この学生、元放置提督 世界が変わっても、やることが変わっても、いつも通りにする。ただそれだけ 作:七福えると
提督「っしゃぁ!出来た!」
電「何が出来たのです?」あ、上がりです
夕立「お仕事終わったの?」こっちも上がり~
島風「提督やっと終わったの?遅くない?」今0135だよ
提督「……ここ執務室なんだけどなぁ」というか何でこんな時間にトランプしてんの
島風「それで?何が出来たの?」
提督「…仕事だよ」
島風「やっぱり」
夕立「それじゃ、私達も部屋に戻ろうか」
電「はいなのです」
提督「あー待て待て。三人いるなら丁度良いや」
夕立「丁度良い?」
提督「明日…というより今日の0900から朝会しようと思ってな。と言ってもただの連絡事項だから、何時もより早起きして皆を食堂に集めといてくれないか」
電「承知しました。とするとあの件ですか?」
提督「そう。それ」
夕立・島風「「アレ?」」
提督「2人は最近秘書艦してなかったから何のことだと思うだろうな。これだよ」ペラッ
書類『鎮守府公開祭』
夕立・島風「「鎮守府公開祭!?」」
電「司令官さん、最近こういう役回りばかりですよね」
提督「一般人上がりが出来る事なんてこのくらいだよ」
夕立「球技大会での事もあるし、人集まるのかなぁ?」
島風「絶対に集まる。だから事前に起こり得る危険に対して備えを考えとかないと。球技大会の頃は深海棲艦が参加する形になってたけど、ここは深海棲艦がいる鎮守府。下手したら深海棲艦に乗っ取られようとしている。なんてことを言う人が出てくるかも」
夕立「私達全員を危険視してくるのは当然だろうけど、少しでも和解を目指す姿勢を目指しているって思ってくれたら御の字じゃない?」
島風「んー、でも難しいよね。悪事千里を走るってことわざがあるけど、悪い事ではなくても人の話なんて一気に広がるもんだし、それに今の時代だとねー」
提督「……ウチの娘達。先のことまでしっかりと考えてて、頭良いわね」
電「
提督「ウィッ。と言うことで皆おやすみ」
三人「おやすみなさい」
翌朝 0900
提督「ということで、鎮守府公開祭しまーす」
艦娘達(どうして?)
提督「全員、ここ最近は結構暇だったりしたろ。出撃の数は激減して演習だらけだったしな」演習も夜戦なしだったし
天龍「……で、それと公開祭になんの関係があるんだよ」
提督「単純な話、公開祭に出せる物を作ってた。お前等の日常というな。というわけで妖精さん。持ってきてくれ」
掛け声の様な指令と共に食堂のドアが開け放たれ、4人グループとなった妖精さん達が幾つかある四角い箱を協力して持ち運び、せっせと提督の前に置いていく
箱自体はそこまで大きくない。しかし妖精さんの体を考えれば4人で運ばないと難しいのだろうが、それにしては運んでいる時に紙が擦れるような音が何度も聞こえてきた
山風「提督、それ何?」
提督「写真。結構な枚数あるぞ。お前等の日常を教える事で親近感持たそうと思ってな」ガサゴソ
龍田「……写真?」
提督「えーと、まず1つ目。出張間宮さんのアイスを交換して食べていた所、カラスにアイスのコーンごと盗られて絶望している山風の写真」ピラッ
山風「えっ…」
提督「鏡に向かって笑顔の練習をする曙。そしてそれを天井から顔を出して見守る川内。那珂ちゃんのアイドルポーズや他艦娘のポーズも加えて、その数なんと30枚以上」
曙「なっ…!ってか川内!アンタ見てたの!?」
川内「えっ、いやぁ…そのぉ…」
提督「外出した第六駆逐隊。コンビニの酒売り場で酒を眺めながら、片手に酒のツマミと籠の中に大量のお菓子。ただただ絵面がヤバい写真」
電「だって艦娘ですし」
暁「別に良いじゃない」
雷「ツマミじゃなくてオヤツって言って。お酒は入れてないんだからいいじゃない」
提督「隠語みたいに言うな」
愛宕「店員さんが滅茶苦茶困惑してるわね…」
響「別にそれくらいなら構わないよ。恥ずかしい物でも無いんだしさ」
提督「おっ。じゃあコンビニで皆の目を盗んでレジにアレを持っていったお前の写真は見せて良いんだな」
響「なっ、まさかっ。いや、司令、でも、それはっ」
天龍「うぉ。スゲェ焦ってる」
夕立「アレってなあに?」ポイ?
