この学生、元放置提督 世界が変わっても、やることが変わっても、いつも通りにする。ただそれだけ   作:七福えると

18 / 96
謎のハイテンションでほぼ勢いで書き上げた内容になっております。落ち着いた時に何度か見返したりしたのですが「何書いてんだコイツ…」となったので修正を何ヵ所も入れましたが、ぶっちゃけ修正しなければ良かった…と今更ながら後悔しております
作者の世界だ!周りなど知った事か!のテンションだったのでそれでも許せる人のみ、どうぞごゆっくり暇をつぶしてください

…尚、伏線仕掛けすぎて作者本人でも把握漏れが多い模様


鎮守府のたて直し

…眠い。けどそうも言ってられないか

今日は元帥が資材を届けに来る日だけど、同時にどのような場所なのか直接視察に来たことがないので元帥直々に来るらしい

 

…もしかしたら艦娘達が襲撃とかするかも知れないだろうが、その時は龍田に使ったあのスプレーを使うしかないか…?その時は元帥に色々言われるだろうが…あの人の事だし笑って許してくれるといいなぁ…

 

電「司令官さん。出迎えはどうします?」

 

「出迎えは僕と大淀だけで行くよ。電は皆に部屋で待機しておくように伝えておいてくれ」

 

大淀「司令官…私も同行して大丈夫でしょうか?」

 

「大丈夫だ、何も問題はない。後ろめたい事は何もしていない筈だ」

 

大淀「…ですよね」

 

電「大淀さん、大丈夫ですか?」

 

大淀「えぇ、大丈夫です。電ちゃんは皆をお願いしますね」

 

電「はい…」

 

「電、大丈夫だ。お前が心配するようなことは起きない…と思うから安心してくれ」

 

電「そこは自信をもって言ってほしかったのです…」

 

「…下手な事したら首が飛ぶからな。流石に自信を持って大丈夫だとは言えないし」

 

大淀「提督…そろそろ…」

 

「あぁ、分かった。電あとは頼んだぞ」

 

電「…はいなのです!」

 

不安そうな顔から一気にいい顔になったな…気を使わせちゃったな

 

「じゃ、いってきます」

 

電「いってらっしゃい!」

 

大淀「…娘にしたい可愛さですね」

 

「すっごい分かる」

 

 

 

・・・AM 8:00・・・

 

元帥「出迎えご苦労だった。何か異常はないか?」

 

「は!なにもございません!…ところで元帥、後ろにいる人達は?」

 

元帥「彼らは憲兵だよ。君のSOSを聞いたのと、ここがブラック鎮守府だったこともあり一応連れてきたというわけだ」

 

「そうでしたか…ですが皆、良い者達で問題はないと思われます」

 

元帥「そうかそうか。では君の怪我も治す必要がないと考えて良さそうだな」

 

「…!」

 

元帥「君は分かりやすすぎる。隠すならせめて血の匂いをもう少し落とせ。まともに睡眠もとってないようだし、食事もしていないんじゃないか?今後ここの運営を任せなければならないのに、上に立つ者がそんなのでどうするんだ」

 

「…おっしゃる通りです」

 

元帥「…だが良い成果を出しているようだな。妖精がこんなにいて今も鎮守府の為に働いているじゃないか。妖精達から君が提督と認められたと考えて良いだろう」

 

「は!ありがとうございます!」

 

元帥「では資材だが、ここの修繕に使用する資材を除き全3000は持ってきた。これを元に一層の活躍を期待している」

 

「こんなに…ありがとうございます!」

 

元帥「君に任せたのは私だ。もう少し渡したいのだがそれだと下の者達に示しがつかないと大淀に言われてね…流石に実績も何もない君に何かするのはこれが限界なのだよ」

 

「分かっています。今後の活動に関しては私で何とかしてみせます」

 

元帥「大淀、君も彼に対して苦労もたくさんするだろうが、どうか彼を見捨てないでやってくれ」

 

大淀「は!もちろんです!」

 

元帥「さて…それでは中を見させてもらおう。悪いが案内を頼めるか?」

 

「分かりました。ではまずどこから案内しましょう?」

 

元帥「そうだな…ここの艦娘が見たい。頼めるか?」

 

「分かりました。ですが艦娘達は皆怪我が酷く、動くことが難しい者達がほとんどです。なのでそれぞれが寝ていた部屋に案内する形になりますがよろしいでしょうか?」

 

元帥「あぁ分かった、では早速行こう」

 

・・・移動中・・・

 

大淀「こちらは龍田さん達がいる部屋です」

 

「龍田、私だ。今入って大丈夫か?」

 

龍田「提督?えぇ、大丈夫ですよ」

 

「失礼する」

 

龍田「はい、いったいなんの御用で…」

 

元帥を見た瞬間、龍田から殺気を感じるが…大丈夫だろうか?

