この学生、元放置提督 世界が変わっても、やることが変わっても、いつも通りにする。ただそれだけ   作:七福えると

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短い間ですが一息付けそうな日がやってきました。やることは山ほどありますが小説は止めません。というか止められません。多分止めたらストレスで死にます

前回の小説ですがストーリーの内容的な意味でタグを変更しています。話飛んだ?と思う人はシリーズからご覧することを推奨いたします。今後もタグを変える時があると思うので、もし話に疑問を感じたらシリーズからご覧ください

ウマ娘の新ストーリーでライスを育成したところ初めてSSを達成しました。しかも温泉旅行券を入手した上で完全勝利したのでホントに声が出た。その後すぐにキングが初のUG達成するという…尚、夢は見れない模様


束の間の休息と自由:午前

「…後十分か」

 

 

時刻は2350。今日は姿が見えなくなる最後の日である。少し寂しい気がしてならないが、元に戻れば透明だったのを良い事にやっていた事も全てバレるというのだ。そう考えるとあまり心の底から喜べたものではないが、やはり何処か寂しいという感情が心に残ってしまう

 

 

「…ホントに戻るよな?」

 

ドア『お客様~』コンコン

 

電「司令官さん、今大丈夫でしょうか?」

 

「あぁ。どうした?」

 

電「その…ホントに明日はお休みを頂いて良いのでしょうか?」

 

「構わん。お前は作戦の主力だ。むしろ休んでもらわなければ困る」

 

電「い、電は大丈夫なのです!司令官さんが一人でお仕事させるのも不安ですし!」

 

「それなら安心しろ。明日は俺も半日程休めとの連絡を受けているから仕事は少なめにしか貰ってない」

 

電「えっ?」

 

「その証拠にホラ。そこに書類が全部積んであるだろ?」クイッ

 

電「…いつもより大分少ないのです」

 

「必要ないと言ったんだがな。子供は休めと言われてしまったよ」

 

電「……」

 

「確かに準備は済ました。改造だって済ましたし、作戦の内容も女提督と話し合って決めた。だがそれでも不安は残る。作戦決行までの日にはそういったのは出来るだけそう言ったのは無くしたいんだがな…」ハァ…

 

電「…司令官さんは明日はどうするつもりなのです?」

 

「…正直何も予定がないんだ」

 

「提督という仕事に就いた日からはずっと提督とは何かという事について考えていた。だからどうにも自分の時間を使って別の何かをするというのが思いつかなくてな」

 

電「そ、それなら!司令官さんさえ良かったらなんですけど、一緒に街に行きませんか?」

 

「街に?」

 

電「なのです!以前皆がお出かけした時は電は行けなかったですし、皆が少し羨ましいな~って…」

 

「…ふむ、それじゃあ明日暇そうな奴を集めて皆で行くか。ここら辺の地理は少し知ってる程度だし、適当に回るだけでも楽しそうだ」

 

電「…そうですね」ブッスゥ

 

「…おブスになるわよ」

 

電「やかましいのです」というか何故オネエ口調なのですか

 

島風「提督ー!」ガチャ

 

「どうした?あとノックしなさい」

 

島風「明日提督はお休みなんだよね!?一緒に遊ぼうよ!」

 

「休みと言っても半日だけだ。午後からは普通に仕事だぞ」

 

島風「そ、そんなぁ…」

 

「安心しろ。そんな島風に丁度いい任務がある」

 

島風「任務?」

 

「電と一緒に町に行って遊んでこい。金は出してやるし、なんなら他の奴も誘って良い。これは俺からの頼みだから金の事は気にすんな」

 

島風「えっ!?いいの!?」

 

「あぁ。俺も午前だけは一緒に行くことになるが、午後からは仕事だしな。途中の案内をお前に頼みたい」

 

島風「…電ちゃんはそれでいいの?」

 

電「と、当然なのです!皆で遊んだ方がきっと楽しいのです!」

 

島風「…じゃあさ、私は午後から遊べる場所を探しておくから、提督は電ちゃんと一緒にいてあげてほしいな」

 

「ん?良いのか?」

 

島風「うん。電ちゃんは提督に付きっきりでお仕事のお手伝いをしてたんでしょ?だったら労いも提督だけで返すのが礼儀だと思うの」

 

「どこからそういう言葉を覚えてくるんだ…」

 

「だが一理あるな。しかしお前と遊べなくなるが良いのか?」

 

島風「今度の機会に取っておくの!その時は一日中遊んでね?」

 

「…分かったよ。電もそれでいいか?」

 

電「い、良いのですか…?」

 

島風「…電ちゃん、ちょっと」コソコソ

 

電「な、なのです?」コソコソ

 

「…」ミミフサギ

 

島風『電ちゃんはもっと自分に素直になっても良いんだよ?提督と一緒に遊びたいんだよね?』

 

電『…でも』

 

島風『でも?』

 

電『きっと司令官さんの事ですから、適当な理由を付けて電から離れようとするんじゃないでしょうか?』

 

島風『ど、どうしてそう思うの?』

 

電『…自分勝手で、いい加減で、心配ばっかりかけて、何も話してくれないんですもん。そんな人と一緒に遊べると思えないのです』ツーン

 

島風『…なるほど。ちょっとタイムね』テテッ

 

島風『ねぇねぇ提督』クイクイ

 

「ん?どうし『ガシッ』…へっ?」

 

島風「電ちゃん?ちょっとこっち向いてくれない?」

 

電「?なんでしょ「ドーンッ!」」

 

「あっぶね!?」ガシッ

 

島風「聞きたいんだけどさ、電の事どう思ってるの?」

 

「待てコラ!危ないだろ!?」

 

