この学生、元放置提督 世界が変わっても、やることが変わっても、いつも通りにする。ただそれだけ   作:七福えると

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まとめきれなかった…おかげでとんでもない長文となってしまい、申し訳ございません
これを見るタイミングとしては、マジで暇!暇すぎる!って時に見てください。プチプチ潰すあれよりかは楽しめると思います。やりたいことはやった。後悔はない

私が小説を書いてアップするのに三週間程かけている理由としては、二週間を製作、一週間で文章の添削を行っているからです。これを以前は一週間ずつでやっていましたが、能力不足と忙しさの為していませんでした。もしも完成してすぐにアップした場合は、以前出した読み切り作品みたいな出来になってます。より良い作品をお届けしたいのと、自分で楽しむ為の小説なのでご理解の程よろしくお願いします

※あまり関係ない小話 ※pixiv掲載当時
いつ海の五話見たんですけど、やっぱり戦時中なんだなぁっていうのが良く分かりますね。ただ深海棲艦との戦争って今もやってる訳ですから80年近く続いてるって事ですよね…。正直良く国として持つなぁと思います
時×雪はありだと思う


進む道

「皆いるな」

 

艦娘達「はっ!」

 

「遅い時間に良く集まってくれた。これより今後の話をしていく。大事な事だから聞き逃さないようにな」

 

「元師からの指令でこれより鎮守府が直るまでの間、我々は各鎮守府を転々とする。その時にお前らのような酷い目にあっている艦娘を見つけ、どのような形でも良いので助けるというのが目的だ。無論、その間も諸君らは出撃や遠征といった通常業務もしてもらう」

 

「これは非常に危ない任務だ。お前らのトラウマを掘り返すような事態が起きるかも知れないし、そこの鎮守府に訪れる際、我々は大本営から視察に来た者達として見られる為、そこに在籍している艦娘達から酷い扱いを受けるかも知れない」

 

「よって、この作戦に関しては同行したい者のみを集う事にした。ここで同行を選ばなかった艦娘は元師の場所に行き、辛いだろうが確実に安全な生活をしばらくの間送れるだろう」

 

「以上だ。何か質問のある奴は?」

 

大淀「提督、質問よろしいでしょうか?」

 

「どうした?」

 

大淀「その…前鎮守府のような場所を訪れる。ということですよね?」

 

「あぁ。その認識で間違いない」

 

大淀「……提督は怖くないのですか?」

 

「何が?」

 

大淀「…提督は私達と違って人です。艦娘や深海棲艦達と戦闘しても負傷で済みません。負傷しても入渠や修復剤を使えば治る私達と違い、艦娘の攻撃なんか喰らってしまえば即死は当然です。そんな危ない所に命令だからと割り切ってまで向かうことは出来るのは何故ですか?」

 

「なんだ、心配してくれるのか?」

 

大淀「と、当然です!」

 

「ん~、まぁはぐらかすのもあれだし、素直な意見を言うなら正直怖いよ」

 

「でもな、それ以上に他の艦娘達に会えるんだぞ?命を賭けてまで行く価値は十分にあると思うが?」

 

大淀「……へ?」

 

艦娘達「……は?」

 

「ん?なんかおかしかったか?」

 

艦娘達「当たり前だ!」「司令官さん、頭は大丈夫なのですか?」「……うわぁ」

 

「……お前等酷いな。言っとくが嘘じゃないぞ。紛れもない本心だからな」

 

電「せめて嘘であってほしかったのです…」

 

愛宕「……提督」

 

「ん?どうし「フンッ!」あぶね!」ズォッ

 

艦娘の正拳突き。それは艦という巨大な物体を一人の人間という体に収縮させた者の一撃。例え改造もしてない艦娘であれど、その一撃は巨岩も砕く。人を肉塊にするには十分な威力である(妖精談)

 

「正拳突きは止めろ!冗談抜きで死ぬ!」

 

愛宕「大丈夫ですよ。寸止めしましたから」

 

「明らかに拳の位置が僕の顔の位置にあるのですが……」

 

愛宕「気のせいです」

 

「いやでも「気のせいです♪」ういっす」

 

愛宕「……提督が行こうとしてるのはこんな危険がいーっぱい待ってるんですよ?それでも行く気なんですか?」

 

「……だって」

 

 

 

 

 

「僕もうここに来てから二、三回くらい死にかけてるのに正直今更だしなぁ…」

 

天龍・龍田「「うっ…」」

 

潮「う…」

 

夕立「うぅ…」

 

ふっ、これくらいならバチは当たらんだろ。怒ってる訳じゃないから涙目になるのやめなさい。悪かったって

 

「今の今まで生きてきたんだ。今更一回だろうが、十回だろうが死にかける位の危険に大した違いはないだろ」

 

愛宕「う、そ、そうかもしれないですけど…」

 

川内「…改めて思うけど、ホント良く生きてるね」

 

「ま、その時はお前らが助けてくれればそれでいい。あまりそういう機会が無い事を祈りたいが」

 

暁「あの、一ついいかしら?」

 

「どうした?」

 

暁「その、今回の件とは関係ないんだけど、私達はどうすればいいのかと思って…」

 

「あぁ。それなら安心しろ。この作戦には一応お前らも数としては入れている」

 

暁「え?」

 

「今回の作戦で敵であったお前等は一時的にウチで保護、捕縛という形で受け入れていてな。お前らが望むのであればここに残ってくれても構わないし、望まないなら艦娘を更生させるための鎮守府があるらしく、そこに送還という形になるだろう。俺がお前らを数に入れていると言うのはそういうことだ」

 

暁「…ちなみに更生の方に行くとどうなるの?」

 

「えーっと…元師の話だと、長い銃剣を持ってるオーバーコートを身にまとった神父の提督がいるらしい。元師の古い知り合いらしく、艦娘とサシで戦える人間で、その人の教えによって深海棲艦絶対殺すマンに生まれ変わるらしいぞ?」

 

ちなみに写真を見せてもらったけど完全にアン〇ルセン神父です。ちなみに元師もあの人そっくりです。本当にありがとうございました

 

暁「し、司令官!お願いだから私をここに置いて!」

 

響「……私はちょっと興味あるな」

 

暁「駄目よ!絶対にダメ!」

 

響「じょ、冗談だって…」ハハハ…

 

川内「……私はそこに行くことになるの?」

 

「いや、これは捕縛扱いになっているお前にも選ぶ権利がある。…が、始めに向かう場所は確実にお前の鎮守府だ。お前にとって辛い記憶しかない場所に行くことになると思うんだが、そういう奴を連れて行こうとは思えんぞ」

 

川内「……いや、行かせてください。お願いします」

 

「……分かった」

 

時雨「なら僕も行くよ。それでもいいかい?」

 

「分かった。時雨も追加だな」

 

電「電は司令官さんについていくと決めたのです。司令官さんのお傍を離れるつもりはありませんからね?」

 

「ん、じゃあ電も追加で…他に行きたい奴はいるか?」

 

艦娘達「!」バッ

 

……意外だな。少なくとも龍田や天龍辺りは元師に復讐しに行くものと思ってたが…駆逐艦達の心配が勝ったって所かな?

 

「……全員だな。よし分かった」

 

「それじゃ決まった事だし今日は解散。各自テントに戻って就寝して明日に備える事。明日から大本営に行って詳しい話を聞きに行くから寝坊するなよ?」

 

艦娘達「了解!」

 

「と、そうだ。元師の差し入れでお前らの寝巻を何着か頂いた。あの人の事だからどうせ予知して用意した物だろうが一応人の好意だ。着る着ないはお前らの自由だが、あまり悪い物じゃないみたいだし着る事をおすすめする」

 

潮「こ、これって……」黒猫パジャマ(猫耳フード付き)

 

島風「暖か~い!」もこもこパジャマ

 

龍田「……提督はこういうのがお好きなんですか?」ネグリジェ

 

……とんでもない地雷持ってきやがったー!あの元師ここの現状知ってるはずだろ!?何でそんなもん持ってきてんだ!?駆逐達なんか凄い顔してるよ!?龍田も龍田で少しは駆逐艦達の事考えてあげて!?

 

「……どこにあった?それ?」

 

潮「げ、元師から寝るときになったら開けて渡せと指示を受けまして……」

 

「……アイツ元師楽しんでるな?とんでもない物準備しやがって。しかも結構種類あるし…とりあえず今晩の焚き火に使うから全部寄越してくれ。服なんだし良く燃えそうだ」

 

愛宕「容赦ないですね……」

 

「あ、おーい、妖精達?いるか?」

 

妖精達「「「どうしたのですか~?」」」

 

「あれを分解して適当なおもちゃを作っても良いぞ?出来によってはお菓子をやるから頑張って良い物を作ってほしい」

 

妖精達「「「任せろ~!」」」

 

「……悪は滅びた」

 

 

 

 

電「……妖精さん、出来るなら何着か残しておいてほしいのです」ボソッ

 

妖精「ほうほう。提督さんも隅におけませんなぁ~」

 

電「か、からかわないでほしいのです!」プンスカ!

