この学生、元放置提督 世界が変わっても、やることが変わっても、いつも通りにする。ただそれだけ 作:七福えると
最早遺書だな。調査書というよりかは日記みたいなものだ。まぁ書く事も正直殆どないし、こうなるのは必然だろう
心残りなんて山ほどある。そのどれもが成し遂げられない可能性だってある。でもそんなのは当然だ。それが出来なかった自分の責任で、嫌だと思った事に正面から向き合えない自分の弱さだ。だから後悔と自責の念に駆られる。そして耐え難い怒りに身を焼かれる
そんな後悔をするなと皆に教えなければならない。後悔なんてものは一生残る。ならば人として、彼女達に教えてから発とう。後世にとまでは言わない。せめて自分の知りえる彼女達だけにはこの事を教えておかないとな
久々に楽しい事になってきた。やっと新たにやってきた新天地は最悪よりマシな場所ではあるが、丁度良い踏み台になりそうな手強さだ。ここなら少し満足出来るかも知れない
…そういえば最近、人の話す言葉が多少だが理解出来る様になってきた。普段は日本語がぼんやりと分かる外国人の様に聞こえていたんだが…自分の成長か、それとも変化か。叶う事なら前者が良いな
【自分達の鎮守府】
少し前、鎮守府が一部修復完了したとの話を聞いた(鎮守府崩壊から約20日程経過)
入渠施設はドッグが一つ修復完了。建造施設はまだ半月ほど作業しないと一つも使えないとの事だった。しかし装備開発、艦娘寮、倉庫、執務室は全て修繕が完了したらしい。艦娘寮はそこそこ大きかったのでもう少し掛かると思ったが、そこは他鎮守府から妖精さんもやってきて大工の人達と協力し合った結果早く終わったと聞いた。本当に感謝しかない
だけどまだだ。完全に鎮守府の運営を可能かと言えば正直微妙な所ではある。建造は出来ないし、ドッグだって一つだけ修復完了しただけだ。もうしばらくはここの鎮守府で過ごす事になりそうだ
しかしせっかく修復したというのに使わないのは勿体無い。せっかくなら誰か誘ってあそこにしばらくの間住んでもらう事は出来ないだろうか?
艦娘は…暇な奴が思いつかないので却下。かといって他鎮守府の人間を住まわせる訳にもいかない。とすれば後は深海棲艦達なんだが…それはそれで大問題として扱われるよなぁ
とりあえず宛てが全くと言って良いほどに思いつかない。しかし無人にするのもいけない。八方ふさがりだ
…しょうがない。あまりやりたくは無いが、警備勤務バイトと言う事で人を数人雇っておこう。緊急時のマニュアルも大淀と相談しながら作って、そこに元師も加えれば何とかなるだろう。元師も一般人に提督をさせるくらい人が少ないんだし、これくらいなら許されるはずだ
だが問題は雇った人間の人柄だ。ここをかなり厳しめに設定しておかなければ、艦娘を良く思わない人なんかがやってくるかもしれない。自分に人を見る目があるとは思えないしここも元師に投げよう。何かあれば一応元師も受け皿として役割を果たさなければならない筈…だよね?
一番はこの世界の何処かにいるはずのアイツに頼めれば良いんだが、どうにもきっかけがない。何とかして狙いすますかの様に連絡が送れれば良いんだが…
…あ、あった。確か妖精さんが家に初めて来たときがあったが、あの時点ではまだウチの場所など知らなかったはず。電話の逆探知等の可能性もあるが、そもそもPCの画面に唐突についたあの画面でさえも偶然ついたとは思えない。間違いなく何らかの力が働いているだろう
アイツならおそらく捕まる筈だ。計算でも推測なんてものでもないただの勘でしかないが、こう考えている時点で必ず会える。今の自分は世界の主人公だからな
そうと決まれば今から考えよう。どのような文脈にするか。どうすれば人は集まるか。妖精さんに何を対価に頼むか。考えるだけでワクワクしてきたな
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【チュートリアル終了?】
良い人が周りに多い。そして自分を助けてくれる人が周りに大勢いるのを自分は知っている
だがそれもここまでだ。鎮守府の完全復活が見えてきた以上、これからは周りに味方なんていない日々だ。提督という立場の自分を支えてくれる人はいるものの、自分を助けてくれるという意味では自分の周りに同じ立場の人間がいなくなる
自分達の鎮守府に帰った時、自分はそこで誰の助けも借りずに活動する提督として定められる。提督としての先輩はいるものの、その人に助けを求めても助けてくれるか?なんて言われたら答えはNoだ
それが分かるからこそ吐き気が常に胃に溜まっていて、少しでも虚勢を張っている事が出来なければすぐにでも吐いてしまいそうだ。それでも投げ出したいとは考えないが
これは自分が選んだ道だ。絶対に幸せになれる事はない。だが自分がいた事でアイツ等を少しでも良い生き方を見せてくれるというのなら、自分はここにいる理由になりえる
だから頑張らなければならない。もう自分に助けてくれる人はいないんだ。だから心を殺してでもあらゆるものを学べ。じゃないと自分達は破滅してしまう
進む事を止めた奴等なんて今まで良く見てきただろう?自分もそっち側だった事も忘れてはならない
まず学ぶのは書類仕事の方だろうか。自分は他人と比べて成長が三倍ほど遅いので、対応策として今からでも出来る限りの事を学んでおくのが良いだろう
