Lv99の従者、主人に愛されてるけど愛が重い(お前も大概だろと言う話) 作:究極の闇に焼かれた男
それと今回は主人公の秘密が少し明かされます。
国王陛下との謁見を終えて帰れると思った矢先に今度は王妃とのお茶会となったクロノとユミエラは、そのまま王城の奥に位置する王族の私的なスペースと思われる場所に存在している一室へと案内される。
部屋の前に辿り着き、室中へ入って行くとそこには二人を招いた張本人である王妃がそこに居た。
王妃は二人に気付くと穏和な笑みを向けながらメイドの一人とお茶会の準備をしていた。
「二人共、よく来てくれました。本当は陛下も交えてお話をしたかったのだけれど、陛下は多忙だから」
落ち着いた大人の雰囲気の中に若々しさを持った人物である王妃は二人に気付くと、好かさずそう告げるのであった。
「ユミエラ・ドルクネスです。 王妃陛下、お招きいただきありがとうございます」
「その従者のクロノ・エルダートと申します。自分もお招き頂きありがとうございます」
「ここは非公式の場だから、あまり畏まらないでいいわよ」
柔らかく微笑んだ王妃はそう言うと、近くに居たメイドに目へと配せすると、二人に紅茶を入れた後に部屋の外へと出てしまうのだった。
それを見てクロノはユミエラに目配せすると、彼女と視線を合わせてコンタクトを図る。
(王妃様がメイドを外に出すなんて、普通に考えても不自然だ。それにこの雰囲気から考えて、かなり重要な話をされる物だと考えられます。ユミエラ様、念の為に気を強くお持ち下さい)
(クロノがそう感じてるって事は、ほぼ間違い無いって事だね。分かったけど……もしもの時は頼める?)
(お任せ下さい、ユミエラ様)
視線だけのこのやり取りは驚く事に、体感時間では長く感じられるが実際には数字にすると僅か一ミリ秒しか経っていないのである。
そしてクロノの予感はある意味的中する事になるのだった。
「この部屋の会話が外部に漏れる事はありません。あまり、人には聞かせられない話もしますからね」
((やっぱりそうなったかー(棒読み)))
二人の思いはシンクロするのだった。
「ふふ、そんなに警戒しないで頂戴? 陛下も私も、あなた達の事を気に入っているのよ? 謁見での受け答えは見事でした。強い力を手に入れたのがあなた達の様な人達で、私は安心しました」
「あ、ありがとうございます?」
「ユミエラ様、何故に疑問系なのですか?」
「な、なんとなく?」
「そんな適当な…」
王妃からの高評価にユミエラは感謝を告げるも何故か疑問系だった事をクロノがツッコムと、彼女の返答にクロノは頭が痛くなる思いだった。
そんな二人の様子を微笑ましい表情で見ていた王妃は徐に口を開いた。
「ユミエラさんは権力を持つのを面倒だと思っているのでしょう?しかも、頭も切れるようだし。 あなたが野心家だったり、頭の中が空っぽだったりする事を想像するとゾッとするわ」
その言葉にクロノはこう思った。
(いえ、ユミエラ様はこれでも結構な脳筋なんですよね。ですので王妃様、その評価はちょっと違うんでr(クロノ、何を言ってるの?)……いえ、何でもございません)
しれっと平然な様子で従者の心の声に割って入る事が出来る伯爵令嬢とは一体何なのだろうか?
「あの、どうしてそこまで信用していただけるのですか?」
ユミエラは思わぬ高評価に聞き返していた。
「欲の無い振りをして、王族に近付く貴族も多いいですからね。自然と違いが分かる様になったのよ。 あなたは王族と関わるのは御免だと思っているのでしょう? 残念ながら信用できるのはそう言う人なのよ」
ユミエラの事を見透かす様に話す王妃にクロノは驚いていた。
(凄い御方だ。にも関わらず、殿下はあれだと言うのに……何でこうも頭の出来が違うのだろうか?)