島風「めんどくさい電ちゃんの不安を解消させるにはこれが一番だからだよ。その証拠に電ちゃん見てよ」

 

電「ほわぁ…暖かいのです…」ポワポワ

 

「…かっわ」

 

島風「まぁそれは置いといて。改めて聞くけど電ちゃんの事はどう思ってるの?」

 

「大事に思ってるに決まってるだろ。じゃなきゃ心配なんてしてない」

 

島風「じゃあ電ちゃんに頼らないのはどうしてなの?」

 

「…ハァ?」

 

島風「今回提督が見えなくなった時に真っ先に気付いたのが電ちゃんなんでしょ?何でその時に電ちゃんを頼ろうとしなかったの?」

 

「俺自身の身に起きた事だぞ?あの時には解決方法は既に見つけていたし、俺自身の問題に誰かを巻き込むわけにはいかん」

 

島風「…じゃあさ、提督は私が困ってるって分かってるのに助けないの?」

 

「そんなわけないだろう。それなら無理矢理にでもお前から聞き出して解決方法を考えてやる」

 

島風「でも私は自分の問題だからって言って聞く耳なんか持たないよ?それに提督じゃ無理だからって理由を付けてまで頑なに相談なんかしないよ?そんな時はどうするの?」

 

「それならずっと傍にいてやる。お前から助けてって言葉が出るまでずっとな」

 

島風「…それをさ、電ちゃんもしてたんじゃないの?」

 

「どういう…」

 

島風「提督が見えなくなってもずっと傍にいたのは誰?何も言わない提督の傍にずっと寄り添ってくれた人は誰?」

 

「…あっ」

 

島風「…提督、誰にも助けを求めないのが正しい事じゃないんだよ?もしかしたらそれが正しい時だってあるかも知れないけど、それを知って尚助けてくれようとしてくれる人には、助けなんて求めてない。何て行動で示すかのように意地を張って何もせずに追い払うのが正しいの?」

 

「……」

 

島風「少しは電ちゃんの気持ちに応えてあげてよ。健気に提督の事を大事に思ってる艦娘なんだからさ」

 

「…すまん。その通りだ」

 

「電」

 

電「はっ、はい!?」スンスン

 

「明日、午前中だけだが俺に出来る最大の労いをお前にしてやりたい。他の誰かと一緒にやるんじゃない。お前だけに向けた精一杯の労いと感謝をお前にしてやりたいんだが…受けてくれるか?」

 

電「…嘘じゃないですか?」

 

「信じられないなら今からでもやるぞ?何してほしい?」

 

電「…じゃあ司令官さん、そこに座ってください」スッ

 

「う、うん?わ、分かった…」トスッ

 

電「じゃあ失礼するのです」ヒシッ

 

「い、電さん?」

 

電「そのまま頭を撫でてほしいのです。電が良いと言うまで」

 

「あ、あぁ。分かった」ナデナデ

 

 

時計『0000』ポ~ン

 

 

島風「あっ」

 

「…ん?元に戻ったのか?」

 

電「…司令官さん、早く続けてほしいのです」

 

「あ、ごめん」ナデナデ

 

島風「…提督、その背中の何?」

 

「これか?これは「司令官さん、今は電だけを見てくれるのではないのですか?」…すいません」

 

島風「…提督、明日頑張ってね」

 

「…」コクッ

 

島風「さーて、それじゃあ私は寝るから今日は電ちゃんとゆっくり『ガチャッ』オゥッ!?」

 

愛宕「て、提督…」プルプル

 

「あ、愛宕?どうし「司令官さん?」すいません!」ナデナデ

 

愛宕「よ、よくも…私の下着を切ってくれましたね…?お気に入りだったのに…!」

 

「…あっ」#27(異常な事態と以上の理由で問題解決に向かいます)参照

 

島風「あ、愛宕さん!今は駄目だよ!」オロオロ

 

愛宕「…ふ、ふふっ。これだけ目の前にいるのに未だに電ちゃんに構うんですか…?変な貝まで背中に付けて…笑いでも取って少しでも怒りの留飲を下げてもらおうって魂胆ですか?」

 

「い、電?今だけで良いから少しだけ離れてほしいな~って…」ナデナデ

 

電「駄目なのです。次はギューって抱きしめて耳元で労いの言葉を言ってほしいのです」ギューッ

 

「こんな時に独占力発揮しないで!ささやく感じで良い!?」

 

島風「そのタイミングで聞く!?」

 

愛宕「…はぁ、もう良いです。ただお願いですからその変に尖った貝は外してください」スポッ

 

「あっ」グラッ

 

電「え?」

 

島風「危ないっ!」パシッ

 

愛宕「えっ!?て、提督!?」

 

「…早く戻してくれぇ」

 

愛宕「は、はい!」ポンッ

 

「ぬ、おぉぉ…!」グググッ

 

電「し、司令官さん?大丈夫なのですか?」

 

「…ッ、あぁ…もう大丈夫だ」

 

愛宕「…この貝、危ないものじゃないですよね?」

 

「危ないっちゃ危ないんだけどな。名前を出すと消されるから言えないんだが、簡単に言うとやる気を出すアイテムだ。例えどれだけ動く気力の無い人間でもやる気が出るっていう優れモノだ」

 

島風「…?それを外したら何で提督が倒れたの?」

 

「やる気ってのは精神力をエネルギーとして出すもんでな、今の俺は普通に座るだけでも難しい位にエネルギーが無くて体に力が入らないんだ。だからこれを付けてなきゃ碌に動けないんだよ」MP0の爆裂魔法使いみたいな感じだ

 

電「…ちゃんと休んでたんじゃないのですか?」

 