 

元帥「君が軽巡の龍田で間違いないな?」

 

龍田「…はい。間違いありません」

 

元帥「私は元帥だ。今日はここの視察に来た」

 

龍田「…今更視察って、ふざけているのですか?」

 

元帥「君の怒りはもっともだ。君達の環境が最悪だと知っていたのに、今の今まで解決出来なかった。本当に申し訳ない」

 

龍田「え、え…?」

 

あの元帥が頭を深々と下げている…龍田も予想外なのか変な声出してるし

 

元帥「言い訳にしかならないが、私は大本営という一番上の立つ人間として一つの所にばかり目をやることが出来なかった。結果対応が遅れてしまい必要のない犠牲を増やしてしまった。本当にすまない…」

 

龍田「…それは「貴方のせいよ!」雷ちゃん!?」

 

電「雷お姉ちゃん!寝てないと…「黙ってて!本当の電じゃないくせに!」…!」

 

雷…気づいてたのか…

 

雷「私の姉妹は皆沈んだわ。暁も響も…電だって!」

「今更出てきて何がしたいの!何でこんなに悪いことになっているのを知ってたならすぐに助けにくれなかったの!?もし貴女がもっと早く来てくれたらきっと皆沈まなかったわ!善人ぶるのもいい加減にして!」

 

元帥「…」

 

雷「なんとかいいなさいよ!何で皆が沈まなくちゃならなかったの!?何で提督が今更やってきたの!?今更…今更遅いのよ!」艤装展開

 

マズイ!雷め…マジか!?

 

元帥「…ならば撃て」

 

大淀「元帥!?」

 

元帥「確かに君の言う通りだ。何もかもが遅すぎたのは重々承知だ。それを踏まえたうえで謝罪している。だから君が撃つ事で気が晴れるならどうか私を撃ってくれ。それが沈んだ艦娘に対する贖罪になるなら私は喜んで受け入れよう」

 

雷「…何を「しかし!」」

 

元帥「お前が仮に私を撃ったとしよう。しかしそれでどうなる?君の気持ちはすっきり晴れるだろう。だが、もし私という司令塔がいなくなってしまえば大本営は機能を止め、君達のように被害を受ける艦娘や前提督と同じことをする提督達が増えるだろう。そうなってしまうのは私としても心苦しいんだ。だからもし君が私を撃つなら約束してほしい。」

「私に代わって全ての艦娘達を救ってほしい。それが無理なら周りの奴らを頼って成し遂げろ。利用できるものは利用して徹底的に悪を滅しろ。常に艦娘の傍に立ち、彼女達の幸せを最優先に考えてこの腐った現状を変えてほしい」

「…君にこれを成す覚悟はあるか?」

 

雷「わ、私は…」

 

元帥「さぁ!どうなんだ!?」

 

雷「…無理よ。貴方みたいに皆を救うなんて出来ないわ。私の姉妹も助けることが出来なかったたんだもの…仮に貴女を撃ったとしても、それは私が自分の事しか考えることの出来ないのと同じだわ」

 

「…雷」

 

雷「…悪いけど今は一人にさせて。電も…一緒にいようとしないで」

 

電「お、お姉ちゃん…」グスッ

 

雷「…ごめんなさい」バタン

 

龍田「…私がすぐそばで待機してるから他の所に行って。貴方に対して今すぐどうこうしようとは考えてないから…」

 

元帥「…すまない」

 

大淀「電ちゃん…」

 

電「ヒグッ…グスッ…」ポロポロ

 

大淀「…貴女は悪くないの。貴女のせいじゃないわ」

 

電「大淀さん…」

 

元帥「…提督、次に行こう。引き続き案内してくれ」

 

