この学生、元放置提督 世界が変わっても、やることが変わっても、いつも通りにする。ただそれだけ   作:七福えると

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現実逃避>仕事となってきている今日この頃。別の意味で死にそうです

まだまだストックは中途半端にしか出来ていませんが、自分の中でキリが良いと思う所まで投稿しました。これで心の荷が一つおりたので、またバリバリと頑張っていきたいと思います

最近は色んなWEBサイトで小説を読んでいるんですが、艦これのブラック鎮守府が幾つか見つけてホクホクです。自分の影響でそういった小説が増えた訳では無いでしょうが、それでもやっぱり見たい小説が見れるのは楽しい物です

MMDも現在制作中ですが、200フレーム作るのに三時間近く消費してるので投稿はまだまだ先になりますが、可能なら動きのあるモーションを投稿出来たらと思います。気長にお待ちください


束の間の休息と自由:午後

「…そろそろか」チラッ

 

電「…司令官さん、ここまで付き合って頂いてありがとうございました」

 

「すまんな。もう少し休めれば良かったんだが…」

 

電「仕方ないのです。お仕事を無視しては皆の迷惑になってしまいます」

 

「…楽しかったか?」

 

電「はい。電はもう満足したのです。すっごく楽しかったですし、また次の機会があれば誘ってくれますよね?」

 

「当然だ。その時は丸一日いれるように調整でもするよ」

 

電「はい。その時を楽しみにしていますね」

 

「あ、じゃあ最後にあれ行くか」

 

電「…これは?」

 

「プリクラだ。簡単に言うと加工できる写真を撮れる」チャリン

 

電「へぇ~!それは面白そうなのです!」

 

機械『フレームを選んでね』

 

「うーん…電はどれがいい?」

 

電「…じゃあこれにするのです」ピツ

 

「ハートか。いい思い出になりそうだ」

 

電「…ふふっ」

 

機械『それじゃあポーズを撮ってみよう!』

 

電「へ?」

 

「お、来るぞ」

 

機械『手を合わせてハートを作ろう!』

 

電「え、え?」

 

「ん?そのつもりで選んだんじゃないの?」

 

電「し、知らなかったのです!」

 

機械『3…』

 

「ほら、早く早く」

 

電「は、はい!」

 

機械『はい、ポーズ!』パシャッ

 

「ほら、次が来るぞ」

 

電「え?次?」

 

機械『次は変顔を撮ってみよう!』

 

「むふ~」ビヨーン

 

電「ふ、ふにゅ~!」ビヨーン

 

機械『仲良しのハグだよ~!ギューッ!』

 

「えぇ…まさかカップル用か?」ギュッ

 

電「ふぇっ!?」

 

「電、カメラに向かないと」

 

電「は、はい!」ギュッ

 

機械『よーし!次で最後だよ!思いっきり笑顔でニッコリスマイル!』

 

「…またこような」ニッ

 

電「…なのです」ニコッ

 

機械『はい、チーズ!』パシャッ

 

機械『お疲れ様!最後に加工しよう!』

 

「不格好なハートだな」キュッ

 

電「あうぅ…もう少し上手に撮りたかったのです…」キュッキュッ

 

機械『後五分~!』

 

「…変な顔してるなw」フハッ

 

電「司令官さんの顔、おにぎりみたいになってるのです」クスクス

 

機械『後三分~!』

 

電「…耳まで真っ赤なのです」

 

「…電こそ」

 

電「お揃いですね」クスクス

 

機械『時間が無いよ!後一分!』

 

「お、フレームを変える事も出来るのか…って」ピッ

 

電「あ、那珂さんなのです。周りの資材が綺麗に彩られています」

 

「おぉう…とするとこの声ってまさか…」

 

電「多分那珂さんだと思うのです。よく聞いてみれば一致するのです」

 

機械『完成したよ!外に出て取り出してね!』

 

電「…大切にしますね」

 

「うん。そうしてくれると嬉しいな」

 

電「…司令官さんは楽しかったですか?」

 

「あぁ。忘れる事の無い思い出だよ」

 

電「…良かったぁ」ホッ

 

「それじゃ、僕は先に帰るね。後は皆と楽しんでおいで」カチャ

 

電「はい。ありがとうございます」ペコッ

 

「…あ、島風か?今どこだ?」プルルル

 

「うん。あぁ、そこなら二つ目を左に曲がれ。そのすぐそばにキラキラした店がある。そこの入り口に電がいるから」

 

「ん、切るぞ」ピッ

 

電「そういえば、島風ちゃん以外にも来るのですか?」

 

「あぁ。満潮と霞のツンツン組と保護者枠として龍田だな」

 

電「…意外な組み合わせなのです」

 

「アイツ等に声を掛けたのは人がいなかったからな。他の皆はそれぞれで街に繰り出してるらしいし、何人かは午前で戻る奴もいればずっと鎮守府で過ごすって奴もいるしな」

 

島風「おーい、提督ー!」

 

「お、来たか」

 

龍田「島風ちゃん、急に走らないで!」

 

満潮「…ねぇ、提督」

 

「どうした?」

 

満潮「…ありがとう。あそこから出してくれて」

 

「礼を言うのは早い。街を見回って楽しい思い出が作れたら言ってくれ」

 

満潮「…うん」

 

霞「すごい、こんなにキラキラしてて…」

 

「龍田、これで買い物出来るからお前に渡しておく。終わったら返してくれ」スッ

 

龍田「りょうか~い」

 

