Lv99の従者、主人に愛されてるけど愛が重い(お前も大概だろと言う話) 作:究極の闇に焼かれた男
それと今回はクロノの使える属性が明かされます。
上空に向けてアブソリュート・デストラクションを放った挙句にエドウィンと学園長にブチ切れた翌日の事である。
事態の解明の為に国王は学園に騎士を派遣されると、クロノとユミエラの二人は重要参考人として事態聴取を行われ、その場に居合わせた生徒や教員達も話をする事になった。
その際にクロノが「今回の責任はエドウィン殿下と学園長の身勝手な退学届の制作と言う余りにも許し難い独断専行による物であって、他の生徒や教師の皆様に罪は御座いません。
それと、今回の件で学園長は今の立場に相応しく無い発言や行動の責任を取って然るべきだと思いますので検討をお願いしますね…」と、終始笑顔で言っていたのだが余りにも圧が凄まじかったとの事である。(by:聴取に来た騎士の報告)
そして今回の件でクロノとユミエラの二人は急遽王城へと向かう事になり、そこで国王と王妃の二人に謁見する事になったのだ。
王城に着いた二人は案内役である騎士に連れられる形で謁見の間へと向かい、暫くして謁見の間がある扉の前に着いた。
そんな中、クロノは冷や汗が流れていた。
(ど、どうしよう……切れてたとは言え、殿下と学園長にあんな事を言ってしまうなんて。……これ、ユミエラ様の責任にならないようにしないと確実にマズイ!?)
昨日の一件でユミエラに迷惑が掛からないかと不安になっていた。
謁見の間に通じる重厚な扉がゆっくりと開くと、案内役の騎士に中へ入る様に促される。
赤い絨毯と豪華な調度で彩どられた部屋の奥にはバルシャイン王国の現国王陛下と王妃の二人が椅子に座って居た。
その周りにはこの国の名だたる重鎮達がおり、こちらに対して様々な視線を送っているのが分かる。
謁見の間の中を進む二人は臣下の礼を取ると、国王陛下から声が掛けられる。
「ユミエラ・ドルクネス、並びにクロノ・エルダート、頭を上げよ」
二人が頭を上げるとそのまま国王陛下が話を続ける。
「学園で何があったかは私も把握している。愚息や学園の教師達が無礼な行いをしたようだ。 二人共、すまなかった」
まさかの国王陛下からの謝罪と共に、軽く頭を下げてきた事に二人は驚いた。
その事に謁見の間に居た貴族達にどよめきが走る。
それに対してクロノが口を開いて答える。
「い、いえ。陛下が謝罪する事ではありません。それに今回の一件にはユミエラ様と言うよりも自分が怒りに身を任せてしまった事が原因です。そのせいで周りの皆様にご迷惑をお掛けした事を謝罪させて下さい。誠に申し訳ございませんでした」
「それを言うのなら、そのことを止められなかった私の責任でも有ります。本当に申し訳ございませんでした」
二人がお互いを庇う様に謝罪した事に、陛下が優しく声を掛けてきた。
「二人共、頭を上げてくれ。入学式の時点で体力測定をするなり魔法を使わせるなり、レベルを確かめる方法は幾らでもあったのだ。それを一方的に糾弾するのは道理が通らない事だと私は思う。それにクロノ殿、学園長が宮廷魔導師を侮辱する様な発言をした際に怒ってくれた事に私は感謝したいと思っているくらいだ。本当にありがとう」
まさかの感謝の言葉にクロノは驚き、目を見開いていた。
感謝されるとは思ってもいなかったクロノは気恥しさを感じているのをユミエラは微笑ましい表情で見つめていた。
「しかし、こんなにも若い二人がレベル99と言うのは信じ難いのも事実。私の臣下にも疑わしいと言う声もある。故に、そこでアドルフに真偽の判断を任せようと思う。彼の言なら皆も納得するだろう」
そう陛下が言うと陛下と同じ位の年齢の偉丈夫が現れ、一歩前に出る。
アドルフと呼ばれた偉丈夫はバルシャイン王国最強と謳われる程の実力であり、騎士団の団長を務める人物である。
噂によるとレベルは60近く有ると言われている。
そんなアドルフが二人の前に立つと無言で剣を抜いて二人の首を狙った直後、ユミエラがそれに対してどうするか考えているとクロノがアドルフをねじ伏せていた。