「…分かりました。こちらです」

 

大淀…電を頼んだぞ。龍田も雷を支えてやってくれ…

 

 

 

「元帥…申し訳ないのですが次の場所は潮がいるのですが…彼女の男嫌いで私は入れません。どうかご容赦ください」

 

元帥「あぁ、構わない。むしろ入らなくて正解だろう、君が入ると彼女の心に余計な負担をかけるかもしれないからな」

 

「ご理解頂きありがとうございます」

 

・・・天龍たちの部屋・・・

 

「天龍、俺だ。今入って大丈夫か?」

 

天龍「あぁ、今愛宕と夕立も一緒にいる。入るか?」

 

潮「え…」

 

ドア越しに潮の嫌がっている声が聞こえてきたが、分かってるから安心してほしい

 

「いや、俺は入らない。代わりに今日視察にきた元帥が入られる」

 

天龍「…そうか。ちょっと待っててくれ」

 

「あぁ…」

 

そういうと部屋の中から声が聞こえてきた。内容までは分からないが怒声も聞こえてくる…一体何を話しているんだろうか?

 

妖精「提督さん!ドアから離れて!」

 

「!」

 

妖精からの警告を聞いた瞬間、元帥を咄嗟に突き飛ばすと同時に僕もドアから離れようと跳躍する。突き飛ばした瞬間、憲兵たちが元帥をキャッチしすぐさま後ろに引いていった

その瞬間、轟音と共にドアが吹き飛び僕自身も吹っ飛んでしまった

 

ドア『』ドオォォン!

 

「うおぉっ!」

 

元帥「大丈夫か!?おい!」

 

元帥がすぐさま駆け寄ろうとしたが、憲兵達に止められた

 

元帥「どけ!目の前に死にかけの奴がいて放っておけというのか!?」

 

憲兵「元帥、我々は貴方を守る為についてきました。彼がどれだけ危険な状態でも、元帥の身が危険と判断した時は貴方の安全を最優先します。どうか分かってください」

 

元帥「ぐ…くそっ!」

 

…体から血が噴き出してくる。ドアの破片が体のあらゆる所に突き刺さり、そこから血が大量に出血しており、このままではすぐに治療しないと不味いだろう。だが…

 

「ぐ…く、うぅ…」

 

元帥「声を出すな!酷い怪我なんだぞ!」

 

「ふ、うぅ…い、今のは…誰が…やったんだ…?」

 

夕立「夕立がやったっぽい」

 

「夕立…何で…」

 

夕立「大本営の人間がやってきたから撃ったっぽい」

 

「…何故だ」

 

夕立「大本営の人間は敵っぽい。私達をこんなになるまで放置して、視察に来るなんて…敵を潰すチャンスだと思ったっぽい」

 

夕立は抑揚のない冷徹な声でそう話す。その声は酷く冷たくて激しい怒りを隠した声のように感じた

 

夕立「提督さん?貴方もあいつを庇うの?ならお前も敵っぽい」

 

「ふざ…けるな…」

 

元帥「おい!もうやめろ!それ以上放置していては本当に死んでしまうぞ!」

 

「黙れ…お前には関係ない」

夕立「黙れ、お前には話してない」

 

元帥「…ちっ!この馬鹿が!」

 

馬鹿で結構…だが、身内の始末はこっちでつける。さっきはアンタに取られたがこれ以上迷惑をかけるわけにはいかない

 

「…夕立。お前、本当に敵は大本営の人間だと思ってるのか?」

 

夕立「当然っぽい。こいつらは私達を見捨てた。何もしてこなかった。助けを求めに大本営に何とかして向かって行った艦娘もいたのに…こいつらは無視を決め込んでたんだ」

 

元帥「な、何…!?」

 

夕立「知らなかったとは言わせない。私は何度もそれを見送った。出撃中に途中離脱し向かうもの…脱走した艦娘も…皆、大本営に向かってなんとかここの現状を報告しようとしていた。なのに…!」

 

夕立の顔が険しくなり、同時に泣きそうな目をしていた

 

夕立「…私はお前らを許さない。例えお前らが許しを乞うても許さない。その程度で皆が受けた傷は癒えない。皆帰らない…」

 

「夕立…」

 