「それじゃあ電の事を任せたぞ。良い思い出になるようにな」

 

電「司令官さん、お仕事頑張って下さい」

 

「あぁ。それじゃあな」スタスタ

 

龍田「さて、それじゃあ皆はどこにいきたい?」

 

島風「私ここに入ってみたい!」

 

霞「いや、電がもう入ったんだから流石に別にすべきでしょ…」

 

電「電は別に良いですよ?皆でやった方が楽しいゲームはやらずに教えて頂いただけですので、それを皆でやってみたいのです」

 

島風「やったー!それじゃあ早速行こう!」

 

満潮「ち、ちょっと待ってよ!」

 

龍田「はーい、慌てないの。そんなに急がなくても逃げないからね」

 

霞「…やった」グッ

 

龍田「電ちゃんはどんなゲームをやったの?」

 

電「えっと…クレーンゲームとプリクラ、ホッケーにバスケやシューティング…他にも色々遊んだのです」

 

龍田「結構遊んでるわね~」

 

電「司令官さんが島風ちゃんにレーシングゲームをお勧めしていたのでそれをやってみようと思うのですが…」

 

島風「それって早いの?」

 

電「早いのです。主に車を動かしてレースをするのでかなり迫力あると思うのです」

 

島風「よーし!それじゃあそれをやりにいこう!」ダッ!

 

霞「あ、ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

 

満潮「全く、子供なんだから…」ソワソワ

 

電「ふふっ。電達も行きましょうか」

 

龍田「両替を忘れちゃ駄目よ~?」

 

島風「分かってる~!」

 

 

鈴谷「…ふぅ。やっと解放された」

 

如月「今日一日休みにしてもらえて良かったわね…」

 

皐月「参ったなぁ…司令官たちを見失っちゃったよ…」

 

榛名「確かゲームセンター?ってところに向かってたのではないでしょうか?」

 

皐月「もう移動しちゃってるんじゃないかなぁ。ナビも何故かさっきから効かないんだよね」

 

榛名「困りましたね…あっ、あれって提督ではないでしょうか?」

 

「…」スタスタ

 

如月「…それにしては恰好が違うんじゃない?」

 

鈴谷「確か提督って黒のパーカーにジーパンだったよね?でも上着が茶色の長袖服だよ?それに二枚服だ」

 

皐月「暑いから着替えたんじゃない?前の服よりかは涼しそうに見えるよ?」

 

榛名「それに電ちゃんがいません。別れたのでしょうか?」

 

如月「流石に置いていくとは思えないけど…別行動かしら?」

 

鈴谷「もしくははぐれたとか?だから探し回ってるとか…」

 

如月「それなら二手に別れない?電ちゃんがいると思うゲームセンターに行くチームと、提督と電ちゃんを合流させるチームに分かれて、二人が出会える様に手伝うっていうのは?勿論、偶然を装ってね」

 

榛名「それじゃあどうやって別れましょうか?」

 

鈴谷「私は皐月と一緒に行ってきて良い?電ちゃん達の方に合流しようと思うんだけど」

 

皐月「如月と榛名さんは提督を追いかける方ね。それでいい?」

 

榛名「はい!榛名は大丈夫です!」

 

如月「えぇ。互いに合流すれば無線で連絡しあいましょうか」

 

榛名「早速行ってきます!早くしないと見失いそうなので!」

 

鈴谷「そっちは任せたよ!鈴谷達も何か分かれば連絡するから!」

 

皐月「それじゃ二人共、また後でねー!」ダッ

 

如月「…あの二人、ゲームセンターで遊びたかっただけじゃないのかしら?」

 

榛名「ふふっ。私達も移動しましょうか」

 

如月「えぇ。早く合流させてあげないと電ちゃんが可哀想だものね」

 

 

 

「ただいま~っと…」ガチャ

 

潮「あ、お帰りなさい」

 

「…鍵をかけてたはずだが?」

 

潮「え?鍵なんて掛かっていませんでしたよ?」

 

「とすると閉め忘れたか…それはともかくどうしてここに?」

 

潮「夕立ちゃんが演習でMVPを取ったので提督に報告しようとここまで来たのですが、いなかったのでここで待ってたんです。私はその付き添いに…」

 

「そうか。所で肝心の夕立は?」

 

潮「そこの部屋にいます。先程眠いと言っていたので多分眠っているんじゃないかと…」

 

「なるほどな。だが流石に男の部屋で寝るってのは危ないと思うんだが…」

 

潮「そっ、そうですよね?流石に女性が部屋で寝るってのは失礼ですよね?」

 

「…あっ、いや。確かにそうか。失礼なんだったな」

 

潮「へ?」

 

「まぁ俺は部屋さえ荒らされて無かったらそれでいい。別に菓子食ってようが、飲み会してても片付けを手伝ってくれるならな」

 

潮「…その、部屋を荒らした人はどうするのでしょうか?」

 

「…?そりゃお仕置きだな」

 

潮「ぐ、具体的には…?」

 

 

潮がじりじりと後退を始める。後退する先は先ほど潮が教えてくれた部屋に向かっており、守る対象とは裏腹にこちらをジッと見つめてきていた

 

 

「…何を隠してる?」

 

潮「か、隠してるだなんて、そんな訳ないですよ?」

 

「…そっか」ニコッ

 

潮「わ、分かってもらえましたか?」

 

 

ホッとした表情をし、少し気が抜けたのか肩が少し下がる。その瞬間を狙って前に駆け出し、目の前の扉を潜ろうとドアノブに手を伸ばす

 