愛宕「…とりあえず、アレね」
愛宕「全員!写真の中を徹底的に調べるのよ!1つでも見せられないものは破いていくこと!」
全員「了解!」
そこからは、まさに嵐だった
写真は様々あり、隠し撮りされていたものが殆どでした。角度から考えるとテレビやエアコン、扇風機や観葉植物等と予想されます。外に出ている写真も大体人の手から撮られた物からやや上辺りからの写真などもありました。これは恐らく妖精さんでしょう
その中の一部で言うと、利根さんと筑摩さんが扇風機の前に立っている写真と、扇風機から見た写真の二つがあり、2人のク□スボンバーが提督にヒットしました
曙さん、島風さん、川内さん、天龍さん、龍田さんの5人が机を囲み、紙とダイスで何やら一喜一憂する場面があったり、かと思えば夜戦で敵艦隊を撃退する5人の姿が写真で撮られていたりしました
良いカッコをしている写真。少しドジなミスをした写真。とても言えないような写真。そのどれもが過去を忘れ去った様な写真ばかりでした
半分以上の写真が破り去られた頃、ようやくマトモな写真が出揃ってきた頃…
提督 1/8 大破
潮「…殆ど使えません」ビリビリ
利根「今度から扇風機には近付かん…」ビリビリ
響「司令官のスマホも確認しておく?」
提督 ピクッ
龍田「やめときましょ。どうせゲームとR画像しかないわ」
電「どうせなら何枚かネットに流すのです」タプタプ
天龍「やめてさしあげろ」
ビスマルク「で、提督。写真だけじゃ人は集まらないわよ。他になにかするんでしょう?後、公開祭っていつの話?」
妖精(提督代理)『今から1ヶ月後です』E.看板
曙「1ヶ月!?馬鹿じゃないの!?」
島風「いくらなんでも早すぎない?」
妖精(提督代理)『告知自体は球技大会の開催と同時期に宣伝してました』っ球技大会開催のチラシ
ビスマルク「Hm…ホントね。球技大会の下に書いてある」
ル級「ンー…これ、もしかして球技大会に来てくれた人達以外も来るんですよね?」
妖精(提督代理)『そのとおりです。来場者の予想は、球技大会に参加してくれた人が3-4割。残りはニュースや噂。ネットなどを見た人が集まる想定です』
ル級「その理由は?」
妖精(提督代理)「ネットと球技大会の時にアンケート取ってました。ネットでは興味ありが80%越え。他は関心なしです。球技大会ではさらに細かく取ってたんですが、興味ありが大体50%。参加希望が30%。その他が残りを占めてます。理由は遠くて行けないだったり、仕事があるから無理。との返答ですね」
電「必然的に人が多く来る事が事前調査で把握しているため、公開祭とはいえここは軍事基地です。当然、かなりの厳重体制を敷く予定です」
夕立「妥当だけど、公開祭って何日あるの?こういうのって一日だったり数日間行われたりするものだよね。その間の出撃や演習、遠征は?」
提督「しない。安全第一だからな」3/8 中破
利根「回復早いな!?」
提督「出し物については元師のところが企画したものをすることになっている。ウチはただ場所を貸すだけって所だな」
ヲ級「私達はどうすればいいのでしょう?」
提督「出ろ。懸念してることは分かってる。その上で言う。出ろ」
提督とヲ級さんの間に緊張が走っている。ワンテンポ遅れて周りも何を言いたいか察し始めていた
深海棲艦である自分が出ても良いのか。自分が出ることで周りの人間はどういう手段に出るのか分かっているのか。過去に球技大会で深海棲艦が出たとはいえ、あの頃から更に近い距離で深海棲艦が出る。それがトラブルを引き起こす事は必然だと思われるが、本当に問題ないのか?