「回復が追い付いてないんだ。いくら電に手伝ってもらってたとはいえ、精神的な疲労ってのはただ寝て休むだけじゃ回復するのが難しいんだよ。それに関しては愛宕や島風が良く分かってるだろ?」

 

愛宕「…無理しすぎなんですよ」

 

「ま、さっきは不意打ちで外されたからすぐに倒れちまったが…」スポッ

 

島風「て、提督!?」バッ

 

「っ…いや、大丈夫だ…」ダラーン

 

電「し、司令官さん!無理しないで下さい!」

 

「大丈夫だって言っただろ…?すぐにちゃんと座れるから待ってくれ…」ググッ

 

愛宕「…提督、少し失礼しますね」ガシッ

 

 

フッと体が浮き、自分の目の前には愛宕の顔が映る。足も愛宕の右腕で持たれており、完全にお姫様抱っこの形で体が浮かんでいるのが分かる。それと同時にだらけた腕を歩行の邪魔にならない様に電達が握っていた

 

 

「あ、愛宕?流石にこれは恥ずかしいんだが…」

 

電「愛宕さん、こっちなのです」

 

愛宕「えぇ。分かったわ」

 

島風「電ちゃん、先に布団に入ってて」

 

電「…島風ちゃんが先じゃなくて良いのですか?」

 

島風「今日は電ちゃんを労ってもらわないと困るもん。それに後か先かの話だよ」

 

電「…ありがとうございます」バサッ

 

「…え?」

 

愛宕「はーい。降ろしますよ~」トサッ

 

「…電?何で隣で寝てるんだ?そして島風、何故お前も入ってくる?」

 

電「司令官さんはお疲れなのです。少しでも癒せるように添い寝をしようと思ったのです」ギュッ

 

島風「…無理しないでよ。お願いだから」ギュッ

 

愛宕「二人に任せておけば安心ね。私は部屋に戻らせて頂きま~す」

 

「え、ちょっと」

 

愛宕「お休みなさい、提督。良い夢を見てくださいね?」パタン

 

電「…司令官さんは電達と一緒に寝るのは嫌なのです?」

 

島風「…そうなの?」

 

「…そんなわけないだろ。だからもう少し離れてくれ」

 

電・島風「「嫌!」」

 

「…はぁ。参ったな」

 

妖精「そんな提督さんにはこれ!【21世紀の秘密道具】~!」テッテレ~♪

 

「どっから来た!?」

 

妖精「細かい事は気にしな~い♪」カチッ

 

「…グウ」スヤスヤ

 

妖精「…ふぅ。一仕事した後の甘味は最高なのです」サクサク

 

 

 

翌日

 

 

「…どうしてこうなった」

 

 

目を覚ますとそこかしこで皆が寝ていた。自分の両手には電と島風がいるのは勿論の事、私のお腹の上で寝る夕立、足のある場所では雷と暁、そして下半身のある場所で座りながら寝ている響…と、数えたらキリがないが、私の艦娘達が皆集合しているようだった

 

 

電「おはようなのです、司令官さん」ボソッ

 

島風 スピー…

 

夕立「スゥ…スゥ…」

 

雷・暁・響 スー…

 

龍田「…ふふっ」

天龍「こらぁ…死ぬまで戦わせろぉ…」

 

潮「…はっ」パチッ

 

愛宕「あら?ようやく起きた?」

 

時雨「…あっ、起きたの?」ウツラウツラ

 

大淀「おはようございます。提督」

 

「…色々言いたい事はあるんだが、とりあえずあれだ」

 

「お前等、何でここに?」

 

愛宕「提督が元に戻ったって言うのを話したら皆が集まって来ただけよ?」

 

「…何故に」

 

大淀「ホントなのか確認しに来たんですよ。もしかしたら提督が愛宕さんに嘘をつくように触れ回る様にって指示を出してるかもしれないので」

 

「…あれ、もしかして僕って信頼無い感じ?」

 

潮「当たり前です」

時雨「当然だね」

 

「…そっかぁ」シュン…

 

島風「…あ、提督?おはよう…」ゴシゴシ

 

「おはよう」ナデナデ

 

島風「…」ムフー

 

電「あ、島風ちゃんだけズルいのです」グリグリ

 

「う、うん。やってあげるから頭をグリグリしないで」ナデナデ

 

時雨「両手に花だね」フフッ

 

潮「…いいなぁ」

 

愛宕「ふふっ。それじゃあ提督のお姿もしっかりと確認出来たので、私はこれにて失礼します」

 

時雨「僕も一緒に行くよ。お先に失礼するね」

 

「おう。今日も一日頑張れよ」

 

潮「あっ、二人共待って!」

 

「俺らも行くか。ここの寝坊助共を起こして」

 

島風「分かった!」

電「了解なのです」

 

響「…へへぇ」ニヤニヤ

 

「おら、飯食いに行くぞ」ペチペチ

 

響「…司令官?」

 

「おう」

 

響「…引っ付いていくから連れてって」バッ

 

「お前なぁ…」

 

暁「もう!ちゃんと起きなさい!」ヒキハガシ

 

響「あっ、もう…」

 

暁「ホントは起きてるんでしょ。甘えてないでちゃんとなさい」

 

雷「司令官、おはよう」

 

「おはよう」

 

島風「提督~この二人引っ付いたまま起きないよ~」

 

「天龍達か…あっ」ピーン

 

暁「…絶対碌でもない事思いついたわね」

 

「第六駆逐隊。天龍と龍田を二人一組で持て。そのまま食堂に運ぶぞ」

 

第六駆逐隊「了解」コソッ

 

電「あれ?夕立ちゃんは?」

 

「そういえばいないな…ま、先に食堂に向かってるんだろ。俺達も行くぞ」

 

艦娘達「了解!」

 

 

・・・それからそれから・・・

 

