この学生、元放置提督 世界が変わっても、やることが変わっても、いつも通りにする。ただそれだけ 作:七福えると
現在PCを修理に出してるのでMMDや小説の投稿が遅れると思います。かなりの確率でデータが吹っ飛ぶらしいので、もし消えたら色々遅れるのは察して下さい
「…」カタカタ
大将「さっさとやらんか!そんな書類一つにどれだけ時間を掛けてる!?」
「申し訳ございません」
大将「まぁいい。俺は見回りに行ってくるからさっさと片づけておけよ。電は付いてこい」
電「…はい。分かったのです」
「…お気をつけて」
大将「ふんっ」バンッ
大淀「…電ちゃん、元気がありませんでしたね」
「…電」
ここに来てから数日が経った。電が大将の預かりとなって以来、自分は電の笑顔を見たことが殆ど無くなってしまった。電だけでなく、他の皆も顔から笑顔が少しずつ失われていっている
「大淀、ここの艦娘達の様子は?」
大淀「…怯えているというのが印象です。出撃や演習に力が入っている様子が見られないですね」
「ここの提督だけに怯えてるって印象だったか?」
大淀「はい。艦娘同士では見られなかったです」
「そうか…」
大淀「…ただ、一つ聞き逃しが出来ない事が」
「内容は?」
大淀「ここでは実弾を使った演習を行っているようです。その方が実戦に近い戦闘を出来るという理由で…」
「…あそこだけじゃなかったのか」
大淀「つい先日天龍さんが大破しましたが、あれは演習の結果だというのが本人から聞きました。肉体的な傷は完治しましたが、心の方に少し…いえ、かなりのダメージがあると思われます」
「それは俺の責任だ。まさか実弾だとは思わず、軽々とアイツに演習の許可を出した俺のな…」
大淀「幸いにも轟沈者はいません。大破ではなく中破以上で轟沈判定とされているので、そこまで酷い被害を受けている人はいません」
「…良し。今から一時間後に天龍と面会時間を設けようと思う。一応龍田にも声を掛けておいてくれ」
大淀「どうして龍田さんも?」
「アイツは天龍の妹なんだぞ?沈んでるアイツを見て龍田も大丈夫だとは思えないからな」
大淀「はい。分かりました」
「…さて、これで終わりっと」
大淀「では、私はお二人に声を掛けてきますね」ガチャッ
「頼んだ」
大淀が部屋から出るのを見送り、パソコンで行っていた作業をプリントにしてプリンターで出すと、ファイルにまとめて整理をする
書類の内容は主に艦娘の状態や海域に関する内容がほとんどだ。だが鎮守府の運営も提督の仕事であるので、金に関する事も基本的には行う様になっているが、流石にそこはガードが堅いと言うべきか、簡単に中を見られない様に書類ではなくデータで保存されているようだった
「…ったく。こういうのは書類に残して無能であって欲しいんだがなぁ」
ドア コンコン
「誰だ」
長門「戦艦長門だ。その声は提督殿か?」
「あぁ。とりあえず中に入ってこい」
長門「失礼する」ガチャ
黒い服に黒い砲門。ビッグセブンと呼ばれる目の前の女性からは立ち姿すら力を感じさせ、敵を威圧せんと力を魅せる迫力があった
…口から少し垂れている涎が無ければだが
長門「…?あ、あぁ、すまない」グイッ
「いや、うん…流石に食われると思うから涎は勘弁してくれ」
長門「無意識なんだが…」
余計タチが悪い。というか怖い。そういうのは天龍…あ、いや。この場合は怖いのベクトルが違うか。どちらかって言うと恐いの方があってる気がする
「それで?ここには何の用で?」
長門「あぁ、そうだった。実は電の事でな」
「…詳しく」
長門「電はお前の部下だろう?何故アイツが私達の提督を警護しているんだ?」