夕立「だから潰す。お前ら全員殺してやる。例え勝てないとしても何人かは絶対に道連れにする。片足だけしかないがそれでも砲門がある。もう弾は出ないけど鈍器にはなる。魚雷も今では爆発もしないけどこれでお前らの薄汚い顔くらいは潰すことが出来る」

 

「…なら潰してみろ」

 

夕立「…提督さん、本気?そんなにボロボロの体で死にかけにしか見えない人間が?私の相手をするの?」

 

「やってみろよ。それともお前は俺のような死にかけの人間も殺すことが出来ない臆病者なのか?」

 

夕立「…後悔しないでね?私と戦うことを選んだのはお前なんだから!」

 

そういうと夕立は片足で跳躍し、こちらに向かって飛んできた。それと同時に魚雷を投げてくるが、避ける事が出来ない…避けようとしても体が動かない

結果、魚雷は胸にヒットするが威力がない。まるで子供の投げた球を体で受けたみたいな強さしか感じなかった。続いて夕立の蹴りが肩にヒットする…が、これも威力がなく痛みがほとんどない

 

夕立「…何で?何で殺せないの?人間の一人くらい簡単に殺せるはずなのに…」

 

夕立はそうつぶやくと投げた魚雷を器用に足ですくいあげ、手で握り振りかざしてくる…がこれも痛みなどほとんどなかった

 

夕立「く、くそっ!なんで!?なんで力が出ないの!?」

 

「…無理だ。諦めろ」

 

夕立「ふざけないで!」

 

更に夕立は空中に飛んで踵落としを決めてくる…が、これも致命打にならない一撃である。空中で姿勢を綺麗に整え、砲門を出現させた腕で殴りかかってくるが結果は変わらない

 

夕立「なんで…何でなの!?」

 

「俺の秘密兵器だよ。それを使った」

 

夕立「秘密兵器…!?」

 

「秘密兵器でも特にやばいやつでな…ホントに、こんなものを作ってくれる妖精さんは末恐ろしいよ…」

 

夕立「…関係ない!たとえお前がそんなものを使おうと!死にかけのお前に負けるわけがない!」

 

「…あぁ、俺じゃ絶対に敵わない。いくら秘密兵器とはいえ、夕立の痛くない攻撃を喰らっても時間経過で俺は出血大量で死ぬだろうしな」

「でもな…お前は俺を見すぎた。俺しか見てないお前の負けだよ…」

 

夕立「は?何を言って…」

 

瞬間、島風が夕立を背後から羽交い絞めする。それに合わせて天龍や潮たちが夕立を抑え込む

 

天龍「夕立!もういいだろ!」

 

島風「夕立ちゃん!これ以上もう駄目だよ!これ以上やっちゃったらもう生きてられないよ!」

 

潮「貴方馬鹿なの!?早く夕立から離れなさい!」

 

「ふ、ふふふ…ごめんな。もう動けないんだ…」

 

夕立「は、放して!何で皆こいつを助けようとするの!?こいつは敵なんだよ!?」

 

愛宕「…そう思ってるのは貴方だけよ。夕立ちゃん」

 

そう言いながら電に支えられながら愛宕が出てきた

…電の頭の上に愛宕の大きな山が二つ、そしてその下で少し泣きそうな顔をしている電…最高です

 

夕立「あ、愛宕さん!?それはどういう…」

 

愛宕「言葉通りよ。皆、彼を敵だと思ってないから助けているの」

 

夕立「な、何で!?こいつは大本営の味方をしたんだから敵じゃない!それなのに…!」

 

愛宕「…夕立ちゃん、貴方は本当に彼が敵だと思うの?」

 

夕立「当たり前じゃない!こいつは「敵を庇ったから彼も敵って言いたいの?」」

 

愛宕「彼は私達を助けてくれた…それは夕立ちゃんも見てきたはずよ。それなのに大本営の味方をしたからっていう理由だけで敵になるの?それはちょっと変なんじゃない?」

 

夕立「そ、それは…」

 

愛宕「…夕立ちゃん。貴方の悪い所はね、一つの物事しか見れない所よ。彼が大本営の人間…それも一番偉い人間を庇ったからこいつは私達の敵…っていくらなんでもおかしいと思わない?」

 

夕立「…」

 

