この学生、元放置提督 世界が変わっても、やることが変わっても、いつも通りにする。ただそれだけ 作:七福えると
ということで続きです。言い訳のしようもない位の遅刻です。ぶっちゃけ書いた内容が自分でも適当過ぎて、二週間かけて作ったのをほぼ全部やり直して、また一週間程かけて作り直しました。そして書き貯めしてる方も大幅なやり直しがあるので、正直今から気が滅入ってます
そして気づいたことが一つ。これ、ニ週間で一本投稿すんの不可能じゃね?と
というわけでちょっとここから先の話が複雑化していく予定なので、少しの間三週間に一本の小説投稿となる予定です。楽しみにしていただいている方々、申し訳ないのですがもうしばらくお時間を…
今回2-3で任務してたら見たことない海外艦の駆逐艦が来てくれました。アンソロジーコミックとかでも見たこと無かったんで誰?って声がマジ出た。ちなみに初海外艦です
時刻は0900
「全員いるな?」
艦娘達「はい!」
「では作戦を説明する。本作戦は敵の不意をつく強襲作戦だ。敵が指定の日までに準備を固めて来るだろうから準備をさせる暇なく終わらせる。今回行うのはそういう作戦だ」
「まずは愛宕、お前はこの中で一番の耐久性と火力を持っている。更に一番旗艦を務めた経験が長いという点を考慮しお前を旗艦に任命する。攻撃と戦況の判断に関しては任せるぞ」
「零式艦上戦闘機をお前に渡す。万が一の時はそれを上手く使って攻撃と索敵に使え。ただし、相手には夕立がいるから味方の夕立と間違えて誤射しないように気をつけろ」
愛宕「分かりました~♪」
「次に龍田と天龍。お前らは敵の無力化を図ってもらいたい。といっても敵の動きが不明なのでこれから俺と相談だ。詳しい動きはそこで決めよう」
「万が一戦闘になった時に備えて二人は愛宕と同じ15.5cm三連装砲を装備してもらう。龍田は魚雷は61cm四連装魚雷を渡す。少し扱いの難しい装備だが前任の時から時から戦闘を行ってきたお前だ。天龍よりかは艤装の扱いが上手いだろう」
天龍「チッ…どうせ俺は遠征ばっかでダメダメだよ」
「そういうな。天龍は装備を中口径主砲で固めているので、もし戦闘中に誰かが沈みそうになっていたり、自身が危険な目にあいそうならそれを投げたりして防御や錯乱に使え。大事なのは装備ではなくお前自身だからな」
天龍「…分かったよ」
「次に雷、島風。君らが今回の戦闘で一番重要といってもいい。君たちは愛宕の補助が目的だ。決して自分から攻めずに守りに徹しろ」
「夕立、お前は攻めてくれ。無理して戦闘を行う必要はないが、深海棲艦との戦いになれば魚雷を発射する敵から。艦娘との戦闘になった場合は夕立をマークして狙え」
夕立「分かったっぽい!」
島風「分かった!」
雷「任せて!」
「最後に俺の方針に対して説明しておく。分かってる奴もいると思うが一応説明しておく」
「全員生きる事を目的にしてほしい。その為ならば戦術的勝利でもいいし敗北してもいい。生きていれば必ずチャンスはある。だから絶対に生きろ。生きて帰ってこい。分かったな?」
艦娘達「はい!」
「ではこれにて解散とする!作戦開始は1900とするので、各自艤装の点検を入念に行っておくように!」
そう告げると皆から敬礼される。それを皮切りにテントから出ると、テントの中からいくつかの緊張が切れたような声が聞こえてきた。流石にそれを聞いて笑いそうになるが、それだとさっきまでの威厳が無くなりそうなので我慢する
「…僕も覚悟を決めるか」
妖精「提督さん、頼まれたものが完成したのです。一度見に来てほしいのです」
「分かった。今向かう」
そう妖精に案内されながら向かう先は港。目の前には人が何人か乗れそうな小型のモーターボートが海に浮かんでいた
妖精「なけなしの資材をほぼ全て使い完成したステルスボートです!これは完全に透明になり、しかもレーダー等でも探知されないボートになっているのです!ちゃんと乗っている人や物も透明になるので安心してほしいのですが一つ欠点がありまして…」
「欠点?」
妖精「これはダメージを喰らうと透明化が解除されてしまうのです。更に一度透明化した後は約10分ほどの間、透明になることが出来ません。一応ボート自体の耐久性を上げているので、駆逐艦の主砲位なら耐えられるのですが、魚雷や重巡洋艦の攻撃には一撃で沈んでしまいます。どうかそこだけはお気を付けください」
「分かった。お礼は全部が終わってから渡すよ」
妖精「今までもらえてなかった分のお礼もお願いするのですよ~。じゃなかったらボイコット起こしますから」
「あぁ、忘れないよう気をつける」
妖精「ちゃんと生きて帰ってきてくださいね?じゃないと我々のお菓子がもらえないのですので~」
「分かってるよ。ありがとうな」
妖精「あ、これ通信機です。以前使っていた通信機を改造したもので艦娘にも指示を飛ばすことが出来ますよ!」
「大盤振る舞いだな…」
妖精「…資材は十分の一になりましたが」
「…ごふっ」吐血
妖精「あぁ!提督さん!衛生兵!えいせいへーい!」
資材 ALL500 → ALL50
(…これ、今回の件が終わっても資材ないせいでやばくならない?自然回復なんてないぞ?)
時刻は1000、明るい陽射しが絶望にふさぎ込む提督を照らしたのだった
戦闘メンバー
・愛宕(20.3cm連装砲、零式艦上戦闘機、15.5cm三連装砲)小破
・天龍(14cm単装砲、15.5cm三連装砲) 無傷
・龍田(15.5cm三連装砲、61cm四連装魚雷) 無傷
・夕立(12.7cm連装砲、61cm四連装魚雷) 小破未満
・雷(12.7cm連装砲A型、61cm三連装魚雷) 無傷
・島風(61cm四連装魚雷、22号対水上電探) 小破未満
時刻 1030
天龍「提督、来たぞ」
「あぁ。入ってくれ」
龍田「失礼しま~す♪」
天龍「で、集めたってことは…」
「これから敵の情報を探りに行くからそれを伝えておこうと思ってな。それの打ち合わせだ」
龍田「それで、私と天龍ちゃんならどっちを偵察に向かわせるの?」
「いや、偵察に関しては俺が行く」
龍田「て、提督自ら?」
「艦娘のお前らが行くと逆に警戒されかねないからな。その点俺は子供(見た目)だし丁度いいだろ」
天龍「待て待て、あいつ等は海の上にいるんだぞ?深海棲艦が出るかも知れないこの海でどうやっていくつもりだよ?」
「妖精にボートを作ってもらったからそれを使って行ってくるよ。漂流者にでも見せればもしかしたら保護くらいはしてもらえるかも知れないだろ?」
龍田「…情報はどうやって教えてくれるの?深海棲艦達があの海域にいる以上、普通の方法じゃ連絡なんて取れないわよ?」
「それなら心配ない。通信機を妖精さんに作ってもらったからこれを使って報告出来るぞ」っガラケー
天龍「…変わった形だな。本当にこんなの使えるのか?」
「ものは試しだ。一度かけるぞ」ピッ
『もしもし?』
龍田「聞こえるわ。何だか提督が二人いるみたいで変な感じだけどね」
天龍「ん?俺は何も聞こえないぞ?」
「これは特定の相手にしか飛ばせないんだ。だからあまり使い勝手がいいとは言えないけどな」
龍田「んー、何だか少しこそばゆいわね。いつもやっている通信と違って耳元で聞こえるみたいよ」
『…聞こえるか』ボソッ
龍田「ひうっ!?」ビクッ
天龍「た、龍田!?提督、お前龍田に何したんだよ!?」
「いや、すまん。ちょっとしたいたずらのつもりだったんだが、まさかここまで良い反応をしてくれるとは思わなくてな」
龍田「て、提督~?次やったら許さないからね~?」
「分かった分かった。もうしないよ」
龍田(…でも、少し良かったって思うのは何でかしら?)
