この学生、元放置提督 世界が変わっても、やることが変わっても、いつも通りにする。ただそれだけ 作:七福えると
・覚醒時 約30000文字
・通常時 約3000文字
・スランプ時 約300文字
大体こんな感じですが、ホントに#24に関しては同時並行で次の話を作ってたレベルなので、ちょっと投稿が遅れました。ちなみに添削した箇所はほぼ無いです。(普段は添削にかなりの時間掛けて作ってます)
「…朝か」
金剛「お寝坊さんですネー。もう0900ですヨ?」
「ここは?」
金剛「医務室デース。昨日は随分とお楽しみだったようで」
「…すまん。そこまで聞こえてたとはな」
金剛「モー、パジャマパーティーするなら呼んで欲しかったネー」
「そうだ。ウチの艦娘達は?」
金剛「騒いだ罰として今は出撃中デース。今攻略中の海域の情報収集の為にネ」
「あー。そういえば今は何処を攻略中なんだっけ」
金剛「確か…南西諸島海域の沖ノ島海域ですよ。いつも同じルートで移動してるのですが、それだとボスに辿り着かなかったり、直前で撤退しなければならなかったりするので、提督さんの艦娘達で別ルートを開拓中デース」
「…アイツ等平均でも練度15しかないぞ。誰一人改造もしてないし」
金剛「大丈夫デース。流石に他所の鎮守府の艦娘さん達にここでのやり方を指せるわけにはいきませんからネ。誰かが大破すれば即撤退出来るように伝えてありますので安心してくださーい」
「…ま、罰だから仕方ないか」
金剛「話しが分かるようで何よりデース。あ、入渠は後回しにさせてもらいますね。一応罰なので」
「分かった。ただ天龍、夕立、潮、島風は優先的に入渠させてやってくれ。ウチの海域の哨戒に回さないといけないから」
金剛「了解デース。でもそういうのって提督さんが決めてあげるべきでは?」
「一応罰だからな。俺が勝手に判断して使うのは不味いだろ?」
金剛「そうネー。いい判断だと思いますよ」
比叡「失礼します!」ガラガラ
金剛「oh!比叡!どうしたのですか?」
比叡「ハイ!提督さんにご飯を作ってきたので持ってきました!」ガチャカチャ
「…わざわざスマンな」
比叡「いえ!提督さんのお体は大切にしなければならないのですから当然です!さぁ、どうぞ!」
そう言われて目の前のテーブルに乗せられた料理は、料理といえるのか分からなくなってしまう程のモノで、串に刺さった皮が向かれた蛇らしき肉に、亀の甲羅と何かの肉が入った皿、麦に牛乳といった所謂ゲテモノ料理を比較的に他の物でマシにしようとした料理だった。とても良い匂いなのだが、見た目からして食欲を失せてしまいそうになってしまう
比叡「こちらはマムシです!食べ方としてはそのままガブッといっちゃってください!カメはスッポンを使いましたので元気が出ますよ!それだけじゃ寂しいので麦と牛乳を一緒に食べてください!」
金剛「…oh」
金剛がドン引きしている。てっきり金剛は料理の内容を知っていると思っていたが、どうやら違うらしい。おそらく全てを比叡に一任したところ、こんなとんでも料理になってしまったのだろう。なんというか、凄いとしか言いようがないな
「…いただきます」
金剛「…CrazyBoy」
視界を料理へと移し、亀の皿から肉を箸で挟み、口元へ移動させる。臭いというものではなく、匂いと表現する方が正しいと言える物が鼻をくすぐる。しかし食感は最悪なのだろうと覚悟を決めて口に放り込むが、そうではない。むしろ逆。全くの逆なのだ
あまりの驚きに目を見開いてしまい、視界の端に映る比叡が少し不安げな顔をするが、金剛はアリエナイ者を見るかのような目だった
そのまま咀嚼し、今から飲み込んでしまうのを躊躇う程の美味さが溢れ出ているのを感じ、少しニヤケそうになってしまう。しっかりと堪能した肉を飲み込み、それと同時に次の料理へと箸を伸ばす。その先は蛇の肉に向かって行き、木の串で刺された肉を口で挟み、抜き取るように串を動かし、料理を口内へと運ぶ
一口噛めばアッサリとした柔らかい肉であり、とても蛇とは思えない料理であった。その食感は例えるならばまるでフライドチキンのようであり、目を閉じて食べてしまえば、おそらく本当にそれだと錯覚してしまうだろう
あまりの美味さに口から光を出して叫びそうになってしまうが、また怒られるのは勘弁なのでやめておいた。だが出そうと思えば出せてしまう。そう思わせる程の素晴らしい料理である