愛宕「確かに私もね大本営の人間が来ると知った時は貴方みたいに怒ったわ。でもね、今まで私達を助けてくれた彼が敵なわけないでしょ?」

 

「夕立…愛宕の言う通りだ」

 

夕立「…」

 

「…皆、夕立を放してやってくれないか」

 

天龍「提督!?本気なのか!?」

 

「本気だよ。万一暴れても秘密兵器の効果はまだ続いてるから安心してほしい」

 

そういうと皆は渋々離れていった…寝そべった夕立を残して

 

「夕立、立てる?」

 

夕立「…うん」

 

「…夕立が大本営を恨むのは筋違いじゃないと僕は思う。実際元帥はここの現状を多少なりとも知っていたようだしね。皆の立場からしたら大本営を恨むのも仕方がない」

 

視界の端で元帥が申し訳なさそうな顔をするが、すぐさま憲兵達に慰められた。その時に何人かの憲兵に睨まれたけど…

 

「だけど、それだけに囚われて他を見ないのは駄目だ。おそらく戦闘でも夕立一人で突っ走って、敵を殲滅してたんだろう?それで助かった艦娘も大勢いたはずだが、夕立が見てない所で沈んでしまった艦娘もいたんじゃないか?」

 

夕立はハッとした表情をしていた。おそらく思い当たる節があったのだろう

…それと同時に周りから凄まじい怒りの視線を感じるがこの際無視することにした

 

「これからは周りをちゃんと見なさい。例えそれが日常でも戦闘であってもだ。そうじゃないと本当に大切な物を見失っちゃうぞ?」

 

夕立「…ごめんなさい」

 

「謝らなくていい。ただ次から気をつけたらいいだけだ。分かったか?」

 

夕立「…分かった」

 

「良い子だな…夕立は」

 

元帥「おい!大丈夫か!」

 

「あぁ、元帥…もういいんですか?」

 

元帥「あぁ、視察は充分済んだ。あとはお前の治療だけだ」

 

「…でしたら先に皆を入渠させてください。じゃないと僕は安心して休めないですから」

 

元帥「分かった、約束してやる。だから早く治療を受けろ!」

 

「…約束ですからね、元帥」

 

そう言った瞬間僕は意識を手放した。二度と目覚める事のない夢への入口かもしれないが…

 

 

 

電「し、司令官は!司令官はどうなったのです!?」

 

元帥「彼なら急遽病院に運ばれていったよ。我々大本営が経営している病院だから医療施設も最高レベルだが…」

 

大淀「…提督は助かるのですか?」

 

元帥「…大丈夫だ。人間はそう簡単に死なない、何週間かは病院にいるだろうがいずれ目を覚ますさ」

 

夕立「夕立のせいだ…夕立のせいで…」

 

元帥「…そのことだが夕立。アイツが倒れる前に言ってた事なんだがな、夕立は悪くない。とさ」

 

夕立「何で?提督さんをあんなにしたのは夕立なのに…」

 

元帥「お前が罪の意識を感じる事の無いように言ったんだろう。だったらそれを尊重してやれ。それにアイツの事だ、危ない事に首を突っ込んでいずれこうなってたさ」

 

一部の艦娘達(否定できない…)

 

夕立「…提督さん」

 

天龍「…で、俺達の処罰はどうなるんだ?」

 

元帥「それなんだが、お前らに対しての処罰はない。とだけ言っておこう」

 

島風「ほ、ホントに!?」

 

元帥「あぁ、安心しろ」

 

夕立「あんなことをしたのに…ホントに良いっぽい?」

 

流石に不信感が高いな…まぁ当然か

 

元帥「あぁ、約束しよう。お前らは今回の件で何も咎められることはない」

 

夕立「よ、良かったぁ~」

 

大淀「…元帥、提督はどうなるんですか?」

 

元帥「…察しがいいな。部下の不始末はアイツの監督責任だ。よってアイツを営倉送りにする」

 

そう告げた瞬間、周りから殺気を向けられる

 

元帥「…やめておけ。ここで私を殺気を向けても何もならん。それに私も助けられたからこの程度で済んでるんだ。それに元を辿ればお前らの責任だというのは分かってるのか?」

 

電「元帥の言う通りなのです。もしここで元帥を殺したらむしろ司令官の立場は悪くなってしまいますし、私達も皆無事では済まないのです」

 