天龍「それで?お前から連絡が来るのを待っていればいいのか?」
「そうだな。あ、俺を見つけてもすぐさま回収に来ずに相手の艦娘の相手をしてくれ。回収に来てほしい時はこちらから連絡する」
龍田「でも、もし仮に提督が敵に攻撃された時はオチオチ連絡も出来ないと思うけど…」
「ふむ…ならば敵と遭遇した時に通信を開始しよう。その後は常に通信を開いて情報を流すからこちらの情報も分かりやすいだろう」
天龍「…ならその通信の役割は俺がするぜ。龍田じゃ通信内容を拾えなさそうだ」
龍田「天龍ちゃん?それってどういう意味?」
天龍「提督、さっきのもう一回やってくれ」
「良し」
龍田「え?」
『綺麗だぞ』ボソッ
龍田「ぴぃっ!?」ビクッ
天龍「ぶ、はははは!何だよ龍田!ぴぃって!」ゲラゲラ
「これは天龍に任せるしかないな」
龍田「て、提督…?今のはずるいんじゃないんですか…?」
「何を言う。通信を常に開いておくんだし、こちらから連絡を飛ばす時に咄嗟に連絡をする時もあるだろう。その時にあのような動揺をしてもらっては困る」真顔
龍田「く、うぅ…」
天龍「…だけどよ、連絡を飛ばすってかなり難しいんじゃねえのか?仮にも連絡が繋がるのは向こうと接触した時だ。堂々と声を出して通信しようものなら危ねえし、通信を開きっぱなしにするってことはどのタイミングから連絡するとかが分からなくなりそうじゃないか?」
「それについてなんだが、詳細な連絡を飛ばしたい時はノックをしよう。一度ノックしたら連絡開始、二度ノックしたら通信終了だ。もし仮にそれ以外の方法でこちらから連絡を飛ばす場合は脅されてるとでも考えてくれ」
天龍「…なるほどな。それなら分かりやすいしノックだからポケットとかに入れてても出来るか。にしても体張るな、普通そこまで行動しようと思わねえよ」
「意外だな。心配してくれるのか」
天龍「馬鹿か、仮にも俺達の提督だ。お前がいなきゃこっちはまた前の生活に逆戻りだし、そうじゃなかったらわざわざお前を心配したりなんかしねえよ」
「むぅ…残念だ」
天龍「ま、提督であるお前が決めた事だ。少なくとも自分が助かる策は考えての事だろうし反対する気もねえよ」
「…」
天龍「…おい、まさか」
「あ、俺がここからいなくなるのは現時点でお前らしか知らないから俺の居場所を聞かれたら、適当にはぐらかしといてくれ。余計な混乱を招きたくないからな」
天龍「…はぁ。分かったよ」
「それじゃ肝心のお前らの動きだが…随伴艦を付けずに行動させたいと思っている」
龍田「…私達に沈めって言ってるわけじゃないのよね?」
「あぁ。そんなつもりはさらさらないが、まぁそう思うわな」
天龍「…俺達は深海棲艦達に対しての囮か?」
「それに関しては愛宕達に担ってもらう。あくまでお前ら二人のやるべきことは敵艦娘の無力化だ」
「無力化といっても何も沈めろって言ってるんじゃない。敵の戦意を削いで戦闘に参加させないだったり、裏切り行為をさせてこちらに引き込んだり、とにかく戦闘をさせなくさせてやれ」
天龍「難しいこと言いやがるな…」
龍田「そうなってくると皆に話しておかなきゃならないけど…何でさっきのタイミングで話さなかったの?」
「…少し気になった事があってな」
龍田「気になる事って?」
「今回の作戦には正直関係ない。俺個人が気になってる事だしあまり深くは聞かないでくれ」
龍田「…分かったわ」
天龍「はぁ…しょうがねぇな」
「…すまんな。お前らの事を利用して」
龍田「気にしないでいいわよ。第一私達はそういうものなんだから…ね?」
天龍「…」
「…はぁ」
「んじゃ行ってくる。俺がいなくてもちゃんと飯食えよ」
天龍「分かった分かった。そう一々言わなくて良いからさっさと行ってこい」
「あいあい」バサッ
天龍「…それじゃ作戦を立てないとな。このことをあいつ等に言っておかなくちゃならないし」
龍田「そうね。作戦までまだあるとはいえ、準備は整えておかなくちゃ」
天龍「それじゃ皆には話しておくとして…」
龍田「やっぱり連携を…」
時刻 1855
愛宕「皆、準備はいい?」
艦娘「はい!」
愛宕「皆も聞いたと思うけど、提督はやることがあるらしいの。だからあまり私達に指示を出す事が出来ないから、もし何かあれば私に向かって連絡を飛ばしてちょうだい」
夕立「提督さん、大丈夫なのかな?」
愛宕「提督曰く、『今回の作戦で必要な事だ。だからここで指示を出したり出来ないんだが、気にせずに戦闘に向かってくれ』だそうよ」
雷「じゃあ、もし愛宕さんが戦闘中とかで通信を飛ばせない時はどうすればいいの?」
龍田「その時は私か天龍ちゃんに飛ばして頂戴。どっちかは通信が出来るから何かあれば教えてね?」
駆逐艦達「分かりました!」
龍田「私からも連絡することがあるわ」
龍田「敵の無力化に関してだけど、もし出来た場合は全体通信で話すわね?」
龍田「全体で連絡する理由としては、もしかしたら敵をこちら側に引き込めるかもしれないからよ」
愛宕「!?」
雷「…なんで?」
雷「ここをボロボロにした相手をどうして引き込むの?」
天龍「…」
龍田「…そういう作戦だからよ」
雷「…納得いかないわ」
龍田「じゃあ、私達の勝算を少しでも引き上げる事の出来る作戦を雷ちゃんは思いついてるの?」
雷「…」
龍田「私達が確実に勝つにはこれしかないのよ。相手は私達より格上…力で勝つのは厳しい。なら人数で勝つしか方法はないのよ」
雷「…分かったわ。だけどもう一つ聞きたい事が出来たわ」
龍田「何かしら?」
雷「なんで敵を引き込める事が出来るって分かったの?」
天龍「!」
雷「敵がこちらに来たのは襲撃の時だけ。話をしたのも通信のみ。直接あの二人を見たのは大淀さんと電、それと愛宕さんだけよ」
雷「人数はこっちが上でも、戦力はあっちの方が上なのに、敵が味方を裏切ってこちら側に来るの?」
雷「おかしな点が多いこの作戦を、せめて納得のいく話を聞かないと今回の作戦を信用するのは難しいわよ」
龍田「…」
天龍「…」
雷「…どうして黙ったままなのよ!?」
???「それは私から説明するのです」
龍田「電ちゃん!?」
電「これは、電がお願いしたことなのです」
雷「え…?」
電「…誰も沈めたくない。そのお願いを司令官さんが聞いてくれたのです」
電「司令官さんが作戦として立てた以上、きっと何か確信があってこちら側に引き込めると判断した作戦だと思うのです」
雷「あっ…」
電「作戦を立てたのは司令官さんです。文句を言うなら天龍さん達ではなく、司令官さんに言ってください」
電「それとも雷ちゃんはこの作戦を立てたのが司令官さんだと知ればそんなこと言わなかったのですか?」
雷「そ、それは…」
電「…雷ちゃんの気持ちも分かります。だけどぶつける相手が違うのです」
電「それに、敵をどうするか決めるのは雷ちゃんではなく司令官さんです。もしも不満があるならちゃんと司令官さんに言ってください」
雷「…分かったわよ」
天龍「…すまん」
電「気にしてないのです。作戦はこれで全部でしょうか?」