「…知らないのか?」
長門「何がだ?」
…何を考えてるんだ?こういうのは部下にも知らせて自身の立場を周りに理解させるものだと思ったが…
「いや、実は大将の命令で電をこちらにいる間は自分の傍に置けと言うんだ。流石に俺が逆らえる訳も無いから…って訳だ」
長門「ほう…?」
「…心当たりでもあるかのような顔だな」
長門「まぁな。アイツが同じことをしているのは一度や二度じゃない」
「知ってるのか?」
長門「あぁ。聞きたいか?」
「…対価は?」
長門「…次の作戦指揮を私に任せてもらいたいのだ」
「…はぁ?」
長門「アイツの作戦で海域を奪取することが出来るんだ。ならばビックセブンである私がアイツより優れた作戦だって建てられるのは明白だろう?」
「…はぁ?」(二回目)
長門「…お前、まさか信じていないとでも言うのか?」
「信じるどうこう以前の話だ。お前にはあの大将がどう見えてるんだ?」
長門「野蛮な作戦を使って海域を奪取している、提督の風上にも置けない奴だ。演習だっていつも命がけだしな」
「…確かにアイツの作戦はクソだ。捨て艦なんて現場を俺がいるにも関わらず見せてきやがる」
ここに来て二日目、アイツは海域を奪う手本を見せると言って艦隊を組み、艦娘を出撃させた
結果、大破四と中破二という中々にクソな結果を出してその海域は成功を収めた。轟沈した艦娘がいたが、刺激が強いだろうと意味で応急を持たせていたらしい。だが轟沈を受けた艦娘は、生き残った喜びよりも更なる絶望があった
続けて奴が言うには、艦娘には一度のチャンスをやっているらしい。一度は助けるがそれ以降は一切助けない。補給はしてもらう事はあっても、入渠はさせてもらえないとの事だ
轟沈さえしなければ入渠は出来るし飯も食える。だが一度轟沈してしまえばそれ以降はそういった施しは受けられない。生き地獄と化すのだと
だがその恐怖があるからこそ艦娘達は生き残る事に必死になり、それが海域の奪取に繋がるのだと言った。実際、大将がやった事は意外にも効果的な様で、既に攻略を北方海域に乗り出そうという所らしい
長門「だろう!?だが私ならそんなことをさせずとも、立派に艦娘を「無理だな」…は?」
「確かにアイツのやり方は下の下だろう。人としての心を失ったやり方だとしか思えんやり方だ」
「だがそれだけじゃ海域を奪取するのなんて不可能なんだよ。ちゃんと戦略ってもんが生きた上での成果なんだ」
長門「そ、それは…」
「それにしっかりと準備をしてやがる。練度や装備を不安が残るレベルで挑むのではなく、万全と言える状態にやって挑む。正に提督としてのアイツを見るなら一級品だと思うぞ」
「仮に俺と大将がまともに演習を行ったとしよう。そうなったら俺はボロ負け。例え同じ練度の
長門「だ、だからといって提督のやり方を認めるというのか!?」
怒りよりも哀しみに近い顔をしており、その目には涙さえ浮かんでいる。限界にまで押しとどめていた感情が今にも爆発してしまいそうな顔で、否定してほしいと懇願する顔の様にも見えた
「…認めるしかないんだよ。アイツのやり方は」
長門「ふっ、ふざけたことを抜かすな!」
「…長門、大将になる為の条件って知ってるか?」
長門「は、はぁ?」
「海域解放は勿論、演習の積み重ねによる評価や艦娘の練度等も加味されるのは当然の事なんだが…その中で特に重要視されているのが一つある。轟沈率だ」
「轟沈させれば今まで育て上げてきた艦娘が無駄になる。苦労して開発した装備も共に海の藻屑となる。そんな事態を引き起こす提督が有能と呼べるか?いや、そんな訳がない」