しかしその瞬間を見抜いていたかのように潮から腕が伸ばされるが、腕を回して潮の手の付け根に向かって当てる事で掴みを回避し、すぐさま逆の腕でドアノブに手をかけた所で

 

 

「…」ピタッ

 

潮「…!」ギュッ

 

 

時が止まった。正確には自分の時が

 

 

「…潮」

 

潮「…はい」

 

「絶対にこの部屋に入るなよ」

 

潮「…へ?」

 

「中の音を聞こうと耳を立てるのもダメだ。覗こうとしても駄目だ。自分の代わりに妖精さんに見て貰ったり、何も知らない他人の手を借りて見ようとするのも禁止だ。分かったな?」

 

潮「え、あの…」

 

「良いか?俺はYES、NOで聞いてるんじゃない。分かったかと聞いているんだ。この言葉の意味が分からない程馬鹿じゃないだろ?」

 

潮「わっ、分かりました」

 

「俺は仕事をする。お前も夕立を待ってるならすぐには終わらないだろうから一時間ほど時間を空けて再び来い。分かったな?」

 

潮「…怒らないんですか?」

 

「というかしたくても出来ん。あればっかりは生理現象だしな」

 

 

この反応を見るに潮は知っていたのだろう。彼女達だって人間だ。そういう事もあると分かってはいたが、流石に俺の部屋でやられるとは思わなかった。二度はごめんなので、流石にこればっかりは元師に相談でもしてみよう

 

 

潮「…止められなくてすいませんでした」ガチャ

 

ドア『お帰りやで』バタンッ

 

(…うん、一人になる時間も大事だよね。特に深夜に訪れる時が近いであろうあの時間は特に)

 

 

ドアノブを掴んだ瞬間に聞こえてきたのは、短いが一定のテンポで吐く息と、少しの愉悦の声がドアを通して聞こえてしまった。そして小さかったが布が擦れるような音が…これ以上は夕立の尊厳を壊しかねないので考えるのをやめた。そして同時に部屋の掃除が確定してしまった瞬間だった

 

 

天龍「提督、いるか?」ガチャ

 

「おう、どうした?」カリカリ

 

天龍「龍田が出ちまって暇でよ~。何か暇を潰せるもんないか?」

 

「そういえばお前はいざという時の為に残ってるんだったか。それじゃあパソコンで遊んでみるか?」ギィッ

 

天龍「パソコンって…確かお前や大淀がカタカタやってたあれだよな?」

 

「そうだ。簡単に説明すると仕事以外にも調べものや買い物、ゲームで遊ぶことだって出来るぞ」

 

天龍「…あれってそんなに凄いんだな」

 

「ちなみにクッソ高いから壊すなよ。後壊れやすいからイライラしてブッ叩く何てこともするな」

 

天龍「お前は俺を何だと思ってんだ」イラッ

 

「妖精さん、いるか?」

 

妖精「はいはーい?」

 

「天龍にパソコンのサポートさせながら遊ばせてやってくれ。報酬は水飴だ」

 

妖精「かしこま!」チョイチョイ

 

天龍「ん?ついてこいってか?」

 

「あ、天龍。中で夕立が寝てるから起こしてやるなよ」

 

天龍「…お前、夕立に何かしたのか?」

 

「いや…したっていうか、されたっていうか…」

 

天龍「…?とりあえず変な事はしてないって事だな」

 

「せんわ。後が怖い」

 

天龍「ふっ、良い判断だな」

 

「パソコンはそこの部屋に入ったら目の前にあるからそれを使ってくれ」

 

妖精「それじゃあ天龍さん、私について来てくださいね~」フワフワ

 

天龍「…そういえば妖精ってパソコン使えんのか?」ガチャ

 

「…あっ、どっちを使うかを教えるの忘れてた」

 

「…ま、いいか。どうせパスワード掛かってるし中を見る事なんて出来んだろ」

 

天龍「おっ、おい!提督!」

 

「どっ、どうした?何か問題でもあったか?」

 

天龍「え、や、あ…い、いや、やっぱりなんでもねぇ」

 

「はぁ?」

 

天龍「と、とにかく!何でもねえから中に入ってくるなよ!」バタン

 

「…まさか夕立が続けてるって訳じゃないよな?流石に三十分も経ってるのにまだ…?」

 

ドア『お客やで』コンコン

 

不知火『不知火です。司令はいらっしゃいますか?』

 

「いるぞ。入れ」

 

不知火「失礼します」ガチャ

 

「何か用事か?」

 

不知火「私達の司令が大淀さんとお出かけしたので、代理をしている司令にご報告しにきました」

 

「あぁ。それならこちらも把握している。夕方位には帰ってくるらしいぞ」

 

不知火「なるほど。とするとこれはどうしましょうか…」

 

「演習の結果か?」

 

不知火「はい。こちらで報告内容をまとめておいたので後は確認を頂くだけなのですが…」

 

「それなら執務室に置いてくれ。机の上に離籍中の紙が貼られた書類ケースがあるから、そこに入れておいてくれたらいい」

 

不知火「了解しました」

 

不知火「…ところで一つ質問したいのですが、何故執務室ではなくご自分の部屋で執務をなさっているのでしょうか?」

 

「そこの部屋に客がいてな。流石に離れる訳にはいかんからここで仕事してるんだよ。良かったらお前も参加してきたらどうだ?」

 

不知火「…へっ!?」ボッ

 