 

愛宕「あ、妖精さん、私にも一つ取ってほしいの」

 

時雨「……僕にも一つ、くれないかい?」

 

妖精「いや~、愛されてますなぁ~羨ましいのですよ」

 

時雨「……」

 

 

 

「……」

 

焚き火『……』パチパチ

 

「……」グゥ

 

時雨「……」ジャリ

 

時雨「…」バサッ

 

時雨「……大丈夫。僕ならやれる、僕ならやれる…」E.ネグリジェ

 

「…」

 

時雨「…これで皆大丈夫。皆、大丈夫……」

 

「……無駄な事はやめろ」

 

時雨「!」ビクッ

 

「お前がそれをするには胸が足りん。もう少し成長してから出直せ」

 

時雨「……」

 

「ほら、風邪ひくぞ。これで体を温めろ」っ毛布

 

時雨「……なんで」

 

「…」

 

時雨「……なんでそんなに優しくするんだよ?」

 

「知りたいか?」

 

時雨「…」コクッ

 

「ただ心配してるだけだ。他意はない」

 

時雨「…ホントに言ってる?」

 

「色目でお前らを見てるから体を壊されるのが困るとでも言えば良いのか?」

 

時雨「な、や、やっぱりお前……!」

 

「冗談だ。冗談」

 

時雨「……」

 

「……別にそれらしい理由はねえよ。寒そうにしてる奴を見て放っておけないだけだ。それが知り合いなら尚更な」

 

時雨「……ホントの事言いなよ」

 

「ホントだ。嘘じゃない」

 

時雨「騙されるとでも思ってるの?」

 

「例えお前が嘘だと思っていても、お前はそれを信じるしかない。俺の話した言葉が真実だ」

 

時雨「……」

 

「寝袋ならそこにある。あそこで寝づらいんだったらここで寝ろ」

 

時雨「……いつもそれで寝てたの?」

 

「俺だけが贅沢するわけにはいかんだろ。寧ろお前らがいなきゃ国を守る要として成り立たんし、お前等が優遇されるのは普通の事だ」

 

時雨「…ねぇ、手を触ってもいい?」

 

「……良く分からん奴だな。ほら」

 

時雨「…冷たい」

 

「お前もな」

 

時雨「…君はさ、何でここまでしてくれるの?」

 

「…」

 

時雨「……僕は君の住む場所を奪った。君の艦娘を傷つけた。君を殺そうとした」

 

時雨「それなのにさ、何でそこまで優しくしてくれるんだい?」

 

「…なんとなくだ」

 

時雨「……は?」

 

「なんとなく可哀想だから手を貸した。それだけだよ」

 

時雨「……他の子にもそうやって言うつもりかい?」

 

「どうだろうな?少なくともお前等がまだ救いようのある奴らだと思ったから俺は助けようと決断したに過ぎないし、何人かの艦娘から助けてあげてっていう意見も取り入れたってのもある」

 

時雨「…じゃあ、その嘆願してきた艦娘を殺すことが君に対しての嫌がらせになるかな?」

 

「……やってみろ。その時はお前が艦娘だろうと関係ない。どんな手を使ってでもお前を殺す。惨たらしく殺す。お前のトラウマというトラウマを抉りながら少しずつ殺す。お前がやった分以上の返しをしてやるよ」

 

時雨「……君って自分の事に対しては無頓着だけど、他人に対してそれだけ必死になるのはちょっとビックリするよ」

 

「らしくないか?」

 

時雨「…まぁそうだね。君って自分の事が良ければそれでいいって感じに見えたし」

 

「ま、お前のさっき言った言葉が嘘だって分かってたからこんな返しも出来たんだけどな」

 

時雨「……嘘だと思ってるの?」

 

「お前が言ったんだろ。皆大丈夫ってな」

 

時雨「あ…」

 

「あれってようはさ、皆を助けたいって事だろ?訳の分からん提督からな」

 

時雨「……」

 

「まだそういう判断が出来ている以上、お前はまだ手遅れじゃない。その証拠に自分をしっかりとコントロール出来ている。だろ?」

 

時雨「……気づいてたの?」

 

「恨みが溢れてるんだろ?それがお前の場合は前提督に向いているから落ち着きがある。今お前が感じてるその感情は俺に対する不信感から来るものだ。それがちょっと暴走してるって感じだな」

 

「というか、お前みたいな奴が正しいんだよ。提督である俺は前任の影響もあってもっと恨みをぶつける対象になるはずだし、お前みたいに皆を守ろうと無い胸使って色仕掛けする奴や、もっと直接的に命を狙ってきたり、罵倒してくる奴が現れるのが普通だと思うんだ。それだけここにいた奴等は傷を負っていると思っているし、アイツ等にとってはそれが提督という人間に対する接し方だと思ってる。そういう意味ではお前みたいな奴がいて安心するよ」

 

時雨「…僕だって少しはあるよ。潮ほどじゃないけどさ」

 

「……あれだけ言わせてそれかい。あれは栄養が全部胸にいってるからだな。そうじゃなかったらあの胸は納得出来ん」

 

時雨「艦娘も成長するのかな?」

 

「う~ん…そこはマジで何とも言えん。一応お前等って人間と兵器を混ぜた人間だからもしかしたら…ってところだな」

 

時雨「……君といると謎が増える一方だよ」

 

「だな。俺も自分の頭の中が謎だらけでさっぱりだ」

 

時雨「…怖くないの?」

 

「何が?」

 

時雨「頭の中が何かで埋まる感覚さ」

 

時雨「今は大丈夫だけど、恨みに溢れていたあの時を思い出すと怖いんだ。どうしてあれだけの事しか考えられなかったんだろうってね…」

 

「…でも、お前はそれに振り回されはしなかったな」

 

時雨「え…?」

 

「聞いたぞ?愛宕達と接触した時に自分から攻撃せずに深海棲艦を呼んだだけだったんだろ?」

 

時雨「それがどうしたんだよ。結局深海棲艦を使って皆を沈めようとしたのには変わりないじゃないか」

 

「その時お前言ったらしいな?頑張ってねって」

 

「本当に恨みだけを抱えてるだけなら他人を気遣う言動なんて出てこない。だがお前は気遣った。あの時は敵であったはずのかつての味方を気遣ったんだ」

 

「本当に頭の中が恨みだけならそんなこと出来ねえよ。普通はその事しか考えられなくなっちまうが、お前はそうじゃなかった。それだけでお前は完全に自分を見失っていないのがはっきりと分かったよ。それが無かったら俺は本当にお前を沈めてたかも知れない」

 

時雨「……」

 

「良く負けなかったな。偉いぞ」ナデナデ

 

時雨「……自分より小さい人に撫でられるのは恥ずかしいんだけど。それに子供扱いはやめてもらえるかい?」

 

「そういうな。素直に凄いから褒めようと思っただけだ。嫌ならやめるが」

 

時雨「…いや、もう少し続けてほしいな」

 

「……分かったよ。これが終わったらちゃんと服着て寝ろよ?」

 

時雨「ふふっ、分かったよ」

 

 

 

翌朝

 

……眠い。本当に眠い。例えるなら筋トレを夜通しやってそのまま夜が明けた位に眠い

その原因を作った張本人がジャリジャリと砂の音と共にこちらに向かってくる。その顔はどこか自信ありげだが、足音から伝わる感情はどこか申し訳なさそうに感じる

 

元師「提督、迎えに来たぞ」

 

「……おはようございます」ゲッソリ

 

元師「……大丈夫か?」

 

「…誰のせいだと思ってるんですか。誰の」

 

元師「……守ったのか」

 

「守り切りました。というか元師、あれに細工してましたよね?」

 

元師「……」

 

「おかげで昨日は大変だったんです。愛宕がふらっとやってきたかと思えば急に服を脱がせようとするし、電にも襲われたんですよ?肝心の本人たちは覚えてないようですがね」

 

元師「……あれはウチの明石が作った物で、鬱憤が溜まったのを性欲という形で発散させる服らしくてな。そうとは知らずにお前に丸ごと渡してしまったんだ」

 

「時雨がいて助かりましたよ…じゃなかったら僕、今頃……」ガタガタ

 

しかし、時雨も着ていたはずなのに、何故時雨だけが性欲に変換されなかったかが謎なんだが……不良品でも混じってたのかな?

 

元師「す、すまんすまん!でもまぁ良いじゃないか!大変な事にならなくて!」

 

「元師といえど怒りますよ。大淀さんにでも報告してあげた方が良いんでしょうか?」

 

元師「た、頼むから大淀だけは勘弁してくれ!それがバレたら後が怖い!」

 

……ホントに大淀さんが怖いんだな。この状態ならみかんの皮を代わりに剥いてくれって頼んでも聞いてくれそうだ

 

「……分かりましたよ」

 

元師「ぜ、全員が移動出来るようにバスを用意したんだ。中は広くて快適だぞ?」

 

「そうですね。さっさと行きましょうか」

 

元師「提督?ホントに大淀に言わないよな?言わないよな!?」

 

「しつこいですよ。大淀さんには言わないんで安心してください」

 

元師「いや、お前の事だ。どうせ録音機でも使っていざ危ない場面が近づいたらこれをネタに私をゆすってくるかもしれないからな。出すなら今のうちだぞ」

 

「……チッ」っ録音機

 

元師「…良し。これで安心出来るな」

 

「なんで脅される側の人間が逆に脅してきてるんだか……」

 

「お~い、お前等準備は出来たか?そろそろ行くぞ~」

 

艦娘達「は~い」ガラガラ

 

買っててよかったキャリーケース。愛宕や龍田が持つと旅行に来たOL。天龍と川内と駆逐艦達はさしずめ修学旅行に来た高校生と中学生達に見えるな。龍田と天龍で差があるのは雰囲気のせいであって、ワイワイと騒ぎながら駆逐艦と足並みを揃えて話している姿が面倒見の良い中二病患者に見えた訳ではない

 

 

 

 

青葉「お、提督さん!お久しぶりです!」

 

「元師のとこの青葉か。久しぶりって程なのか分からんが久しぶりだな」

 

青葉「今日は私が皆さんを鎮守府にまでお送りしますので、楽しい旅になる事間違いなしですよ!」

 

「……お前運転出来るのか」

 

青葉「出来ますよ~。記者を名乗るものとして、バスの一台や二台は動かせておかないと!」

 

「…なるほどな。そんな青葉にこれをやろう」っ録音機

 

青葉「あれ?それってさっき元師に渡したものじゃあ……」

 

「誰も一台しか持ってないとは言ってない。これ使って適当な新聞でも一枚作ってくれ」

 

青葉「おぉ…提督ともあろうお方が元師の情報をリークするとは……」

 