「だからこそここの提督は大将なんだ。そしてその地位に就くのに相応しい実績だって残している…この意味が分からない程、お前は馬鹿じゃない筈だ」
長門「…クソッ」
「というかお前はここの所属だろう?何故こんなことを知らないんだ」
長門「…私達は提督の事など何も知らん」
「……」
吐き捨てるかのように声を絞り出し、怒りを声からヒシヒシと感じさせる。まるで泥水の様に濁り切った大将への信頼と、目の前の
長門「だってそうだろう?知りたいと思うか?私達の扱いを道具の様にし、更には差別までさせようとチャンスという分かりやすい比較の対象を作り上げる。少なくともそんな奴の事なんか私は知りたくもない」
長門「…私達はアイツが嫌いだ。でもアイツがいなければ私達はここまで生きていない。だからここで生きるしかないんだ」
「運が良いのか悪いのか…ま、今の時代生きれるだけ運が良いと思える時代では無いからなぁ」
長門「…仮に私が作戦を立てて実行した場合、成功率はどう考える?」
「普段のお前を知らんから何とも言えん」
長門「…そうか」
「…一つ聞きたい」
長門「なんだ?」
「人として死ぬ、艦娘として死ぬ、軍人として死ぬ、今すぐ死ぬ、ここから選ぶのならどれがいい?」
長門「…なんだその質問」
「良いから答えろ」
長門「…私はどれも望まん」
「ほう?」
長門「どれも死ぬのには変わりないじゃないか。私は死ぬ為に生きるのではない。最後までこの戦争を生き延び、私達が守った平和をこの身で感じたいんだ。だから生きたいと思うし、死ぬわけにはいかないんだ」
「…最高の答えだな」
長門「そ、そうか?」テレッ
「その言葉、ここの艦娘達の総意と受け取った。ならば俺はそれに答えてやる」
長門「さっきの質問ってそんなに責任があったのか!?」
「ウソとは言わないよな?」ニコッ
長門「…見た目赤ん坊の癖に、何て笑い方をしてるんだ」フフッ
「…ありがとな。生きたいと思ってくれて」
長門「…当たり前だ。平和を感受するまでは死ねんさ」
「天龍、俺だ」コンコン
天龍「…提督か」
龍田「提督。悪いけど今は…」
「…山風、扉を開けてくれ」
山風「う、うん…」ガチャ
山風に扉を開けて貰うと二人が互いに寄り添うように布団で横になっている。その姿はまるで初めて出会った時の様で、気力とやる気のエネルギーを感じさせない光景だった
天龍「…入ってくんなって言ったろ」
「寝転がったまま言われてもな…もう指定した時間は過ぎてるぞ?」
天龍「罰でも何でも与えろよ。お前の好きにな…」
「…山風、すまないが少し手伝ってくれないか?」
山風「な、何を?」
「それはな…」コショコショ
龍田「ちょっと~?私達に内緒にする話をして何を考えてるの?」ムクッ
山風「わ、分かった。行ってくるね」スッ
「ん。任せた」トサッ
龍田「なぁに?また何か悪巧み?」
「それは内緒…ってことで」ワキワキ
天龍「お、おい…何だよその手は…?」
「ん?何って決まってるだろ」グッグッ
天龍「ち、ちょっと待て!流石にまだ心の準備ってもんが…!」
「…この体で出来る訳無いだろ。アホかお前は」ペチッ
真っ赤な顔して照れているのか焦っているのか良く分からない顔に向かって軽くデコピンをし、天龍の頭に指を置いてゆっくりとツボらしき部分を刺激していく
昔何度か見た人体の構造やツボ押しの画像を記憶から引きずり出し、それらしい部分を的確に狙って指圧する。艦娘のベースは人間と変わらない筈だから、おそらくこれで合っているはずだ
天龍「…何してんだ?」ムニムニ