「なっ!?、ぐおぉっ!!」
「理由がどうであれ、ユミエラ様の命を狙う事は許す訳には行かない。大人しくしてればこれ以上、手荒な真似はしませんので抵抗するのはおやめ下さい…」
クロノは冷めきった表情で告げるとアドルフはそっと剣を手放していた。
その光景に国王どころか他の貴族達に衝撃が走っていた。
アドルフが抵抗をやめたのを確認するとクロノはそっと手を離し、ユミエラの身を案じる様に問い掛ける。
「ユミエラ様、お怪我は御座いませんか?」
「私は大丈夫だけど、クロノ。幾ら何でも危ない事はしないで…」
「申し訳ございません。条件反射で、ついつい手が出てしまいました」
「……本当に平然とそんな事を言うのはズルい///」
「オッホン!」
「「っ!?///」」
陛下の咳払いに二人は顔を赤く染めながら、自分達の状況を思い出すと直ぐさま離れた。
「まさかアドルフを意図も容易く制圧するとは、これはもはや信じるしか無いな。アドルフ、お前から見て二人の真偽はどうだった?」
「今の一撃をあの様に対応できる者は騎士団には居ません。しかも彼はどう動くかを瞬時に判断して制圧、ユミエラ嬢に関しては避け方を考える余裕もあった様です。レベル99と言うのはまず間違いないかと」
アドルフが剣を振るったのとそう発言した事に、遅れて気が付いた周囲の貴族達に再びどよめきが走る
「すまなかった、二人共。騎士として不意打ちは恥ずべき事だが、陛下の命には逆らえんのでな」
「いえ、むしろ厚い忠義の持ち主である事に共感を覚えました。故にお気になさらず…」
「助かる」
二人にしか聞こえない声量でそう言うアドルフに対して、クロノは気にしていない有無を伝えると礼を言われる。
「すまなかったな、二人共。怪我が無くて何よりだ。 さて、良ければ魔法も見せては貰えないだろうか。規模の小さい物をここで使って貰って構わない」
アドルフが陛下の傍に戻ると二人に、魔法を見せてはくれないかと言ってきた事に二人は返事を返す。
「はい。では失礼します」
「仰せのままに、陛下…」
返事を返した二人は周囲に被害が出ない様に考慮しながら、各々の魔法を披露した。
「「シャドウランス/幻魔剣」」
ユミエラの影から複数の黒い槍が突き上がり、クロノの周囲に魔力で生成された複数の剣が二人を守る様に展開される。
その光景に周囲からどよめきが走る。
中でもクロノの魔法は見た事が無い物であった為、その事に陛下と王妃も驚いていた。
「ほぉ、闇魔法に見た事も無い魔法だな。宮廷魔導師長、闇属性に危険性は有るのか? それとあの魔力で生成された剣は一体、何なのだ?」
国王がそう言うと近くに控えていたローブを着ている老齢の人物がこたえる。
「闇属性は四属性や光魔法と同じ様に、一つの属性に過ぎませぬ。 光属性に弱いが他の四属性に強い、非常に強力な属性と言えるでしょう。それをどう使うは使い手次第ですじゃ 」
「闇魔法は高位の魔物が使用する。本当に悪い物では無いのか?」
「四属性を操る魔物も居るし、真偽は分からんが光属性の魔物が存在すると言う文献も存在します。 闇魔法の使い手が少ない分、悪い想像を膨らませてしまう者が多かったのでしょうな」
「ふむ、人は希少でよく分からない物を恐れるという事か。黒髪が忌み嫌われるのも同じ様な理由なのかもしれんな」
陛下は周りに聞かせる様に会話をする。
それを聞いて居たクロノは、それがユミエラの為にしてくれたのだろうと理解した。
「それで、クロノ殿の魔法は何なのだ?」
「それがよく分からないのです」
「よく分からないだと?」
「あの様な魔法はどの属性にも存在しない上、文献にも乗っていない魔法としか分かりませぬな」
「それ程とは……クロノ殿、差し支えが無ければその魔法について説明をして貰えるだろうか」
陛下に聞かれたクロノは頷くと説明を始めた。
「はい。この魔法…幻魔剣は光と闇、二つの属性を合わせた物となっています」
「何?光と闇の二つの両立だと!?」
「それは誠の事か!?」
陛下と宮廷魔導師長は驚いた様子で聞くと、クロノは当然の様に答える。