不知火「そ、その!私達はまだお互いの事をあまり知らないと言いますか、あまり軽率に女性を部屋に招くのはどうかと思います!司令はまだ20も越えていないお人なのですからあまりそういった軽率な事は…!あっ!その!子供だという事を笑ったのではなくてですね…!?」

 

「ど、ドウドウ。落ち着け不知火。俺の部屋で天龍達が遊んでるから離れられんってだけだよ。それに参加したらどうだって気持ちで誘ったんだが…」

 

不知火「…へ?」

 

「…一体何を考えたのかな?」ニコッ

 

不知火「…!しっ、失礼しみゃっ!?」

 

「…みゃっ?」

 

不知火「っ…!失礼します!」バタンッ

 

「…可愛いかよ」

 

川内「ホントにね~」パカッ

 

 

突如天井から髪を垂らしながら顔だけを出す川内が現れた。あまりに不意の出来事に腰に備えている護身用の拳銃に手をかけた所で川内がゆっくりと両手を上げ、軽く咳払いをした後に息を整えて状況を見直した。その上で言いたい事が一つ出来た

 

 

「…え?何?今日こんな感じで物事が進む感じ?」

 

川内「細かい事言ってたら禿るよ?」スタッ

 

「その髪を毟るぞ」

 

川内「ヒュッ、それはちょっと勘弁してほしいな…」

 

「んで?天井裏から出てきた事は今は置いておくとして、何があった?」

 

川内「何か用か?じゃなくて?」

 

「お前の雰囲気から何かあったと察せれる。目は開いてるが少し揺れてる。肩も少しソワソワしてるのが見て取れる程に揺れてるしな」

 

川内「…そんなに分かっちゃうんだ。やっぱり凄いなぁ」

 

「世辞は言い。早く要件を言ってくれ」

 

川内「…あの深海棲艦にさ、どうしてあんなことしたの?」

 

「なんのことやら」

 

川内「私も午前中少し外に出てたんだよ。その時に海岸で散歩してたら深海棲艦を見つけたから報告しようと思ったら提督がスタスタと歩いていく姿があるじゃん?そんな姿を見たら何を考えてるか気になっちゃうのは仕方ないと思わない?」

 

「……」

 

川内「ね、教えてよ。どうしてさ」

 

川内「既に死んでる深海棲艦を海に返したりしたの?」

 

 

 

川内『ふぅ…たまにはこうして散歩も良いね。日課にでもしてみようかな?』

 

川内『にしても静かだなぁ。明日には戦闘があるってのが分からない位に…ん?』

 

イ級『…』ザザァーン

 

川内『イ級!?どうしてあんなところに!?』

 

川内『と、とりあえず提督に連絡しないと…!』バッ

 

『…』スタスタ

 

川内『あっ!提督!?ちょっ、危ないって!』

 

イ級『…』

 

『…』ペタペタ

 

川内『…あれ?何も、してこない?』

 

『…』ナデナデ

 

川内『火傷みたいな跡に、体から出てるあの黒い液体ってもしかして血?それによく見れば目に光も無いし…もしかして死んでる?』

 

『…』ググッ

 

イ級『…』ズザザッ

 

 

…目の前の光景が信じられなかった。人間の何倍の大きさもある駆逐イ級がたった一人の人間に押されているというのだ。私達の様に特筆するような力が無いただの人間が、大型自動車程あるイ級を押しているのだ

 

しかし不思議と彼の足があった場所には力を入れて踏みしめた様な跡が無い。よく見れば打ち上げられたイ級の動いた跡はそれほど深さが無い事からイ級自体が重くないのが見て取れた

 

やがて提督が腰ほどまで海に入った所でイ級が完全に水に浮いたのかプカプカと揺れ動いていた。そのまま海に導かれていくかの様に沖へと体が流されて行き、わずか数十秒の間に提督がいた場所からかなり離れていた。そんな敵を見送る様に提督は敬礼をしており、やがて踵を返して海から出てきた

 

 

川内「ね、どうしてなの?」

 

「…逆にどうしてほしかった?」

 

川内「んー、というよりかは何であんなことをしたんだろうって疑問の方が強いんだよね。改めて聞くけど、どうしてあんなことしたの?」

 

「…気まぐれだよ」

 

川内「…本気で言ってる?」

 

「お前は道端で犬が死んでたらどう思う?」

 

川内「そりゃ…可哀想だって思うよ」

 

「それと同じだ」

 

川内「…あれは敵だよ?」

 

「敵だったら何しても良いのか?」

 

川内「……」

 

「アイツは死んでたんだ。あのまま放置されてたらいずれ誰かに見つかって、厳重な監視の元に雷撃か、実験として持ってかれてただろうな。そう思ったらあんな事してた」

 

川内「…随分優しいんだね。そんなので深海棲艦と戦えるの?」

 

「死んだ奴と戦う事は無いだろう」

 

川内「…ああ言えばこう言うね」

 

「そういう話じゃないからな。ただの気まぐれ。そこに理由なんてもんは気持ち次第ってのが良いとこだよ」

 

川内「…ふ~ん」

 

「ま、本音を言うとただめんどくさかったからだけどな。海に流しちまえばそこに問題があった事なんて知る由も無いんだから」

 

川内「あっ、ちょっと関心してたのにそういうこと言っちゃう?」

 

「うるせー。立場的にこういう事言っとかないとマズいの」

 

川内「はいはい。そういう事にしておくよ」

 