 

食堂

 

 

「島風、この二人を置けそうな場所を探してくれ。出来るだけ目立ちそうな場所に」

 

島風「ならあそこ!食堂の中心はどう?」

 

「いい考えだ。皆、そこに座らせてやってくれ」

 

電「…それにしても、二人共起きませんね」

 

天龍「ふ、ふへへ…」

龍田「……」スヤスヤ

 

暁「ホント、ぐっすり寝てるわよね…ここまで凄いと逆に尊敬しちゃうわ」

 

雷「それで?どうやって起こすの?」

 

「今日の朝食担当は誰だったっけ?」

 

電「えっと…確か比叡さんだったと思うのです」

 

「なるほど。比叡の旨い料理でも食えばコイツ等も起きるかな」ヒヒッ

 

響「司令官、今日は熱々の鵜の卵と揚げたサンドイッチらしいよ。殻は既に向いてあるからこのまま食べる事だって出来るよ」

 

「良くやった響。んじゃあ暴れない様に二人を抑えといてくれ」

 

暁「…許してね龍田さん。ああなったら止められないわ」ガシッ

 

電「でも、どうやって食べさせるのです?天龍さんは口を開けて寝ていますが、龍田さんはぴっちり閉じてるのです」

 

「そこは任せろ。まずは天龍からだ」ハシッ

 

雷「…良く三個も掴むわね。こんな状況じゃなかったら素直に褒めれたのに」

 

「卵、行きまーす!」パッ

 

天龍「アッツ!?」ビグン

 

「おぉっと、出すんじゃねぇぞ?」ガシッ

 

天龍「あふっ!あふぅい!」

 

「ひひっ、鵜だから噛む余裕くらいはあるだろ?さっさと食っちまえよ」

 

天龍「あつっ、あっ!あふっ、ふっ!」モグモグ

 

「良ーし。次は龍田だな」

 

龍田「お、起きてる!起きてるから!」ガバッ

 

「…だそうだ。響」

 

響「ハラショー」ズボッ

 

龍田「…!!か、辛い!?」

 

「メニュー名は【辛ッとサンドイッチ】だそうだ。まさかそこまでの反応をするとは思わなかったが…」

 

龍田「み、水!水を頂戴!」

 

「ほい」コトッ

 

龍田「…!」ゴクッ、ゴクッ

 

「ふむ…じゃあ俺は卵サンドイッチにしとくか。こっちの方が安全そうだ」カチャ

 

電「その前に司令官さん。皆さんのこちらを見る目が凄い事になってるのです」カチャ

 

艦娘達「…司令官って、あんな顔して笑うんだね」「クズにはお似合いね『ほう?』…すいませんでした」「何だか元気そうだね。何か良い事でもあったのかな?」「皐月ちゃん、さっきの見てなかったの?」

 

女提督「随分と楽しそうね」

 

「おかげさまでな」

 

女提督「今日の予定だけど午後からは私も休ませてもらうわ。だから午後の業務を頼みたいのだけど良いかしら?」

 

「分かった。開発は何狙いで作ったらいい?」

 

女提督「…開発って、狙って作れるの?」

 

「…多少の運は必要だな。あくまで狙い目を絞って作ってるだけに過ぎないし」

 

女提督「ふーん…なら艦載機を狙って作ってくれないかしら?試行回数は20回で」

 

「それじゃあ…燃料400、弾薬1800、鋼材1200、ボーキサイト2000程でやろうと思うんだが良いか?」

 

女提督「…それくらいなら問題ないわね。後で書類に直して出して頂戴」

 

「あぁ。分かった」

 

女提督「それと…さっきから背中の夕立は何してるの?」

 

「へ?」

 

 

その声と同時に背中から腕が自分の肩から生えてきた。細い指に綺麗に整えられた綺麗な爪、小さいながらも確かに力を感じるその手の持ち主が自分の後ろに引っ付いているのだと理解した

 

驚いた拍子に仰け反ってしまったが、その瞬間に背中から回されていた手が自分を支える様に後ろから押してくれて事なきを得た。その原因を作ったのは後ろにいる人物なのだが、気にしない事にする

 

 

夕立「あぁ~、ビックリさせようと思ったのに何で言っちゃうっぽい?」

 

女提督「ソーシャルディスタンスは守りなさい。いくら珍しい男の提督でも、人の距離ってそれぞれあるんだから」

 

「…全く気づかなかった」

 

島風「ねぇねぇ提督、ソーシャルディスタンスって何?」

 

「人との距離感の事だな。社会的距離という意味で、人と人との距離を2m以上取る事を示唆している事が多い…だったはずだ」

 

夕立「…提督と離れなきゃいけないの?」

 

「俺はそういうのは気にしたことがないが…そのままだと飯が食いづらいのは確かだな」

 

夕立「…分かったっぽい」スルスル

 

「…何故そんなにガッカリする」

 

龍田「夕立ちゃん、あんな酷い提督とじゃなくて私達と一緒に食べましょ?」ヒリヒリ

 

天龍「最低だな」ジトッ

 

「悪かったって。夕立も流されないでくれ」

 

電「夕立ちゃんも皆で一緒に食べませんか?皆で食べた方がご飯も美味しいと思うのです」

 

夕立「…提督は、嫌じゃない?」

 

「嫌とは言ってないぞ。ただ背中にいたらお前と飯が食いづらいと思っただけだ」

 

夕立「ホント?」

 

「ホントだって。お前は午後からは休みなんだから、さっさと飯食って自分の仕事を全うしてこい」

 

夕立「…うん。分かったっぽい」

 

電「司令官さん、ご飯を食べ終わったら正門で待ちあいませんか?」

 

「了解。んじゃ、さっさと食って準備するか」

 