龍田「えぇ」
愛宕「こっちも良いわよ」
電「それでは皆さん、作戦を開始してください。どうか無事に帰ってきてほしいのです」
艦娘達「はいっ!」
天龍「…久々だな。出撃は」
龍田「ふふふ…腕が鳴るわ~」
島風「私は二回目だな~。しかも相手が艦娘だなんて、なんだか複雑…」
夕立「でも、提督さんは何をする気なんだろうね?ここにいないなんて」
天龍「アイツの事だ。きっとまた何かをやるんだろ」
愛宕「私達は私達のやるべきことをやりましょ?」
天龍「…」チラッ
雷「…電、テントまで送るわよ」
電「お願いするのです。お姉ちゃん」
天龍「…はぁ」
そうして各々が艤装の最終点検や妖精と艤装の相談に駆逐艦達で連携の確認等、皆が今回の作戦に向けて準備を進めている
天龍「…そろそろ時間だ。皆、準備しろ」
天龍さんの声を合図に、皆艤装を展開する
天龍「行くぞ!抜錨だ!」
その合図と共に海へと出る。着水した瞬間、水飛沫がたちこれから戦場へ向かうのだと気持ちが引き締まる
しばらく海を走ると、龍田さんが声を出した
龍田「皆、作戦の確認をするわよ?皆はここから先の地点で深海棲艦達を引き付けて戦闘。私と天龍ちゃんはそれぞれ別行動で敵艦娘を発見次第、敵の無力化をしていくわ。島風ちゃんは主砲がない代わりに電探を装備しているからそれで深海棲艦を補足してほしいの。そこを皆が攻撃するからもしそれで相手が中破以上じゃなかったら魚雷で追撃してね。おそらくしばらく戦いっぱなしになると思うから下手な追撃は禁止。それを忘れちゃ駄目よ?」
島風「分かった!任せておいて!」
愛宕「弾着観測射撃は任せておいてね?敵が見えたらすぐに報告するわ」
夕立「愛宕さん、任せたっぽい!」
雷「そろそろ敵の島に近づくわ!皆警戒を緩めないようにして!」
愛宕「じゃあ私はここで皆の援護をするわ。妖精さん、偵察お願いね?」
妖精「任せて!」ビシッ
天龍「龍田、気をつけろよ」
龍田「天龍ちゃんもね~。間違っても突っ込んだりしないでね?」
天龍「へっ、分かってるよ」
まるで別れの挨拶のような、だけど必ず生きて帰るという意思を感じるような軽い言葉を交わしあっていた天龍達の背中が水飛沫と共に遠くなっていく。その背中を不安そうに見つめる皆の顔が印象的だったが、すぐさまやる気に満ちた顔に変わる
島風「皆、近くに敵がいるよ!敵は一体!2時の方向だよ!」
愛宕「…良し。皆、今から砲撃の復習ね?島風ちゃんは戦場に出るのが二回目だからよく覚えておいてね」
愛宕「まず私達みたいに腕に主砲がついてる艦娘は、腕を突き出して自身の腕の長さと指の長さから敵の大きさを求めて大まかな距離を割り出すの。後はその距離まで飛ばせるように主砲の角度を調整して…撃つ!」ドォン!
イ級 轟沈
島風「凄い!当たった!」
愛宕「と、このようにして敵を射撃するの。私や島風ちゃんみたいに水上機や電探を持ってるなら角度を調整して発射するだけで良いけど、相手は攻撃されると分かっている時は基本的に動いて回避しようとするから相手の速度も考えて撃つようにしてね」
島風「なるほど~」
夕立「島風ちゃん、今ので分かったの?」
島風「ううん。でもどうすればいいのかは分かったから、実戦で慣れようかなって」
雷「それが良いわ。私もある程度は勘でやってるからね」
愛宕(…これが無事に終わったら提督に算術でも学べるようにお願いしてみようかしら?)
愛宕「それじゃ皆、あまり弾薬を使いすぎない程度に敵の気を引くから、今学んだことをしっかりと活用してね~?」
駆逐艦達「は~い!」
天龍『こちら天龍、全員聞こえるか?』
龍田『聞こえるわよ~』
愛宕『こちらも聞こえてるわ』
天龍『良し。こっちで敵の艦娘をこちら側に引き込む事に成功した。艦娘は響。今から一緒に愛宕達と合流する』
龍田『こっちも敵の艦娘を引き込む事に成功したわよ~。艦娘は暁ちゃんだから皆仲良くしてあげてね?』
雷『ねぇ!その二人って私達の鎮守府から以前轟沈した響と暁じゃない!?』
天龍『…違う』
龍田『…いいえ』
雷『…そうよね』
天龍『…あ、あとな、提督からの指示が来たんだが島に来いとの連絡を受けた。全員集合したら島に向かってくれってよ』
龍田『分かったわ』
愛宕『了解』
天龍『それじゃ通信を終了する』ブツン
響「…ねぇ、随分暗い顔だったけど、何かあったのかい?」
天龍「…なんもねえよ。お前は気にしなくて良いんだ」
響「…そうかい」
天龍「あぁ…」
響「…」
天龍「…」
響「ねぇ」
天龍「なぁ」
響「…どうぞお先に」
天龍「…どうも」
天龍「お前らは鎮守府を攻撃してきただろ?何でそんなことをしたんだ?」
響「…主犯は川内だから私はそれに従ったとしか言えない。だけど本人は楽しむ為だと言っていた。君らの鎮守府を攻撃したのはその為だと」
天龍「…そうか」
響「…すまない。悪い事だと分かっていたのに止める事が出来なかった。本当にすまない」
天龍「…俺に謝るのも良いが、怪我した大淀や電、それに他の皆にも謝っとけ。アイツらはお前らの被害者なんだからな」
響「あぁ。勿論そのつもりだよ」
天龍「…ところでよ。なんだってあんな所に一人でいたんだ?」
響「資材を集めに行こうとしてたんだよ。私達は根無し草だから資材がほとんど無いんだ。幸い近くに資源が取れる所があるからそこに向かってたんだ」
天龍「なるほどな…」
響「こちらも一つ、君たちに伝えなければならない事がある」
天龍「なんだ?」
響「こちらは現在、子供を一人保護しているんだ。だがこっちではその子の面倒を見る余裕がない。だから君達に預けたいんだが…」
天龍「子供…?その子の特徴は?」
響「見た目は小学生なんだが目が死んでたね。なのに言葉遣いは妙に明るかったり、どこか大人びてる不思議な子だよ」
天龍「あ、あ~。なるほどな」
響「…何か知ってるみたいだね?」
天龍「い、いや。し、知らねえよ?」
響「せめて目をキョロキョロさせるのをやめないかい?嘘をついてるのがバレバレだよ」
天龍「あ、えーっとな…その子は多分…俺の知り合いだ」
響「そうなのかい?」
天龍「あ、あぁ。俺達みたいな艦娘を綺麗だとか言う変な奴でな。ちょっと印象的だったから覚えてたんだ」
響「なるほどね…それなら話が早い。その子の親はどこにいるんだい?」
天龍「お、親?」
響「そうだよ。子供には必ず親という存在がいるんだが…知らないのかい?」
天龍「…いや、知らないな」
響「ふむ…」
天龍「と、とりあえずだ。そいつは皆と合流してから今回の件が無事に解決したら引き取りに行くよ。今迎えに行っても、俺があいつ等に攻撃されるのは目に見えてるからな」
響「そうだね。早く皆と合流しようか」
天龍「そうだな『も、もしもし?誰かそこにいますか?』!?」
響「ど、どうしたんだい?」
天龍「…提督からの通信だ」
響「提督から?」
天龍(…ノック無しの通信。今がヤバい状況ということか?いや、それとは逆にノック無しで連絡する必要があったという事か?)