「…あれは運が良かっただけだ。戦闘で傷ついた体のまま偶然あそこまで流されて、そのまま俺が元居た場所に返せただけの話だ」

 

「お前は絶対に、ああなるなよ」

 

川内「…ふふっ。分かってるよ」

 

「…それはそうと、俺が岩場の影で着替えてたのも見たのか?」

 

川内「…」フイッ

 

「なんか言えよ。目を反らしてないで」

 

川内「あっ!私も皆と遊んでくるね!」ガチャ

 

「…逃げたか」

 

「にしても変だな。パソコンだから周りと喋らなくなるのは仕方ないとしても、こんなに話し声の一つや二つ聞こえないもんなのかね」

 

荒潮「提督さ~ん?」ガチャ

 

「…部屋ならそこだ」

 

荒潮「…?それがどうしたの?」

 

「…いや、忘れてくれ。それよりどうした?」

 

荒潮「私と遊ばない?休憩に入ったのは良いんだけれど暇なのよ」

 

「見て分からんか。仕事中だ」

 

荒潮「それくらいなら私が手伝ってあげるわよ?」

 

「良し。何したいんだ?」ガタッ

 

荒潮「…現金な人ね」

 

「というか遊ぶ相手なら沢山いるだろ。陽炎なり朝潮なり」

 

荒潮「残念だけど陽炎と朝潮は今日一日仕事よ。あそこで監禁されてた分頑張らないとって張り切っててね」

 

「なるほどな…お前は良いのか?」

 

荒潮「私は日頃からトレーニングしてるわよ?イメージトレーニングだったり、任務の合間に砲撃を脳内シミュレーションしたりね」

 

「そのやり方はやめとけ。いざという時に脳が疲れて判断力が鈍るってのが良くあるパターンだからな」

 

荒潮「良く知ってるみたいな言い方ね?」

 

「俺も同じことをしてる。だからやめておけ」

 

荒潮「…提督が良くて私だけ駄目だって言うのはちょっと違うくないかしら?」

 

「ふっ、なら一度どっちが優れてるか試してみるか?」

 

荒潮「試すって?」

 

「脳内シミュレーションだ。互いに脳内のイメージだけで組手をしてみるというのはどうだ?」ドラゴ〇ボールのナメ〇ク星編でやってたやつだな

 

荒潮「…面白そうね。良いわよ?」クスッ

 

「それじゃそこに座ってくれ。互いに向き合う形でやろう」ガタッ

 

荒潮「分かったわ」トスッ

 

 

椅子に座った音が背後で聞こえたと思えば自身の尻辺りに電気の様な衝撃が走る様に感じた。実際に蹴られた訳ではないのだが、確かに蹴られたと実感する様なイメージが自分の尻から脳へと到達した

 

 

「…後ろから尻に向けてキックとは、中々に幼稚だな」

 

荒潮「…あらぁ?何のことかしら?」クスクス

 

 

さながら悪戯がバレた子供の様な無邪気な笑顔。しかしその裏は何故分かったのかと焦りを隠したい表情にも見えた

 

 

「はぁ…ま、油断した俺も俺か」トスッ

 

荒潮「ルールは?」

 

「一本先取。致命打となりえる打撃を食らった時点で負けだ。あ、頼むから接近戦のみで頼む」

 

荒潮「了解よ~♪」

 

「…それじゃ、スタート」パチッ

 

荒潮「…」パチッ

 

 

互いに目を瞑り、座った場所から立つようなイメージで荒潮と向き合う。それと同時に荒潮のイメージがこちらに対して飛んでくるのが分かる

 

それは見た目こそ荒潮のサイズだが、見上げるかの様な存在感を放っており、まるで自分が虫にでもなったかのようなスケール感を彼女から感じる。一挙一動がまるで台風の様な暴風を巻き起こすかのような、そんな力強いイメージが私を襲う

 

しかし退かない。退くことは自分が許されない。何故ならこれが勝負である以上、逃げる訳にはいかないからだ。例えそれが傍からみたらどれだけ馬鹿げているようなものであっても

 

彼女との距離は約3メートル、どちらかが足を一歩踏み出した瞬間にそこは危険領域へと早変わりするだろう

 

そこへ荒潮が踏み込んで来た。腰は低く、そして拳は腰に添えられる様な形で握られている。所謂正拳突きの構えである。そこから放たれる突きは正確に右肺を狙っていると”察知”させるには十分な動きだった

 

正拳突きとは足、胴、腕の三点を主に使った動きによって放つ技である。その突きは熟練者であれば簡単に放つ向きを変える事が出来、拳を撃つ場所でさえ明確には出来ないものだ

 

だが彼女はそこまで武を理解していないようであり、それが一撃を”当てる”きっかけとなった

 

彼女の伸ばす腕を当たるはずだった場所を懐に飛び込む形で躱し、そのまま体を幼き彼女の体に向かってぶち当てた。確実にあれは致命打だったと認識させるために肘を顔にめり込ませながら

 

 

荒潮「!」ビクッ

 

「勝負ありだな」パチッ

 

荒潮「……」ムゥ

 

「ははっ、相手が人間だからと言って侮りすぎだ。威圧で動けない所を付こうって考えは良かったがな」

 

荒潮「…そこまで分かってたのね」

 

「お前がどれ程それを続けてるかは知らないが、十数年と続けてきた俺に勝てるとは思わん事だな」

 

荒潮「はぁ…私もまだまだって事ね」

 

「あ、そうそう。お前のイメージトレーニングだがな、深すぎるのはやめておけ」

 