二次創作等ではヒエー料理等で知られているが、現実は違う。自分の価値観を全てにおいて一新させてしまう程の素晴らしいギャップに称賛の声を上げたくなってしまった
「比叡」
比叡「はっ、ハイ!何でしょう!」
「良い女すぎるぞ。お前」
比叡「…はい?」
「元気良くって見た目は最高で料理も完璧とかどこのヒロインだよ。マジで求婚されたら即答するレベルだぞ」
金剛「…頭大丈夫ですカ?」
「逆に聞くがどこが駄目なんだ?こんな料理食ったら世の男共なんか胃袋を掴まれてると思うけど」
比叡「あっ、ほ、本当ですか!?」
「本当だ。本気で美味いと思ってるし、出来る事なら毎日作ってほしいレベルだ」
比叡「そっ、そうなんですね…!」ポロポロ
「どっ!どうした!?何で泣くんだよ!?」
比叡「だ、だって…美味しいって言ってくれた人だから…嬉しくって…」
「はぁ~!?」
比叡「こ、金剛お姉さまに食べて頂いた時は美味しくないと一蹴されてしまって…そこからドンドン改善出来るべく努力したんです…!それが今日、報われたんです…!嬉しくない訳…ないじゃないですか…!」
「…美味くなかったのか?」
金剛「正直、比叡の料理をそこまで美味いって言ってる人は榛名以外いないと思ってマシタ。比叡の料理なんか特に酷くって食べられたモノじゃなかったデース」
「…お前、それがホントならとんでもない馬鹿舌だぞ」
金剛「はい?」イラッ
大淀「失礼します。提督、お目覚めですか?」コンコン
「おう。起きてるぞ」
大淀「失礼します。偵察に行った愛宕、天龍、龍田、島風、雷の計五名が全員大破で撤退。本日鎮守府に向かう予定だった天龍と島風ですが、どうしましょうか?」
「他の艦娘達の状態はどうなっている?」
大淀「先程上げた五名以外は皆次の出撃と演習の準備をしています。ここの艦娘達も出撃予定があり、島風さんだけならおそらく今から入渠しても間に合うはずです」
「おし。なら島風だけ入渠させてやってくれ。天龍にはすまないが他の艦娘達の様子を見てしばらく待機。こちらで入渠良しと判断したら連絡をする。代わりに演習組の中に電がいたはずだから電を天龍の代わりに向こうに向かわせてくれ。電の穴抜けは後でこちらから謝っておくから気にせず向かわせろ」
大淀「はい。了解しました」
「あー三人共、すまないが着替えるから出ていってくれないか。居たいなら別に構わんが」
大淀「しっ、失礼します!」ピュッ
金剛「私は本日待機ですから、ここで待たせてもらいまーす」
比叡「あっ、えっと、じゃあ私は失礼します!提督さん、美味しいって言ってくれてありがとうございました!」バタン
「おう。また作ってくれよ」
金剛「…私がいるのに気にしないんですネ?」
「別に下着まで脱ぐわけじゃないんだから別に良いだろ。男の裸なんて何の価値があるんだ」ヌギッ
金剛「…はぁ。いいですか?提督さん?」
「ん?どうし『ドンッ』」
壁 オデノカラダハボドボドダァ!
金剛「女性の前で服を脱ぐというのはこういう事をされても仕方ないのですヨ?それを分かっているのデスカ?」
「そうか。としか言いようがない。別にどうでもいいしな」
金剛「じゃあ、こういうことをされてもですか?」
金剛がそういうと両手でシャツの肩を持ったかと思えば、両腕を開いて破き始めた。胸が露出し、同時に心拍数も上がる。これが恐怖なのか好奇心から来るものなのかは不明だが、今から自分は金剛に襲われようとしているのだろう。それだけはハッキリと理解できた
「あぁ!勿体ねぇ!」
金剛「…提督さんって、嘘をつくときに頬がピクピクする癖がありますよね?そうやって余裕ぶってますけど、ホントは怖いんじゃないですか?」
「まぁそれもあるが、ぶっちゃけ女性にここまでされた事が無くてな。正直好奇心と五分五分って所だ」
金剛「ふーん…じゃあここで提督さんにとってトラウマになるような事でもしてあげましょうか?」
「トラウマねぇ…例えばこんなのか?」
そう言い終えると同時に金剛に向かってキスをする。金剛も不意を突かれたのか驚いた表情をしており、それと同時にイラつきが顔に浮かんだ。その顔はまるで自分の思い通りにならない子供のような顔で怒っており、すぐさま両手を背中に回してくる。その両手にとてつもない力が加わり、あと少しでも力が加われば背骨が折れるだろう
背中と胸に痛みと息苦しさを感じるがそれでもキスをやめない。何とか動く両手で金剛の頭を掴み、更に舌を入れてキスをする。そこまですると金剛の力が一瞬だけ緩んだのを感じ、すぐさま金剛を押し飛ばして拘束から逃れる事に成功した