天龍『…もしもし?こちら天龍』
『あぁ!良かった!人に繋がった!』
天龍『…聞いたことのない声だな?誰だ?』
『あの僕、名無しと言うんですけど、その、実は今島に流れ着いてて…』
天龍『…遭難者か?』
『あ、えと、はい。そうです。それで、あの…助けを呼んではくれないでしょうか?』
天龍『助けを?』
『はい。あの…実は今艦娘の人達に保護されているのですけど、その人達も資材が無くて一緒に助けてほしいって言ってるんです』
天龍『…すまないがこちらも救助は不可能だ』
『そ、そんな!』
天龍『俺達も資材が無くて救助に行けそうにないんだ。それに近々作戦もあって救援には迎えそうにない』
『じ、じゃあどうすれば…』
天龍『そうだな…お前の救助を近くの鎮守府に依頼しよう。それならどうだ?』
『なるほ…あ、すいません。川内さんが変わりたいそうなので変わります』
天龍『おう』
???『もしもし?こちら川内』
天龍『お前、子供になんもしてないだろうな?』
川内『お、その反応的にあそこの鎮守府の艦娘か』
川内『一応弁明しておくと何もしてないよ。何も出来ない子供をどうにかするほど落ちぶれてないからね』
天龍『うちの鎮守府を攻撃したくせに良くそんなことが言えるな』
川内『それとこれとは別だよ。戦えない子供に興味はないからね』
天龍『…で、そいつをどうするつもりだ?』
川内『だから何にもしないよ。こっちが言うのも何だけどこの子の扱いに困っててね。そっちには提督がいるだろう?そいつに繋げてくれないかな?』
天龍『…悪いがそれは出来ない。提督は今別件で出払っててこっちも通信することが出来ない』
川内『なるほどね…なら決戦の日、その時にこの子をそっちで引き取ってくれないかな?』
天龍『…いいだろう』
川内『用はそれだけだよ…っと、これはどう切ればいいのかな?』
『あ、分かりました。天龍さんも作戦が終わったら迎えに来てくださいね』
天龍『ふっ、分かったよ』
『それでは!』プッ
響「…終わったのかい?」
天龍「あぁ。後で迎えに来てくれって『コン』!?」
響「…どうしたんだい?」
ノック音が一回…通信の開始だと?
天龍「…マジかよ。アイツ、どんな胆力してんだ?」
『ふぅ…これで良いんでしたっけ?』
川内『うん、ありがとうね。』
『でも、確認したいことってあれで良かったんですか?』
川内『うん。目的は果たせたからね』
『目的?』
川内『…ま、君が知ったことでどうにも出来ないか』
川内『実はここに時雨っていう艦娘がいるんだけど、あの子のある目的の為に知る必要があったんだよ。ま、無駄に終わりそうだけどね』
『その目的って?』
川内『…提督の暗殺だよ』
天龍「!?」
川内『あそこの提督に時雨が個人的に強い恨みを持ってるらしくてさ。誰もついていかせずに一人で行っちゃった』
『一人で行くって、そこにいる艦娘にやられちゃうんじゃないですか?』
川内『それはないんじゃないかな?』
『どうしてですか?』
川内『…深海棲艦を呼べるんだよ。アイツは』
天龍「は…?」
通信の向こうで行われている会話に驚き、思わず声が漏れた。その様子を心配そうな顔で見ている響の顔が視界に入る
響「…顔色が悪いよ?どうかしたのかい?」
天龍「…すまん。ちょっと急いで合流するぞ」
響「分かったよ」
『深海棲艦って…あの深海棲艦ですよね?』
川内『そうだよ。流石に艦娘が深海棲艦を呼べるって聞いてびっくりした?』
『びっくりしますよ…』
川内『ま、私達はその力を利用して練度上げに励んでたんだけどね』
『だけど深海棲艦ってまだ謎な事が多いんですよね?そんなのを呼んだりして大丈夫なんですか?』
川内『…君、やけに詳しいね?』
『深海棲艦がどんな相手なのか個人的に調べてた時機があったんですよ。流石に規制が厳しすぎてほとんど分からず仕舞いでしたけど』
川内『…』
『…』
川内『…そうだね。一応時雨が呼んだ深海棲艦は時雨本人には攻撃しないんだ』
『とすると…川内さん達は狙われたんですか?』
川内『あぁ。重巡レベルの奴が現れた時もあったけど、あの時は肝が冷えたね』
『重巡…』
川内『どう?重巡にも勝っちゃうなんて凄いでしょ?』
『まさか一人で勝ったとか?』
川内『流石に違うよ。いくら私でも流石に重巡と真正面から戦うのは辛いからね…その時は夕立と暁と響もいて勝てたって感じかな』
…流石の川内も重巡と真正面からやりあうのは不可能か。アイツも無敵って訳じゃないんだな
『とすると、艦種によって呼べる敵の数が違うって感じかな?』
川内『多分そうじゃないかな?本人に聞いた事もあったけど、重巡を二体呼ぶのが限界らしいし』
『まぁ際限なく呼べたら流石にとんでもないですもんね』
川内『ははっ、それをされたら私達なんかすぐに制圧されちゃうよ』
…これはデカイ情報を手に入れたぞ。だが、これがホントなら今頃時雨は鎮守府に…?