電「なのです!」

 

 

皐月「…へぇ?」

 

如月「面白そうな」

 

鈴谷「話を」

 

榛名「してますね!」

 

四人 チラッ

 

 

全員『いただきまーす』パシッ

 

 

 

「電は…まだみたいだな」

 

電『司令官さーん』

 

「お、来たか」

 

電「すいません。お待たせしてしまって」

 

「さっき来たところだ。気にしなくていい」

 

電「それにしても…熱くないんですか?」

 

「服がほとんど無くてな。着れそうなのがこれしかなかった」黒パーカー+ジーパン

 

電「まぁ、電も制服しかないので似たようなものですけどね」

 

「それじゃ先に服屋を見回りながら買い物するか。完全に行き当たりばったりなデートになりそうだが」

 

電「…あっ」

 

「ん?どうした?」

 

電「なっ、なんでもないのです!」

 

 

そんな仲睦まじい様子である二人を物陰から眺める四人組の姿があった。一人は長身で黒く長い髪が特徴的な戦艦が一人、緑髪にその姿は一昔前のギャルを思わせる重巡洋艦が一人、睦月型の姉妹艦である駆逐艦が二人いた。あまり接点が無い四人であったが、共通の目的の為に共同作戦を組んでいた

 

 

鈴谷「あれは全くデートだとは考えていなかった反応だね…可愛すぎない?」

 

皐月「いいなぁ…」

 

如月「邪魔しちゃ駄目よ。散々皆に釘を刺されたでしょ?」

 

榛名「…暁ちゃんの目が凄かったのを今でも覚えています」

 

鈴谷「…あれは鈴谷でもちょっと怖かったかな」

 

如月「…でも、見逃してくれたのは意外だったわ」

 

暁『邪魔したら許さないけど、見守る程度なら別に良いわよ。電も普段は周りの様子を手に取る様に分かるみたいだけど、心が安らいでいる時はそういう訳じゃないみたいだしね。貴方達の気持ちも分からないでもないし…』

 

皐月「本人も少しソワソワしてたみたいだからホントはついていきたかったんだと思うんだけどね~」

 

鈴谷「電ちゃん…アイツに良い様に利用されていないのかな?」

 

如月「もう、まだそんなこと言ってるの?」

 

鈴谷「だってアイツ鈴谷を弄んだんだもん。良い印象なんか持ってるわけないよ」

 

 

むくれた様に過去を思い出している鈴谷とそれを慰める様に頭を撫でる皐月。満更でもないのかその顔は少しにやけていた

 

 

榛名「あれは全面的に鈴谷さんが悪いと思うんですけど…」

 

皐月「皆!二人が移動するよ!」

 

 

皐月の指を指す方向に横並びの形で移動する二人がいる。肉眼では二人の顔を見る事は出来ないが、互いに手を伸ばせば繋ぐ事が出来る距離で歩いていた

 

 

榛名「少し距離を開けて移動しましょう。ここから町までは徒歩と電車を使わなきゃ移動出来ないですし、徒歩の移動中も人通りが少ないからバレる可能性があります」

 

如月「でもあの二人を見失わないかしら?それは大丈夫なの?」

 

鈴谷「ふっふーん。そこは鈴谷の出番じゃん?」

 

如月「艦載機を出撃と演習以外で飛ばすのは駄目よ?」

 

鈴谷「…良い考えだと思ったんだけどなぁ」

 

皐月「うーん…」

 

妖精『そこは私達にお任せを!』ピラッ

 

皐月「うわっ!何!?」

 

 

突如目の前に妖精が紙を持って出現した。艦娘達は妖精と意思疎通を行う事は出来るが、こちらの声が届かないので必然的に艦娘との会話は筆談が多い。尚、これを語っているのも妖精である。どうぞよろしく

 

 

妖精『司令官さんのあのズボンにベルトが付いていますよね?あれ自体が発信機となっているので、皆さんの通信機能を利用すれば簡単に追跡できますよ!』

 

如月「…色々言いたい事はあるんだけど、何でそんな事をしてるの?」

 

妖精『実はですね…内緒なのです!』

 

榛名「えぇ…」

 

妖精『もしこれを話してしまえば元師から高級甘味を貰えないのです!前報酬としていくつか頂いてしまっているので今更断れません!』

 

皐月「…元師?」

 

榛名「…もしかして、今のこの状況もどこかから見られているのでしょうか?じゃなかったらこの人が私達に通信を繋いできた理由がありませんし…」

 

鈴谷「…あの提督、溺愛されすぎじゃない?というかこのまま後を追ったら元師の刺客に消されたりしないよね?」

 

如月「何にせよ、今の私達には好都合なのは変わらないわ。せっかくだし利用させてもらいましょ?刺客に関しては…まぁ、通信傍受してくる人がストーカーを手伝ってくれてるんだし、大丈夫じゃないかしら?」

 

妖精『何か言っちゃいけない事を言った気がしますが気にしないのです!通信を今から開始しますがよろしいですか?』

 

如月「えぇ。お願いね」

 

妖精『かしこま!』

 

ナビゲーション『この先、30M先の右方向です』

 

鈴谷「車のナビだこれー!?」

 

皐月「よーし!早速追いかけよう!」

 

如月「バレない程度にね~」

 

榛名「榛名!全力で参ります!」

 

妖精『ストーキングに全力出すのもどうかと思いますけどね~』

 

 

・・・街と町の違いは規模の大きさらしい・・・

 

 

鈴谷「さてさて、あの二人はどこかな~?」ペロッ

 

皐月「如月、僕のアイスも食べてみる?」

 

如月「それじゃあお互いの一口ずつ食べてみない?」

 

榛名「甘くて美味しくて…こんなの初めてです!」

 