金剛「クッ…!アナタ、何て精神してるんですか…!」
「ゴホッ、ゴホッ!それはこっちのセリッ…!ゴホッ!」
金剛「…初めてだったのに」ボソッ
「こっちもだよ…ファーストキスがこんな命懸けになるとは思わなかったけどな」
金剛「チッ。ホント、気にくわない人間デース」
「…ようやく本性を見せてくれて嬉しいよ」ニコッ
金剛「やかましいデース。今からでも首を折ってあげましょうか」
「おー、怖い怖い。そうなったらここに今すぐ憲兵隊と一艦隊が押し寄せる事になるだろうけどな」
金剛「…憲兵隊だけでなく、艦隊まで?」
「おう。ちなみに元師率いる艦隊な」
金剛「…成程。後ろ盾は完璧。ということですか」
「さて、ここまで聞いてどうする?俺をもう一度殺したいか?」
金剛「そこまで聞かれて殺したいと思う程愚かじゃアリマセーン。というかそんな後ろ盾がいたこと自体が嘘だと思いたいデース」ジロッ
「嘘に見える?」ニコッ
金剛「…せめて嘘であってほしかったですね」
「ひひっ、そりゃ残念だったな」
金剛「…はぁ。とりあえず服を着替えてください。下着はまた新しいの持ってきますカラ」
「おう。ありがとな」
金剛「普通襲った相手にお礼言いますかネ…」
「気にすんなとは言えんが、いい経験になったよ」
金剛「…ホント、気に入らない人デス」ガラッ
昼 執務室
「あっつ…」カタカタ
女提督「文句言わずに仕事しなさい」ズルズル
「書類作成何てやったこと無いから時間かかるのは仕方ないでしょう」カチッ
女提督「その割には手際良いわね。以前はなんかやってたの?」
「提督になるまではIT目指してたんですよ。その過程で少し出来る程度です」
女提督「なるほどね。エクセルは使える?」
「APIはちょっと苦手です」
女提督「書類を作るだけならAPI無しでも出来るわ。ワードを使うよりかは楽よ?個人的な意見だけどね」
「えぇ。僕も今作ってて実感してます」
大淀「…提督って、ちゃんと学生だったんですね」
「どういう意味だコラ」
大淀「いえ、その…はい。すいません」
「…はぁ」
女提督「…ふぅ。ご馳走様」パン
「そうめんですか?」
女提督「えぇ。こんな暑い日にはピッタリでしょ?」
「良いですね。大淀もそれにしたらどうだ?」
大淀「私はもういただきました。とても美味しかったですよ」
「…俺もそれにするか」
女提督「私はこれを返してくるから、誰か艦娘が報告に来たら書類を机の上にでも置いとくよう言っといて。後は私がやっておくから」
提督・大淀「「了解しました」」
女提督「…ごめん。ドアだけ開けてくれない?」
「どうぞ」ガチャ
女提督「ありがと」バタン
「…ふぅ」
大淀「提督、大丈夫ですか?」
「ちょっとキツイ。この部屋エアコン無いからな」
大淀「窓でも開けましょうか?」
「書類が風で飛ばされそうだから止めとく。今日は特に風が強いしな」
大淀「…確かに、今日はホントに凄いですもんね」
窓『熱い風が辛い…』ガタガタ
「もうちょっとで秋か…時間が経つのは早いものだな」パタパタ
大淀「それでも大分暑いので、水分補給は欠かさないでくださ…」ピタッ
「どうした?急に黙ったりして」ピッチリ
大淀「てっ、提督。シャツはどうしたんですか?」
「え?あぁ。今朝金剛に襲われた時に破れてな。だから着てないぞ」
大淀「おっ、襲われっ…!?」
「別に何ともなかったから心配するな。強いて言うなら俺のシャツが一枚大破したくらいだ」
大淀「いやっ、えっ、あぁっ、もう!」
「ど、ドウドウ。どうしたんだホントに」
大淀「提督はとりあえず下に何かを着てください!服が透けています!」
「あっ、すまん。とりあえず着替えてくるわ」スクッ
霞「失礼します。提督さんはいる?」ガチャ
「おう。どうした?」
霞「っ…!せめて前くらい隠しなさい!このクズ!」
「あっ、ごめん。それで用は何?」
霞「…金剛さんに頼まれて下着を持って来たのよ。サッサと着替えて頂戴」スッ
「丁度良かった。助かったよ」
霞「…ねぇ大淀さん。提督っていつもああなの?」ボソッ
大淀「はい…あそこまで物臭だと困ってしまいます…」ボソッ
「おいしょっと…」バサッ
霞・大淀「ここで脱『ぐな!』『がないでください!』」
「えー…もう、めんどくさいなぁ…」ガチャ
大淀「…もはやテロですよね。あれ」
霞「同意するわ…苦労するわね」
ドア『早く着替えろ!この変態!』バタン
「あー、あっつい。早く着替えないと仕事が追い付かんくなるぞ…」フラッ