「顔マッサージ。この体だからツボとか押せないけどリラックスする位なら出来ると思ってな」
十分に手の運動は出来たので天龍の顔を優しくこねる様に触る。ハリのある肌で、顔にはシミの一つさえない。ノーメイクでありながらまつ毛も綺麗なのは艦娘の特権とも言えよう。この世界では真反対に取られるが
天龍「…ちょっとあったかいのが良いな」
「そりゃどうも」
龍田「…良いなぁ」
「龍田には別でやってやるから。今は天龍を労わせてくれ」
龍田「は~い」ゴロン
天龍「…怒んねぇのかよ」
「何が?」
天龍「演習の事だよ。俺、駆逐の奴等を思いっきり攻撃しちまったんだぜ?」
「あれは俺のミスだ。そこに気付かなかった俺のな」
天龍「…涙目だったんだ。アイツ等」
天龍「演習って聞いて盛り上がっちまってよ、意気揚々と準備して、その光景を見ていた駆逐の奴らが全員涙目だったんだ」
天龍「あの時はアイツ等が演習は怖い程度の認識だったんだ。でも実際は…相手をする俺達に沈められるかもしれないっていう恐怖だったのを知ったよ」
天龍「…そしたらここの提督がやってきてよ。何て言ったと思う?」
天龍「良く生き残れたな。偉いぞ…って、そう言いながら駆逐艦の頭を撫でてやがった」
…パワハラ上司とDV彼氏が融合したみたいな奴だな。命の危険がある演習を用意したのは自分の癖に、それを乗り切ったら褒めて相手の自尊心と相手から必要とされているという自己肯定感を利用したやり方だ
命が助かりたければチャンスという信頼を大切にしなければならないという、命=信頼の方程式が出来てしまっているこの鎮守府ではこれを覆すようなやり方はおそらく不可能だろう。何故ならここに艦娘達の自己肯定感というものがあるからだ
自己肯定感とは言わば自信だ。他者から自身を肯定されることで自信が付き肯定感が上がる。今回の場合は良く乗り切ったという相手から目に見える信頼を受け、それが自身を必要とされている肯定感の上昇に繋がっている
これを利用してDVしている人物から逃れられないという現場を作るのが上手い人間がいたりするが、アイツはこれに当てはまるのだろう。団体でこれが出来るアイツは本当に天才的だと思う
これの解決方法としては、第三者からの視点による指摘や相手が消えるといった事が必要となってくる。相手が異常だと第三者から指摘され、自分がおかしかったのだと自覚出来れば自然とソイツから離れる事が出来るし、何なら力づくで相手と引き離せば解決することも多い。これは相手が消える場合に当てはまるな
相手が消えるパターンとしては、自身の自己肯定感の元となる相手がいないので、初めの頃は自身の喪失や自己肯定感が異常に低くなってしまうという状況になってしまうが、時間が経つに連れて自分はおかしかったのだと自覚していく。その過程でも洗脳するように話すのではなく、世間の常識に合わせる様に話す事で解決することが多いはずだ
まぁどれもが自分を顧みる事が出来なければ何の意味もないのだが…長門の様子を見るにそれは大丈夫だろう。その点だけは苦労せずに済みそうだ
「…艦娘によるが、数名は提督に絆されてそうだなぁ」
天龍「撫でられてた奴、笑ってたんだ。ホントに、嬉しそうによぉ…」グッ
天龍「…アレは間違ってる。だから俺が何とかしてやらねぇと」
「…確かにやり方は間違ってる。だが全部が間違っている訳じゃない」
天龍「…どういうことだよ」
「アイツ等は死にかける事が多い。俺らから見たら異常に見える事も笑って感受している。この点だけを見たら直すべき点だが…それでもアイツ等は生きている。お前等より練度は上だし、成果だってしっかりと残してるんだ」
