この学生、元放置提督 世界が変わっても、やることが変わっても、いつも通りにする。ただそれだけ 作:七福えると
自身の目標としている他の誰かが作るブラック鎮守府や艦娘小説が増えるのを目標に作っていますが、もう少し努力すればそんなお話を作りたいと思える人が増えると信じているので、これからも頑張っていきたいと思います
一進一難
「…皆、準備は良いか?」
電「総員、準備完了です」
女提督「気をつけなさい。貴方の行く所はあまり良い噂を聞かないわ」
「はい。ご忠告有り難うございます」
電「総員!女提督に敬礼!」
艦娘 バッ
女提督 バッ
「それじゃ総員バスに乗ってくれ。それに乗って移動するから」
電「そういえば運転は誰がするのです?」
青葉(元師)「どもども!青葉です!一言お願いします!」
「安全運転で頼む」
青葉(元師)「了解です!にしても…絵になりますねぇ」カシャッ
電「綺麗に撮ってくださいね?」ギュッ
…そこはかとなく感じる儚い柔らかさが体にぶつかっている。それは初めて出会った頃と比べて若干成長している様に感じた
「…電、周りの視線が痛いから早く乗ってくれない?」
電「はいなのです♪」
島風「…良いなぁ」
愛宕「それにしても、風邪は治ったのかしら?つい数日前まで結構高熱だしてたわよね?」
時雨「それなら大丈夫。今朝も体温を計ったし、その時は平熱だったから大丈夫だと思うよ」
龍田「…」
天龍「…不服、って訳じゃなさそうだな」
龍田「あら、バレちゃった?」
天龍「…ホントに残らないで良いのか?何だったら俺が無理矢理にでも提督に意見を言ってくるぞ?」
龍田「そのことなら別に良いわよ。あの後提督がやってきてホントに良いか聞いて来たんだから」
天龍「残らなかったのか」
龍田「えぇ。あんなことを言われちゃあね」
天龍「お、龍田もそう思ってたのか」
龍田「ふふっ、まぁね。言葉ではああ言ってたけど、多分あれは…そういう事だと思うわ」
天龍「…その為にも、気合い入れていくぞ。俺らがまたああならない様に。提督もそうさせない為にもな」
龍田「えぇ」
川内「…にしても長いね。後何分くらいで着くの?」
青葉(元師)「あと1時間位ですかね~」
「電、すまないが青葉と二人にしてくれないか?これからの話を青葉としておきたい」
電「…転げ落ちちゃわないです?」
現在自分は電に後ろから抱っこの様な形で椅子に座っており、電の腕というシートベルトで電の膝の上で鎮座している。正直凄い幸せ
「シートベルトをきつめに締めるから大丈夫だ。次の信号でちょっと席を移動してくれ」
電「分かったのです」
そう話していると丁度赤信号に捕まり、そのタイミングで電の膝の上から降ろされてシートベルトを締められた。シートベルトを締めるのは自分でも出来たと思うのだが、流石に他人にしてもらうのは恥ずかしいものがあった
青葉(元師)「それで、どんなお話でしょう?」
「それなんだがな…」
暁「電、こっちにおいで」チョイチョイ
電「あ、じゃあ失礼するのです」ボフッ
響「司令官は大丈夫だったかい?」
電「はい。熱も高く感じませんでしたし、ちゃんとご飯も食べてたのです」
雷「…司令官が自分で作って飲んでたのよね」
電「あの見た目で力は元の姿のままらしいですからね。その気になれば私達を持ち上げたりすることだって出来るかも知れないと言っていました」
雷「私、ちゃんと必要よねぇ…?」
暁「司令官はもう大人なんだから出来るに決まってるわよ。見た目はあれだけど…」
曙「ねぇ、私にもその話混ぜてよ」
川内「あ、私も混ぜて~」
響「おや、二人も司令官に言いたい事でもあるのかい?」
曙「言いたい事って言うか…貴方達に聞きたいのよ。アイツが初めてアンタ達の鎮守府に来た時の事や過去の事をね」
雷「あの時の?」
潮「あ、曙ちゃん。流石にそれは…」
川内「いや、こればっかりは聞いておきたいんだよね。鎮守府にいた時は時雨から何となく過去は聞いたけどそれだけだったし。今後私達が同じ立場になるかも知れないってのに、知らないままでいるのはちょっとね」
雷「…確かにそうね。分かったわ」
暁「…潮。思い出したくないなら、悪いんだけど耳を塞いでおいてくれない?」
潮「…いや、私も話す。私達がそれぞれで受けた罰は違うから」
雷「潮…」
潮「…じゃあ、まずは何から話したほうが良いのかな」