瑞鶴「あ、提督さん…ってなんて恰好してるの!?」
「おー。ずいかくかぁ。ちょっと熱くってなぁ」
瑞鶴「…ちょっと、大丈夫?呂律回ってないよ?」
「それが、さっきから頭がフラフラするんだがちょっと酷くなってきてな?ちょっと体に力が入りづらくって…」ガクッ
瑞鶴「ち、ちょっと!?」
「あ、あぁ。これヤバいやつだ…早く、何か口に入れないと」ズリッ
翔鶴「え、えっと…!だ、誰か!?提督さんが大変なの!」
「は、はは…すまんな…」
瑞鶴「もう!今は喋らないで良いから!」ダキッ
「あぁ。もうし訳ねぇ…な…」ガクツ
瑞鶴「ち、ちょっと!?ていと…さん!?ていと……ん!…」
視界が暗い。灼熱のような熱さが体の奥から感じ、燃え尽きていくように意識が少しずつ薄れていくのを感じる。背中に二本の細い感触がするが、その感覚も熱によって感じなくなってきてしまう。ついには開きかけていた目も閉じてしまい、全ての感覚が失われていくような気がした
妖精1「…提督さんって、アホなんですかね?」
妖精2「どう考えてもアホなのです。自己管理もまともに出来ないアホなのです」
妖精3「瑞鶴さんの件もありますし、今回は助けてあげましょう。もしかしたらお礼にお菓子も貰えるかもしれないのです」
妖精2「でも、どうやって助けるのです?」
妖精1「高速修復材をぶっかけるのはどうです?」
妖精3「駄目です。流石にこんなに短い期間で天丼はネタ切れの気しかしません」
妖精1「じゃあどうするのです?」
妖精2「んー、じゃあお外に連れて行ってあげるのはどうです?気分の優れない人は外に出てリフレッシュすると聞いたことがあるのです」
妖精3「それ、体調が悪い人にとって有効と言えるのでしょうか…?」
妖精1「妖精が失敗を恐れてはいけないのです!気になるなら試す!それでいいと思うのです!」
妖精3「でも、私達じゃ遠くに運べませんよ?流石に提督さんを担いで出かける訳にもいきませんし…」
妖精2「以前提督さんが使ってたボートを使って少し散歩させてあげましょう。あれなら深海棲艦に見つかりませんし、近海なら多分大丈夫なのです」
妖精1「うーん、どこまで散歩させますか?流石に近くだと良くならないと思うのです」
妖精2「ここは思い切って南西諸島防衛線まで送ってあげるのです!長い時間をかけて散歩さえすればきっと前以上に元気になると思うのです!」
妖精1「確かに戦艦の皆さんも長時間入渠したらすっごく調子良くなってますもんね…その方が良いのかもしれません」
妖精3「でも、私達艦娘さんと一緒じゃなかったら鎮守府の外までついていけませんよ?そこはどうするつもりなのですか?」
妖精1「なら自動操縦でもボートに取り付けておくのです。それなら自動で鎮守府に帰ってくる事も可能でしょうしね」
妖精2・3「「ナイスアイディア!」」
妖精1「よーし!早速作るのです!皆さん、気合い入れましょー!」
妖精2・3「おー!」
病室
鳳翔「…はぁ」
鳳翔「全く。提督ともあろうお人が体調管理を怠るとは何事ですか!こんなのでこの先やっていけるのですか?」
鳳翔「…もう。寝てる人に言ってもしょうがありませんね。起きたらしっかりとお説教しなければ」
妖精 クイクイ
鳳翔「あら?妖精さん、どうしたの?」
妖精 セーノッ
鳳翔「ち、ちょっと!?提督さんを持って何するの!?」
妖精 ワッセワッセ
鳳翔「ま、待って!?提督さんを運ばな『ガラッ』」
鳳翔「…ど、どうしましょう」オロオロ
電「司令官さん、起きてますか?お昼ご飯を持ってきたので…」
鳳翔「あ、電ちゃん……」
電「……鳳翔さん、司令官さんはどこですか?」
鳳翔「そ、その…妖精さん達に連れていかれちゃって……」
電「……また何か変な事に巻き込まれようとしてるのですね。分かりました。鳳翔さんはいつも飛ばしてる艦載機から何らかの情報は入ってこないのですか?」
鳳翔「き、気づいてたの!?」
電「流石に気づくのです。初め会った時は警戒しすぎだと思っただけでしたけどね」
鳳翔「……そう」
電「それで?司令官さんはどちらに?」
鳳翔「…それが、何も情報が入ってこないの。おそらく艦載機に何かあったか、妖精さん達がわざとそうしているのかは分からないけど…」
電「…分かりました。鳳翔さんは引き続き探しててください。電はこのことを女提督さんに知らせておくので」
鳳翔「わ、分かったわ」
電「…全く。手のかかるお人なのです」ガチャ
ドア バタン
鳳翔「っ…はぁッ!」