「出来るだけきっついのを作ってくれ。それこそ大淀から半ベソになるくらい怒られるヤツを」

 

青葉「わっかりました!青葉にお任せください!」

 

「んじゃ、安全運転で頼むぞ」

 

青葉「当然です!快適なバス旅行を楽しんでくださいね!」

 

 

 

 

元師「随分長く話してたな」

 

「なんで青葉がバスの免許を持ってるかが疑問だったんで聞いてみただけですよ。まぁちょっと目的がおかしい気がしなくもないですが」

 

元師「あぁ。それは戦争が終わった時に備えてるんだ。艦娘達も戦争が終わればお役御免になるし、その時に困らないよう色々な資格を取らせてるんだ。電も結構色々出来るぞ?」

 

「……通りで家事とか人の治療とか上手いわけだ」

 

元師「ま、そんなことはいい。お前に聞いてみたいことがあったんだ」

 

「なんでしょう?」

 

 

 

 

元師「……何をした?」

 

「…おっしゃっている意味が良く分かりません」

 

元師「言い方を変えよう。何故皆と距離を開けるような事をする?何故何もしようとしない?」

 

「……」

 

元師「お前は変な人間だ。艦娘達とのコミュニケーションは行っていたようだがそれ以上のことはしない。かといってアイツ等を蔑ろにするのではなく、むしろ私からアイツ等の給料を奪って行ったかと思えば町に送り出し遊ばせる。ここまでは私の想定していた通りだった」

 

元師「私は艦娘達にこの世に生まれた以上、楽しく生きていてほしい。そう思いお前みたいな提督の知識も、ましてや軍人でもなく、たまたま用意した試験に引っ掛かったお前を軍に引き込んだ。面接の反応も良かったし、コイツなら艦娘達の今後を任せる事の出来る奴だと思っていた」

 

元師「だが何故彼女達と一線を引く?どうして近づこうとしない?」

 

「…黙秘します」

 

元師「では電との仲はどうなんだ?」

 

「…僕についてきてくれた初めての艦娘で、大切な仲間です」

 

元師「何故、お前はアイツと更に親睦を深めようとしない?」

 

「それは…」

 

元師「人は自分に対して親しんでくれる者に好感を持ち、更に仲が発展するものだと私は考えている。電はお前に対して親しんできた。だから当然、互いの距離も近しいものだと思っていた」

 

元師「だがどうだ?お前は上司と部下という立場から一向に変わらない。電はそれ以上になりたいのだろうが、お前はただ上司と部下の関係であろうとした。それを実感したのはついさっきだが」

 

元師「電との距離を縮めようとするお前の努力が感じられない。更にいうなら必要以上に仲を深めないように思える。他の奴等も同様だ。貴様は一体何がしたいんだ?」

 

「……」

 

元師「答えてもらおう。これは命令だ」

 

「…上辺で取り繕っているだけの私を彼女達に知られるのが怖いだけです」

 

「彼女達は私と元師、前提督という人間しか知りません。私のような上辺でしか取り繕えない人間を知るのではなく、しっかりと彼女達に対して元師のような正面から向き合える人間もいると知ってほしいのです」

 

「昨日元師から渡されたあの本トラウマを見て改めて認識しました。私は彼女艦娘達に本当の意味で向き合えていません。私の美的感覚が逆転しているので、世の中では醜いと言われている彼女達が綺麗に見えており、世の美女達が醜い化け物に見えています。本質的な意味では私はそこらにいる人間と変わりません。元師のように醜くても良いと思えず、醜すぎる者は幼児退行を起こす程の拒否反応を起こす…こんな奴は人間として終わっています。ならばせめて、彼女達には容姿で判断しない綺麗な人間として見られたいのです。ま、それも無駄に終わったと思いますけど」

 

元師「……一つ、お前にアドバイスをやろう。これはお前より長生きしている人生の先輩としてのアドバイスとして聞け」

 

元師「お前のような人間がいるのは知っている。私も幼少の頃はお前と同じような反応をされたことだってあった。だがそれは仕方の無い事なんだ。人間がゴキブリを見て生理的嫌悪を起こす様に、容姿の好き嫌いがあるのは仕方無いんだ。私だって容姿の事を気にしないようになったのは海軍に入った時だったし、私のような人間がいるのも極少数だ。そんな人間に無理してならなくて良い。欠点があるのは普通の事だし、欠点の無い人間なんかいないんだ」

 

元師「それにな、自分が実際に周りにどうみられてるかは自分では分からないものだ。自分の思い込みだけで自分はこうだからと決めつけ、それを理由にして他人を遠ざけようとするな。本当に自分という存在を知りたいなら人と近づけ。人と向き合え。しっかりと対話をしろ。お前はそれを今までしてきたはずだ」

 

「……」

 

元師「お前は頭で理解はしているんだろうが、今一つ踏み出せないのが課題だな…」

 

元師「自分は間違っていると考えるのではなく、自分は正しいと考えろ。全てを正しいと信じるわけではなく、人から意見や非難を受けた場合は本当にそうなのか?と疑うだけでいい。一度自分は正しいと考えてしまえばその疑問に対する答えも正しいと思えるはずだ」

 

「……はい」

 

元師「…ま、そんなにすぐ分かろうとしなくていいさ。だがいつかは理解しろ。それが例え、自分に納得のいかない答えでもな」

 

 

 

 

 

元師「さて、ここから真面目な話だ。これから行く鎮守府だが…まずそこの提督の階級だが大佐だ。当然お前より階級は上だが…まぁ、お前の事だし警告しても意味ないな」

 

元師「次に艦娘の人数だが、約30名程だ」

 

「…約?」

 

元師「最近、報告と艦娘の数が合わなくてな…つまりはそういうことだ」

 

「…なるほど。了解です」

 

元師「でまぁそこに配属されてる提督だがちょっとそいつの性格が問題でな…能力は問題ないのだが、いかんせん本人の性格が問題で、艦娘に舐められてるらしいんだ」

 

「お、おう…何か新しいタイプのブラックな気がしますね」

 

元師「まぁブラックと言えばブラックだぞ。力のある艦娘がほぼ実権を握ってるし、そのせいで駆逐艦や軽巡達が差別されてるからな。おかげで資源はあまりないし、肉体的、精神的に参っている艦娘がいるとのことだ」

 

「そこまで情報が洩れてるってことは…」

 

元師「あぁ、大本営に助けを求めた奴がいてな。ソイツから発覚した」

 

「ふむ…ちなみにその艦娘の名は?」

 

元師「特型駆逐艦18番艦、綾波型の8番艦、曙だ」

 

元師「何か必要なものはあるか?こちらで用意出来そうならいくつか持たすぞ?」

 

「その前に曙に会わせてください。それから決めます」

 

元師「分かった。とすると皆の案内は誰に頼むかな…」

 

大淀(元師)「提督、それでしたら私が」

 

「あ、大淀さん」

 

大淀(元師)「お久しぶりです。提督さん」

 

「……相変わらずいい化粧の仕方しますね」

 

大淀さんの化粧は本当に上手い。頬は肌の色を強調するように地肌より少し明るめのメイクがされてあり、口紅もベタ塗りではなく薄く塗られている。簡単だが丁寧なメイクだ。この世界では正直受けが良いとは言えないのだろうが、そもそもメイクとは相手に不快感を与えず、良い印象を与えるためにするものである。大袈裟だろうが、悪い印象を与えたくない人間として見られているのは正直嬉しいものだ

 

大淀(元師)「うふふ、ありがとうございます」

 

元師「なんだ、ウチの大淀を口説いてるのか?」

 

「少なくともノーメイクの元師よりかは綺麗だと思いますよ」

 

でも正直メイクの必要性が無いと思えるほど綺麗な肌してるんだよな…ただぶっちゃけ威圧感凄いのでそれだけは何とかしてほしいです

 

元師「む…やはり少しくらいはメイクをした方が良いのか?」

 

「元師の場合はオーラというか威圧感が凄いので、少しはした方が良い印象を持たれますよ」

 

元師「……今度陸奥辺りにでも教えてもらうか」

 

大淀(元師)「さて、そんなことは置いておいて皆さんの事ですが、提督さんがお話中の間に私達の艦隊と演習をさせようと思いまして」

 

「演習を?」

 

大淀(元師)「えぇ。提督さんの任務の都合上、彼女達だけで動くときもあるでしょうし、向かう鎮守府では想定外な攻撃を受けるかも知れません」

 

大淀(元師)「それに、万が一提督さんが無茶をした時に彼女達が暴走しないとも限りません。それを抑えるための演習でもあります」

 

確かにそれはありがたい…が、どうもこちら側にメリットが多すぎる気がする。それだけ期待されているということなのかも知れないが、本当にこの人は何がしたんだ?無償の施し程、不気味なものは無いんだが…

 

「願ってもない事ですが、良いのでしょうか?」

 

大淀(元師)「構いません。提督さんにご迷惑をおかけしたのは知っていますから」ギラッ

 

元師「……」ダラダラ

 

おぉ…こりゃ元師も怖がる訳だ。大淀さんの背後に般若が見える。ついでに深海棲艦が裸足で逃げ出しそうなくらいの黒いオーラも見えるし…目の錯覚じゃないよね?