天龍「…不味いな。潮達大丈夫だろうな…?」
暁「響!」
響「暁、先に来てたのか」
雷「響…暁…」
島風「天龍さん!お帰りなさい!」
龍田「お帰り~♪」
夕立「お帰りなさい!」
天龍「皆、提督から連絡があったんだが時雨が今鎮守府に向かってるらしい。深海棲艦も呼んでるかも知れない」
愛宕「なんですって!?」
天龍「どうする?一応鎮守府までは10kmも離れてないから、もしかしたら時雨が襲撃する前に鎮守府に戻ることも可能だと思うぞ?」
龍田「…愛宕さん、判断は貴方に任されてるわ。貴方が決めて頂戴」
愛宕「…ここは退きましょう。もしかしたら鎮守府にいる潮ちゃんが更に酷い目にあうかもしれないわ」
天龍「分かった。二人もついて来てくれ」
???『誰か!応答願えますか!?』
雷『潮!?どうしたの!?』
潮『あの、先程時雨さんが鎮守府に来て、提督を出せって言ってきて…』
天龍「くっ…遅かったか!」
雷『それで?先程ってことはもう時雨は帰ったの?』
潮『…はい。提督から万が一の時の指示は受けていたのでそれで乗り切りました』
龍田『待って、私達はそんな指示受けてないわ?』
潮『提督が私にだけ教えてくれたのでおそらく皆さんは知らないです。そして、これが次の作戦合図だとも言われました』
愛宕『つ、次の作戦?』
潮『はい、次の作戦は全て現場にいる艦娘の指示に従えと…』
夕立「えっと…つまりどういうこと?」
天龍「…後は全てお前らに任せたってことだよ」
島風「それって…」
天龍「あのクソ野郎が!いい加減にも程があるだろ!」
龍田「完全に丸投げね~。あの提督置いて帰ってやろうかしら?」
潮『…あの、少し話しておかなくちゃいけない事があって』
愛宕『何かしら?』
潮『その…時雨さんに教えた情報なんですけど、その内容は伝えておこうと思いまして』
龍田『そういえばどんなことを言えと指示を受けたの?』
潮『えっと…提督が貴方達の島にいるとの情報を流せって…』
愛宕・龍田・天龍『『『はぁ!?』』』
島風「おぅ!?」
夕立「ど、どうしたの?」
雷「…」
暁「…ねぇ、どんなこと話してるの?」
響「皆の反応を見てる感じ、あまりいい報告とかじゃないみたいだね」
天龍『ま、まてまて!アイツ、ホントにそんな指示出したのか!?』
潮『は、はい』
天龍『あの野郎…俺らが見捨てられないの分かっててやりやがったな?』
愛宕「…二人共、今から川内達を襲撃しに行こうと思うんだけど、貴方達はどうする?」
暁「あ、い、今から?」
響「…私は一緒に行こう。暁は怖いなら鎮守府に「い、行くわよ!やってやろうじゃない!」」
雷「二人共…ホントに来るの?」
響「行くよ。私達がやったことに対する贖罪になるなら協力したいしね」
暁「わ、私はレディなのよ!ごめんなさいの一つも出来ないなんてレディじゃないわ!」
雷「…」
天龍「…安心しろ。二人は俺が守ってやる」
雷「…うん」
愛宕「そうね…皆は先に島に向かってて。私はここで時雨を迎え撃つわ」
夕立「なら夕立も一緒にいる!」
愛宕「…分かったわ。でも、あと一人は欲しいわね…」
島風「なら私も残るよ!」
天龍「それじゃ分け方はこんな感じか」
愛宕グループ
・愛宕
・夕立
・島風
天龍グループ
・天龍
・龍田
・雷
・暁
・響
天龍「愛宕達が鎮守府から向かってくる時雨の足止め。俺らは島にいる提督を救出だ」
龍田「皆、無理はしないでね?」
夕立「分かってるっぽい!」
島風「私速いもん!そんなに心配しなくても大丈夫だよ!」
愛宕「…気をつけてね」
雷「うん…」
響「心配してくれてありがとう。雷は必ず無事に帰すよ」
暁「任せておいて!」
天龍「…行くぞ。作戦開始だ」
愛宕side
来てる。あの子が。私に失望してくれたあの子が
愛宕「…二人共、時雨を発見したわ」
夕立「時雨…」
島風「…時雨以外はいないみたいだよ」
分かってる。何故かあの子だけがいると直感で分かる
時雨「…愛宕」
愛宕「ここから先は通行止めよ」
時雨「どいてくれないかな?この先にアイツがいるんだ。後少しの距離を走るだけで忌々しいアイツを終わりに出来るんだ」
夕立「…アイツって、提督さんのこと?」
時雨「そうだよ。邪魔するなら容赦はしない」
愛宕「…提督にあってどうするの?」
時雨「返すんだよ。僕達が今まで受けてきた事を、全部アイツに返してやるのさ」
夕立「それをした後はどうするつもりなの?」
時雨「…知らないよ。どうでもいい事を考えても仕方ないでしょ?」
愛宕「ねぇ、私達を酷い目にあわせてたアイツはいなくなったのよ?だから島なんかに行ってもアイツはいないわ」
時雨「それじゃあ何で潮はアイツをすぐに売ったのかな?」
時雨「僕ね、あそこに行けばアイツに会えるって思ったんだ。だけどそこには潮と二人の艦娘しかいなかった」
時雨「その時に出会った潮に砲門を突き付けて脅そうとしたんだよ。でもそれを言う前に潮はアイツがどこにいるか答えてくれた」
時雨「これってさ、潮もアイツの被害者だったからすぐさま売ってくれたんだと思うんだよね」
島風「いや、それは提督の指示で…」
時雨「嘘をつくな!大体、自分の命が危うくなりそうな事をアイツが言うはずがないだろう!」
三人(ホントの事なんだけどなぁ…)
時雨「それにアイツがそんなことを言うはずがないよ。アイツはどこまでも自分勝手で、僕らを見下して、挙句の果てには自分のミスを他人のせいにして…」
時雨「上手くいかなきゃ殴られて、蹴られて…殺される」
時雨「君らも見てきただろう!?アイツの腐った性根をさぁ!!!」
愛宕「…知ってるわ。私が一番それを知ってるから」
時雨「じゃあどうして行かせてくれないんだ!どうして僕のやることを妨害しようとするんだ!?」
愛宕「あそこにいるのはアイツじゃない。あそこにいるのは私達の提督よ」
時雨「提督、提督、提督って…君達はどうしちゃったのさ!?なんであんな奴を提督なんて呼ぶんだよ!?」
夕立「時雨の知ってる提督じゃないから。あそこにいるのは新しく来た提督の事っぽい」
時雨「…は?」
島風「あのね、新しい提督さんは凄いんだよ!私達の事を助けてくれてね?美味しいお料理まで作ってくれたの!」
時雨「…何を言ってるんだい?」
愛宕「貴方の知る提督じゃない。今の私達の提督の話よ」
夕立「私が暴れた時も提督さんは許してくれた。アイツみたいに私達を殴ったりはしなかったよ」
時雨「…」
愛宕「大体、おかしいと思わないの?わざわざアイツが貴方達の島に向かうって…」
愛宕「アイツはそんなやつじゃないのは知ってるでしょ?アイツはむしろ、自分だけは安全な所に避難してるはずよ。いつもみたいに自分では何もせずに他人任せなアイツが、どうして貴方達の島にいると思うのよ?」
時雨「…そういう」
時雨「そういう作戦かも知れないじゃないか!普段やらないことをやって僕を攪乱させて!君達みたいなコマに僕を沈めさせるのが目的なんじゃないのかい!?」
夕立「違うよ。そんな作戦なんてない」
愛宕「むしろアイツなら徹底的に自分の保守に走る為に私達をバラバラにさせずに一つに集めちゃうんじゃないかしら?」
時雨「…あぁ。そうか」
時雨「時間稼ぎか。君達は」
島風「!?」
時雨「…島風の反応を見る限り当たりかな?やっぱりアイツはあそこにいるんだね?」
夕立「…愛宕さん」
愛宕『天龍、龍田、聞こえる?こっちの作戦がバレたわ。提督の救助はどう?』
天龍『まだ無理だ。川内と夕立だけだから余裕だと甘く見てたが…完全に油断してた』
龍田『誰も沈んではないけど、そろそろ大破しそうな子がいるわ。これじゃあ提督の救助は少し難しそうよ』
時雨「…昔の仲間だと思って流石に傷つけるのは止めておこうと思ったけど、流石にアイツに逃げられたらもう次のチャンスは来ないかも知れないんだ。悪いけど、死なないように頑張ってね」
時雨から私を呼ぶような意識の波動とでも言うのだろうか?まるで吸い寄せられるみたいに意識が時雨に向いていく
リ級「…」
イ級1「…」
イ級2「…」
愛宕「…暁ちゃんが言ってた時雨の力ね」
夕立「時雨!待って!」
島風「夕立ちゃん!先にこっちを何とかしないと私達が危ないよ!」
時雨「そういうこと。夕立ならきっと切り抜けられるはずさ。頑張ってね」
時雨の背中が遠くなる。高い水飛沫をあげるほどの加速をしながら、その背中が遠ざかっていく
愛宕「二人共!急いで終わらせるわよ!」
島風・夕立「「了解!」」
愛宕『こちら愛宕!時雨がそっちに向かったわ!』
天龍『…了解』
愛宕「そこを…どいて!」ドォン!
イ級1「グァァァァァ!!!」轟沈
良し!これなら…!
リ級「…」ドォン!
愛宕「キャ!?」中破
夕立「愛宕さん!」
島風「くっ…!許さないよ!」バシュッ
夕立「これでどう?」ドンッ!
