れば…いいっぽい…?」ネムネム

 

内訳

・龍田、電、雷

・天龍、潮、島風

・大淀、愛宕

 

溢れ

・夕立

 

「じゃあ、大淀達と一緒に寝てくれるか?一応何かあった時用に大淀に通信機渡しておくから、何かあれば大淀を通じて連絡をくれ」

 

夕立「分かった…ぽい…」

 

大淀「でしたら提督はどこで寝るのですか?」

 

「あらかじめ寝る予定だった場所があるからな。そこで寝るよ。あ、これ通信機ね、龍田たちも」

 

大淀「分かりました。何かあれば連絡しますね」

 

「ああ、それじゃ皆、おやすみ」

 

艦娘達「おやすみなさい」

 

愛宕「…提督?このまま私を布団で運んでどうするつもりですか?」

 

「落とされたくなければ変な事を言うな」

 

愛宕「…つれない人ね」

 

愛宕さん?その発言は大変危険ですのでおやめください

 

大淀「ほら夕立ちゃん。着きましたよ。布団に行きましょうね?」

 

夕立「ん…大淀さん…ありがとうっぽい…」

 

大淀「いえいえ、おやすみなさい…」

 

夕立「おやすみなさい…っぽい…」

 

「愛宕、降ろすぞ」

 

愛宕「あ…提督?初めてなので優しくしてくださいね?」

 

この○○○○め、誤解を生むようなことを言うんじゃない。ホントに落としてやろうか

 

愛宕「も~、提督ってば顔が怖いですよ~?」

 

「誰のせいだと…」

 

大淀も呆れてる顔してるじゃないか…心なしか視線がこっちに向いてる気がしなくもないが気のせいだろう

 

大淀「提督、ありがとうございました。もう大丈夫ですので提督もお休みになってください」

 

「あぁ、任せたよ。それじゃお休み」

 

大淀「はい。お休みなさい。一日ありがとうございました」

 

「…とりあえず、まだ全部は見れてないから見回りついでに色々確認するか」

 

AM0:00

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