 

「分かりました。それではご厚意に甘えるとします」

 

川内「……ねぇ提督」

 

「どうした?」

 

川内「その演習に私も参加していい?」

 

「……いいぞ」

 

川内「ほ、ホントに!?」

 

「ただし、一つ条件を出す」

 

川内「条件?」

 

「一人で決して突っ込むな。これを天龍と龍田、それと島風と夕立に言っておいてくれ」

 

川内「なんでその四人?」

 

「あいつ等は危なっかしいからな。それだけだよ」

 

川内「了解」

 

「ということで元師、一人演習に参加する奴が増えましたが構いませんよね?」

 

元師「あぁ。それくらいは大丈夫だ」

 

「なら良かった」

 

元師「……ただアイツ、大破のままだが良いのか?」

 

「あ…」

 

元師「……お前は肝心な所で抜けてるな。作戦を立てる者にとってそれは致命的だぞ」

 

「すいません…」

 

 

 

「ぬぁぁぁぁ…」

 

電「司令官さん、まるでおじさんみたいなのです」

 

「仕方ないじゃないか。椅子の座り心地が良すぎるのが悪い」

 

暁「もう、シャキッとしないとダメでしょ?」

 

「あぁ。すまんな」

 

でもマジで気持ちよかったな…皆隠してるのかも知れんが若干涎の後が見えるぞ

 

天龍「…子供に子供が叱られてる」

 

龍田「中々見ない光景ね~」ウフフ

 

夕立「提督さん、おんぶしてあげようか?」

 

「……勘弁してくれ」

 

元師「おーい、早く来い」

 

大淀(元師)「では提督さん、また後で」

 

「あぁ。皆、またとない経験だから思う存分やってこい!貴重な経験を無駄にするなよ!」

 

島風「大丈夫だよ!私速いもん!」

 

「……島風は徹底的にお願いします」

 

大淀(元師)「お任せください。皆さんには地獄を見てもらうつもりなので」

 

「……」

 

艦娘達「……」

 

「……生きて帰ってこい!」

 

愛宕「……私達、生きて帰れるのかしら?」

 

響「……大丈夫さ。不死鳥の名は伊達じゃない」ガクガク

 

電「…ちゃんと帰ってこれたら司令官さんにお願いごとをしましょう」

 

夕立「お願いごと?」

 

電「元師との演習に頑張ったご褒美としてその時に各々の好きな事でもお願いしてみるのです。もしかしたら司令官さんなら頑張ったご褒美として叶えてくれるかも知れませんしね」

 

艦娘達「……」ポワポワ

 

 

夕立(提督さん!もっと頭を撫でてほしいっぽい!)

 

提督(夕立は仕方ないな~!)ワシャワシャ

 

夕立(もっともっと!もーっと褒めてほしいっぽい!)

 

 

提督(お、おい。愛宕?それは駄目だ、それは駄目だからちょっとまっ)

 

愛宕(提督…私、もう……我慢出来ません!)

 

提督(ま、待て!俺の、俺の傍に近寄るなああーーー!)

 

 

響(司令官、今夜は一杯どうだい?)

 

提督(お、良いな。折角だしついでくれ)

 

響(普通に飲むのもつまらない。口移しはどうだい?)

 

提督(……いただきます)

 

 

夕立「え、えへへ……」テレテレ

 

愛宕「……良いわね」ダラダラ

 

響「…ハラショー」ボフン

 

 

暁「響!また変な事考えてるでしょ!」

 

天龍「愛宕!?大丈夫か!?」

 

愛宕「ごめんなさい。どうしても昨日見た夢が忘れられなくって…つい……」

 

時雨「……」

 

川内「……私、こんな所でやっていけるのかな」

 

 

 

「盛り上がってるなぁ…」

 

聞こえてるぞって言いたいがそんな野暮な事はしない。まぁ無理な事なら無理って断るが、ある程度は受け入れよう。正直何を頼んでくるのか楽しみではあるからな

 

元師「そんなに期待されてるんじゃ仕方ない。全力でいかせてもらおうか」

 

「お願いですから艦娘達の心を折らない程度にしてくださいね?」

 

元師「それは大淀次第だな。ほら、行くぞ」

 

 

 

元師に案内されついたのは病室。ベットの上で包帯に巻かれ、顔にいくつかの打撲痕と傷、その腕には包帯が巻かれており、痛々しい見た目の幼い少女の姿があった

 

曙「…元師、その子は?」

 

元師「提督なりたての子供だ。こう見えて歳は19だぞ」

 

「初めまして、提督です」

 

…怪我は入渠や高速修復材を使えば跡が残らない位に綺麗に治るのだが、包帯をつけてる辺り違うのだろう。包帯も真新しいし、病院服もまだ目立ったしわが無いのを見ると先日辺りにやってきたのかな?流石に脱がして確認するわけにもいかないが、横腹を抑えているのを見ると結構日常的に暴力は受けてたってとこか

 

曙「…で、なんでこの子を連れてきたの?」

 

元師「この子を君が来た鎮守府に提督としての下積みとして向かわせようと思ってな。軍人になって数週間だからこき使ってやってくれ」

 

曙「はぁ!?こんな幼い子をあんなところに向かわせるの!?」

 

「君の鎮守府がどのような現状なのかはある程度聞いている。君が向こうでどのような扱いを受けていたのかもな」

 

曙「それを知ってるのに何でウチに来ようと思うのよ!絶対に反対よ!」

 

「悪いが元師の命令でね…逆らう事は出来ないよ」

 

元師「そういうことだ。少なくともコイツ自身は変な奴だが、何も悪事を働こうとはしないから安心しろ」

 

「元師、それは買い被りというものです。僕だって必要ならどんな手段でも使いますよ」

 

元師「…お前は正直だな」

 

「容赦する必要あります?」

 

元師「…」

 

「すみませんが好きにさせてもらいます。ついでにそこにいる提督もね…」

 

曙「あ、アンタ!ウチの提督に何するつもりよ!」

 

「何、少し話をするだけだよ。それ以上の事はしない…と思う」

 

曙「こ、この…クソ提督!」

 

「ありがとうございます!」

 

曙「えぇ…」

 

元師「とまぁこんな風に変な奴なんだ。だが悪い奴ではないと保証しよう」

 

曙「だ、大丈夫なのかしら…」

 

「あ、そうだ。僕がそっちに行くのと一緒にウチの艦娘達も連れていくぞ」

 

曙「貴方だけじゃないの?」

 

「こう見えても提督だからな。けどちょっと色々あって鎮守府が半壊してな…」

 

曙「…元師、出来る事ならもう少しマシな人はいないの?」

 

元師「残念ながら人員不足でな。民間人に提督審査するレベルには人不足だぞ」

 

曙「…艦娘辞めて、どこかの田舎で釣りでもしながら生きていきたいわ」

 

「まぁまぁ。何とかするよ。それが僕の仕事だからね」

 

曙「ホントかしら…」

 

「とりあえず君の鎮守府について色々聞かせてくれないか?内容はざっと元師から聞いたのだが、詳しい内容はまだ知らなくてね」

 

曙「…分かったわ」

 

曙「まず練度だけど、一番高いのは戦艦よ。その次に空母、重巡って所ね。その中で鎮守府全体の実権を持ってるのが金剛、その次に金剛の姉妹艦達、後は数人の空母と重巡達がそれぞれ力を持っているって所ね」

 

金剛四姉妹か……第四艦隊解放が出来た筈だから、それを考えると艦娘の数は結構多いのか?確か僕が第四艦隊を解放したのは艦娘達が70人程いたはずだから…ここもそれぐらいかな?

 

「じゃあ提督は何をしてるんだ?」

 

曙「提督は作戦を考えたり大本営とのやり取りをしているわ。だけど最近は作戦を考えるのも金剛に指揮をとられてて……」

 

「…なるほど。提督に出来て私達に出来ないと息巻いてやったはいいが、提督みたいに出来ずむしろ悪化。結果的に提督が尻拭いをしているが、作戦を立てた奴がそれにイラつき、駆逐や軽巡に当たってるという所か」

 

曙「…良くそこまで推測出来るわね。しかも当たってるわ」

 

「見下してる奴に出来て自分に出来ないと思ってる奴の思考なんか容易に想像がつく。やってることは所詮ガキの駄々こねだからな」

 

曙「子供はアンタでしょ」

 

元師「…ふむ、やはりお前は適任なようだな」

 

「こんなことするより艦娘の皆とワイワイしながら平和に過ごしたいですよ。僕の事を面倒ごとを押し付けられる便利屋とでも思ってるんですか?」

 

元師「…」

 

「何か言えよ」

 

曙「…変わってるわね。艦娘とワイワイ過ごしたいとか」

 

「艦娘の皆は美少女揃いだからな。非難する理由もないし、むしろ近づきたいと思ってる。もちろん曙ともな」

 

曙「キモッ…」

 

「(´・ω・`)ショボーン」

 

元師「…まぁ、なんだ。鎮守府の内部としてはそれで全部か?」

 

曙「はい。私がお話出来ることはこれで全部です」

 

「…そうか」

 

元師「どうするつもりだ?」

 

「向こうに着いたときに判断しますよ。今はとにかく曙をここで養生させましょう」

 

曙「…また向こうに帰らなきゃいけないの?」

 

…不安そうな顔をしないでくれ。悪いようにはしないし、無理強いさせるつもりもないからさ

 

「向こうではどういう扱いになってると推測する?」

 

曙「…多分、脱走扱いになってると思うわ」

 

「なるほどな…」

 

元師「脱走した艦娘は確保次第その鎮守府へ送り返すのが決まりとなっているんだが…今回のようにあからさまな暴行跡などがある場合は保護した鎮守府でそのまま保護。その後、艦娘が逃げてきた鎮守府に憲兵隊が向かうというのがルールなんだが…」

 

「…憲兵隊を向かわせるのは危険だな」

 

曙「ど、どうして?憲兵に確保して貰えれば…!」

 

元師「提督を見下すような艦娘がいる鎮守府だ。憲兵隊を向かわせたところで提督を人質に取るだろう。それに憲兵自身が危険が及ぶかもしれない。そう推測出来る時点であまり向かわせたくないんだ」

 

「そこで僕の出番ということだ」

 

曙「…話が読めないわ。一体何を考えてるの?」

 

「ようはお前等を今から捕まえるぞ!なんて見せながら向かうと当然警戒される。曙が脱走してどこかに保護されていると考えたら猶更だ。しかし、提督の見習いとして僕が向かえば、鎮守府にまだ配属されていない、見習いなので別の鎮守府に着任したばかりと考えるはず」

 

「もし前者なら仮に曙がこいつの鎮守府に来たとしても、成り立ての提督なんか消えても大本営は気にしないだろうと考えて、この鎮守府に生かさず殺さずの状態で縛り付けようと考える…と思う。そして後者の場合はどこかでかい鎮守府に着任したかどうかを聞かれるだろうが、僕は着任して数週間だけ。それらしい実績も上げてない、肩書だけの提督だ。見下されるだけで警戒にまで至らないと考える」

 

曙「だから警戒される心配が少ないアンタが行くってこと?」

 

「そういうことだ」

 

曙「納得いかないわ!その話が本当なら貴方は何の実績もない肩書だけの提督じゃない!そんな奴に何を期待しろと!?」

 

……コイツ、何故そんな怒り方・・・をするんだ?落胆や期待からくる怒り方じゃなくて、寧ろ来てほしくないみたいな…そんなに頼りなく見えてるって事か?