島風ちゃんの魚雷が扇状に放たれる。それと同時に夕立ちゃんの主砲も砲撃音を鳴らしながら放たれた
イ級2「グァァァァァ!!!」轟沈
リ級「…」中破
島風ちゃんの魚雷でイ級は轟沈したが、魚雷と駆逐艦の主砲を受けた程度ではリ級は沈まない。分かってはいたことだが、流石に火力が足りないようだった
愛宕「沈んで!」ドォン!
リ級「…」大破
愛宕「嘘っ!?」
リ級「…」ニィ
嫌な顔をしてリ級が笑う。余裕なんて相手もないはずなのに、なぜ笑えるんだろうか?
夕立「くぅっ!?」中破
島風「いった!?」小破
愛宕「二人共!?」
夕立「愛宕さん!あそこ!」
夕立ちゃんが声を荒げ、攻撃が来たであろう方向を指さしている
その指先には夕立がいた。少し怪我した状態で
夕立改「…笑うな。お前に笑われるのは不愉快だよ」ドンッ!
リ級「キャァァァァ!?」轟沈
夕立「…どうして?」
夕立改「…」
島風「…」バシュッ
夕立改「不意打ちのつもり?」バシャ!
島風「…!」
魚雷が当たる直前、敵の夕立が海面を蹴った衝撃で魚雷が足元を潜り、爆発もせずただ後ろに流れていった
夕立「…凄いね」
夕立改「貴方も出来るよ。同じ夕立なんだから」
夕立「目的は何?」
夕立改「私のいた証を残したい。それだけだよ」
愛宕「…何を言ってるの?」
夕立改「あれ?分からない?」
私のいた証?…居た証?なんでそんなものが必要なの?
愛宕「…分からないわ」
夕立改「…はぁ。これじゃ時雨が報われないなぁ」
愛宕「さっきから何を言いたいの?」
夕立改「いや、もういいよ。早く沈んで?そしたら提督と貴方達の仲間の記憶に残るしね」
夕立「…そんなことをしても貴方を覚えてくれる人が沈んじゃ意味ないんじゃないの?」
島風「そーだよ!覚えてくれる人がいなくなっちゃ意味ないじゃん!」
夕立改「…まだ貴方達の方がましみたいね。貴方よりずっといいわ」
愛宕「…さっきから何を「ほら、楽しい夜にしましょ?」」
そう相手の夕立が声を出したかと思えば、主砲を島風に向かって構えたかと思えば、狙いを定めているかも分からない勢いで放つ
島風「うわぁ!?痛いってば!」大破
愛宕「主砲の早撃ち…!?」
夕立「…」
夕立改「どうしたの?構えもしないで?」
夕立「…愛宕さん、島風ちゃん。先に行ってて」
愛宕「夕立ちゃん!?」
夕立「大丈夫。沈まないから」
夕立改「…へぇ?」
島風「…分かった「島風ちゃん!?」」
島風「良く考えてよ。ついさっき時雨が提督のいる場所に向かったんだよ?一分一秒でも惜しいのに、ここでこの夕立だけに構ってたら提督が殺されちゃうよ。もしかしたらもう…」
愛宕「でも、あの夕立が見逃してくれるか…」
夕立改「行くなら行っていいよ。そこの夕立に興味が湧いたから」
夕立「…」
島風「ほら、あの夕立もああいってるんだし、急ごうよ」
愛宕「…夕立ちゃん。絶対沈んじゃダメよ」
夕立「分かってるっぽい」
愛宕「…行きましょう」
島風「…うん」
夕立改「…で?貴方は楽しませてくれるの?」
夕立「楽しめたら貴方は沈むの?」
夕立改「…」
夕立「同じ私だもん。ある程度の考えてることくらいは分かるよ」
夕立改「…じゃあこれも?」ガチャ
夕立「私が回避したらすぐさま魚雷で追い打ちをかけるんでしょ?けど、わざと魚雷を外して、私を殴って吹っ飛ばす」
夕立改「…」
夕立「試してみる?貴方から魚雷の避け方は学んだから、吹っ飛ばして魚雷に当てるって考えは止めといた方が良いよ?」
夕立改「…ふぅ、そこまで分かっちゃうんだ」
夕立「…」
夕立改「…貴方はさ、誰かに覚えてもらいたいって考えたことはないの?」
夕立「ある」
夕立改「…良い人に出会えたんだね」
夕立「貴方は違うの?」
夕立改「…出会えたよ。とっても良い人と」
夕立改「その人に言われたんだよ。誰かの記憶に残るからソイツは確かに存在するんだって」
夕立改「それを聞いてさ、私も誰かに覚えてほしくなった。それだけだよ」
夕立「…その人に覚えてもらうだけじゃダメなの?」
夕立改「それじゃ覚えてくれないってさ」
夕立「…」
夕立改「聞いてよ。その人さ、俺だけが覚えてちゃ死んだときに誰も覚えてくれないってさ。だから死にそうにない奴に覚えてもらえって言われちゃった」
夕立「それが私?」
夕立改「そういうこと。さっき攻撃した時も冷静に観察してたし、同じ私だからね」
夕立「…」
夕立改「…さて、続けよっか。いつまでも喋ってちゃ不味いでしょ?」
夕立「…全部をぶつけてきてよ。じゃなきゃアナタの事をいい加減に覚えちゃいそうだし」
夕立改「…貴方、最高だよ」
夕立「自分に褒められてもあんまり嬉しくないっぽい」
夕立改「それもそっか」
夕立「…」ガチャ
夕立改「…」ガチャ
夕立達「「さぁ、素敵なパーティしましょ!」」ドンッ!!
時は多少遡り・・・天龍side
天龍「お前等!そろそろ川内のいる所だ!気合い入れてけよ!」
龍田「分かってるわ~」
雷「…えぇ」
暁「雷、どうしたの?」
響「大丈夫かい?」
雷「え、えぇ。大丈夫よ」
暁「嘘つかないで!そんな顔して大丈夫なわけないでしょ!」
響「…原因は私達かい?」
暁「え、えぇ!?私、雷に何かしちゃった!?」
雷「…う、うぅ」
暁「ど、どうしたのよ!?急に泣いちゃって!?」
天龍「おい、どうした?何かトラブルか?」
龍田「…」
響「いや、大丈夫だよ。気にせず進んでほしいな」
雷「なんで…何で二人共いなくなっちゃったのよ…何であんな目にあったのにまた行こうとするの?」
暁「雷…」
響「…不安かい?また行っちゃうんじゃないかって」
雷「…」コクッ
響「…私は大丈夫。どこにも行かないよ」
雷「…そういって、帰ってこなかった響を私は知ってるわ」
響「…」
暁「…あぁ、もう!さっきから何で泣いてるのよ!」
雷「…」
暁「確かに私達はいなくなっちゃったわよ!でも、今を大切にしなかったらまたいなくなっちゃうわよ!」
雷「…」ビクッ
暁「そんなにいなくなっちゃうのが不安なら、今度こそいなくならないように一緒にいましょ?一緒に手でも繋いであげるから!」
響「…暁がちゃんとお姉ちゃんをやってる。いっつもレディばかりしか言わないあの暁が」
暁「あのね…私はレディである前にお姉ちゃんなのよ?泣きそうになってる妹をほったらかすなんて、お姉ちゃん失格よ」
雷「暁ぃ…」
暁「…ほら、手、繋ぎましょ?」
雷「…うん」
龍田「…良い子ね」
天龍「…あぁ。絶対に生きて帰る。全員でだ」
龍田「…」
天龍「…来たぞ」
川内「おっと?これはこれは…鎮守府にいた皆さん。それに裏切り者の二人まで…」
暁「…」
響「…」
天龍「おい、子供はどこだ?」
川内「この島の奥にいるよ。別に危害は与えてないから安心して」
天龍「…そうか」
夕立改「遅れたっぽい。まだ始まってないよね?」
川内「あぁ。大丈夫だよ。これから始めるとは思うけど」
天龍「へっ、良く分かってるじゃねぇか」
龍田「この人数差よ。大人しく投降しなさい」
川内「…ぷっ、それ本気で言ってるの?」
天龍「何だと?」
川内「流石に舐めすぎじゃないかな?ここは敵地で、貴方達は私達のテリトリーに入ってきた。その時点で人数差なんて、ほとんど意味がないよ」
龍田「…一体何を『ドンッ!』きゃあ!?」小破
天龍「龍田!」
イ級「…」
響「嘘…何でこんな所に深海棲艦が?」
川内「そりゃ私が引っ張ってきたからね。暁達がいなかったから、こうやって深海棲艦を適当に連れてきて、島の警護をさせてたんだよ。ま、敵味方判断しないっていうおまけつきだけど」
天龍「ちっ、だが一体だけなら「誰が一体だけだなんていったよ?」」ドォン!