元帥「電の言う通りだ。寧ろこの程度で済んだのはアイツのおかげだと思え」

「今回アイツが営倉送りのみで済んでるのは、アイツが私を庇ってくれたのと、すぐそばで見ていた憲兵達によって私の無事を照明してくれたからだ。もし、アイツが私を庇わなければ元帥暗殺の疑いも出たはずだ。しかし、元帥暗殺を企てたとされる本人自身が死にかけ…しかもその怪我が味方によるもの。という点を考慮し、部下の教育不足による反逆罪とされ営倉送りで済まそうとしてるんだ」

 

艦娘達「…」

 

元帥「本人が死にかけており治療が必要な状況なので私の権限で先に治療を行わせた。その後、営倉行きになるから、奴がここで艦隊運営するのは少し先になるだろう」

 

大淀「…そうなると提督がいない間の艦隊運営は誰がするのでしょうか?」

 

元帥「それなんだが大淀、お前やってみないか?」

 

大淀「わ、私がですか!?」

 

元帥「あぁ、お前が前提督の代わりに運営していたのは知っている。その腕を買ってのことだ。といっても出撃や演習といったことは出来ない。あくまでそういうのは提督の決定が必要だからな」

 

大淀「とすると…開発や遠征等を行え。ということでしょうか」

 

元帥「その考えで間違いない。寧ろ君らは装備がしょぼいのでな、ある程度の開発は許そう」

 

大淀「…開発した装備で私達が反乱を起こさないとでも?」

 

元帥「その時は私が運営する艦隊が皆をお出迎え、というわけだ。言っておくが勝とうとは思うなよ?ウチにも夕立がいるが、戦艦を一発で沈めるからな。おそらく全員が束になってかかってきても夕立一人で撃退出来るからな」

 

夕立「そんなに強いんだ…」

 

元帥「さて、とりあえずお前らは入渠だ。いつまでもそんなボロボロの体では辛いだろう」

 

大淀「…ありがとうございます」

 

元帥「お前らはアイツの部下なんだ。アイツが寝ている以上帰ってきたときは綺麗な姿で出迎えてやれ」

 

龍田「…分かりました。お気遣いありがとうございます」

 

元帥「じゃあ話は終わりだ。重傷者から優先して入渠しろ。特に愛宕。お前は損傷が酷いから妖精に手伝ってもらいながら入ると良い」

 

愛宕「分かりました。じゃあ雷ちゃんと島風ちゃん悪いんだけど入渠施設まで連れてってくれない?動くのが辛くって…」

 

二人「分かった!『わ』」

 

元帥「…夕立お前も入ってこい。片足では何かと不自由だろう」

 

夕立「わ、分かりました…」

 

天龍「…で?元帥殿…ここにきた本当の目的はなんだ?」

 

元帥「…どうしてそう思う?」

 

天龍「まずは憲兵達の装備だ。どう見たって護衛に来たにしては過剰装備にも程がある。スタンガンに拳銃、それに極めつけはあの糞提督が使ってた手錠まであるじゃねえか。何故あんな拷問の道具をあんた等憲兵共が持っている?」

 

元帥「…そうか。お前らはこの手錠を使われていたのだな」

 

潮「…それ電流が流れるでしょ?」

 

元帥「あぁ、これは特別なものでな。悪さをした艦娘をこれで捕獲し、逃げようものなら電流を流して強制的に気絶させる。これを使う予定だったんだが…やめだ」

 

大淀「使う予定だった…?」

 

元帥「お前の企みにアイツが気付いてたってことだ。大淀」

 

大淀「え…?」

 

元帥「昨日アイツから連絡を受けてな。大淀に気をつけろと言われたよ」

 

潮「…大淀さん。もしかして…あれを持ってるの?」

 

龍田「あれ?」

 

潮「うん、私が前提督の慰めものになったのは知ってるでしょ?その時に体が言うことを聞かなくなったりしたんだけど、その時に小さな機械を付けられていたの。もしかしてそれのこと?」

 

大淀「…」

 

元帥「…どうやら図星のようだな。一応聞いておくが誰に使った?」

 

大淀「…島風ちゃんと提督です。島風ちゃんは実験の為につけましたが何も酷い事はしていません」

 