雷「やっぱり、初めてアイツが着任した時じゃない?」
川内「どういった人だったの?」
雷「アイツは…初めて見た頃は何も知らない新米提督って言葉が似合う奴だったわね。着任早々私達を建造したと思えばいきなり出撃させたのよ」
潮「当時は駆逐艦が安上がりだとか言ってたから、多分あの時から既に私達を物か何かとして見てたんだと思う」
川内「うわぁ…」
暁「…最低だわ」
雷「アイツは傷ついた私達を初めは入渠させてたわ。流石にその頃は私達を消耗品の様に扱うことは無かったわね」
雷「でも、アイツが戦果を挙げていくといずれ敵が強くて私達が相手できない奴等も現れたわ。そうなるとアイツが捨て艦戦法を取り始めたのよ」
潮「…あの時にはもう何十人もいたよね。駆逐艦だけじゃなく、軽巡や重巡に、戦艦や空母だって…」
雷「…そうして私達は捨て艦に使われたけど、生き残った。本来無事に帰さなきゃいけない人達に庇われてね」
雷「当然アイツは激怒したわ。そこからが地獄だったのは今でも覚えてる」
雷「捨て艦と言う作戦を使う以上艦娘は少なくなる。そして生き残った人達はみるみる練度を上げ、少数精鋭な艦隊へとなっていった」
雷「だけど精鋭と呼べる艦娘達も沈んだわ。アイツの無理な方法で解放していった海域へのツケが回ってきたと言えば良いのかしらね。更なる海域への催促を促されてアイツは焦った結果、無理な作戦を決行して…後はお察しの通りよ」
潮「誰もが無気力となって、初めは反抗していた人達も姉妹や親しかった人達を脅しの道具にされて…そうやって過ごしてきたのが鎮守府の大雑把な過去かな。流石にこれ以上詳しく話すのは…うぐっ」ウエッ
暁「…なるほどね」ギリッ
響「それ以上は言わないで正解だよ。思い出す必要もない」
電「もう少し、私達が早く来れてれば…」
川内「…もしもの話をしたってどうしようもないよ。過ぎた時間は戻らないんだから」
曙「…思ったんだけどさ、妙に出来過ぎてない?」
潮「え?」
曙「アンタ達の提督って蒸発したんでしょ?だからアイツが来たってのは知ってるけど、まるで弱みに付け込むみたいなタイミングじゃない?」
電「…曙さん。司令官さんがこういう状況だと知っていて、わざと遅れてやってきたと?」
曙「そうじゃないわ。寧ろその話を聞いて陽炎から聞いた話を思い出したのよ」
響「何をだい?」
曙「何もしようとしない奴にチャンスは絶対に訪れない。そんな奴にチャンスが起こるとするなら仕組まれてるか、誰かの助けがあって生まれる位しかないんだって…」
曙「こういっちゃなんだけど、前任に良い様にされてたんでしょ?必死に抵抗も続けていた様だけど、最終的には皆無気力になって何も出来なくなった。そんなタイミングでアイツは現れた。まるで救世主みたいにね」
川内「…曙の危惧してる事は分かるよ。アイツがホントは裏で前任と繋がってるかも知れないんだよね?」
曙「まぁね。といってもそんな訳無いのは分かってるんだけど」
暁「…そうよねぇ。もしそんな裏があるんだったら、誰が相手であったとしてもそんな考えを話すわけ無いでしょうし」
電「それに司令官さんはちゃんと一般人ですよ。初めて会った時に過去の経歴などもしっかりと調べましたから」
潮「あまりに色んな事が起きてるにも関わらず、ただただ平然と振舞えるのは凄いとさえ思いますけどね…」
響「メンタルおかしいもんね。私達の提督は」
艦娘達「同感」クスッ
響「あと変態だ。私達の事を好きだって言ってくる。人間の様に生きれる様にしてやるとも言ってきた。まさに夢想家だ」
艦娘達 ウンウン
響「そんな夢想家だからこそ危うい所だって沢山ある。そして言ってることは全て本当だと言わんばかりに行動してくる。そんな事をすれば本当に危険な目に合う事だってあるだろうに、微塵も気にもせずに火中の栗を拾う様な事をしてくる」
響「でもそれに救われたのは私だけじゃない筈だ。ならばそれに対して恩を返さなければならないのが人間として生きてほしいと提督の願いを叶える事になるんじゃないかな?」
暁「…響って、結構まともな事言うのね」
響「酷くないかい?」
天龍「あー、響?盛り上がってる所申し訳ないんだが…ここに提督本人がいるって事を忘れてねぇか?」
響「…あっ」ボッ
青葉(元師)「さて提督。今のお気持ちは?」スッ
「クッソ恥ずかしい」ポリポリ
響「…司令官」
「ん?」
響「忘れてくれないかい?」