鳳翔(…電ちゃん、あの子も要注意ね。ホント、ここはめんどくさい場所なんだから)
鳳翔「…でも、なんだか楽しくなりそうね」ウフフ…
・・・海上・・・
ボート ブオォォォォ
「…」
海『ドボーン!』
イ級1「ガァァァッ!!」ドォン
イ級2「オォォォォ!!」ドォン
「…う」
ボートと砲撃の音で目が覚めた。しかし視界は歪み、意識さえ朦朧としている。起き上がろうにも腕に力が入らず、這うように腕を伸ばしながらボートの淵に手を掴むことが出来た。だがそこまでだった
へ級elite「オオォォォ!!」バシュッ
「…?何の音『ドォン!』オッ!?」
水面を潜る様な音が聞こえたと思えば、次に来たのは衝撃。それと同時に自身の体が宙へと打ち上げられ、重力に逆らう形で少しずつ上へ打ち上げられたかと思えば、今度は逆に引っ張られるかのように下へと落ちる。上下の間隔等無いに等しいような感じがするが、おそらく落ちている。そう確信出来た理由は、目先に映る渦潮のせいだろう
渦潮 ゴゴゴゴッ
「…あぁ」
海『ドブンッ!』
海面に落ち、そのまま海の底へ引きずられていく。そこで見たものは自分の体から出ている真っ赤な液体と、深海棲艦だと思われる黒い物体。そしていくつかの破片のような物が一緒に水底へと沈んでいく。沈んでいると理解したと同時に肺と胃の中へ水が入り込み、満たされるまで五秒と経たずに限界以上に満たされる。ついには体と海が一体化したように感じた所で目の前が真っ暗に染まっていった
「…」ポコポコ
イ級 ガブッ
ドーンッ
イ級「グァッ!?」ガパッ
???「…」パクパク
「…」
???「…」ギュッ
海 ザバッ
???「フーッ、フーッ」
「…」
???「フーッ、フーッ」
「…」ゴブッ
???「!フゥー、フゥー」
「ゴボッ!」
???「…!…!」スイーッ
「エホッ!エホッ!」
???「…ヲッ!ヲッ!」ブンブン
「いふっ、ごぅ、おっ…おぉ…」
???「ヲーッ!ヲーッ!」パンパン
「イッ、イダッ!イダイ!イダイって!」
???「ヲーッ?ヲッヲッ!」
「…あー、えっと~。お、おはよう?」
ヲ級「ヲッ!」
「…えっと、何処かであったっけ?」
ヲ級「ヲッ!?」ガーン
「…あっ。もしかして君らの島に流された時にいたヲ級?」
ヲ級「ヲッ!」サムズアップ
「…ふっ。それはどこでも同じなんだな」
ヲ級「ヲー?ヲッヲッ?」
「…すまん。何て言ってるか分からん」
ヲ級「ヲッヲッ」ユビサシッ
「ボートと海と自分…あぁ。なるほど」
「知らんとしか言いようがないな。気づいたら海の上で流されてた」
ヲ級「ヲッ…」ナデナデ
「慰めてくれてるのか?」
ヲ級「ヲッ」ナデナデ
「ハハッ、ありがとうな」
ヲ級「ヲッ、ヲヲッ?」
「…すまん、出来たらジェスチャーで教えてくれ」
ヲ級「ヲッ、ヲッ」ダキッ
「あぁ。運んでくれんのか」
ヲ級「ヲッ!」
「…なら、少しだけ寝るな。着いたら起こしてくれ」ガクッ
ヲ級「ヲォッ!?」
「…」タラーッ
ヲ級「…!?」
ヲ級ハンド『血だらけ~』ドロッ
ヲ級「ヲッ!ヲォッ!?」ユサユサ
「…」ダラーン
ヲ級「…!ヲッ!ヲォッ!!」ビシャァァ
・・・???の島・・・
ヲ級「だっ!誰かっ!」
ヌ級「グォッ?」
ネ級「どうしたの?」
ヲ級「この人がっ!この人がっ!」
ネ級「…人?ヲ級ちゃんのマントで包まってる人が?」
ヲ級「血っ!血がっ、止まらなくて!だから早くっ、早く!」
ヌ級「グォ」ベシン
ヲ級「いった!?」
ヌ級「グォッ」っ高速修復剤
ネ級「そうね。とりあえず落ち着きなさい。これ使って良いから」
ヲ級「えっ!?で、でも、そんなの使って大丈夫?」
ネ級「流石に全部かけたら劇薬になっちゃうと思うけど…布に浸して拭いたら良いんじゃない?」
ヲ級「!分かった!ありがと!」バチャッ
ネ級「って!それ自分のマントじゃない!」
ヲ級「別に良い!早く助けないと!」フキフキ
ネ級「…はぁ。そんなに大切な人なの?」
ヲ級「違うよ!?」
ネ級「じゃあ何で助けるの?人間なんか助けても仕方ないじゃない」
ヲ級「…誰かを助けるのに、理由なんていらないよ」
ネ級「…お人好しっていうか、何て言うか…」
ヌ級「グォッ」っ服
ヲ級「えっ。あっ…//」
ネ級「…意外と大きいのね」ジッ
ヲ級「何でそんなにじっと見れるの!?というか何してんの!?」
ネ級「だって、こういう時でしか男性のなんて見れないでしょ?折角なんだから目に焼き付けたら良いじゃない。そうやって目を手で隠してないでさ」パッ