元帥「では前提督には?」

 

大淀「使っていません。私がこの機械を入手した時はアイツはすでに蒸発していました。なので提督の失踪には関われていません」

 

元帥「…そうか」

 

大淀「…今の提督に何をしたかは聞かないんですか?」

 

元帥「もしアイツがお前に悪用目的で何かされていたらお前と仲良く肩を並べて歩いてくるとは思わん。つまりお前はその機械を悪用しようと思って使っていないということだ。アイツもまた、悪用されたと認識してないだろう。ま、アイツが屑ならそれを使って鎮守府を裏から操る…なんてことになってたかも知れんがな」

「アイツはお前に何かされているのに気づいていたよ。全てを知っていたかは疑問だが…その上でお前にチャンスをやると言ってたぞ?」

 

大淀「チャンスですか?」

 

元帥「で、どうする?私としてはお前を確保、その後処分を下すことも出来るが…お前はアイツの艦娘なんだ。アイツがそれを望むとは考えられん。だから敢えて聞こう、お前はどうしたい?」

 

大淀「…でしたらそのチャンスを頂きます。あの人でしたら信じてついていくことが出来ますから」

 

元帥「…大淀その言葉を忘れるな。チャンスをもらうということは、それに失敗すればお前はアイツからの信頼を全て失うと考えて動け。アイツを信じるというのはアイツの全てを信じるのではなく、アイツが間違っていればお前が正してやるんだ」

「決してアイツが間違った事をしないとは言えん。だからその時は間違った道に行かないように今度はお前が正さなければならないんだ。分かるな?」

 

大淀「…はい。心に刻んでおきます」

 

元帥「お前らもだ。自分の事じゃないと思わずにしっかりと覚えておけ!」

 

艦娘達「はい!」

 

…大淀、しばらくの間お前に艦隊を預けるんだ。そのチャンスをものにするんだぞ

 

 

 

・・・病院・・・

 

妖精A「提督さ~ん、起きて起きて~」

 

妖精B「起きないな…こんな時はどうする?」

 

妖精C「怪我して起きないのは明らかだから…治しちゃえばいいんじゃない?」

 

妖精B「どうやって?」

 

妖精C「すぐに怪我を治したい時はこれ!高速修復剤!」

 

妖精A「おぉ!艦娘に使えば一瞬で怪我が治るというあの修復剤です!?」

 

妖精B「…でも人間の提督さんに使って大丈夫なのです?」

 

妖精A「一応高速修復剤を使った事を手紙を書いておくのです。普通の人には分からないので漏洩の心配はありません!」

 

妖精C「これで大丈夫です!では早速…」

 

妖精達「「「甦れ~!」」」

 

バシャアアア!!

 

妖精B「…起きるです?」

 

妖精A「起きてもらわないと困ります。じゃないとお礼のお菓子を貰えません」

 

「…ぐ、く」

 

妖精C「おぉ!効果ありです!」

 

メキ…パキ…

 

妖精B「…何か聞こえないです?」

 

妖精A「提督さんから聞こえるのです」

 

「い…」

 

妖精A「い?」

 

「い…ぐ…!!」

「ぐ、あ、あああ!!!痛い!痛い!!痛い!!!」

 

妖精B「あ、あわわわわ…」

 

妖精C「て、提督さんの体がボコボコしてるのです!」

 

妖精B「と、というか体全体が何だか縮んでいってませんかぁ!?」

 

妖精A「う~む…高速"修復"剤だから提督さんの体が治るだけで済むかと思ったのですが、修復しすぎて体が昔に戻っているのでしょうか?ボコボコしてるのはおそらく骨が生えてるのと同時に、体が小さくなってきているせいで骨が飛び出したりしてるとか?」

 

妖精C「冷静に分析している場合ですか!どうするんです!?」

 

妖精A「とりあえず急いで他の妖精も呼んでください!これがバレたらお菓子どころか罰をもらうことになります!」

 

妖精B「わ、分かったのです!」

 

妖精A「提督さん!しっかりしてください!」

 

「え…か…あ…」

 

妖精A「提督さんが息をしなくなりました!急いで呼吸をさせてください!」

 

妖精C「今こそ妖精の腕の見せ所です!息が止まった程度では動じません!」

 

妖精B「皆を連れてきました!」

 