荒潮「深すぎる?」

 

「お前はイメージトレーニングしてる最中に無意識に体が動いたことは無いか?」

 

荒潮「…それくらいなら何度かあるけど?」

 

「それな、絶対に駄目だ。今のお前は特に」

 

荒潮「どうして?」

 

「お前の動きが完璧じゃないからだ。それは将来的に壁となってお前の前に現れる」

 

「イメージってのは体を動かした時の成功例を思い描く為に使うものだ。これが正確であればある程に技は正確になるが、その分間違った形で覚えておくとその形のままイメージが体に出てしまうんだ」

 

「現にお前はあの正拳突きを俺に読まれた。本来の正拳突きというのはあそこまで読まれやすいものじゃない。俺の言いたい事が分かるな?」

 

荒潮「…そうなのね。私、てっきりあれで完璧だと思ってたわ」

 

「武っていうのは歴史だ。たかだか数か月生きた奴が理解したと言える程に浅くはない。もっと動きを極めたらやってみても良いかもな」

 

荒潮「あぁもう、分かったわよ。そんなに口うるさく言わないで」

 

「ま、やるなとは言わん。ただし何日かしたら一日は開けろ。最高でも四日続けたら絶対に一日休め。分かったな?」

 

荒潮「…分かったわ。それじゃあこれで失礼していい?」

 

「あぁ…いや、待て。お前さっき手伝うって言ったよな?」

 

荒潮「あら、ちっちゃい約束にこだわる男は嫌われますよ?」

 

「うるせー。兎に角手伝え。分かったな?」

 

荒潮「はーい」

 

 

 

暁「司令官、いるかしら?」コンコン

 

「いるぞ。入ってくれ」

 

暁「失礼する…わ?」

 

響「失礼す…」

 

雷「…何してるの?」

 

「響と雷も一緒か。何か用か?」ゴローン

 

暁「いや、その…用って言うか、何してるの?」

 

荒潮「あははっ、ホントに飛んでるみたい♪」ブーン

 

響「飛行機みたいに腕を広げた荒潮と、下でそれを支える司令官か。まるで戦場で戦う私達と司令官みたいな関係だね」

 

「支え合うって言いたいのか?」

 

響「そうそう。それそれ」

 

雷「…荒潮、下着が見えてるわよ」

 

荒潮「提督に見えないから気にする必要無くないかしら?」

 

雷「そういう問題なの…?」

 

暁「…後で私にもそれをやってくれない?」

 

「お、いいぞ」

 

響「あっ、ずるいよ暁」

 

「荒潮、暁と交代だ」

 

荒潮「あら、もうちょっとだけ駄目?」

 

「駄目だ。降ろすぞ」スッ

 

荒潮「しょうがないわね~」スタッ

 

「ほら、おいで」

 

暁「…じゃあ、失礼するわね♪」

 

「よし、膝を俺の足の上に乗っけてくれ。腕は俺が掴んでやるから」パシッ

 

暁「こ、こう?」プルプル

 

「…よし。いくぞ~」グイッ

 

暁「きゃっ!?」

 

「ほら、飛行機に変形~」ググッ

 

暁「わっ、わっ!すごい!」

 

雷「良いなぁ…」

 

荒潮「そういえば二人共、どうしてここに来たの?」

 

響「あぁ、夕立を探してたんだ。潮に頼まれて探してくるように言われたんだが、ここにいる可能性が高いから行ってくれってね。潮は料理の準備をしなければいけないから先に厨房にいるんだが」

 

荒潮「あら、今日の当番って潮ちゃんと夕立ちゃんなの?」

 

雷「あ、それで思い出したわ。司令官、いつになったら料理を教えてくれるのよ?」

 

「…あっ」

 

雷「…踏まれたいみたいね」

 

「今はタンマ!暁が落ちる!」

 

雷「…はぁ」

 

「夕立ならそこの部屋だ。天龍達と一緒にいるはずだぞ」

 

響「そこの部屋って…司令官の部屋じゃないか。しかも達って、一体何人いるんだい?」

 

「川内と天龍と夕立だな。いい加減に夕立も昼寝から起きてるだろうし連れて行ってくれ」

 

響「分かった。雷と荒潮もついて来てくれないかい?もしまだ寝てたらぶっしょ…起こすのに協力してほしい」

 

雷「…変な事してたら怒るわよ」

 

荒潮「あら、面白そうなのに…」

 

「……」ジィッ

 

響「おっと。それじゃ失礼するよ。暁も程々にね」ガチャ

 

暁「あっ、うん」

 

「…思えばこうやって暁に構ってやってられなかったなぁ」

 

暁「私以外にも構ってあげられてない人もいるでしょ?雷や時雨とかね」

 

「痛い所を付いてくるなぁ…まさにその通りなんだが」

 

暁「それでどうだったの?私の妹とのデートは」

 

「それを聞くか?」

 

暁「あら?私はお姉ちゃんよ?少しくらいは教えてくれても良いんじゃないかしら?」

 

「…しょうがないな」ポスッ

 

「えーっと、どこだったかな…」ゴソゴソ

 

暁「…結構汗臭いのね」スンスン

 

「…嗅ぐなよ。悪かったな」

 

暁「まぁ仕方ないわよ。最近暑いんだし、私だって少し汗かいちゃってるしね」

 

「…ほら、これだ」ピッ

 

暁「あら、結構仲良さげじゃない」

 

「可愛いだろ?」

 

暁「えぇ。この抱きしめあってる写真なんか特にね」

 