鈴谷「真面目にやってよ…」

 

如月「アイスを食べながら言われてもね~」

 

鈴谷「だって熱いんだもん!」※お忘れかもしれませんが、8月の半ばです

 

皐月「皆、二人がお店に入ったよ」チョイチョイ

 

榛名「あそこは…服屋でしょうか?」

 

如月「それじゃ見つからないようにこっそり行きましょうか」

 

皐月「その前に食べ切っちゃおうよ。このまま入ったら怒られるって」ペロペロ

 

 

「電、こっちとこっちならどっちが良いと思う?」

 

電「どっちもお似合いだと思うのですよ?」

 

「なら二着とも買おうか」

 

電「司令官さん、こっちはどうなのです?」

 

「うーん…流石にピンクはちょっとなぁ…」

 

電「じゃあこっちのTシャツはどうでしょう?」

 

「お、それいいね」

 

電「司令官さんはこっちのオレンジの服と黒のTシャツならどっちを着てほしいですか?」

 

「ならオレンジの服かな。黒のTシャツはちょっとわんぱくに見えるし」

 

電「なるほど…」

 

「今の時期ならワンピースとか着てみるのはどう?」

 

電「ワンピースですか…確かにあれは通気性は良いのですが傷みやすいんです。それに風が強い日だと…」

 

「んー、なら機能性をもう少し追求した服を探すか」

 

電「あ、なら司令官さんの服みたいなのが良いですね」

 

「これ本来は冬用だけど?というか今の時期に売ってないと思う」

 

電「あ、そっか」

 

「んー…ならそっちのスカートは?」

 

電「これ…結構いいお値段しますよ?」

 

「気にするな。何なら僕が買う」

 

電「…自分で着るのです?」

 

「誰も貰ってくれないならね」

 

電「むぅ…分かりましたよ。電が選べば良いのですね?」

 

「そういうことだ」

 

電「それじゃあ…こっちのスカートとこっちのスカートならどっちが良いですか?」

 

 

電が選んだのは黒のラップスカートと上下合わせて一着となるピンクのロングスカートだった。ラップスカートとは腰に巻きつけて付けるスカートであり、上に着る服と組み合わせる事で様々なオシャレを魅せる事が出来るスカートの事である

 

個人的な意見を言えばピンクのスカートだと声を大にして言いたい。正直見た目はあれだが風が吹けばまず間違いなく捲り上がるであろう通気性であり、そのスカートの下にロマンを感じさせる服だったからだ

 

だがそれを選ぶ決断は出来なかった。何故ならそのような下心を丸出しにして選んでしまえば電から軽蔑の目を向けられることは確実であろうからだ。正直それはアリよりのアリなのだが、元師という保護者がいる以上、そのような危険な橋を渡るわけにはいかないからだ

 

 

「…ミニスカートとかはしないの?」チラッ

 

電「電はそこまで子供じゃないのです!島風ちゃんじゃあるまいし!」プンスカ!

 

「う、うん。なんかごめん」

 

「んー、でもそうだなぁ…季節を考えるなら黒の方かな。こっちのピンクも良いとは思うんだけど、ワンピースの時と同様に風が吹いた時ヤバいと思う。具体的に言うとキャラの移動でブワッと捲りあがるくらいに」

 

電「具体的すぎて一部の人にしか伝わらないと思うのです…」

 

「せっかくだし試着してみたらどう?それで決めた方が納得出来ると思うけど」

 

電「…覗かないでくださいね?」チラッ

 

「せんわ!」クワッ

 

電「ふふっ。分かっているのですよ」シャッ

 

お客「ねぇ…あれって通報した方が良いのかしら?」「ブラコンの妹とかじゃないの?」「それにしては似てなさすぎじゃない?従妹とかかな?」「兄妹の禁断の恋愛…アリね!」

 

「…早くしてくれぇ」

 

電「司令官さん、どうですか?」シャッ

 

「…可愛いな。スカート一つでここまで変わるとは思わなかった」

 

電「えへへ…」

 

「それじゃあそれも買うとして…そろそろメインを探すか」

 

電「メイン?」キョトン

 

「夏といえば水着でしょ?服も持ってないんだから水着も持ってないんじゃないかと思ったけど」

 

電「提督指定の水着を使えば良いのではないのですか?」

 

「スク水はちょっと犯罪臭するんでNG。というかあれ指定したの僕じゃないし」

 

電「司令官さんはお好きじゃないのです?」

 

「それを聞くな。好きと答えたらそれはそれで問題あるだろ」

 

電「ふふっ。冗談なのです」

 

「んー、見た感じビキニタイプだけか。だけどこれは…」

 

電「…大人の色気を感じさせますね」

 

「ポ○モンの第六世代を彷彿とさせるな。コスプレ店でも入ったか?」

 

電「…司令官さんはどんな水着が良いのですか?」

 

「僕はマリンスーツだな。あれが一番動きやすいらしいし」

 

電「…電の聞き方が悪かったのです。司令官さんが女性に着て欲しい水着は何ですか?」

 

「え、分からん」

 

電「分からない!?」

 

「あまり考えた事が無いんだよ。だけど電が着るなら何でも似合うと思うけどな」

 

電「んー、でしたらいくつか試着してみるので見て貰えませんか?司令官さんさえ良ければ電が着替えている間に探してきてほしいのです」

 

「了解。だけどセンスは無いからあまり期待しないでくれ」

 

電「そういったのも一つの思い出なのですよ」

 

「なら気兼ねなくいかせてもらおう。後悔するなよ?」

 

電「…お手柔らかにお願いするのです」

 

 

「とりあえずこれとこれ…ふざけ枠でこれも入れとくか」

 