天龍「だから止めねえってか!?」
「落ち着け。そうは言ってないだろ。まぁ現時点では止める手立ても何も無いってとこだが」
天龍「…なんでだ?」
「結果として残ってる。それだけで止める理由が無いんだ」
「…俺もな、正直どうしたら良いのか分からん。結果をしっかりと残してるから今行っている事を全て止める事は出来ない。かといってこのままで良いわけではない。完全な板挟みだ」
天龍「…畜生」
悔しそうに唇を噛み締めて話す天龍。すぐそばで聞いている龍田も複雑な表情をしており、どうにも出来ない現状にイライラする三人の姿がそこにあった
「…お前は辛そうな艦娘に寄り添ってやれ。今すぐどうこう出来ない以上、原状回復に努めるしかない」
天龍「…分かったよ」
「さて、これでマッサージは終わりだ。少しは楽になったか?」
天龍「…そういえば少し鼻がスッキリした気がするな」
「簡単なマッサージだったからその位しか出来ないが、それで許してくれ」
龍田「それじゃあ、私もマッサージしてもらえるんですか?」
「それも考えたんだがなぁ…どうにも思いつかなかった」
龍田「え~?もしかして、私だけ何も無しですか?」
「ま、そうだな。ならお前の溜まってるもん吐き出せ。それを黙って聞いてやるよ」
龍田「…なら、少しこっちに寄ってくれないですか?」
「ん?それはい『グイッ』ちょ」ボフッ
龍田「提督つっかまえたぁ~♪」
二つのプリン山に埋もれ、モチモチとしている自身のほっぺが龍田の双山に粘りつくかの様にフィットする。挟み込まれる二つの山に幸福を感じさせるが、向いている方向が天龍の方向だった為、窒息するのは避けられたのが救いだろう。目の前の人物から刺さる視線を除けばだが
「そんなに興味があったのか?」
龍田「勿論、いつも駆逐艦達ばかりでしたからね」
「…もっと他の奴等と話す時間が必要そうだな」
天龍「…ロリコン野郎が」
「断じて違う。ただ子供が好きなだけだ」
龍田「人はそれをロリコンと呼ぶんですよぉ?」
「…いや、良く考えたらこの状況で言うとお前等の方が酷いか」
龍田「何か言いました?」
「なにも?」キョトン
龍田「…今だけはこうして抱きしめさせてください。それだけで私は十分ですから」
背中で龍田の体温を感じていると龍田の指が自分の背中をなぞり始めた。それは文字を書いている様で、何文字か書くとそっと背中をはらわれた
「分かったよ」
龍田「ふふっ。ありがとうございます」
天龍「…お前等、何か隠し事してねぇ?」
提督・龍田「「何も?」」
天龍「…息ぴったりなのが余計に怪しい」
山風「提督、連れてき…」ガチャ
雷「…えっと、お邪魔だった?」
暁「…羨ましい」
響「私も提督と一緒に寝たいのに…」
天龍「ちょっ…どうしてここに?」
雷「天龍さんが演習で凹んでるから励ましてくれって呼ばれたのよ。けど龍田さんも凹んでるとは思わなかったわ」
龍田「天龍ちゃんが可哀想になるくらい凹んでたからね〜。それを見てたら私も悲しくなっちゃって~」
雷「…もう。天龍さんは何でもかんでも背負い過ぎよ。龍田さんは天龍さんの心配しすぎ」
暁「まぁ…気持ちは分からないでもないけどね」
響「そろそろ私と一夜を共にしてほしいんだけどな…」(でも提督と寝るのは違うんじゃないかな)
暁「本音が出てるわよ」
山風「…私はママだから一緒に寝ても良いよね?」モゾモゾ
「うぇっ?」
響「私も入るよ」モゾモゾ
龍田「ち、ちょっと。流石にそんな大人数は入らな…」
天龍「…提督、今日は俺らの出番はないのか?」
「あぁ。天龍と龍田はこれ以上の予定はない。雷、暁、響もな」