「これ良いよなぁ~。耳まで赤くして照れてるんだぞ?」

 

暁「確かに電も可愛いけど…それは貴方もよ?」

 

「…それって褒めてるのか?」

 

暁「からかってるのよ♪」

 

「悪いレディーだな」

 

暁「あら?レディーたるもの好きな事には徹底的になるものよ?それが物であれ、人であれね」

 

「…クソ、不覚にも可愛いと思った」

 

暁「ふふっ」クスクス

 

「…しかし遅いな。アイツ等」

 

暁「…確かにね。一体何してるのかしら?」

 

「ちょっと行ってみるか」スクッ

 

暁「お供するわね」パッパッ

 

「…良し、行くぞ」ガチャ

 

 

ドアを開いて中の様子を見ながらゆっくりと部屋に入る。ドアを開いてすぐの景色はパソコンが視界に映り、その隣には群がる様に何人もの人が集まっていた

 

この部屋にはパソコンが二台ある。一つは艦娘達の娯楽になればと思い、様々なゲームや教養を入れたパソコン。もう一台は自分のプライベート用のパソコンだ。天龍に使わせようとしていたパソコンは当然艦娘達用のパソコンだったのだがそちらには誰一人座っておらず、反対に自分のプライベートパソコンの方に人が群がっていた

 

思わずビックリして固まっているとそんな自分の様子に疑問を思ったのか、暁が音を立てないように忍び足で皆の背後に回って覗き込む様にパソコンをしばらく見ていたが、微妙に身長が足りないようで背中から哀愁が漂って見えたのは気のせいだろう

 

 

暁「…皆、何してるの?」

 

響「!あ、暁!?」

 

暁「暁よ。一人前のレディーとして扱ってよね」

 

「紹介せんでいい。何してたんだ?」

 

響「え、えっと…司令官はああいうのが趣味なのかい?」

 

「は?」

 

天龍「ちょ、入ってくんなって言ったろ!?」

 

「いやここ俺の部屋…」

 

川内『早く消して!』

 

妖精『…良し!ミッションコンプリートなのです!』

 

「……何でそのパソコンの前で皆立ってるんだ?確かに近くのパソコンを使って良いとは言ったが、それにはパスワードが掛かってるはず…」

 

妖精「私が解きました」ドヤッ

 

「お前なぁ…いやまぁ見られて困るもんは特に入れてないけど」

 

 

R系のゲームは多少入れているが、あくまでゲーム性を重視して買った作品ばかりだ。あまりシーンが好きではないので目立ったフォルダには入れず、ダウンロードしたならダウンロードフォルダに入れっぱなし。セットアップが必要なゲームならその場に置きっぱなしだからそうやすやすと見つかる事はないだろう

 

画像はWebで満足派、漫画や動画はフォルダで分別しているので見ると言えばそっちしか無い。それ以外はほとんどゲームで埋まっているし、多少の趣味関係のソフトが入っているが、個人的にはそっちの方が見られたくない

 

 

荒潮「…ホントに言ってるの?」

 

「ホントだ。というか天龍はゲームしてるかと思ったが」

 

天龍「し、しょうがねぇだろ!?ゲームってフォルダの中に色々あったんだから!」

 

 

おーっと、いくつか自分の青春が覗かれているようだ

 

まぁこれがきっかけで何人か自分と同じ趣味を持ってくれれば良いだけだし、そっちの方がハマった時に楽しそうだ

 

 

川内「…ねぇ、提督ってああいうのが好みなの?」

 

「何の話だ?」

 

川内「さっ、作戦って書かれたフォルダの中に難易度が書かれたあれの中身の事だよ。あの、中の…その、あの…」

 

「あぁ。あれは俺の女耐性を付ける為だ」

 

川内「…耐性?」

 

「中見たんだろ?あれの丁はどんなのだった?」

 

川内「えっ、確か綺麗な女性のファッション誌…だったと思うけど…」

 

「じゃあ甲は?」

 

川内「!」ブッ

 

天龍「っ~!こっの、変態野郎が!」ブンッ

 

「それ違う人のセリフッ!」サッ

 

暁「川内さん、これを鼻に詰めて」スッ

 

川内「あっ、う、うん」

 

響「…女性の、グ、グラビア雑誌、だよね?」

 

「そ。あれが俺にとっては一番キツイからな」

 

 

ちなみに丙はアイドル雑誌、乙は水着写真集となっている。丙提督にはまだ慣れていない。未だ丁から抜け出せないので早急に慣れておきたいところだ

 

 

荒潮「…えっ?本気で言ってるの?」

 

「マジ無理。あれ見た瞬間に発狂したもん」

 

天龍「じ、じゃあ!あそこにあった勉強ってのは!?」

 

「あれ提督になる前に使ってたファイルな。文字通り勉強の為に使ってた」性癖とアイデアの引き出しを増やす為のな

 

夕立「…提督さんは夕立みたいな子が良いの?」

 

「分からん」

 

夕立「違うの?」

 

「人間に興味無かったんだ。あれに勉強って書いてた理由が、人間の何が好きになれるかを探す意味を込めて勉強って書いてたんだ。決して中身=好みって訳じゃない」

 

夕立「…そっかぁ」ショボン

 

天龍「…てことは何か?あのフォルダにあった【ヒギィッ!?】や【YES合法!NOタッチ!】とか【海外って凄いね】とかもお前の趣味じゃねえって事か?」

 