龍田「天龍ちゃん!」
天龍「うお!?」バシャーン!
天龍「あ、あぶねぇ…」
リ級「…」
ホ級「…」
暁「こ、こんなに…」
雷「天龍さん!深海棲艦は私が引き受けるから、天龍さんは川内達を!」
天龍「バカ野郎!お前一人で任せられるか!龍田!」
龍田「分かってるわ。暁ちゃんか響ちゃんのどっちかで良いから手伝ってくれない?」
暁「なら私が行くわ。響、天龍さんのことよろしくね?」
響「任せて」
川内「作戦はもう良いの?」
天龍「あぁ。さっさとやろうぜ」
川内「…ねぇ、ホントに勝ちに来たの?それともまた別の目的?」
天龍「…お前に言う義理はねえよ」
川内「…それもそっか」
夕立改「…止めといた方が良いよ?二人だけで勝てる訳ないじゃん」
天龍「それは…コイツを喰らってみてから言ってみるんだな!」ドォン!
川内「うぉっと」
夕立改「…」小破
天龍「…は?」
夕立改「…言っておくけど、さっきのは避けた訳じゃないよ。私は一歩も動いてない。ちゃんと当てなかったのは貴方」
川内「もう一回聞くよ?ねぇ、ホントに勝ちに来たの?」
天龍「う、うるせぇ!下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるって言うだろ!当たるまで撃ちまくってやるよ!」
夕立改「はぁ…もういいや。さっさと沈んじゃえ」ドンッ!
響「…!危ない!」ボォン!
天龍「響!」
響「くっ…」中破
夕立改「良く庇えたね。でも、それじゃただの的だよ?」ドンッ!
天龍「ちっくしょぉー!」ブンッ
川内「主砲を…!?」
14cm単装砲 ボン!
天龍「おらぁ!」ドォン!
川内「うわぁ!?」中破
天龍「へっ!どうだ!?」
川内「チッ…イラつくね…!」
響「魚雷…!」
夕立改「中破しちゃったもんね?魚雷を撃つのは無理じゃない?」
響「魚雷が無理なら主砲で…!」ガチャ
夕立改「させないよ!」バシッ
響「なっ…!」
夕立改「さぁ、これで撃てない。魚雷は撃ちたくても撃てない。どうやってこれを乗り越える?」
天龍「て、てめぇ!卑怯だぞ!人質なんか!」
川内「卑怯?戦闘において卑怯は即使え。だよ。むしろ使わない方がどうかしてるって」
響「は、離して!」
夕立改「うん。いいよ」パッ
川内「あ、何で離しちゃうのさ」
夕立改「だって、別に脅威でもないでしょ?沈める価値もないと思うけど」
天龍「…クソッ!」
響「完全に舐められてるね…」
愛宕『天龍、龍田、聞こえる?こっちの作戦がバレたわ。提督の救助はどう?』
天龍『まだ無理だ。川内と夕立だけだから余裕だと甘く見てたが…完全に油断してた』
龍田『誰も沈んではないけど、そろそろ大破しそうな子がいるわ。これじゃあ提督の救助は少し難しそうよ』
天龍「…響、時雨がこっちに向かってくるそうだ」
響「…分かった」
夕立改「川内、私、向こうに行ってきて良い?」
川内「…いいよ。いってらっしゃい」
夕立改「二人共?私は離れるけど、不意打ちしようものなら即反撃して沈めるから。反撃を喰らいたくなかったらちゃんと見逃してね?」
天龍「…分かったよ。響も手を出すなよ」
響「うん…」
愛宕『こちら愛宕!時雨がそっちに向かったわ!』
天龍『…了解』
川内「…さて、続きしよっか」
天龍「…」
川内「どうしたの?」
天龍「…やめだ」
川内「はぁ?」
天龍「お前の相手をする暇が無くなった。ってことだよ」
川内「…はぁ、つまんないの」
響「天龍!時雨が…!」
天龍「あぁ、分かってる。後ろにいるんだろ?」
時雨「良く気付いたね?」
天龍「そんなに殺意を飛ばされちゃあな。少しは隠せよ」
時雨「提督はどこ?ここにいるってのは聞いてるんだよ」
天龍「知らねえ」
時雨「…響は?知らないのかい?」
響「私も知らない」
時雨「…そっか。言う気はないんだね」
天龍「言えばお前はそこに行って提督を殺すだろ。それを分かってて行かせる訳にはいかねえよ」
時雨「…君もアイツを庇うのか」
天龍「提督がいなきゃ今こうやって海に出る事なんて出来なかったよ。お前がいなくなった後、四肢が動かなかったり、欠けた奴だっていたんだぜ?」
時雨「だったら猶更だ。なんで邪魔をする?」
天龍「…そうか。お前知らないんだな」
時雨「提督が変わったんでしょ?分かりやすい嘘をつかないでもらいたいね」
天龍「本気で言ってんのか?」
時雨「…嘘だと思うのかい?」
天龍「あぁ。冷静に考えりゃ分かるだろ。もしアイツなら俺らを回復なんてさせずにそのまま出撃させてるよ」
時雨「君らしか頼る艦娘がいなかったから、嫌々資材を使ったりしたんじゃないのかい?」
天龍「それだったら誰かしらに出来立ての痣が出来てるよ。お前はそんな痣がついた奴を見たのか?」
時雨「…」
天龍「何を執着してるんだ?そんなにアイツに会いたいのか?」
時雨「当たり前だよ。アイツに今まで受けた艦娘達の恨みを晴らさなきゃならないからね」
天龍「で、死ぬってか」
時雨「…」
天龍「…お前、鏡見ろよ。今までアイツに歯向かって死んでったアイツ等みたいだぜ?」
天龍「自分はどうなってもいい。後の事なんて知ったこっちゃねぇ…って、これは前の俺にも言えるか」
時雨「…そんなに悪い事かい?アイツに復讐したいってのは」
天龍「いんや?俺もアイツがいるならやりてえよ。だけどいないんだ。消えちまったんだよ」
時雨「…は?」
天龍「ある日、いつもの怒号みたいな声で放送が鳴って一日が始まると思ったが…その日はそんなのなかったんだ」
天龍「だが、その日は全く放送が鳴らなくて不気味に思った俺が執務室を見に行ったんだよ」
天龍「そこには大淀がいたんだが、提督はどこだと聞いても知らない。どこにもいないって言われたんだ」
時雨「…」
天龍「ホントの事だぞ?資材も無くなってて、入渠も出来ず、妖精さんも消えちまったからな」
時雨「…仮にそれがホントの事だとして、何で君達はこうやって出撃出来てるのさ?」
天龍「…お前、ホントにアイツに復讐する事しか頭にないのな」
時雨「ふざけないでもらえる?今はこっちが質問してるんだけど?」
天龍「ふざけてるつもりはないんだが…ま、いいか」
天龍「簡単な話だよ。新しい提督が来て、ここまで立て直してくれたってだけだ」
時雨「じゃあその提督を出しなよ!じゃなきゃ納得出来ないよ!」
川内「おーい、連れてきたよ~」
「呼んだか?」
時雨「…はぁ?」
天龍「…なんかスマン」