 

「だが僕以上の適任がいると思うか?」

 

曙「う…」

 

「いざとなれば艦娘達に動いてもらうさ。僕じゃ不安だろうが、同じ艦娘なら少しは心配無くなるだろ?」

 

曙「…はぁ、分かったわよ」

 

「お、信頼してくれるか?」

 

曙「ただし!このアタシも連れて行きなさい!」

 

「はぁ!?正気か!?」

 

曙「少しはあそこの実情を知っているアタシがいれば証拠だって掴みやすいはずよ。確固たる証拠さえあれば隠れて動くことも出来るでしょう?」

 

元師「…確かにな。だが、お前が戻ると確実に向こうで処罰されると思うが?」

 

曙「そこは相手にしてもらえなかったり、すぐに追い出されたとでも言えば良いと思うわ。どうせ私なんかがいなくなっても気にしないもの」

 

「それなら…まぁ…」

 

曙「決まりね。じゃあいつ出発する?」

 

「そうだな…「コンコンッ」」

 

元師「誰だ?」

 

???「駆逐艦、電と夕立です。提督はいらっしゃいますか?」

 

「いるぞ。入ってくれ」

 

電「失礼します」

夕立「失礼するっぽ…失礼します」

 

「どうした?」

 

電「演習がそろそろ始まるので提督さんを呼ぼうと思いまして」

 

曙「演習?」

 

電「あ、こんにちはなのです」

 

夕立「こんにちはっぽい!」

 

曙「…夕立、貴方なの?いや、でもどこか違う……」

 

夕立「……貴方の知ってる夕立じゃないの。ごめんなさい」

 

曙「ううん、謝らないでいいわ。でも、ホントにそっくりなのよね…」

 

「曙も来るか?面白いものが見れると思うぞ?」

 

曙「……えぇ。お願いするわ」

 

元師「ほら、車椅子だ。折角だし押してやれ」

 

「乗れるか?無理そうなら手を貸すぞ?」

 

曙「…そうね。手伝ってちょうだい」

 

「良し。電は車椅子をもう少し近づけてくれ」

 

電「はいなのです」

 

夕立「夕立は?夕立は何をお手伝いしたらいいっぽい?」

 

「そうだな…車椅子で移動出来そうなルートを探してみてくれ。マップはそこにあるから」

 

夕立「分かったっぽい!」

 

曙「それくらい私が分かるわよ」ギシッ

 

「そういうな。これも訓練だ」

 

曙「ルートを探すのが?」

 

「あぁ」

 

曙「……良く分からない事をする子ね」ボスッ

 

「おし、それじゃ出発進行~」

 

夕立「提督さん!こっちっぽい!」

 

 

夕立「あ、そういえば曙ちゃんのいる鎮守府は誰がいるの?」

 

曙「そうね…大体30人程はいるわよ?」

 

夕立「30人!?夕立達のいた鎮守府より多いっぽい!」

 

曙「これでも小数な方よ。貴方達の所はかなり特殊ね」

 

…そこの提督、天才じゃね?

曙の提督は大佐だったはずだ。大佐は中間辺りの階級であり、そこに上るまでにかなりの時間と艦娘達がいなければ不可能な筈だ。そこから考えてもたった30人くらいでそこまでの階級に上がるってどんなことをしたらそうなるんだ?というか、階級ってそんなに簡単に上がるものなのか?僕でもゲーム内では70人ほどいてようやくなれたのに…

 

「…普通の鎮守府ってどれくらい艦娘がいるんだ?」

 

曙「えっと…大体50程ね。多い所だと7.80程だと思うわ」

 

元師「そういう所は基本的に練度がまばらだったり、きっちりと揃えられてたりするな。ちなみに私の所は全艦娘がいるぞ」

 

「聞いてないです」

 

元師「……そろそろ私も傷つくぞ?せっかく教えてやったのに…」

 

電「元師の艦娘は練度も軒並み高いのです。大淀さんが最高で102だったと思うのです。二番目が大和さんで98なのです」

 

「え?そんなに高いのか?」

 

元師「…なんで電だけには素直なんだ」

 

夕立 ポンポン

 

元師「うぅ…夕立ぃ…」チラッ

 

こっちみんな。このロリコン元師

 

電「ケッコンカッコカリ済みなので、手を出したら駄目なのですよ?」

 

「…電は僕を何だと思ってるんだ」

 

曙「ウチは金剛が最高で30よ。それぐらいの練度なら力でねじ伏せる事も可能じゃないの?大淀さんじゃなくて大和さんなら姿を現しただけで降伏するでしょ?」

 

「それは駄目だ」

 

曙「何でよ。これが一番解決が早いと思うんだけど?」

 

「仮にそれをすると艦娘が鎮守府一つ簡単に壊滅出来るかもしれない艦娘として認識されるかも知れないだろう?最悪艦娘に対する危険視が高まり、艦娘の保有を制限しろ!なんていう奴が出てもおかしくないからな」

 

曙「流石にそんなわけないでしょ。そんなことしたら戦争に負けるのは目に見えてるわ」

 

「そんな阿保がいると想定しながら動かなくちゃいけないのが軍であり社会だ。艦娘の立場は勿論、俺達軍人の立場も悪くなる。元師が今までそうしなかったのはそういった理由もあるだろうからな」

 

曙「…結局の所、頼れるのは自分の力だけってことね」

 

「今回は俺達も協力するぞ。俺の艦娘達がいるんだから大船に乗ったつもりでいろよ」

 

曙「貴方は含まないの?」

 

「泥船になるぞ?」

 

曙「…やっぱり不安だわ」

 

「ま、そういうな。泥船には泥船なりのやり方がある。少なくとも解決するまではそこにいる予定だからな」

 

曙「…分かったわ。もうアンタにしか頼るしかないもんね」

 

電「…電はそうは思わないのです」

 

「そうかぁ?」

 

電「司令官さんはもう少し自分を顧みた方が良いのです」

 

「…見た目は子供、頭脳も子供だな」

 

電「……バカ」

 

元師「お二人さん?そろそろ到着のようだぞ?」

 

「あっ、そういえば今は誰が出てるんだ?」

 

電「えっと…旗艦の愛宕さん、天龍さん、潮ちゃん、雷ちゃん、響ちゃん、暁ちゃんなのです」

 

元師「さて、私の艦娘達は誰が出てるのかな?」

 

川内改二「…」

 

神通改二「…」

 

那珂改二「…」

 

「おっふ…」

 

元師「…大淀の奴、血も涙もないな」

 

夕立「そんなに強いっぽい?」

 

「……多分、お前等全員で仕掛けても夜戦で全てをひっくり返してくるとは思うぞ」

 

元師「ほぅ?良く分かってるじゃないか」

 

曙「……」

 

夕立「あ、愛宕さんが仕掛けた」

 

電「潮ちゃんが魚雷でカバーしようとしてるのです」

 

元師「ま、避けるよな」

 

「……川内が海を蹴ったら魚雷が爆発したんだが」

 

夕立「立ち上った水飛沫から神通さんが現れたっぽい!」

 

「あ、天龍が一撃もらった」

 

元師「……あれは大破判定だな」

 

「ペイント弾か…あれって艦娘の服について大丈夫なんですか?」

 

元師「大丈夫だ。水にさらせばすぐ落ちる」

 

「すげぇな…」

 

夕立「響ちゃんも喰らったっぽい!」

 

「…あれも大破だな」

 

電「暁ちゃんと雷ちゃんが魚雷を発射したのです!」

 

「……ん?なんか少し足りなくないか?」

 

電「あ、ホントなのです」

 

夕立「また川内さんが海を蹴って魚雷を爆発させてるっぽい」

 

「……愛宕が持ってるあれって魚雷か?」

 

電「思いっきり投げてるのです!?」

 

「魚雷が海の中を飛んでくるんじゃなくて、空を飛んでやってくる異常事態になってるな」

 

夕立「……あ、那珂さんに掴まれた」

 

元師「無茶苦茶なことするな…爆発してないからダメージ判定無しだぞ」

 

「空を飛んでくる魚雷をキャッチするとか中々の反射神経してますね」

 

元師「あれでも那珂は強いぞ?練度はあの中だと一番下だが、上から数えた方が早い位の位置にはいるからな」

 

「とんでもないな…」

 

電「カウンターで那珂さんが雷ちゃんに当てたのです」

 

「これも一撃大破か…」

 

電「あ、雷撃戦に入るのです」

 

夕立「……大破してない皆にヒットして全員大破、対してあっちは無傷っぽい」

 

元師「ふっ、まぁこんなもんか」

 

「練度…いや、それ以前に実戦での経験が違いすぎるな」

 

夕立「……夕立達、勝てるのかな?」

 

「……相手が戦艦一隻で、夜戦ありなら勝てる見込みはあるだろうとは思うがなぁ」

 

元師「まぁそれでも出来て戦術的勝利ってとこだろうな」

 