戦術は後回し。とにかく今は書類方面を頑張らないと後々大変な事になりそうだ
それと作戦だな。いつか訪れる大規模な作戦に備える為にも資材等を準備しておかなくてはならないのだが、正直そんな事起こり得ないとは思っている。まぁ理由は言わずもがな、深海棲艦が陸に遊びに来ているからだ
本当は偵察に来ているかも知れないのだが気にしなくて良いと思っている。というか多分この世界の住民は例え人理焼却起ころうが世紀末になろうが生きてる気がするし、やろうと思えば深海棲艦にも余裕で勝利してそうだ
しかし優しい世界かと言えばそうではない。いつだって世界は自分に厳しいし優しくない。少しでも世界に生き抜こうとする人だけが強くその世界を生きれるのだから
……まるっきり自分に対してのブーメランだな。逃避してばかりの自分に良く言えたものだ
そろそろ先に進まなくては。そう思ってどれだけ足踏みをしてきたか…いい加減に勝つことを覚えるべきだ
いつまでもチュートリアル気分じゃ駄目だ。初心者じゃ駄目なんだ。ベテランに。熟練にならなければ駄目なんだ
今の自分に何が出来る?そう考えて浮かぶのはやはり先程記述した事だろうか。それ以外に何かあるかと言われれば知識を蓄える事と備えをする事だろう
備えと言っても物資だけを備えればいいというわけではない。人を準備し、様々な状況に対応出来る人間を育てなければならない。且つそれを見極められる目も鍛え、人間的に自分も成長しなければならない
考える程に備える物が増えていく。しかもそれが本当に必要な物なのか分からない。もっと明確化しておかなければ分からないだろうか?いや、しかし…あ〇がひつよだとしたら何がいる?もっっと必要性を考えなければならない
…考える事が多すぎて文字もぶれてしまっている。というか見返しても何書いてるんだこれ。文脈が滅茶苦茶だ
やめやめ。とにかく目の前の出来事に集中して挑もう。あとの事は未来の自分に任せりゃいい。そういう訳だから任せた!未来の自分!
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【自身の適応について】
あまりにこの世界に…いや、正確に言うなら司令官と言う立場に適応してきている自分がいる。悪い意味で
権力という力を自分は得た。結果的にそれが気持ちの増長に繋がっているのを実感する。これが不味い
最近は自分の行動に制限をかけられなくなってきている。幾ら何でも自分はここまで衝動に近い行動をする人間では無かった。衝動的に物を叩いたりしたことはあったものの、人を、しかも女を殴るなんてしなかった。一体俺はどうしてしまったんだろう
自分は子供だ。年齢と経験は重ねたが、器、精神、知恵、どれを取っても小学校辺りで止まったままだ。時計の針が錆びついてしまった様に成長が止まった。そしてそれを振り返ろうともしない自分がいる
権力というのは言わばその人物の力によって相応しい立場がある。自分はそこまで提督としての能力は無いし、何なら器でさえも小さい。そもそも提督の器ですらない人間だ
何か嫌な事があれば器を壊して新たに自分の器を作り上げるという事をせず、
自分が今まで行動出来ていたのは無謀だからだ。後の事など考えず、大局を見据えて行動することが出来なかった。今まで上手くいっていたのは偶然で、周りの助けがあったからこそだ。ここから先はそんなことなど一切起こらないと考えるべきだ
自分がこのまま堕ちていくのは良い。自分の行動の結果そうなったのだから後悔はないが、許せないのはそれに他人を巻き込む事だ
自分の部下である艦娘達を巻き込んでしまう。全く成長の出来ていない自分ではアイツ等を守れない。このままではアイツ等と共に地獄へと落ち、最終的には誰も幸せにならない
そんな事許されない。自分が幸せでないのは別に構わんが、そこに他者が巻き込まれるのは嫌だ。死ぬなら自分一人で死んで、堕ちる所まで落ちてやる
やはり自分にとって代わる人間が必要だ。そして自分はサッサとこんな場所からオサラバしなければ
…まぁ、ここから去ったら自分は何も持たない人間として死ぬ以外の選択肢が無くなってしまうのだが、周りに迷惑をかけてしまうのならサッサと死んでしまおう。幸いにもここにはそれを可能とする道具や手段だってある。死ぬときはあっさりと死のう
死を怖いと思う自分がいる。このままここで甘えて生きたいという自分がいる
でも、それは結局死んでいるのと変わりない。ただ生きているだけ。何も成さず、成長さえせず、呼吸と食事と排泄と睡眠を繰り返す。そんなのは死んだのと同じだ
だから死ね。堕落した生き方をするくらいなら頭を打ち抜いて死ね。呼吸が怠くなる程に毎日を生きる位なら首を括って死ね。動く事すらめんどくさくなる体なら全身骨折でもしてそのまま死ね。そんな死に方がお似合いだ
これは自分との約束。もし堕落した生活を続けるなら、もし成長を辞めてしまえば、その時は迷わず頭を打ち抜け。そして自分を許すな。天国に行きたいと考えず、ただ地獄へ落ちる事だけ考えろ
死さえ周りに迷惑が掛かる時代だ。だからこそ死ぬときは誰にも知られず、自分のいた痕跡を一切残さず、自分を気にする人を一切合切無くし、全てから縁を切れ。それが自分に出来る精一杯の片付けなんだから