「はい、事実です。自分はそれに合わせて他の四属性の魔法も使えます」
クロノがそう答えるとその場に居た貴族達は度肝を抜かれた様にどよめく。
「ならばそれら全てを披露して貰えるだろうか」
「私からも頼めるだろうか」
二人が食いつく様に言われると、クロノは「それでは、僭越ながら…」と言いながら六つの球状の魔力を生成する。
「これは!?」
「六つの属性が同時に行使されているだと!?」
クロノが生成された球状の魔力はそれぞれ異なる属性で作られており、それを見て彼が本当の事を言っているのだと理解した陛下と宮廷魔導師長並びに周囲の貴族が目を見開いた。
「この様な事が出来る者が本当に存在するのか!?」
「いえ。過去に居た魔導師にこの様な事が出来る物は、過去のどの文献にも存在しておりませんじゃ!?」
「それ程とは。愚息のせいで危うく、飛んでもない逸材を手放す所だった……」
その言葉を聞いたクロノは魔力を消すと、ユミエラの傍に戻っていった。
そして陛下は二人を見ながら言葉を紡はじめる。
「二人共、世界初であろう高みへの到達、実に見事である。して、そこまで至る過程について聞きたいのだが」
陛下にそう言われるとユミエラが答え始める。
曰く、幼い頃から魔法が使えた事と魔物を狩り続けて来た事。
闇属性の魔物が多数出現するダンジョンに潜り続けてきた事。
クロノから魔法について教えて貰った事と、成長の護符を身につけて魔物呼びの笛を使用して魔物を使い、ありとあらゆる場所で思いっきり吹いてやって来た魔物を狩り続けた事。
それらをクロノと二人で行い続けた事と、無茶をする度にクロノから説教を受けた事。
家を無断で抜け出してそれらを行い続けた事を、事細かく説明して行く。
それを聞いていた貴族達はドン引きしており、陛下は騎士団長であるアドルフに質問していた。
「アドルフ、お前は真似できるか?」
「守護の護符は手放せませんし、たった二人だけで魔物呼びの笛を吹くなど、流石に恐ろしくね真似出来ません」
アドルフがそう言うと周りの貴族達が更にドン引きする中、二人は同じ事を考えていた。
((え? それぐらい普通に出来るのでは?))
常識外れな二人に常識を求めること事態が無茶な話なのかも知れない。
そして陛下が咳払いをすると厳格な雰囲気で口を開く。
「ユミエラ・ドルクネス、並びにクロノ・エルダートよ。その力、王国の剣として振るって貰いたい」
「はい国王陛下。陛下の臣下の一人として、バルシャイン王国の盾となる所存であります」
「自分も、ユミエラ様と同じ所存であります」
二人がそう答えると陛下は満足した様子で頷く。
「相分かった。国の危険の際には、その力を振るって貰おうか」
剣を盾と言い変えた事の意図に気付いた陛下はそれを承諾してくれた事に二人は安心した。
流石に国の為とは言え、他国の侵略兵器には成りたくないと言う、意思表示の為に剣と言う部分を盾と言い変えたのだ。
そして前人未到の偉業に褒美を取らせたいと陛下が告げるとユミエラは平穏な生活を望む中、クロノはこう答えた。
「自分はユミエラ様が幸せに居られるのであれば、特に望む物は御座いません」
それはユミエラの幸せを願う一人の従者として、否、幼馴染としての言葉であった。
その事に陛下と王妃は驚き、優しく微笑んだ。
「うむ。その思い、しかと了解した。それにしてもそなたらは欲が無いな。他に望む物が出来たら言うが良い、できるだけの物は用意しよう」
二人の言葉に陛下は満足した様に言うも、その言葉には苦そうな雰囲気をしていた。
二人を縛る鎖を用意できない事を気にしている様子なのだろうと、そう理解したユミエラは内心こう考えていた。
(もしもの時はクロノを連れて国外に逃げて、そこで幸せな家庭を築くつもりです)
この主、クロノに対して遠慮の二文字は存在しないのだろうか?
その後、二人は出口へ向かうと思いきや王妃とのお茶会をする羽目になるのだった。
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まさかのパットリックルート突入