ヲ級さんは何も言わない。しかし考えている事だけはありありと伝わってきた。そしてそれあ私達の考えでもあった
ヲ級「…手を出してきた時は?」
提督「やり返せ。やりすぎない程度に」
大淀「正気ですか。提督」
提督「やりすぎなければ問題はない。一時は大問題になるだろうが、時間を経れば間違いではなかったとなる。それは騒ぎ立てた人間に教える様に別の人間が声を出し、便乗する者が現れれば対抗するかのように、また別の人間が声を出す。そうやって争いになってしまえば、後は人間の中で勝手に終わる」
提督「むしろ何もしない事をするな。やられたらやり返せ。良い事も悪い事も。等価交換だ」
ヲ級「相手が返す保証はありません」
提督「だがしなければ他の深海棲艦の評価になる。人間はそこまで細かく物事を分析出来るかと言われたら、しっかり向き合って考えでもしない限り出来ないもんだ」
大淀「…提督の考えは分かりました。しかし深海棲艦に対してのお考えは分かりましたが、今回の公開祭で他鎮守府からどういった評価を得るか。上の人間がどう見るか。深海棲艦相手に恨みを持った人間の強行など、考えたらキリがありませんが、その全てに対応出来る方法を考えていらっしゃるのですか?」
提督「全部は無理だ。考えられない」
大淀「では、先ほどの発言は軽はずみに言うことではありません。ある程度は考えられているなら私も納得しましたが、それは私は首を縦に振れません」
提督「……大淀。茶番は勘弁してくれ。わざわざ周りに教えようとしなくてもいいから」
大淀「あ、いらないおせっかいでした?」
天龍「あー…うん。何となく分かってた。大淀がいないとウチが回らないのは周知の事実だしな」大淀が知ってないとおかしいし
大淀「でも提督の考えなしを教える意味もあるんですよ?これくらいは考えられなくては困ります」
提督(俺だって考えてるっつーの) 2/8 大破
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提督「んで、出し物についてだが、学校の文化祭…つっても分らんか」
時雨「それなら大丈夫。漫画とかでよく見てたから言いたいことは分かったよ。出し物は複数から来るんだよね?」
提督「学校の文化祭って言葉だけで複数来るとこまで良く辿り着いたな…」
提督「時雨の察した通り、今回の公開祭は他鎮守府を巻き込んだデカいイベントだ。その理由はさっき言っていた深海棲艦についてだな。ウチが進めてきた深海棲艦との和平で利益取ってるとこだから、少なくとも協力してくれた鎮守府を疑う必要はないと思うぞ」
大淀「警備や公開祭のブースについては他鎮守府から数名の艦娘が何人かここにいらっしゃって行う予定です。一つの鎮守府から1-4名来るのですが、全体で87人来ます」
川内「はっ?」
龍田「あら、大所帯ね」
提督「正直大変だったからな。人数集めから各鎮守府への連絡。時間のスケジュール調整に深海棲艦への和平交渉を合わせた今回の公開祭への招待…マジで休んでる皆が少し羨ましかった」
曙「さらっと凄い言葉が聞こえてきたんだけど」
雷「聞き流しちゃいけないくらい大事な言葉が聞こえてきたわね」
ヲ級「私、何も聞いていないんですが」
ル級「私もデース」
提督「今回はお前らを矢面に立たせてするわけじゃないからな。お前らはただ自分達の生活が覗かれる事を恥ずかしく思いながら公開祭を楽しんでくれたらいい」
潮「…提督。本当に大丈夫なんですか?」
提督「大丈夫…とは、実は断言出来ない」
潮「何故です?」
提督「それを聞くか?」
…分かってる。私たちは戦争をしてきている。だから人間と深海棲艦で必ずいがみ合いは起こる。その結果を予測するのは火を見るより明らかだ
提督「さっきヲ級達にやり返せと言ったのは、人間たちに対してだけじゃない。深海棲艦側にもどの程度なら問題にならないと教えるためでもあるんだ」
提督「深海棲艦はその殆どが陸での事など知らないんだ。だから常識なんかも欠けている事が多々ある。そこでお前たちが自分から行動してやって良い事と悪いこと。その線引きを行動で教えてやるんだ」
山風「…提督、今回の件、どこまで考えてる?」
提督「どういうことだ?」(。´・ω・)ん?