夕立「…提督さん。何か作戦はないっぽい?」

 

「……無いな。強いて言うなら生き延びろって事しか思いつかん」

 

夕立「だよね…」

 

「……夕立」

 

夕立「どうしたの?提督さ『ムニィ~』へ、へいとくさん!?」ムニムニ

 

「ほら、ムニムニ~」

 

夕立「も、もう!イタズラはやめてほしいっぽい!」

 

「でも、緊張はほぐれたろ?」

 

夕立「あ…」

 

「まぁ落ち着け。焦ればただの的になるだけだぞ?」

 

夕立「う…」

 

「お前なら大丈夫だ。勝つのが難しいなら生き延びるだけでもいい。徹底的に生き延びる事を視野にいれろ」

 

電「……夕立ちゃん、生き延びるのを作戦にしてみませんか?」

 

夕立「…うん」

 

「ま、攻撃できそうなら攻撃してこい。今回は演習なんだし、お前等のやりたいようにやってみるといいさ」

 

電「はい。分かったのです」

 

「あ、電」

 

電「なのです?」

 

「出来そうなら超近距離戦闘をやってみてほしい。勿論、出来る範囲で構わない」

 

電「というと…」

 

「あぁ。肉弾戦だ」

 

電「分かったのです。ご期待に応えられるよう頑張りますね!」

 

「あぁ。頑張れよ」

 

電「はい!」

 

 

元師「…知ってたのか」

 

「何がです?」

 

元師「電が武術を使うのがだよ。なんで気付いたんだ?」

 

「あ、ホントに使えるんですか?」

 

元師「…何だと?」

 

「いや、前々から疑問だったんです。なんで人の姿をしてるのにずっと砲雷撃戦で済まそうとしてるのかと」

 

「半分冗談のつもりで言ってみたのですが…予想外ですね」

 

元師「……お前」

 

曙「…黙って聞いてれば貴方って中々のクソ提督よね。少しは戦略ぐらい考えてあげたらどうなの?」

 

「提督なり立ての人間に戦略なんて期待するな。それに今回ばかりは相手が悪い。少なくとも戦艦と空母が一人ずつはほしい」

 

曙「…ちなみに次は誰が出るの?」

 

「さっきいた夕立と電に加え、龍田、島風、時雨、川内だな」

 

曙「待って、川内ってもしかして…」

 

「お前の考えで間違いない」

 

曙「それじゃさっきの夕立も…!」

 

「…沈んだよ。アイツは」

 

曙「……そう」

 

曙「なら一つ、聞きたいことが出来たわ」

 

「あらかじめ言っておくが、俺は攻めてきた敵を撃退したまでだ。提督として無抵抗でやられるわけにはいかんのでな」

 

曙「分かってるわ。私が聞きたいのはそうじゃないの」

 

曙「……夕立の最後はどうだったの?」

 

「……さぁな。ただ、いい顔だったよ」

 

曙「…そっか」

 

元師「おい、始まるぞ」

 

雪風改二「……」

 

不知火改二「……」

 

長門改二「……」

 

加賀改二「……」

 

元師「……」

 

「……」

 

曙「……」

 

元師「……お前、大淀に何かしたのか?」

 

「僕の知らない所で何かをやってしまった可能性なら…」

 

曙「…もしかしたら死ぬんじゃない?あれ?」

 

元師「川内とか見て見ろ。絶望の表情だぞ」

 

「ただそれとは真逆に夕立とかはやる気満々って感じですね」

 

元師「…始まるぞ」

 

「まずは加賀の先制か」

 

曙「川内危ない!」

 

「……大破者は奇跡的に無し。だけど川内と島風が中破、他は皆無傷ですね」

 

元師「意外だな。あれで決まるかと思ってた」

 

曙「川内が怒ってる…」

 

「流石に夕立に止められてるな」

 

曙「あれ!長門さんが砲撃準備してる!」

 

元師「……電が掠ったな」

 

「加賀に怒られてるぞ」

 

元師「あいつは駆逐艦好きだからなぁ……」

 

曙「……待って。私の様子をよく見てきた長門さんって」

 

「……アイツ」

 

元師「おい、龍田が仕掛けるみたいだぞ」

 

「あれは…雪風狙いか」

 

曙「……庇いに行った長門さんが素手で砲弾砕いたんだけど」

 

「流石の龍田もポーカーフェイスが崩れてるな」

 

元師「カウンターで雪風が魚雷を撃ったか」

 

曙「……なんか単調過ぎない?」

 

「誘導だろうな。見ろ」

 

曙「あ、加賀さんが…」

 

「仕掛けるタイミングが上手いな。前からは魚雷、上からは艦載機だ」

 

元師「お、夕立が飛び出したぞ」

 

曙「魚雷に突っ込んで行ってるんだけど!?」

 

「後ろに電がついてるが……何する気だ?」

 

曙「ぶつかっ…る?」

 

元師「…ふむ、魚雷を爆破させるのではなく後ろに流したか」

 

「がら空きの正面を不知火がカバーに入ったな。夕立が砲撃したが機銃で弾道を逸らしてるのか?そのタイミングで電が速度を上げて攻めに行ったな」

 

元師「毎度思うが神業だな」

 

「砲撃する瞬間に当てて爆発させるならまだ分かりますが、回転しながら飛ぶ弾をどうやって逸らしてるんでしょうか?」

 

元師「本人曰く、穴を作るらしい」

 

「穴?」

 

元師「回転する弾の同じ部分を機銃で当ててるそうだ。そうして出来た穴に弾を当てる事で逸らしているらしい」

 

「え、えぇ…」

 

曙「……電が不知火の腕を掴んだわ」

 

元師「背負い投げか。だが甘い」

 

「……嘘だろ」

 

曙「不知火が自分から飛んで更に加速したわ!」

 

「あ、電が離した」

 

元師「不知火がその瞬間を狙ってほぼゼロ距離射撃を決めたぞ」

 

「あれは大破だな…にしても一瞬だけ不知火の顔が崩れたな」

 

元師「あれはレアだぞ?あまりに想定外の出来事だったんだろうな」

 

「けど、視線を電に向けすぎたな」

 

曙「時雨の攻撃が不知火にヒットしたわ!」

 

元師「……おぉ。まさかの大破か」

 

「いよぉっし!」

 

曙「川内が長門さんに向かって砲撃したけど…砕かれたわね」

 

「ま、攻撃が来ると分かってたら対処されるか。だけど砕き方をミスったな」

 

元師「…あのバカ。完全に砕きやがった」

 

曙「砲弾が破裂してペイントが長門さんに思いっきりかかってるけど、あれって判定どうなるの?」

 

元師「普通に大破判定だ。本来は避けるのを想定されて作られてるから、ああやってカッコつけて砕こうとすると基本的にああなる」

 

「初めのは上手かったんだが、最後の最後で油断したな」

 

「最後に島風だが……」

 

元師「さっき加賀が艦載機を発射した時にやられて大破だな」

 

「う~ん、流石にきついか」

 

元師「流石に不知火がやられた時は肝が冷えたよ。長門のアホは置いといて」

 

「ただ実戦だとあれは駄目ですね。今回やったことは演習だから通じる事ですし」

 

元師「まぁそうだな。本来深海棲艦と真正面から殴りあいするのは戦艦辺りの役目だしな」

 

曙「二人共、まだ雷撃戦が残ってるわよ」

 

「おっと、そうだった」

 

元師「…どちらも被害なしか。雪風の奴が当てると思ったが」

 

「ん~、これはもしかして?」

 

曙「あ!戦術的勝利よ!」

 

元師「長門の大破が無ければ私達の勝ちだったんだが…ま、勝利までいかなくて良かったよ」

 

「……さて、僕は皆を労ってきます。曙も来るか?」

 

曙「えぇ。お願いするわ」

 

「それじゃ、出発しんこー」

 

 

 

川内「ねぇねぇ提督!見てた!?私の活躍!」

 

「見てたも何も、ありゃあっちのミスだ。ま、MVP取ったのには変わらんが」

 

川内「えへへ…」MVP

 

夕立「むぅ~…夕立も頑張ったもん!提督さん!褒めて褒めて~!」

 

「あぁ、良くやったな。時雨も良くやった」

 

時雨「あれは電が作ったチャンスだよ。僕はそれを利用したにすぎないさ」

 

「それでもだ。一瞬のチャンスを逃さず掴むのはそう簡単じゃない。良くチャンスをものにしたな」

 

時雨「……むぅ」

 

電「司令官さん、ごめんなさい…」

 

龍田「提督~?流石に電ちゃんのは無理があったんじゃないかしら?」

 

「だな。あれが実戦だったらと思うとゾッとするよ」

 

天龍「だが電も良くやろうと思ったな?あんな危ない事」

 

電「司令官さんの作戦なのです。信じないでどうするのですか?」

 

天龍「……反省しろよ」

 

「すいませんでした…」

 

潮「私達はいいとこ無しですね……」

 

「あれに関しては相手が悪すぎた。というか華の二水戦が相手じゃ悪い」

 

愛宕「不意打ちも効かなかったしね~」

 

「多分夜戦慣れだろうな。夜戦になったら敵の姿だって分かりづらくなるし、不意打ちだって出来る。そういう意味ではあれは悪手だった」

 

雷「悔しいわ…」

 

暁「……うん」

 

響「……せっかく司令官に口移しでウォッカを飲んでもらおうと思ったのに」

 

「は?」

 

ごめん、流石にウォッカは飲めないんでNG。提督になったら未成年禁酒って法律があろうと飲んでも良いらしいけど、それ以前に酒の匂いを嗅ぐだけで頭痛するんで無理です

 

電「な、なんでもないのです!」

 

暁「ち、ちょっと響!?そんなこと考えてたの!?」

 

雷「……ねぇ司令官、お願いがあるんだけどいい?」

 

「あぁ、いいぞ」

 

雷「ほ、ホント?」

 

「ま、お前等には無理させすぎたからな。叶えられる範囲ならいいぞ」

 

雷「…じ、じゃあさ、抱きしめてくれない?」

 

艦娘達「!?」

 

「あぁ。いいぞ」バッ

 

私はロリコンではない。ただ震えている少女を慰めたいが為に抱きしめようとする紳士なだけである。誓って変態ではない。変態ではない!