電「司令官さん、今そちらにいますか?」

 

「いるぞ。こっちもいくつか見繕ってきた」

 

電「じゃあ電が選んだ水着からお披露目するのです。見逃しちゃ駄目なのですよ?」

 

「しっかり脳裏に刻み込むから安心してくれ」

 

電「こちらなのですが、どうでしょうか?」シャッ

 

「オレンジ色のフリル付きか…電のイメージには合うな」

 

電「電が選んだのはこれだったのですが…司令官さんは何を選んで来たのです?」

 

「んじゃあ、まずはこれからいってみてくれ」スッ

 

電「これは…」ゴソゴソ

 

「………」

 

 

先程電に渡したのは水色の縞模様を付けた水着だ。第一印象は完全に下着だったのだが、水着置き場にあったものだしあれも水着なのだろう。どうにも水を弾くとは思えなかったがおそらく水着だ。多分、きっと…

 

 

電「ど、どうでしょうか?」シャッ

 

「…駄目だな。それはやめておこう」

 

電「い、電もそれに賛成なのです。次のに着替えますね」

 

「う、うん。次はこれだ」

 

電「わ、分かったのです…」シャッ

 

司令官・電「……」

 

司令官・電(下着にしか見えなかった『のです』…)

 

選考落ちの理由:下着だった

 

電「次こそは…」ゴソゴソ

 

「………」

 

 

次に渡したのは上と下に分かれた黒一色の水着だ。付け方としては上から服を潜る様に付けなければならないのだが、これのポイントは腕を通す必要の無い、いわばサラシの様に抑える形で肌の露出を抑える水着だ。元の世界では動画でしか見たことが無いが、こうやって実際に見るのは初めてだ。着てもらえるとは思ってなかったが、それを見るのに価値があるのではない。着てもらえるというのに価値があるのだ

 

 

電「ど、どうでしょうか…?」プルプル

 

「…申し訳ないのですが早く着替えてください。綺麗というか色気がありすぎて直視出来ない」

 

電「な、なのです…」シャッ

 

選考落ちの理由:性癖にストライクだった

 

「…すまんがやっぱり電の決めたのにしよう。最後のは…うん、愛宕にでも着させた方が良さそうだ」

 

電「…ちなみにどんなのを選んでたのです?」

 

「大人用だ。電が着て良い物じゃない」

 

電「…変態」

 

「否定はしない」

 

選考落ちの理由:電がホントに着かねない

 

店員「お会計、3万3800円です」

 

「カードで」

 

電「い、電も払うのです!」

 

「今日は電を労いに来たんだ。気にしなくていい」

 

電「う…分かったのです」

 

店員「ありがとうございました」

 

 

如月「…良し。バレてないみたいね」

 

鈴谷「どうだった?あの二人は」

 

如月「今の所普通ね。つまんないから少し悪戯してきたわ」

 

鈴谷「悪戯?」

 

如月「そう。悪戯よ」フフッ

 

鈴谷(碌でもないことしたんだろうなぁ…)

 

皐月「榛名、大丈夫?」

 

榛名「…きゅう」プシュー

 

鈴谷「榛名も一緒に忍び込んだはずだよね?一体どうしたの?」

 

皐月「何でも提督が持って来た水着に興奮したんだって。詳しい話は聞けてないけど一体何を着させようとしていたんだろうね?」

 

榛名(…赤い、紐でした。まるでプレゼントを包むかの様な赤い色の…)ブシュッ

 

鈴谷「わわっ!?テ、ティッシュティッシュ!」

 

 

 

「電は何か欲しい物とかないの?」

 

電「欲しい物…ですか」

 

「まさか無いって事はないでしょ?」

 

電「……」

 

「…マジか」

 

電「も、申し訳ないのです…」

 

「いや、そういう人間もいるさ。謝る事じゃない」

 

「…良し。なら本屋にでも行ってみるか」

 

電「本ですか?」

 

「あぁ。僕も買いたい本が何冊かあるし、電も面白そうだと思った本が見つかればそれが新たな趣味になるかもしれないでしょ?」

 

電「…司令官さんって、ホントに自分勝手なのです」

 

「嫌?」

 

電「普段なら嫌なのです。いつも自分だけの問題としか見ず、解決するのに誰の力も借りようとしないんですもん」

 

電「…でも、今だけはそれがとっても嬉しいのです。電の事を考えてくださっているというのは伝わってきますから」

 

「…見つかると良いね」ギュッ

 

電「なのです」フフッ

 

 

如月「熱いわねぇ…あんなに仲良く手を繋いじゃって」

 

皐月「…僕もお願いしたら繋いでもらえるかな?」

 

如月「お願いじゃ駄目よ。自分から手を繋ぐ勢いで行かないと」

 

皐月「流石にそれは、恥ずかしいよ…」

 

鈴谷「…電ちゃん凄い」

 

榛名「う、羨ましいです…」

 

鈴谷「…鈴谷も出会いとか探そうかな」

 

榛名「…艦娘がそういうことをして大丈夫なのでしょうか?」

 

如月「別に良いんじゃないかしら?現に目の前で仲良くしてる人達がいるんだもの」

 

皐月「そうそう。それにそんなことを言ってたら司令官と一緒に遊んだりするのも良いの?って話になっちゃうよ」

 

鈴谷「…私も提督誘ってみようかな」

 

榛名「私は金剛お姉さま達と一緒に行ってみたいですね。こんなに楽しい場所が一杯あるのに、皆だけ知らないのは損だと思いますし」

 

如月「ふふっ。その為にも今を頑張らないとね。次またここに来る為に」

 

 

「…うーん」

 

電「どうしたのです?」

 

「いや…何でこうも周りの視線が痛いんだろうと思ってな」

 