山風「提督が下準備をしっかりする人間だってのは知ってるよ。カードゲームでも準備のしすぎで敵にやられるくらいにしっかりとしなきゃ実際に行動には移さないよね。公開祭するって皆に言ったって事は、幾つかの不安要素はあれど、最終的な答えが完全に固まったからなんでしょ?」
提督「…白露型ってのは頭がいいのか?夕立はともかく『ひどいっぽい!』」
提督「まぁ、考えてるよ。今回の件で他鎮守府のリードを握ることに成功した。もし俺が失敗して何かあったとしても、他鎮守府が助けに来る。何故かと言えば俺のやっていることに賛同し、人もこうしてよこしてきた。つまり俺のやることに少しでも利益があると踏んだわけだ」
提督「利益という餌で釣っている今は多少のことがあってもそいつらが何とかしようと奔走するだろう。これが俺一人だけで考えなくてもいい理由」
提督「第二に公開祭に来る人間だ。思ってる事が様々あるだろうが、それでも人間は恐怖する生き物だ。未知の自称や純粋な力に対してな。深海棲艦の怖さは今まで起こってる戦争で十分知っているだろう。まずこれだけで自分から下手な行動を起こそうとするやるはいないはずだ。いたとしても目立ちたがり屋か正義感ぶった馬鹿。あるいは深海棲艦への怒りで燃えてるやつだ」
その言葉にル級さんがビクッと体を震わせた。言葉を選んでくださいと言いたくもなったが、黙ってそのまま耳を澄ませた
提督「そういう奴らは力で黙らせる。権力という立場で。暴力という純粋な力で。でなければ公開祭がまた新たな戦争の火種として成り得るかも知れないからだ」
提督「最後に深海棲艦。こいつらはあくまでお客様。海から来たお客様だ。客が店を選ぶが、店も客を選ぶ権利はある。危ないやつに関しては弾いてしまえばいい。弾けないくらいデカい客が来て、しかもソイツがここで暴れると宣言した場合、それはもうしょうがない。扉を開けた時点で誰もが入ってくる。だからそうなった時は、俺たちは俺たちの役目をこなせばいい。ソイツの目的は正に暴れる事にあったんだろうからな」
電「もしそれで私達が負けてしまえば?」
提督「人類滅亡へのカウントダウンとなるのは間違いない。更に言えば、今まで深海棲艦と築き上げてきた物が全て瓦解する可能性がある」
電「その理由は?」
提督「単純な話だ。家族と知らない人間から、この人に襲われた。この人が襲ってきた。この二つが出たとき、どっちを信じようと思う?」
電「なるほど…」
提督「以上の三つが今回の公開祭に向けて気を付けなければならない事。だが同時にこれらは俺たちだけが危惧している訳じゃないってとこだ」
天龍「待て。少し俺達にも考えさせろ」
提督「ん?」
筑摩「意外としっかり考えてますね…」ヒソヒソ
電「司令官さんは準備をしっかりしてやったことを覚えていればちゃんと出来るのです。ただ少しでも知らないことがあれば既存の知識と混ざって混乱するくらいで」ヒソヒソ
利根「なんというか…われらの提督は残念じゃのう」ヒソヒソ
暁「で、司令官が考えてる事は他の人達にも同じことが言える事だとは思うの。それを言いたいんじゃないかしら?」
響「だと思う。寧ろそれ以外で何かあるかな?」
山風「…同じ艦娘が候補に入っていないと思う」
川内「ん?それは鎮守府の話に入ってるんじゃないの?」
山風「違う。それはあくまで今回の公開祭に向けて協力してくれた所の話。公開祭に非協力的だった別の鎮守府から艦娘が送られてくる可能性がある」
その瞬間、皆の呼吸が一瞬止まった。何故なら、する理由がないからだ
平和に向けて動き出そうとしている自分達。それをわざわざ他が足を引っ張るような形で余所が何かしてくるとは思えないからだ。けど…
曙「それをよく思わない人間がいるかも知れないってことね…」
天龍「そんなことをするのは馬鹿だぜ」
時雨「けど、それをするのが人間って生き物だよ」
愛宕「…でも、それを引き留めるのも同じく人間だわ」
ヲ級「その時は私達が力を振るえばいいんです。事が起こったとしても原因をぶっ飛ばしてしまえば解決です」
ビスマルク「ヲ級は暴れたいだけでしょ…」
島風「…ねぇ、何でそういうことをするんだろうね?」
島風の言葉に再び皆の呼吸が止まる。だがそれに冷たさはなく、温かさの中に隠した困惑やそれぞれの思想、そして今まで過ごしてきた過去の現実が、その答えに対して明確な答えを持っていた。それは恐らく、口に出した島風でさえも
提督「人間だからだよ」
島風「…提督」
提督「人間ってのは知能がある。それ故に優劣というものを知ってしまった。その中で少しでも優の人間になろうと、人間ってのは絶えず争っては競い合うかのように決めようとする」
提督「お前の疑問だがな。そんなことは同じ物の中で優れた何かになろうって相手とぶつかった時だけ考えたら良い。その時になったら分かるさ。どうして周りを落としてまでそんなことをしたいのかってさ」
島風「…うん。分かった」
提督「…もし今わからないのなら、それも良しだ。時間はある。急な時間切れにならないよう、俺が最善を尽くす。どうしても知りたいってんなら今日の夜に風呂に来い。ちゃんと話そう。お前の気持ちがすっきりするまで」
島風「…ありがとう」
提督「よし。さて、お前ら話の結論は出たか?」
天龍「あぁ。もう十分だ」
提督「うし。じゃっ、今日の朝会はこれで終わりだ。今日から一か月後に向けて準備。と言っても大体は決めてあるから、後は物の準備をするくらいだ。公開祭までに汚い鎮守府だと思われないよう、掃除するときは常に細心の注意を払って行うんだ。良いな?」
全員「ハッ!」ビシッ