ヲ級「えっ、あ、いや…」チラッ
ネオストロング砲『…寒い』シュン
ネ級「あら、縮んじゃった」
ヌ級「…グォッ」ヒョイ
ヲ級「あっ、ど、どうするの?」
ネ級「んー?あぁ、お風呂ね」
ヌ級「オォッ」コクッ
ネ級「それじゃあ…そうね。そこの岩にでも寝かせておいて。私はドラム缶持ってくるから」
ヌ級「ヌオッ」
ヲ級「ちょっ、ちょっと待って!血が出たばっかりなのに流石に危ないよ!」
「…」グデッ
ネ級「んー?まぁそれもそうか。それじゃどうするの?」
ヲ級「…人間が食べれる食べ物なんてあったっけ?」
ネ級「…」
ヌ級「ヌッ」っ缶詰
ネ級「…どっから出したの?」
ヌ級「オォッ」ゲロッ
缶詰 ガチャガチャガチャ
ヲ級「!?」
ネ級「…」
ヌ級「グオッ?」ネトー
ネ級「…洗おうか」
ヲ級「…うん」
「…うぁ?」
ヲ級「あっ、起きタ?」
「…なんか既視感を感じる。というか気絶したら知らない所だったパターンがやけに多い気がする」
ネ級「ナニいっテるノ?頭大丈夫?」
「…君は?」
ネ級「ネ級よ。よロシくね。人間さん?」
「…そういえば、ヲ級に助けられたんだっけ」
ヲ級「モウ体は大丈夫なノ?」
「あぁ。ありがとうな」
ヌ級「グオッ」っ缶詰
「うぉ!?びっくりした!」
ヌ級「グッ」カッ、カシャッ
「…歯で器用に穴を空けたら指で無理矢理開けおった」
ヌ級「…グォッ?」ネトー
「すまん、頂くよ。ありがとうな」
ヌ級「グオッ♪」
ヲ級「…そレニしてモ、提督さンダよね?あノ時の」
「あぁ。その時の俺で間違いない」カチャカチャ
ネ級「…驚いタ。ヲ級の言葉が分カルの?」
「…言われてみればそうだな。何で分かってるんだ?」すまん、おかわりってある?
ネ級「ヲ級、何かしタ?」
ヲ級「んー、何もシテないト思うヨ?」
ヌ級「グォッ?」カシャッ
ヲ級「本当だッテ!」
「…僕も良く分からないけど、一々ジェスチャーしなくて良くなったから別に良いんじゃない?」カチャカチャ
ネ級「能天気な人ネ…」
「ご馳走様。缶詰ありがとうな」
ヌ級「グオッ♪」
ヲ級「とリあエず、お風呂ニ入ったらドう?海に濡レて体がビチャビチャでショ?」
「風呂?ここに風呂があるのか?」
ネ級「ドラム缶風呂だけドね。さッキ水ヲ入れてきタカラ後は沸かすダケよ」
「なら火だけ借りていいか?後は自分でするからさ」
ネ級「オッケー。そレナら任せテヨ」
ヲ級「ジャア私は辺りにしばらク艦載機を飛ばしテおくカら、何カあレバ連絡するネ」
「すまん。色々と世話になるな」
ヲ級「気にしないで。私が好きでヤっテるこトダから。ヌ級!行くよ!」
ヌ級「グオッ!」
ネ級「いっテラッしゃーい」フリフリ
「…にしても驚いた。まさかこんなとこにも深海棲艦がいるなんてな」
ネ級「私達は出張デ来てるだけよ。本来ならモッと遠くの方なんだから」
「…深海棲艦にも出張とかあるのね」
ネ級「にしても貴方、どれだケ不幸な目にあってキてるの?とんデモない匂いがするわよ」
「え?そんなに匂う?」スンスン
ネ級「あッ、ごめん。そういうこトじゃなくてね、こう、感覚的ナ何かを感じるというか」
「あーそういう類のか。俺もそういうのは良く感じるから言いたい事は伝わるぞ」
ネ級「…ホントに大丈夫?」
「心配してくれてるのか?」
ネ級「助けた以上は心配すルよ?貴方みたいに私たちが平気な人ナんて見たこと無いし」
「…やっぱり俺っておかしいの?」
ネ級「まず私達の姿を知らなくてもこんな特徴的な姿をしてるんだから、深海棲艦だって誰だって分かるし、普通は見たら恐怖するものよ?一応貴方達人類の敵なんだからね」
「話せる相手に一々驚いてたら世話ないだろ?それに君らって可愛い姿してるんだし、別に嫌って訳じゃないよ」
ネ級「…ふーん」ピトッ
「どっ、どうした?急に?」
ネ級「…貴方、ちゃんと食べてる?びっくりするぐらい細いわよ?」
「君に言われたくないな。とりあえず離れてくれ。さっきから当たってるぞ」
ネ級「当ててるのよ♪」
「どこで覚えるんだ。そういうの…」
ネ級「秘密~…ってわけじゃないけど、一応私達も人間界に溶け込む方法くらいは編み出してるからね。そういう時に色々学んでいるのよ。コミケとかで」
「コミケって…」
ネ級「最近はオータムクラウドさんが書いてる作品が深海棲艦達で人気よ?人間の男性が艦娘を侍らして深海棲艦達に絆の力(意味深)で倒すっていう作品とかあるし」
「…よくそんなのが申請通ったな。というか君らが負けてるのに良いのか?」