「…女の子が【ヒギィッ!?】とか言うのヤバいな。ちょっと興奮する」

 

天龍「う、うるせぇ!とにかくどうなんだよ!?」

 

「当たり前だ。あくまで資料程度にしかならなかったよ」

 

雷「…じゃあ回復って書いてあったのは?」

 

「…」フイッ

 

響「…年上お姉「良し黙ろうか」」

 

川内「…私達って皆年上だよね?」

 

響「そうだね。初めて生まれたのは大体何十年も前だから充分年上じゃないかな」

 

「いや、流石に年寄り趣味は『ん?』ナンデモナイデス」

 

荒潮「…」ギュッ

 

「…何してんの?」

 

荒潮「当ててるのよ~」

 

「…うん。せめて天龍位に育ってからそういうセリフは言おうな」

 

荒潮「あ、あら?」

 

雷「…まだ無理そうね」チラッ

 

夕立「…川内さんにはギリギリ勝ってるっぽい?」フニフニ

 

天龍「…夕立に何かしたらただじゃおかねえぞ」

 

「事の発端はお前と妖精だがな」

 

暁「…とりあえず夕立ちゃん達は潮ちゃんの手伝いをしに行った方が良いんじゃないかしら?多分潮ちゃん怒ってると思うわよ?」

 

夕立「えっ、今って何時っぽい?」

 

「1635」

 

夕立「!急いで行ってくる!提督さんも手伝って!」ガチャ

 

「えっ?」

 

雷「それ良いわね。ついでに料理も教えて貰いましょうか」

 

「…分かったよ。ただちょっと急ぎながら作るから簡単のしか教えられんぞ」

 

雷「それでもいいから!早く行きましょ!」ギュッ

 

「お、おう。分かったから手を放してくれ。すぐに行くから」

 

響「雷、そっちよりこっちの方が早いよ」ダキッ

 

「…うぇ?」ヒョイッ

 

響「雷が先頭を行ってくれ。私はそのまま後ろから追いかけるから」

 

雷「了解!司令官を落としちゃ駄目よ!」ダッ

 

「えっ、ちょっ、まっ」

 

響「ハラショー」ダッ

 

荒潮「…それじゃ私も行ってきますね?三人もそろそろ食堂に向かった方が良いですよ?」

 

天龍「あ、あぁ。分かったよ」

 

暁「…うーん、まだまだね」サワサワ

 

川内「駆逐艦はたくましいなぁ…」

 

 

 

妖精「ぐふふ…提督さん、少しお話しませんか?」ニヤニヤ

 

「…何だ?」

 

妖精「そうですね…確かフォルダ名は資料でしたっけ?」

 

「……」

 

妖精「さぁさぁ提督さん、これをネットの海にばら撒かれたく無ければ甘味を毎日私の元へ『ガシッ』…へ?」

 

「さて質問です。①甘いもの、②辛いもの、③まずいもの、どれがいい?」ニコッ

 

妖精「へ?あの、言ってる意味が分からないって言いますか、すっごくその笑顔が怖いと言いますか…」

 

「ちなみに選ばない場合は今後甘味無しとなります」

 

妖精「①で!」

 

「りょうか~い」カチャ

 

妖精「…ふぁぇ?ふぇいふぉうはん(提督さん)ふぉれ(それ)は?」

 

「強制口開け機。釣り針みたいに反しがついてて、それを口にセットすれば自分の意志で口を閉じる事は出来ないようになっています」針は付いてないよ。あくまで口を無理矢理開かせる道具だからね

 

妖精「あ、あふぉ(あの)ふぉれふぁらふぁひをふぁれふんへひょうか(これから何をされるんでしょうか)…?」

 

「さてここで取り出しますは漏斗(じょうご)となります。これを妖精さんのお口にセット♪」

 

妖精「うぇ?」カポッ

 

「そしてこちらの手には水飴一キロがあります」

 

妖精「…」ダラダラ

 

「さて、最後に言い残す事は?」

 

妖精「…んー!んふぅー!むふぅー!!!」ジタバタ

 

「それじゃ、一気!一気!」ドバッ

 

妖精「んっ!んぐっ!?」ゴクゴク

 

「ほらほら、全部飲まないと窒息しちゃうよ?ちゃーんと飲めたら解放するから安心してね♪」

 

妖精「んぐっ!?んごっ!?」ゴフッ

 

「こらこら、飲むのを止めちゃ駄目でしょ。こっちの水飴が無くなるまで入れてあげるんだから早く飲まないと窒息するだけだよ?」

 

妖精「ごっ!?ごぱっ…!」ゴポゴポ

 

「…おぉ。まるで水風船みたいに体が丸くなってきているのにそれでも少量ずつ飲んでる。しかも予想以上に水飴の減るスピードが速いな」

 

妖精「んっ、んぐっ!んぐぼっ!?」ゴッコポッ

 

「…流石にこれくらいで勘弁してやるか」カポッ

 

妖精「!」ガチャガチャ

 

「良く頑張ったね。ここまでやるなんて正直思ってなかったからホントにビックリだよ。意外と根性あるんだねぇ…」ナデナデ

 

「でもまた同じ事をやるようなら…次は最後までやろっか」ニコッ

 

妖精「…!!ごっ、ごめんなぽぶっ!?」バッ

 

「あ、汚しちゃ駄目だよ?また掃除する場所が増えちゃうからね」

 

妖精「!!!」ブンブン

 

「さ~て、お仕置きも済んだことだし、サッサと明日に備えますか~」ググッ




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