 

雷「ん…」ギュッ

 

「……良くやったな」

 

雷「…怖かったわ」

 

「あぁ。俺も怖かったよ」

 

雷「どうして…?」

 

「……実戦ならお前等全員沈んでてもおかしくなかったんだ。これが演習で本当に良かったよ」

 

本当にその通りだ。実際に出撃し、元師レベルの深海棲艦が出現した場合、今回のように戦闘すれば確実に負ける。正直、一方的に蹂躙されている時は本当にきつかった

ゲームでは中破すればキャラクターのデザインが中破以降のデザインに変わるだけだったが、実際は戦闘中であってもコロコロと表情が変わり、それは恐れや怒り、余裕という表情に切り替わる。元師の艦娘達もそれを観察し狙いを定めて攻撃を行っていた。ただプログラム通りに攻撃するのではなく、そういった心理を利用し攻撃するといった事を行ってくるのだ。それは深海棲艦とて同じだろう。今回のようなミスを二度と起こさぬよう、より綿密に考えておかなくては……

そういった意味では艦娘達だけでなく、自分にとっても考えさせられる良い演習だったと言える。彼女達は生きている人間なのだと。ゲームのようにいかないのだと改めて再認識出来たのだから

 

雷「……」

 

「もう大丈夫か?」

 

雷「えぇ。ありがとう司令官」

 

「気にすんな。俺で良かったら胸くらい貸してやる」

 

愛宕「じゃあ、次は私を「あ、愛宕は無理」なんでぇ!?」

 

「いや、元の体だったら別に構わんが、今の体だとお前に圧殺されそうで怖い」

 

愛宕「うぅ…」

 

龍田「じゃあ提督~?私のお願いも聞いていただけますか~?」

 

「ん…むぅ……まぁ良いだろう」

 

龍田「良かったぁ~それじゃ提督、ちょっと後ろ向いててくださいね~?」

 

「ん?それは良いが何をする『ガシッ』……え?」

 

丁度自分の後頭部に柔らかい感触が二つ程ある…ぶっちゃけヤバい。目の前にもデカイメロンが二つあるので、このままではサンドにされる……って考えるな!少しでも考えたら成長が止まらなくなる!

 

龍田「愛宕さ~ん。提督捕まえたわよ~」

 

愛宕「……良いの?」

 

龍田「良いんじゃないかしら~?私のお願いはもう聞いてくれたみたいだし?」

 

「あ、っちょ、龍田!?」

 

天龍「……諦めろ提督。あんなにキラキラした龍田を止めるのは俺には出来ねえよ」

 

愛宕「うふふ。提督?覚悟してくださいね?」

 

「……ピエン」

 

 

 

 

 

元師「お~い、艦娘達の労いは……」

 

愛宕「はぁ~、司令官さんって意外と良い匂いしますよね?」

 

「匂いを嗅ぐな!島風!助けてくれ!」

 

島風「……提督なんて知らない!」

 

「島風ぇ!?」

 

曙「島風を放置した罰よ。大人しく受けなさい」

 

潮「あ、元師!すいません、そちらに向かうのが遅くなってしまい…」

 

元師「…いや。そんなことより一枚だけでいい。アイツ提督の写真を撮っていいか?」

 

「元師!?愛宕、元師が来たからそろそろ……」

 

愛宕「駄目ですよ~。元師が写真を撮りたいとおっしゃるんだもの。ならそれに答えてあげなくちゃね?」

 

元師「あ、愛宕。出来たらソイツをもっと胸に近づけて目線を提督に向けてくれ」

 

愛宕「は~い♪」

 

「元師!見てないで助け」ムグッ

 

私は真珠、私はボール、私は石、私は紳士、私は赤ん坊、私は、私は、私ははははは

 

元師「良くやった愛宕。後で私のコレクションの一つをお前にやろう」パシャ

 

愛宕「うふふ、ありがとうございます♪」

 

暁「あ、愛宕さんって……結構大胆よね?」

 

響「……むぅ、流石にあれには勝てそうにない」

 

電「は、はわわ…」

 

雷「…何かしら?この気持ち……」

 

時雨「……愛宕の趣味も変わってないなぁ」

 

島風「提督のバカ!」

 

潮「やっぱり男って……」

 

夕立「提督さん、大丈夫?」

 

龍田「ウフフ、ホントに提督は見てて飽きないわね~」

 

天龍「川内!大丈夫か川内!」

 

川内「……あ」ボタボタ

 

天龍「メディック!メディーック!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

元師「ふぅ、良いのが撮れたな」

 

「……」

 

元師「どうした?死にそうな顔して」

 

「色んな意味で死ぬとこでしたよ……」

 

元師「なんだ、お前もああいうのが好きなのか?」

 

「黙秘します」

 

元師「…お前にも性欲というものがあったんだな。安心したよ」

 

「普通にありますよ。ただ部下に向けては絶対しません」

 

元師「チッ、つまらんやつだな」

 

艦娘達「……」

 

曙「……アンタ、ホントに良く耐えられるわね?」

 

「俺も対策してない訳じゃない。どうすれば紛れるかの方法くらいは知ってるし、それ以前に気分にならんだけだ」

 

曙「つまりイン「言うな」…悪かったわよ」

 

元師「……写真と演習の結果に免じて、一個くらいなら私もお前の要望を聞いてやろう」

 

「あ、では元師。少し頼みたい事があるのですが」

 

元師「ふむ、なんだ?」

 

「高速建造材バーナーを一つ使わせてもらいたいのですが、良いでしょうか?」

 

元師「……何に使うつもりだ?」

 

「曙達の鎮守府に行く前の準備に必要なんですよ。駄目ですか?」

 

元師「…ま、いいだろう。お前なら変な事に使うことも無いだろうからな」

 

「ありがとうございます。あ、皆はちゃんとペイント落としといてくれ。また後で合流しよう」

 

艦娘達「了解!」

 

元師「良し。それじゃあしっかり掴まってろよ」ガシッ

 

「…元師、何故私は担がれているのでしょうか?」

 

元師「こっちの方が速い。ほら行くぞ!」ダッ

 

「あ、ちょ、元師!これお腹痛いです!お腹痛くなります!」

 

『…あれ、何してるの?』

『多分…何かのプレイ中?』

『…いいなぁ』

『『『え?』』』

 

 

 

島風「…」ムーッ

 

夕立「島風ちゃん、そんなにほっぺ膨らましてたら風船みたいなほっぺになっちゃうよ?」

 

島風「だって、提督が褒めてくれなかったんだもん!こんな顔にもなるよ!」

 

電「まぁまぁ。それを言ったら電は大破してしまったのに注意もされなかったのです」

 

天龍「それはアイツの無茶な命令のせいだろ?電のせいじゃねぇって」

 

電「でも、電は司令官さんの命令を遂行出来なかったのです。普通は怒られると思うのですが…」

 

大淀「電ちゃん、提督が間違った事をしそうならちゃんと意見を出して良いんですよ?提督ならきちんと聞いてくださると思いますし」

 

電「……良いのでしょうか?電なんかが意見を出してしまって」

 

潮「良いと思いますよ?提督がここに来た時も何も言わずに私から離れてくれたんですし、他人の事を一切考えないなんてことはないと思います」

 

龍田「にしても驚いたわ。電ちゃんってあんなこと出来たのね?」

 

電「あ、はい。元師の所にいた間は色々な事を学んでたので」

 

天龍「……あれって今回戦った艦娘達は皆使えるのか?」

 

電「多分使えると思うのです。戦艦の長門さんはたまに深海棲艦相手に対して使ってたりするのです」

 

川内「そこは砲雷撃戦で倒そうよ…」

 

曙「……ねぇ、貴方達は何とも思わないの?」

 

島風「何が?」

 

曙「あんな胡散臭い子供を信じてることよ。どうして貴方達はあんな子供の事を信じられるわけ?」

 

時雨「…僕はまだ信じてるわけじゃないよ」

 

川内「私もね。というか昨日まで敵同士だったし」

 

天龍「俺もだ」

 

島風「えぇ~!天龍さん酷ーい!」

 

夕立「ぶ~ぶ~!」

 

天龍「おいおい、俺だってちゃんと考えて言ってるんだぞ?といっても人間としてのアイツを信じてないってだけだがな」

 

龍田「でも私もね~あの人の事を完全に信頼してる訳じゃないわよ?」

 

曙「じゃあどうして?あんな子より元師の下にでもついたほうがよっぽど良いと思うんだけど?」

 

島風「……何で?」

 

曙「え?」

 

島風「ご飯も食べさせてくれるし、私達の事を気持ち悪がったりせずに普通の人と同じ様に接してくれるんだよ?前の提督みたいに皆に酷い事はしないし、叩いたりしないもん!」

 

愛宕「私も似たようなものかしら?でも一番なのはいじりがいがあるのよね~」

 

響「それはそうだね。私の下着姿を見た時なんか照れててちょっと可愛いって思ったよ」

 

暁「そんなことしてたの!?」

 

響「ち、ちょっとした事故だったんだ。他意はないよ」

 

暁「……目が泳いでるわよ」

 

雷「……私は、良く分からないわ」

 

雷「今の提督は優しい人だと思うわ。でも、どうしても信じられないのよ」

 

時雨「僕も雷と同じ意見かな。出会って少ししか経ってない訳だしね」

 

雷「でも不思議とね、悪い気はしないのよ。むしろ落ち着くっていうか……」

 

夕立「夕立もそれ分かるっぽい!傍に寄った時とかすっごく落ち着くっぽい!」

 