天龍「よっし。お前等、一緒に昼寝でもするか!」
暁「え、良いの?」
天龍「こんな時は寝て気分を変えるさ。だから協力してくれ」
暁「…ふふっ。そういう事なら協力させてもらうわ」
「山風、そろそろ俺は仕事に戻らなきゃいけないから寝てないで運ぶの手伝ってくれ」
山風「え?」ムニムニ
「…龍田の胸を揉むんじゃありません」
龍田「…私も少し母性って物が分かった気がするわぁ」
響「…私より大きい」
「収集付かなくなりそうだな…山風、行くぞ」
山風「あ、うん。皆、またね」
天龍「おう。何かあったら言えよ。お前も俺らの仲間なんだからな」
山風「…うん」
…自分の知らない所で山風も色々悩んでいた様だが、天龍達が解決したのか。少し嬉しそうな顔をしているのは気のせいじゃないだろう
雷「山風、提督の事お願いね!」
龍田「それじゃあね」フリフリ
「それじゃ、執務室に向けてしゅっぱーつ」
山風「ぽ、ぽっぽー//」テレッ
艦娘達「…」ジトッ
「ひゅっ、ひゅーひゅー」
2000
「…」カタカタ
大淀「…」カリカリ
二人の作業する音が部屋を響く。本来そこにいるべき人がおらず、寧ろそれが不気味さを増進させた
「…大淀」
大淀「はい」
「アイツの一日って分かるか?」
大淀「大将なら1800に晩御飯を済ませたのを確認してますが、それ以降のスケジュールはプライベートという事で確認が出来ません」
「そうか…」
大淀「…電ちゃん、いませんね」
「…アイツ、風呂に来てたか?」
大淀「…見ていません」
「…」ブルッ
一瞬だけ震えが体を走り、まるで死が寸前まで迫っている様な恐怖を感じた。死の恐怖は命を示すものではなく、精神的な方だと感じれるには分かりやすい程の
大淀「大丈夫です。そんな事はあり得ませんから」
「…可能性としては何が考えられる?」
大淀「出撃、遠征等だと思います。それか…別鎮守府に移動する為の護衛艦として連れて行ったものかと」
「あぁぁ~…そういえばそんなのあったなぁ…」
通常、提督が他鎮守府に顔を出すというのは演習を近くで見たいという特別な事情が無い限りはそういった事は無い。だが階級が上の人物になってくると他鎮守府の視察や連携を組むために直接赴く事がある。自分の場合は鎮守府の移動な為、視察という事情を抱えてはいるがそれは表向きの物ではない。あくまで視察は上の者によって行われる事が殆どなのだ
「…その行き先は知ってるか?」
大淀「極秘事項との事です。流石に私もここの執務に関わる事は出来ませんから」
「だよなぁ…」ハァ
大淀「…大丈夫でしょうか?」
「…強いて言うなら疲労状態だな。少し疲れてるみたいだ」
大淀「なんでわかるんですか?」
「ウィンドウが教えてくれる」
大淀「はい?」
先程から目の前に現れているウィンドウ。編成、出撃、補給、改装、入渠、工廠の六つのギアアイコンが視界に浮かんでおり、秘書官のいる場所には大淀が起立している。完全にWeb版のあの画面そのものだった
編成の欄から全員の名前を確認し、電の欄を見ると疲労の表示があった。体力と補給はマックスな所を見るとおかしな事をされている訳ではないようだ
「大将が帰ってくるのは何時だ?」
大淀「えっと…明日の1100です」
「…良し。鎮守府を見回ってくる」
大淀「執務はどうします?」
「終わらした」
大淀「え?」チラッ
書類の山『承認待ち』
大淀「…何時の間に」
「現実逃避には丁度良い。後のハンコ押しだけ任せた」スタスタ
大淀「了解しました。お気をつけて」ビシッ
「…ドアだけ開けてくれない?」ピョンピョン
大淀「…ふふっ」クスッ