「うん、無理!」ニッコリ
響「…きゅう」ボフンッ
電「あ、爆発しちゃったのです」
山風「…良いなぁ」
島風「大丈夫だよ!私達も山風ちゃんが良い子だっていうのは分かってるから!」ナデナデ
夕立「そうだよ。提督さんを嫌っていない艦娘に悪い子はいないもん」ナデナデ
山風「わ、分かったから!その、撫でるのはやめて…!」カアァァッ
「……そろそろ建造しても良いかもなぁ」
青葉(元師)「皆さん、着きましたよ」
「…外観は意外と綺麗だな」
電「でも、何だか少し…怖いですね」
愛宕「なんだか暗いわ…」
幽霊屋敷、お化けスポット、事故物件。何処か不気味な雰囲気を感じさせる言葉としてはぴったりだろう。ここがこれから活動するべき鎮守府だというのは、少しばかりの恐怖を心に感じさせた
「…青葉。誰もいないようだが、こういう時って勝手に入っても良いんだろうか?」
青葉(元師)「別に大丈夫ですよ。提督さんはちゃんと偉い人物なんですから、そういった心配はしないでください!」
「…その通りだな」
山風「提督、私が運ぶよ」
「いや、今は一人で歩かせてくれ。第一印象は大事だからな」
山風「…うん。分かった」
「ご苦労だった。後は俺達だけで行って来る」
青葉(元師)「了解です!活躍をお祈りしておきます!」ブルルゥン
そういって去っていくバスを見送り、再び鎮守府へと足を向ける。捻挫した足が少し痛いがそれだけだ。これから起こるかも知れない出来事に比べれば、この程度の痛みなんか気にしない様にしておきたい
「…行くぞ」ギィッ
正面玄関のドアを開けて中へと入る。内装は清潔を保っており、定期的に掃除をしている様で埃が溜まっている様子を見られなかった
しかしどうにも綺麗すぎる印象を受けた。まるで張り替えられたばかりの壁紙の様で、それが更に違和感を加速させた
「人の往来が少ないのか?カーペットに皴もないな」
天龍「靴跡も無いぞ?」
「まさか素足…な訳ないと思うけどなぁ」
執務室へと向かいながら辺りの観察をしながら進んでいるが、やはり何処を見ても綺麗すぎる。しかし奥に進めば血の匂いが漂っており、はっきりとした匂いまではいかずとも僅かに匂いが鼻に入って来た
ドア『まだ来ないのか!』ビリビリ
執務室のドアの前に立つと、中から怒号が聞こえてきた。声からして推定年齢は50代。地声のまま叫んでいたせいなのか、ゲホゲホと咳き込む声が聞こえてきた
ドア コンコン
ドア『チッ、入れ』
「失礼します」ガチャ
「トラック泊地所属の提督です。今回は私達の受け入れを許可していただき、誠にありがとうございます」
大将「ふん、ホントに赤ん坊にまでなったか」ギィッ
椅子から軍服に身を包んだ人物が椅子から立ち上がり、ドスドスと音を立てながらこちらに歩いてくる。その足からは明確な悪意を感じ、咄嗟に腕を構えてガードの体制を取った瞬間に鋭い痛みが腕に響いた
「っ!」ガンッ
蹴りの衝撃によって自分の体はサッカーボールの様に飛び上がり、そのまま後方の壁に向かって飛んでいくと壁に衝突してしまった
受け身を上手く取る事が出来ず、頭を思い切りぶつけた痛みに悶えていると、近くにいた艦娘達から明確な敵意を飛ばしているのを感じた。自分にではなく、自分を蹴り飛ばしたその相手に
大将「おい、壁にぶつかった程度で何で涙目になってる?」
「も、申し訳ございません」バッ
大将「それに部下の教育が出来ていないらしいな。こんな奴等がホントに使えるのか?」フンッ
「…使えるかどうかは私達の手腕です。それが提督という人のやり方でしょう?」
大将「新米が…生意気な口を利くな。お前はただ俺の言う通りに従っておけばいい」
「…」
大将「返事は!?」
脅すような言葉で威圧をかけてくる人物と、その光景を見て何人かの艦娘が限界を迎えているのか、小さく耳に嗚咽の様なモノが聞こえてきた
「…申し訳ありませんが、その指示には従えません」
大将「なんだと?」
「貴方を信用出来ない。私は彼女達の提督として、信頼の置けない相手に全て従えというのは無理です」
大将「…ま、貴様ならそう言うだろうな」
大将「ならば一人、お前の艦娘を寄越せ。それでお前等をここに置いてやる。あぁ、分かってるとは思うが、一番練度の高い奴だ」
「……」ギリッ
端からこれが目的だったという訳か。しかも練度が一番高い奴といえば電しかいないのを…コイツは分かっての事なのか?