妖精A「良し!急いで提督さんの治療を開始します!全員配置についてください!」

 

妖精達「「「了解!」」」

 

『おい!今の声は!?』

『あの提督が運び込まれた病室からです!』

 

妖精C「不味いです!周りにバレ始めました!」

 

妖精A「今ここで逃げてはお菓子がもらえなくなってしまいます…皆!一旦提督さんを運びますよ!」

 

妖精達「よ~し!皆いくぞ!」「今こそ脱出の時!」「青空の下へ行くのです!」

 

・・・ガラガラガラガラ・・・

 

『先生!患者がいません!』

『こっちに置手紙があります!』

『なんだって!?』

 

妖精B「はわわ…大変なことになったのです」

 

妖精C「ひ、引くなら今だと思います。これ以上私達の独断で提督さんを危険な目に合わせる訳には…」

 

妖精B「その通りだと思います…やっぱりやめませんか?」

 

妖精A「そんな気持ちでどうするのですか!全てはお菓子…いや、提督さんの為なのです!」

 

妖精B「こ、こんなことになるならやるんじゃなかったです~!」

 

石『やぁ』ガンッ

 

妖精C「あ」

 

石『道端に良く落ちている小石、そんな小石に勢いよくローラー付きのベッドがぶつかったらどうなると思う?ぶっ飛ぶよね!特に上に乗ってる布団や人間もちゃぶ台返しのように勢い良く吹っ飛ぶよ!つまりはそういうことだ!』

 

妖精達「「「…」」」

 

ベット『I'll be back』

 

「ふっ…はっ…はぁ、ゲホ!ゲホ!」

 

妖精C「ま、マズイです!早く救助しないと!」

 

妖精A「でも何とか息はしたのです!」

 

妖精C「言ってる場合ですか!急いで代わりのベッドを持ってくるです!皆行きますよ!」

 

妖精B「え…提督さん見てなくて大丈夫です?」

 

妖精A「ただ寝てるから大丈夫です!それに息もしだしたので大丈夫ですよ!そんなに心配ならそこで見張ってなさい!」

 

妖精B「あ!ちょっと!?」

「…行っちゃった」

 

???「アラ?コンナ所ニナンデ人ガ?」

 

妖精B「し、深海棲艦!?」

 

???「…?コノ子ハ確カアノ時ノ?イエ、ソレニシテハ小サスギルヨウナ…」

 

妖精B「ま、不味いのです…誰かに伝えないと!」戦略的撤退

 

「い、ぐ…」

 

???「見ツケテシマッタ以上、流石ニ見捨テル訳ニモイカナイシ…連レ帰ッテ皆ト合ワセテミヨウカナ?」

「…ニシテモ、コノ子ノ体大丈夫ナノカシラ…?ココマデ歪ナ人見タコトナイワ…」

 

「い、だ…がぁ」

 

???「コレハ…チョットマズイカモネ。スグニ治療スルカラ頑張ッテ!必ズ助ケルカラ!」




秘密兵器紹介

・妖精印のバスタオル(男性用)
主人公が電と一緒にお風呂に入った時に使ったタオルである。これを着用した人物はとある感覚を鈍くすることが出来る。恥ずかしい所を見られたくない人、信頼を失いたくないが自制する自身が無い人におすすめ

・透明ローブ(某タヌキの道具風)
これを被ると透明になれるが15分しか使えない。尚、欠点として使用者は自分の姿も確認出来なくなるので距離感が掴みづらくなるという欠点もある

・催涙スプレー(改良済み)
市販で販売されている防犯スプレーであるが、それを妖精が改造したことにより 脱力+初めて見た相手に甘えるという効果を持つ。本来は男性が女性から襲われた時に使うのだが、艦娘にも効果がある代物

・対艦娘用弱体装置
提督が夕立に襲われた時に使ったものである。効果としては艦娘を見た目以下の強さに落とし込む装置である。駆逐艦に使えば幼稚園児レベルの力(練度による振れ幅あり)しか出せず、例え戦艦でもアスリートレベルの力しか出せなくなってしまう
尚範囲は5メートル程だが、射程内に相手がしばらくの間いなければ使えない。直接指定も出来るので状況によってはかなり良い兵器だが持続時間は5分しかない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。