龍田「……でも結局、良く分からない人なのよね」

 

大淀「酷い事をした我々を許してくれる人ですからね。普通は怒ったり、恐怖したりするものだと思うのですが…」

 

川内「もしかしたら私達が好きすぎるあまりそういうブレーキが壊れちゃったんじゃない?」

 

艦娘達「あー…」

 

曙「……貴方達に聞いたのが間違いだったわ」

 

電「…ホントになんででしょう?どうしてあそこまで電達の事を考えてくれるのでしょうか?」

 

天龍「意外と俺らに一目ぼれしたってのがホントだったりしてな」

 

電「まぁでも確実に言えるとしたら優しい、というよりかはお人好しでしょうか?」

 

川内「…どうだろうね。単なるお人好しって訳じゃないとは思うよ」

 

電「何故なのです?」

 

川内「普通お人好しってさ、相手の意見ばかり肯定するイエスマンになると思うんだけどアイツはそんなことしないんだよね」

 

川内「むしろガンガンに自分の意見を言って相手の気持ちなんか気にせずに物を言ってるからね。それがたまたま私達にとって最適解だったり、納得しちゃうような事ばかりなんだよね。だから優しいって感じたりするんじゃないかな?」

 

大淀「……でも、それだけ私達の事を考えてくれてるって訳ですよね。もし本当にただ優しくするだけなら相手に都合の良い事だけを言えば良いだけなんですし」

 

暁「それは優しさじゃないわ。ただ都合の良い言い訳みたいなものよ」

 

暁「あの子が本当に優しいって感じるのはちゃんと私達と向き合ってくれるから。だから私達はあの子の事を優しい人だと感じるんじゃないの?」

 

時雨「……暁の言う通りだね」

 

天龍「ま、それはそうだな。前のアイツなんか俺らの事を数でしか数えてなかったみたいだし」

 

龍田「ふふふ…思い出したらちょっとイライラしてきたわ~」

 

雷「龍田さん、暁が怖がってるわ」

 

龍田「あ、あら?ごめんなさいね?怖がらせるつもり無かったんだけど…」

 

暁「だ、大丈夫よ!暁はレディーなんだから心配かけるような事はしないわ!」プルプル

 

響「暁、体が震えてるよ」

 

暁「響うるさい!」

 

雷「こら、喧嘩しないの!」

 

潮「……私が信用しようって思えた一番の理由は、こうやって明るい雰囲気になったことですね。前までの鎮守府だったら考えられなかった事ですから」

 

曙「…なるほどね」

 

大淀「さて、お話はこれくらいにしてそろそろお昼に行きましょうか。ちょうどいい時間ですしね」

 

艦娘達「やったー!ごっはん、ごっはん♪」「ここって何があるんだ?」「カレーやうどんとか色々あるのです」「楽しみだわ~♪」

 

 

 

曙「……」

 

川内「曙」

 

曙「な、何?」

 

川内「今はご飯の事考えない?曙もお腹すいたでしょ?」

 

曙「…でも」

 

川内「不安?あの子が来ても何も変わらないんじゃないかって」

 

曙「…」コクッ

 

川内「……その時はさ、私達みたいに逃げようよ。ここにいる皆の所に。勿論、他の皆も連れてね」

 

曙「…それじゃ何の解決にもなってないわよ。もしかしたら金剛達が連れ戻しに来るかも知れないし、アイツが自分の身可愛さに私達を金剛に売り渡すかも知れないじゃない」

 

川内「もしもの事を考えてどうするのさ。もしかしたらこうなるかもしれない、もしかしたらあんなことになるかもしれない。何て考えてずっと立ち止まってるつもり?」

 

曙「……」

 

川内「曙はあそこを変えたいと思ったから助けを呼びに逃げてきたんでしょ?私はただそこから逃げる事しか出来なかったけどね」

 

川内「……あの子が信用出来ないんだったら私を信頼してみない?」

 

曙「…川内さんを?」

 

川内「私が何でここに帰って来たんだと思う?どうしてあの子についてきたんだと思う?」

 

曙「…もしかして川内さんも?」

 

川内「そ。私もあそこを変えようと思ってあの子に協力してるつもりだよ。そんな風に考えてる私じゃ信用出来ない?」

 

曙「……」

 

川内「…ま、見ててよ。結果がどうなるかなんてのは結局問題に対して動いた奴にしか見れないんだしさ」

 

曙「…ごめんなさい」

 

川内「気にしてないよ。さっ、ご飯食べに行こ」

 

曙「…うん」

 

 

 

 

 

・・・少女食事中・・・

 

 

 

 

 

大淀(元師)「皆さん、移動の用意が出来ましたので準備の方をお願いします」

 

天龍「お、もう行くのか?」

 

大淀「あの、すいません。提督はどちらにいらっしゃるのでしょうか?お昼の時も姿を見ませんでしたが…」

 

大淀(元師)「……彼はその、少し遅れて向かうそうで」

 

電「……何かあったのですか?」

 

大淀(元師)「……」

 

電「案内してください。司令官さんはどこにいるのですか?」

 

大淀(元師)「…分かりました。ですが、気をしっかり持ってくださいね」

 

艦娘達「……」

 

 

 

・・・医務室前・・・

 

 

 

大淀(元師)「こちらに提督はいらっしゃいます」

 

川内「ここって…」

 

電「…!司令官さん!」ダッ

 

天龍「い、電!ちょっと待て!」

 

ドア『お見舞いで~す』ガラッ

 

「お、皆どうしたんだ?」ミイラ

 

夕立「て、提督さん!?どうしたのその姿!?」

 

「いや、ちょっと試した事があってな。ちょっと想定と違ったが何とか成功したよ」

 

島風「…提督、痛くない?」

 

「あぁ、大丈夫だよ。心配かけたな」

 

曙「……」

 

川内「……」

 

時雨「……提督、だよね?」

 

「あー、そういえばこの姿をお前等に見せた事無かったな。これが一応元の姿だよ」

 

響「……目は変わってないんだね」

 

暁「…おっきい」

 

「これでも男の中では平均的な大きさだと思うぞ?筋肉はほぼついてないけどな」

 

電「でも、どうして元の姿に戻ったのです?しかもそんな姿になって……」

 

「そろそろ元の姿が恋しくてな。高速建造材で自分を燃やせば元に戻ると思って試した」

 

艦娘達「はぁ!?」

 

「一応包帯はしてるが大丈夫だぞ?取ってやろうか?」ピラッ

 

大淀「……どうしてこのような事をしたんですか?」

 

「だから言ってるだろ?元の姿が恋しくなったって。ホントにそれだけだよ」

 

大淀「……」

 

「そういえば皆は昼は食べたのか?今日中には曙達の鎮守府に向かうんだからしっかり準備を「馬鹿!」へぶっ!」パーン!

 

龍田「なんでそんなに危ない事をしたんですか!?そんな理由で危険な事をしないでください!」

 

「いやだって「だっても何もないです!」……はい」

 

龍田「……でも、無事でよかった」

 

「……良く分からんが心配かけたみたいだな。すまなかった」

 

時雨「……」

 

天龍「……はぁ、頼むから押死のは勘弁してくれよ。お前が死んだら俺らはどうしていいか分からねぇからな」

 

「大丈夫だよ。俺もまだ死にたくないし、死ぬ予定はないからな」

 

曙「ところでアンタ、服はどうしてるの?見たところ包帯しか巻いてないように見えるけど…」

 

「あぁ。さっきまで着てたんだが暑くて脱いだ。そこに畳んであるだろ?」

 

艦娘達「……」

 

「……どうした?」

 

響「……つまりあれかい?司令官は今なにも着てないのかい?」

 

「いや、流石にパンツは履いてるが…何でそんなことを聞く?」

 

響「…ふーん」バサッ

 

「あ、ちょっ!?」E.ボクサーパンツ

 

艦娘達「……」ブシュッ

 

「お前等揃いも揃って中学生か!誰か来てくれ!病室で鼻から大量出血してる患者が大量発生した!」

 

電「……ちょっと盛り上がってたのです」ジリ…

 

愛宕「……ちょっと上がってたわね」ジリ…

 

響「…据え膳食わぬは女の恥。ということで早速」

 

妖精達「「「はい、ストップ」」」スパーン

 

電「あぅ」

 

愛宕「いたっ」

 

響「ぴっ」

 

妖精「…ホントに火傷の跡が無いですね。完全に消えてます」

 

「だから大丈夫だって言っただろ?ちゃんと修復されるんだって」

 

妖精「…でも、多分それもおしまいだと思います」

 

「え、そうなのか?」ピッ

 

妖精「速攻で指に傷をつけるのやめてくれないです!?」

 

「…ホントだな。前ならこの程度すぐ直ったはずなのに」痛い…

 

妖精「おそらく、今回の件で完全に修復の機能を失ったのだと思います。原因としては燃えるのと同時に細胞が修復されていたはずなので、それで力を使い切ったのでしょう。じゃないと提督さんの状態に説明がつかないのです」

 

「ま、仕方ないか。妖精さんもあんな無茶を聞いてくれてありがとうな」

 

妖精「こういうのはもうこれっきりにしてほしいのです。妖精にだって心はあるのですよ?」

 

「悪かったって。ほら」栗饅頭

 

妖精「もう!こんなものでごまかせると思わないで下さい!」ニコニコ

 

「その割にはニッコニコしてるなぁ…」

 

妖精「ちなみに中身は?」

 

「白餡」

 

妖精「パーフェクトだ。提督」

 

「その見た目でその声はやめろ。というかこれだけじゃ分かる人少ないだろ」

 

妖精「大丈夫なのです。ちゃんと1ページ目にヒントは出してますから」

 

エラー猫「それ以上いけない」

 

「あっ」




この先の展開が思いつかない為、お手数ですが、次のお話が作られるまでお待ちください
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