川内「さっさとこの茶番終わらせてよ。私は早くやりたいのにさ」
時雨「…君が提督?どうみたって子供じゃないか?というか君、川内の報告にあった子供だよね?」
「そうだ。こんな見た目でも歳は19の提督だよ」
時雨「…君は知らないのかい?あそこの提督が消えた理由が」
「蒸発だ。俺が知ってるのもこれだけだよ」
時雨「は、ははっ…ホントに消えた?アイツが?」
「…で?憂さ晴らしする相手がいなくなった感想は?」
時雨「…っ!分かったような口を利くな!何にも知らないくせに!ただの子供が見透かしたような事を喋るな!」
「知らねぇよ。お前がアイツをどう思ってるとか。ただ自分が恨みを晴らしたいだけなのに、被害にあった艦娘を盾に使って自分のやることを正当化してる以外はな」
時雨「…!黙れ!」
「やだね。お前みたいな自分はさも正義です。みたいな奴は気に入らねえからな」
時雨「この…!」ガチャ
天龍「!」
川内「はい、ストップ」ガチャリ
時雨「…は?」E.手錠
川内「これでいいの?」
「ありがとな」
時雨「こ、これって…」
「お前もやられたことはあるよな?」っスイッチ
時雨「…っ!やめろ!やめてくれ!」
「…やめてほしいか?」
時雨「嫌だ!あの電流だけは嫌だ!お願いだから…お願いだからやめてくれ!」
「…嫌だね」
時雨「…!」
「バイバーイ」カチッ
時雨「ひぃっ…!」
天龍「…」
響「…」
川内「…」
「…」
時雨「…あれ?」
「どうだ?怖かったか?」
天龍「提督…趣味悪いぞ」
「…で、お前が過去にされたトラウマを俺は掘り返した訳だが…どうだ?俺が憎いか?」
時雨「…っ!…っ!」
「お前も恨みはあったんだろう?だからそんな見た目になってまでアイツを探し続けて…それをぶつける相手は欲しくないか?」
時雨「お、おまえ…!」
「ほら、撃てよ」
天龍「提督!?」
「俺はここだ。動きもしないし避ける気もない。撃ちなよ」
時雨「…その言葉、あの世で後悔しないでよ?」
「あぁ。俺は何もしねえよ」
時雨「…」ガチャ
響「させないよ」
時雨「…邪魔しないでよ」
響「邪魔するさ。目の前で人が一人死にそうなのに見過ごせる訳ないじゃないか」
時雨「…ならお前からだ。邪魔するやつは潰す」
???「ダメー!!!」
???「じゃあ私も止めるわね?」
時雨「…愛宕」
愛宕「悪いけど、私達の提督よ。撃たせはしないわ」
島風「提督に何する気なの!?」
時雨「なんで、何で邪魔するんだよ…さっさとそこをどいてよ!そいつを殺せないじゃないか!」
龍田「いいえ。させないわ」
雷「…」
暁「わ。何で皆、時雨を囲んでるの?」
響「暁…頼むから空気を読んでくれよ」
時雨「なんで…なんでどいつもこいつも邪魔をするんだ!早くどいてよ!」
夕立「させないよ」
天龍「夕立!?ボロボロじゃねえか!?」
夕立「そんなに憂さ晴らしがしたいなら私が付き合ってあげるよ。私を沈めれば少しは気でも晴れる?」
時雨「…そんなの、出来るわけないじゃないか」
夕立「どうして?」
時雨「君達はアイツの被害者だろ!?アイツの後任であるソイツも、きっとアイツが用意した奴なんだ!アイツの思うようにさせちゃいけないんだ!ここでソイツを殺さないとまた被害にあうかも知れないんだよ!?」
「…はぁ。被害妄想もそこまで行くと尊敬するよ」
時雨「うるさい!もとはと言えばお前が…!」
「俺が?」
時雨「お、お前が…」
「…」
時雨「お、お前…お前が…」
「…で、ここにいる皆に聞きたいんだが、コイツをどうするべきだと思う?」
時雨「…」
「コイツをここで沈めるか…それとも昔された拷問のやり直しでもさせて完全に海に捨てるか…」
龍田「提督?あんまりふざけた事言ってるとその体がどうなっても知りませんよ?」
「すいませんでした」
天龍「…俺は別に見逃して良いんじゃねぇかって思う。時雨の気持ちも分からないでもないからな」
龍田「私も同感よ~。アイツを見つけたら…ウフフフ…」
天龍「フフフ…怖い…」
島風「提督に酷い事しないなら私は許すよ!」
雷「私は…」
暁「…雷、言いたい事は言っちゃいなさい?」
雷「…私は、ここで沈めても良いと思う」
愛宕「雷ちゃん!?」
雷「だって、だってコイツは電を傷つけたのよ!?危うく死にかけるような重症で!」
時雨「…」
川内「一応私もやっ「喋るな」むぐぐっぐ」訳 ごめんって
雷「それを許すつもりはないわ。けど…」
雷「それを決めるのは私じゃない。被害にあった電が決めるべきだわ。だから電の目の前で謝らせる。そうじゃなきゃ被害にあった電が可哀想だもの」
雷「だから生きなさい。生きて、電の目の前で誠心誠意謝って」
時雨「…」
夕立「夕立は提督さんにお任せするっぽい!だけど沈めるって決めるなら反対するっぽい!」
愛宕「…時雨」
時雨「…なんだい」
愛宕「あの提督は良い人よ?優しい人だし、私達を見ても酷い言葉は投げかけないし、むしろ綺麗だって言ってくれるわ。それに大切にしてくれる…私達にきちんと向き合ってくれようとしてくれる」
愛宕「だからそんな人を殺させる訳にはいかないの。もし殺すって言うなら、私は全力で止めるわ」
時雨「…なんなんだよ、揃いも揃ってどうしてソイツを庇うんだよ」
「…今一度聞く。お前はどうしたいんだ?」
時雨「…僕は」
「…」
時雨「…関係ない君を殺す気にはなれないよ。君を殺したら僕はアイツと同じだ」
「じゃ、敵対の意志はないと取っていいな?」
時雨「…うん」
「んじゃ引き上げるか。川内もやりあいたいってなら止めはしないが、確実に負けるぞ?」
川内「私はそれでもいいよ?」
「…はぁ。天龍」
天龍「ほいよ」ガチャ
川内「うぇ?」
「それ、なーんだ?」
川内「…これも電気は流れないんだよね?そうだよね?」
「試してみる?言っとくけど天龍に持たせたのはホントのやつだからな?」
川内「…ふっ、艦娘の力を舐めないでよね?こんなもの、改になった私なら…」
「させるわけないでしょ」カチッ
川内「いだだだ!?」
時雨「…あれ?弱い?」
「当たり前だ。お前等が普段どの程度の電撃を受けてきたかは知らんが、本来は出力の調整が可能なんだぞ?もっと威力を強める事も出来るが、流石に肉が焼ける匂いは嗅ぎたくない」
時雨「…」
川内「…痛い」
「で?どうする?」
川内「…分かった分かった。降参だよ。こーさん」
「…ふぅ」
「全艦娘に告げる!これにて本作戦は終了とする!総員帰投せよ!」
艦娘達「了解!」