「…寄越せ。というのも困ります。それに練度が一番高いという事は、私がその者に対して最大の信頼を置いている証の様なものです」
大将「ならばお前がここにいる間でいいから俺の傍に置かせろ。その間は俺の指示に従ってもらう」
「……何を「司令官さん」」
電「ご挨拶が遅れて申し訳ございません。暁型の四番艦、電と申します。私が一番練度の高い艦娘となるのです」
大将「ほう…?見上げた忠誠心じゃないか。自分から志願してくれるとはな」
電「それで、どうですか?」
大将「良い部下を持ったな。提督殿?」ニヤッ
「……」ギュッ
大将「部屋は艦娘共が使ってる宿舎があるからそこで寝てろ。客人…いや、同じ提督なんだ。仲良くしようじゃないか?」
大将「話は終わりだ。サッサと部屋に戻れ」
沸々と体の奥底から煮えたぎるマグマの様な熱を感じる。これは今まで自分が何度も感じてきた苛立ち。そしてどうしようもないと諦めそうになっている自分への怒りで今にも体が動いてしまいそうだ
電「司令官さん」
そんな感情を落ち着かせる様な優しい声のした方向を振り向くと、いつも通りの、何気なさそうな顔で、心配をかけまいと、精一杯の”作り笑顔”で
電「電は、大丈夫なのです」ニコッ
その声と同時に一人の駆逐艦が駆けだした。幼い体を揺らし、自分を飛び越えて目の前の提督大将に掴みかかろうとした所で
「待て!」
雷 ビクッ
「…申し訳ございません。部下の教育が足りませんでした」
大将「ふん。サッサといけ」シッシッ
雷「司令官!本当に『パンッ』…えっ?」
彼女の頬に向かって飛んでいった手は自分の後方から飛び、そちらを見ると愛宕が立っていた。その目に涙を浮かべながら
愛宕「…皆、行くわよ」
「…失礼します」
宿舎
「……」ギュッ
天龍「……」
艦娘達「……」
天龍「…なぁ」
「……」
天龍「どうするつもりだ?」
「…どうもしない。今はまだ」
天龍「…そうか」
雷「…司令官は分かってたんじゃないの?」
「……」
雷「答えてよ。司令官…」
「…あの司令官は以前出会った事がある人物でな。その時の反応を考えてもすぐには酷い事にはならない筈だ」
夕立「それって…大本営に報告しに行った時?」
「あぁ。あんな奴でも大本営の作戦に呼ばれる程の人物だ。下手な動きをして俺達に弱みを握られることをしようとはしないだろうし、すぐさまどうこうなるわけじゃないと思う」
雷「そんなの憶測じゃない!」
「その通りだ。そしてお前の考えてる事も憶測に過ぎん」
雷「…グスッ」
泣いている雷を尻目に、再び先程の出来事を思い返す
あの時、自分は電に助けられた。これから何を言うかを電が察知し、弱みを作ってしまう前に電が矢面に立って助けようとしてくれた
結果助けられた。もしあのまま続けて言葉を発していると、下手したら全員が反逆罪等で捕らえられたりしていたかも知れない
だがそうなってでも助けようとしていた。下手したら電が傷物にされるかも知れないという事を考えたら、どんな手段を使おうと助け出すと決めていたから
「電一人を取るか、全員を取るか…選択肢さえ電に奪われちまった」ギュッ
曙「…で、どうするつもりよ」
「…今は何も出来ん。それにここからは俺の仕事だ。お前等はいつも通りの業務を行っててくれ」
曙「分かったわ」
暁「司令官。絶対に落ち着いて、常に冷静によ」
「…あぁ。心掛けよう」
暁「…」
「お前等も今日は休め。明日から何が起こるか分からんぞ」
艦娘達「了解」
「部屋割りはこれに書いてある。各々確認しておくように」ピラッ
潮「…どうして私と提督が同じ部屋に?」