ネ級「大丈夫よ。私達の中には艦娘から深海棲艦に生まれ変わった人だっているんだから。そういう人達に人気ってだけ」
「へー…え?」
ネ級「どうしたの?まだどこか体調悪い?」
「ちょ、ちょっともう一回さっきの言ってもらっていい?」
ネ級「?まだどこか体調「そのもう一個前!」…艦娘から深海棲艦に生まれ変わった人だっているんだから?」
「…嘘やん」
ネ級「どっ、どうしたの?大丈夫?」
「…それ、人類側で知ってるのって誰がいる?」
ネ級「んー、ごめんなさい。そこまではちょっと知らないわ」
「…絶対に他の人間には言わないでね?それ」
ネ級「え、どうして?」
「とにかく駄目だから!分かった!?」
ネ級「わっ、分かった。分かったからそんなに興奮すると大変よ?」
「…もう、ホントに辛い。情報多すぎてホントに辛いよ」
ネ級「…意外と大変なのね。その匂いの原因も分かったような気がするわ」
「…とりあえず風呂入ろう。海水のせいでキツイ」
ネ級「んー、おっ、ちょうどいい温度なんじゃない?」ポチャ
「すまんな。色々と」
ネ級「気にしないで。それより服は脱げる?」
「あぁ。何だかさっきから体が少し調子が良いみたいだ」ヌギッ
ネ級「…へぇ」
「ん?どうした?」
ネ級「何でもない。ただお風呂に入ると体が染みるかも知れないから気を付けてね」
「あぁ。心配してくれてありがとうな」
ネ級「…私も入ろうかな」
「…頼むから見えない所で入ってくれ」ポチャ
ネ級「えー?もしかしてそんなに気になっちゃう?」ニヤニヤ
「あぁ。絶対に気になる。多分視線が離れなくなるな」
ネ級「そっ、そうなんだ…//」
「…そういえば、君は僕の体を見ても何とも思わないんだな」
ネ級「…そんなわけないよ。私だって結構ドキドキしてるんだから」
「ん?そうなのか?」
ネ級「当たり前よ!?」
「いやスマン。てっきり君らの人間に対する価値観が動物や虫に対するそれかと思ってたんだ」
ネ級「…あのね、勘違いしてるみたいだから言っておくと、私達だって一応人間に近い見た目をしてるのよ?似た姿をしている貴方達に親近感や恋愛感情を抱く深海棲艦だっているんだからね?」
「…ほう?詳しく聞きたいな」
ネ級「残念だけど、これ以上は秘密よ。教えてほしいなら体で払ってほしいわね」
「ん?別に良いぞ?」
ネ級「そうよね…って、え?」
「だから、別に良いぞ?」
ネ級「…っ!少しは恥じらいなさい!この馬鹿!」
「いや、どう考えても体の価値より君から聞ける話の方が情報として高いんだから体の一つや二つは安いもんだぞ」
ネ級「もうっ!そういうんじゃなくて、もっと自分を大事にしなさいって言ってるの!」
「俺の体にそんな価値など無い!」
ネ級「自信満々に言わないで!」
ヌ級「ヌオッ」ヌッ
ヲ級「何かお話でもしてたの?随分楽しそうだったけど」
「あっ、お帰りなさい」
ネ級「あぁ良かった!ヲ級も何か言ってあげてよ!」
ヲ級「へ?」
「それより、何か見つけたのかい?随分早かったけど」
ヌ級「ヌオォッ…」ブンブン
「…そっか」
ヲ級「ねぇ、以前は向こうで出会ったけど、今はどこで住んでるの?」
「あぁ。今は女提督さんのとこで世話になってるよ。つっても分からんか」
ネ級「…もしかしてそこって金剛が運営してるところ?」
「え?そうだけ『ガシッ』ぐっ…!」
ネ級「…アンタ、あそこに何でいるの?目的は何?」
「がっ…!かっ…!」バシバシ
ヲ級「ちょっ、ちょっと待って!その人は多分違うから!」
ネ級「…はぁ?何言ってるの?」
ヲ級「あそこにいるには訳があるはずだよ!お願いだから離してあげて!」
ネ級「…貴方、ヲ級がいて良かったね」パッ
「ゴッ、ゴホッ、ゴホッ!」
ネ級「…で、何であんなところにいるの?」
「ま、待ってくれ。一体何の話をしてるんだ?話が飲み込めないぞ」
ネ級「…あぁ。そりゃ分からないか。悪かったね」
「はぁ?一体何の話をしてるんだ?」
ネ級「ねぇ、あそこの艦娘が何人いるか知ってる?」
「…へ?」
ネ級「ホラ、早く答えて」
「え、えっと、30人のはずだが」
ネ級「じゃあ貴方があっちで知った艦娘は誰か挙げてみて」
「えっ、流石にそれを教える訳には…」
ネ級「…じゃあ思い出してみて。本当に30人いたのか」
「…」
まずあそこにいたのが川内、曙、金剛、比叡、霧島、榛名、加賀、瑞鶴、鳳翔、衣笠、鈴谷、如月、文月、皐月、不知火、陽炎、朝潮、満潮、荒潮、霞だろ?他にいたのは……あれ?