電「…きっと、電が艦娘だからじゃないでしょうか?」

 

「というよりかはこう…不審者を見るような視線というか、痛々しい視線を感じるんだよ」

 

電「…あっ」

 

警察官「すみません。ちょっと良いですか?」

 

「…?はい、なんでしょうか?」

 

警察官「ぶっちゃけ聞くんだけどさ、児童誘拐しようとしてる訳じゃないよね?」

 

「…あっ」←見た目中学生の女の子(艦娘)と手を繋いでる人

 

警察官「ちょっと署まで同行してくれるかな?大丈夫。すぐに終わる"お話"だからさ」

 

「え、あの、ちょっとこちらの話を聞いてはもらえませんかね?」パッ

 

警察官「あー、いいよいいよ。それは拘置所で聞くから」

 

「留置所じゃなくてですか!?」

 

電「あ、あの!その人は違うのです!その人は司令官さんで…!」

 

警察官「司令官…?失礼ですがご職業は?」

 

「て、提督です。まだ20も迎えてませんが提督の立場についています」

 

警察官「…とするとその子は艦娘か」

 

電「な、なのです。暁型4番艦の電と申します」

 

警察官「…なるほどね。つまり君は提督を名乗って艦娘を連れ歩く不審者だと」

 

「ホントに提督なんですって!」

 

警察官「嘘つくんじゃないよ。なんで20も超えてない提督がいるんだ」

 

「ごもっとも!ですがホントなんですって!」

 

電「え、えっと…その人はホントに電の司令官で…」

 

警察官「でもねぇ…流石に通報があったらお仕事しない訳にはいかないのよ」

 

「…申し訳ないがこちらも貴重な休みなんだ。流石にこれ以上の拘束はこちらとしても困るんだが…」

 

電「司令官さん…」ギュッ

 

警察官「…はぁ。今回だけだよ?次からは誤解されないように気を付けてね?」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

警察官「とするとあの通報もデマか…提督ってのも大変だねぇ…」

 

「そういえば、通報ってなんだったんですか?」

 

警察官「あぁ。まずはさっき言った児童誘拐が三件、そこのお嬢さんに害を受けたってのが一件、盗難通報が一件くらいかな」

 

「滅茶苦茶通報されてる…というか児童誘拐は仕方ないとして他二件は何故なんですか?」

 

警察官「あー、それは気にしなくていいよ。どちらかっていうとあれは妬みだったと思うからね」

 

「妬み?」

 

警察官「その子に相手がいるのが妬ましいんだよ。自分の方がよっぽど綺麗なのに、何故相手がいないんだ!って感じの様子だったからね」

 

「うっわめんどくさ。誰といようが勝手でしょうに」

 

警察官「そうだね。でもそれを良く思わない連中だって多いんだよ」

 

電「…司令官さん、そろそろ帰りませんか?」

 

「ん?どうしてだ?」

 

電「電と一緒にいたら司令官さんに迷惑が掛かってしまいます。いくら司令官さんと一緒に居たいと言っても迷惑をかけながら一緒に居たいとは思わないのです」

 

「うーん…しかしなぁ…」

 

警察官「…ならゲームセンターにでも行って来たらどうかな?今の時間なら人も少ないし、遊ぶには丁度良いと思うよ?」

 

「あ、それいいですね」

 

電「で、でも…」

 

「電はもうちょっと我儘言っていいんだぞ?他人を気遣えるのは美点だと思うが、自分の気持ちを殺してまで気を使う必要はない」

 

警察官「そうそう。子供は我儘を言いなさい。それに嫉妬して危害を加えてくるようなら私達大人が何とかしてやるさ」

 

電「…分かったのです。司令官さん、エスコートお願いします」

 

「おう。警察官さんもありがとうございます」

 

警察官「いやいや。楽しんでおいで」

 

「電はゲームセンターは行った事あるか?」

 

電「いえ、パチンコなら少しあるんですけど…」

 

「…色々吹っ飛ばしていったなぁ」

 

警察官(…別件で補導した方が良かったかな)

 

 

皐月「…ふぅ。良かったぁ」

 

榛名「ひやひやしました…あのままだったらせっかくのお休みが台無しになるところです」

 

鈴谷「…意外と人間も優しいんだね」

 

如月「悪い人ばかりじゃないって事?」

 

鈴谷「うん。さっきの警察官も提督さん達と話してたけど、見た目を理由に何もしなかったじゃん?電ちゃんが傍にいたのに気持ち悪い物を見るかのような目を向けることも無く、ただ自分の仕事を全うしてただけだったしね」

 

如月「…確かにね」

 

皐月「そうじゃない人もいるみたいだけどね。でもそういう時はあの警察官みたいな人が守ってくれるのかな?」

 

榛名「きっとそうだと思います。あの人だって、本来はそれが役目で私達の鎮守府に来たんですから」

 

皐月「…それもそうだね」

 

鈴谷「さて…あの二人はどこに行ったのかな?」

 

如月「さっきの話ならゲームセンターって所に行ったと思うけど…」

 

警察官「君達、ちょっと良いかな?」

 

皐月「あ、さっきの警察官の人」

 

鈴谷「な、何?鈴谷たちに何か用事?」

 

警察官「さっきの二人を追っているみたいだけど、君達はあの子達のストーカーかな?」

 

四人「…違います」

 

警察官「…ちょっと署まで来てもらおうか。何、逮捕するとかじゃないから安心して。ちょっとお説教が必要みたいだからね」

 

鈴谷『…逃げる?』

 

皐月『逃げたら余計ややこしい事になると思うよ。最悪外出不可になるかも』

 

榛名『榛名も賛成です』

 

如月『…仕方ないわね』

 

四人「…分かりました」

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