「一応言っておくがその部屋割りを決めたのは向こうだ」
龍田「…嫌がらせのつもりってわけ」
「だろうな。俺のお世話にわざわざ艦娘を付かせようなんて考えはない人間だろうし、潮のトラウマを知っての事だろう」
「それで潮に聞きたいんだが大丈夫か?一緒の部屋にいるのも辛いって事なら、タンスか戸棚の中で過ごすけど」
潮「だ、大丈夫です!提督にも少し慣れてきましたから…!」
ここで男性と言わない辺り、自分だけしか無理だと答えられてしまった。早々に潮の男性に対するトラウマを何とかしなければ…
「ん、他に何か聞きたい事はないか?」
時雨「一つ良いかい?」
「なんだ?」
時雨「提督はここをどうしたいの?」
「…ここをか」
時雨「鎮守府の状況改善が提督の仕事だよね?どうやって解決に導いていくのか聞いておきたいんだ」
「それに関してだが答えられないと言っておく。今はまだ考えてる段階だからな」
時雨「それって…向こうの対応によってはここを潰す事もするって事?」
「…トップがすり替わる位だな。完全に無くしちまえば深海棲艦がそこから上がってくるかも知れんし」
時雨「…なるほどね」
山風「あの、提督。お願いがあるんだけど…」
「どうした?」
山風「ここにいる艦娘達に会いに行っても良い?もしかしたら何か話が聞けるかも知れないし…」
「そういうことは許可なんか取らなくていい。自分の好きにやったらいいさ」
山風「う、うん…!」パァッ
「こんな所か?無さそうだから、今日はこの辺りで解散だ」
艦娘「お疲れ様でした」
「お疲れ様。皆ゆっくり休んでくれ」
それぞれの不安を胸に隠しつつ、皆が出口に向かって歩き出して部屋からいなくなると、部屋には自分と潮だけになった
「潮も今日は休め。辛かったろ」
潮「あ、でも、布団が…」チラッ
潮が目をやる先には一つの布団。詰めれば二人でも寝れるだろうが、そんなことをしたら死ぬのは確実だろう。主に精神的な意味で。こっちに関しては寝返りで窒息死するのではないかと思う
「それに関しては大丈夫だ。俺の方でベビーベットを用意してある」ズルッ
潮「…ホントに凄いですね。その鞄」
「しかも梯子付きだからな。俺一人でも上り下り出来る」
潮「…あの、提督」
「ん?」
潮「その…提督さえ良かったらなのですが、一緒に寝ませんか?」
「へ?」
潮「提督だからといって私達と同じ生きてる存在なんですから。少しは不安な様子を隠そうとしないとバレちゃいますよ?」
「…そんなに分かりやすい?」
潮「皆分かってると思いますよ。提督が電ちゃんを大事に思ってるのは皆知っていますから」
「…すまん」
潮「それじゃ、今日はもう寝ますか?」
「あぁ。すまないな」
潮「それじゃ、失礼しますね」ギュッ
…やはりデカい。頭の後頭部に潮っぱいが感じられるが、それと同時に潮の鼓動が頭を通じて聞こえてきた。脈打つ鼓動は少し早く、どう考えても平静というわけではなさそうだった
しかしそこから感じたのは恐怖によるものではなく、ましてや緊張なんてものでもなかった。どちらかと言えば不安を感じる様な鼓動で、何に対しての不安なのかは自分と同じ様だった
潮「布団に到着です」ポスッ
「…潮」
潮「はい?」バサッ
「電の事は大事か?」
潮「当たり前です」
「だよな。僕もだよ」
「…ありがとうね」
潮「…おやすみなさい。提督」
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天龍「…大丈夫か?」
「おっぱいが艦隊で攻めてきたと思ったら次の瞬間には口を塞がれて死ぬかと思った…」ゲッソリ