「…思い出せない」
ネ級「思い出せないんじゃないの。いたと思い込んでるだけ。よ」
「…じゃあ、そのいなくなった人達はどうなったんだ?」
ネ級「へぇ?そこまで分かったんだ?」
「…そういうことか。正確にはいたと思い込んでたんじゃない。実際にはいたんだが消えた。の方が正しいのか」
ネ級「そういうこと。あそこは過去、本当に30名の艦娘達がいたんだよ」
「とすると、消えた艦娘達は何処へ?」
ネ級「深海棲艦になってるよ。今頃は私達みたいに過ごしているか、人間と艦娘を襲ってるかのどっちかだろうね」
「…そうか」
ネ級「…それでいいの?」
「何が?」
ネ級「艦娘が深海棲艦になったんだよ?しかも人間を襲ったり艦娘と戦ったりしてるんだよ?元艦娘が。その事に対して何とも思わないの?」
「思わん」
ネ級「…」
ヲ級「…」
ヌ級「グオ?」
「客観的に見れば人類を裏切ったんだろうな。だがそうしなければならない事があったという裏付けでもある。だろ?」
ネ級「…人類を守る提督としてそれはどうなのかな?」
「…俺も何が正しい提督としての姿なのかは知らん。だから俺が正しいと思ってる提督を目指しているだけだ」
ネ級「…そっか。分かったよ」
ヌ級「グオッ」ペシペシ
「い、痛い痛い。何?」
ヌ級「グオッ」っ服
「…あ」スッパダカ
ネ級「そういえばお風呂の途中だったね。体の方はもう大丈夫じゃない?」
「あぁ。やけに治りが早いが、高速修復剤でも使ったのか?」
ネ級「えぇ。それで傷口を吹いた程度だけど、効果はあったんじゃないかしら?」
「バッチリだ」
ヲ級「それは良かったから服を着て!」バッ
「あ、ごめん」
ネ級「とりあえず着替えたら鎮守府まで送るよ。私もそろそろ鎮守府に行かなきゃならないしね」
「…ネ級が行ったら騒ぎにならないか?」
ネ級「…ふっふーん」
「…おい、まさか艦娘にでも変装する気か?」
ネ級「あっ、ちょっと。なんでわかっちゃうのさ」
「記憶をいじれる装置もあるんだから見た目をいじるくらい出来る装置だってあるだろ。むしろ完成した装置で言うなら見た目を変更する方が先に出来てそうだしな」
ネ級「ちぇっ、つまんないの」カチッ
そういうとネ級は腕に着けていた腕時計のようなもののスイッチを押し、同時にブゥーンという音が聞こえてくる。しばらくすると体が光に包まれたかと思えば、そこにいたのは重巡洋艦の衣笠だった
衣笠(ネ級)「じゃーん!どう!?」
「グレートサイ〇マンかお前は」
衣笠(ネ級)「え?かっこよくなかった?」
ヌ級「グォ…」
ヲ級「…」
「ノーコメント」
衣笠(ネ級)「…カッコいいでしょ」
「あーはいはい。カッコいいよ。カッコいい」
衣笠(ネ級)「…なんか適当じゃない?」
「気のせいだ」真顔
衣笠(ネ級)「ふーん、ま、いいか」
衣笠(ネ級)「取りあえず私が提督さんを運んでいくよ。ここにボートなんて上等な物は無いからね」
「それは良いんだがどうやって運ぶつもりだ?」
衣笠(ネ級)「そんなの、担いでいくに決まってるじゃん」ダキッ
「デスヨネー」
ヲ級「行ってらっしゃーい」フリフリ
ヌ級「グオッ」フリフリ
「二人共世話になったな。今度会った時は何かお礼出来ると良いんだが…」
ヲ級「なら甘い物!」
ヌ級「グオッ、グオッ♪」
「…ヌ級はなんて?」
衣笠(ネ級)「果物の缶詰だって。特にパイナップルが良いらしいよ?」
「…缶詰好きだなぁ」
衣笠(ネ級)「私には何かないの?」
「何が良い?」
衣笠(ネ級)「んー、じゃあ提督さんで!」
「…勘弁してください」
衣笠(ネ級)「ふふっ、冗談よ。向こうについたらまた考えるわ」
「分かった。それで頼む」
ヲ級「…提督さん。気を付けてね」
「あぁ。君らもな」
ヌ級「グオッ」ナデナデ
衣笠(ネ級)「それじゃ帰ろっか。鎮守府に」
「…お願いだから安全運転でお願いします」
呟きにも近いお願いは、まぶしい笑顔を見せる彼女の前では、ただ夜の闇に消えていくだけだった