その事がクロノにはとても不思議に思えたのだった。
クロノがそう考えていると王妃は表情を真剣な物に変えると話を切り出して来た。
「では本題に入りましょうか。これは王族と極一部の貴族しか知らない情報なのだけれど、二年後に魔王が復活します」
その発言は思わぬ情報だった。
魔王が復活する…その言葉の意味を理解できない様な人間は、この国に一人として存在しないと言えるものだった。
魔王…かつてこのバルシャイン王国を襲ったと言われている存在で、数多くの魔物達を従えたとんでもない人物だと言う話だが、クロノはこの話にある違和感を覚えていた。
(この話はまるで都合のいい様に事実を捻じ曲げられた痕跡がある。もしも俺の考えている通りなら、下手をしたらこの国の未来が危ういだけじゃなく反国王派の連中を勢い付ける結果になり兼ねないからな…)
クロノが魔王について調べて行く内に至ってしまった真実はあまりにも残酷でこの国の欺瞞を証明しかねない物だった。
クロノが深く考えている間に話は進んでおり、魔王の討伐の協力及び魔王へのトドメはエドウィンに譲って欲しいと頼まれた。
何故魔王のトドメをエドウィンに譲って欲しいのかと言うとそこにはしっかりとした理由が存在しており、王の正統性が揺らぐ事を阻止する目的が存在したからだった。
仮に王族では無い者が魔王を討伐したとなればその時には、反国王派が勢い付くのと勇者の末裔である大義名分の効果が薄れてしまう恐れが存在するからだった。
故に王妃はユミエラに聖女として参加して貰いたいと告げるも、当然の事ながら彼女はそれを拒絶した。
ユミエラはどうせなら任せるなら、光魔法を扱えるアリシアの方が聖女に適任だと告げる。(ちゃっかりと他人を生贄にしてる気がしなくも無いが、誰だって魔王と好き好んで殺り合いたいは思わないだろう)
「やはり断られてしまいましたか。嫌なら嫌とはっきり言っていいですよ? あ、エドウィンが嫌ならモーリスと結婚するのはr「流石に王妃様の頼みでも、我が主の将来を添い遂げる相手を勝手に決まられては困りますね…」あっ!?」
発言の最中にクロノが割って入る様に告げると、王妃は冗談が過ぎた様な表情になり少し冷や汗が流れるのを感じた。
(流石に何処の馬の骨とも分からない男達に、大切な主を差し上げる訳には行きません。…いや待てよ?そう考えると、寧ろ俺の方が色々と責任を取らないといけない様な気が……よそう、これ以上は流石に胃痛が酷くなる)
ふと我に返って考えたクロノは途中で考えるのをやめる事にするのだった。
一方のユミエラと言うと…
(流石に王妃様の頼みでも絶対にお断りさせて貰おう。私には既に将来を添い遂げたいと想ってる人が近くに居るんだ。殿下達と添い遂げるのは御免だし、何よりクロノを馬鹿にした事は一生許せないし!)
そう言う感じで相変わらずの様子であった。
その後の会話の内容はやはりと言うべきか、反国王派に気をつけろと言うものだった。
中でもヒルローズ公爵家を筆頭とした過激派が二人を野放しにする保証は残念な事に無いが、主流派である王族達ならば上手くやっていけるだろうと言われたが、やはりと言うべきかクロノには一つの懸念が存在した。
(王妃様がそう仰られても、一切油断は出来ない。何せ殿下を含んだその筆頭たる生徒達が、今回の騒動を起こしたのは変えようも無い真実だ。彼らが何か問題を起こさない保証が出来ない時点で、主流派ともある程度の距離は取るべきだと考えるしかないな。やれやれ、ユミエラ様の平穏な日々を守るのは骨が折れる…)
クロノの懸念はやはりエドウィンを筆頭とした有力者達で、彼らがユミエラに危害を加えない保証は何処にも無いのだ。
例え彼らの親が叱ったとしても無駄に高いプライドがそれを妨害して、その結果として最悪の事態が起きか兼ねないのもまた事実だった。
故にクロノはユミエラの安全を最優先に頭を回転させ続ける事に徹しようと決意するのだった。
そんなクロノの考えは、当然の事?ながらユミエラには全て筒抜けで、彼女は彼が自分の事を一番に考えくれていると分かり、顔がニヤケないように必死だった。
色々と言われつつも王妃とのお茶会は幕を閉じ、二人は一緒に学園へと戻るのだった。
短編『エルダート家』
お茶会を終えた王妃はあの場に居た一人の少年の事を考えていた。
(エルダート…何処かで聞いた事がある名前だと思ったけれど、やはりあの家の者の名前と同じなんて………これは偶然なのかしら?)
王妃はクロノの家名を聞いてその名前に聞き覚えがあった。
数年前にバルシャインの大昔に隠されたとされる真実を唯一知り、その秘密と共に行方を眩ませた一人の騎士と同じ名前だと言う事に、王妃は表情を暗くしていた。
(陛下もエルダートの名を聞いて酷く困惑していたわ。仕方の無い事、陛下にとってエルダート家は友人とも言える存在だった。それを反王国派の者達が、あの様な事をしたせいであんな悲劇が起きるなんて……クロノさんが本当に彼女の、アリスの子供ならせめて償いをしなければ。でなければ、私達はまた罪を重ねる事になるのだから…)
彼女の知る数年前に起きたエルダート家の悲劇…
それはこの世界の闇に当たる部分であり決して許される事の無い罪だった事だった。
しかし…
エルダート家の存在を知るものは最早この国でそれを知るの者は王族と一部の貴族、それに加えて当時のエルダート侯爵家の当主だった男と友人だった騎士団長のみである事を、彼は未だにその事実を知らずに居た。
クロノは物心が着く前に両親が他界しており、自身の出自については全く知らないのと、クロノの真実をドルクネス家も知らないと言うある意味おかしな関係となっております。
魔王討伐後はどんな展開にして欲しいのか、以下の選択肢からお選び下さい
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ユミエラとの結婚式
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病み過ぎたユミエラに監禁される
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小説版と同じ
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アニメ最終回と同じ
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まさかのパットリックルート突入