【ポケモン】人生を安価で decide…エンジョイエンジョイね【転生掲示板】   作:ユフたんマン

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お待たせしました。仕事の方が忙しく遅れてしまいましたがようやく投稿出来ました…!
本来はもっと長くする予定だったのですがこれ以上更新をせず空けるのもなぁという事で、長くなりそうなので分けます。


VSレッド

チャンピオンズトーナメント。

世界各地から選ばれた八人の強者によって行われる、頂上決戦。

トーナメント形式で進行し、三度の勝利で優勝が決まる。

一回戦は三対三のシングルバトル。

事前に選出した三体のポケモンで戦い、勝敗を決する。

そして準決勝以降、二回戦からは六対六。真の実力が問われる総力戦へと移行する。

 

『さあ!!いよいよ始まりますチャンピオンズトーナメント一回戦!!』

 

スタジアムに響き渡る実況の声。観客席は既に満員、熱気が渦巻いている。

 

『第一試合はこのカード!セキエイリーグ最速制覇の超新星!!アンカー!!』

 

ゲートが開く。

歓声の中、アンカーが姿を現した。

観客の声に応え軽く手を振りながら、獰猛な笑みを浮かべ入場する。

 

『対するはァ!!歴代チャンピオンズトーナメント優勝最多の世界で最も頂に近い男ッ!リビングレジェンド、レッドォォ!!』

 

歓声が爆発した。もう一つのゲートが静かに開く。

 

現れたのは赤い帽子の男。

 

歓声の中にあってもその歩みは変わらない。

一切の無駄なくただ真っ直ぐにバトルコートへ向かう。

 

そして二人は中央で向かい合う。

 

「……初めまして。アンタにゃ意味がわからねぇかもしれねぇが言わせてくれ」

 

小さく息を吐く。

 

「久しぶり」

 

その言葉にレッドは不思議そうに首を傾げる。

 

「気にしねぇでください。今日で俺らは初対面っす」

「…………。」

 

視線を外さないまま、更に続ける。

 

「ずっと会いたかった。ずっと、アンタと闘りあいたかったッ!この瞬間をずっと待ち焦がれていたッ!!」

 

アンカーは上着を剥ぎ取り投げ捨て、人差し指を天へと伸ばす。 

レッドは何も言わない。ただ、帽子のつばの下から静かに見据えるだけ。

その視線だけで空気が重く沈む。

 

アンカーの笑みが深まる。

 

「さあ!思う存分闘りあおう!」

  

審判が、腕を振り上げる。

 

『それではバトル開始ーッ!!』

 

 

同時にボールが宙に舞う。

白光と共に繰り出されたのは二匹のポケモン。

 

 

「ポッチャッ!!」

 

アンカーの先発はポッチャマ。

 

そして対するレッドが繰り出したポケモンは…

 

「ピッカァ!」

 

ピカチュウ。レッドをレッドたらしめる切り札であり相棒。ピカチュウ。

 

そしてレッドから放たれる莫大な闘気。先程まで凪のように静寂だったものが、今では開かれたダムのように、無秩序に溢れ出す。

 

並び立つ未進化ポケモン。観客席に座る少女は囁く。

 

「ねぇパパ見て!ピカチュウさんにポッチャマさん!かわいい〜!」

「あぁ、そうだな…」

 

純粋な娘の笑みに、トレーナーである父は頬を痙攣させながら答える。

かわいいのは見た目だけ。放たれる圧は未進化ポケモンの域を優に超えている。流れる冷や汗。トレーナーとして生きてきた本能が叫ぶ。

 

化け物。

 

 

「初手から本気か…!俄然、燃えてくるッ!!ポッチャマ!」

 

ポッチャマが動く。冷気を放ち、それに身を包むいつも通りの戦闘スタイル。

冷気を纏うまでの刹那の時間、対峙していたはずのピカチュウはその姿を晦ませていた。

 

「ポチャ!?」

 

パリッ!

 

電撃が走る。

 

ピカチュウは、既にポッチャマの傍まで迫っていた。

身体中から電撃を放ちながらの突進。最高峰の火力を持つ電撃を伴ったボルテッカーが直撃し、ポッチャマは宙に吹き飛ばされる。

 

『 決まったーーっ!!!開始早々ピカチュウのボルテッカーが炸裂ーーっ!!しかしなんという事でしょう!弱点の技を直撃したのにも関わらず、アンカー選手のポッチャマは未だ健在!一体これはどういうことでしょうか?』

『 冷気だね。ポッチャマが周囲に纏う冷気がクッションとして衝撃を和らげたのだろう。恐らくこごえるかぜ…いや、ボルテッカーを弾いたとなると吹雪かな。何れにしても相変わらず凄まじい練度だ。氷タイプのエキスパートでもそうそう真似出来ない芸当だ』

 

解説席に座るワタルの言う通り、ポッチャマの纏う吹雪による荒れ狂う冷気によりピカチュウのボルテッカーを最小限のダメージに抑えた。

吹雪の勢いで方向を逸らし、威力を流す。

 

最善と呼べる選択。だがそれでも…

 

「ポチャ…ッ!!」

 

ダメージは決して浅くない。たった一撃、されど一撃。レッドのピカチュウであり、最高峰の火力を誇るボルテッカー、尚且つ弱点。

ポッチャマは既に大きく体力を削られてしまっていた。

 

更に本来ならいつも通りこごえるかぜを纏うはずだったのだが、吹雪へと変えざるを得なかった。

吹雪でなければ不意のボルテッカーは防げなかったのだ。

 

早かった。始まりが見えなかった。始まりの挙動が。

動きの予兆が一切ない。無駄を極限まで削ぎ落とした一挙手一投足。

今、ポッチャマが反応出来たのも奇跡に近い。もしコンマ数秒でも判断が遅れていれば、既にポッチャマは戦闘不能へと陥っていたことだろう。

 

「………!!」

 

ピカチュウが駆ける。それはまさに黄色い閃光。身体を蒼雷を迸らせながらポッチャマへと迫る。

 

対するポッチャマは深く腰を落とし、ヒレを地面へと突き立てる。

 

ずぷり、地面に水の波紋が広がり、その中にヒレが沈んでいく。

 

みずのちかい、その中にヒレを突っ込み、ゆっくりと引き上げれば、滴り落ちるはずの水が冷気により凍り始める。

 

ポッチャマのヒレから伸びる氷。凍剣。

 

「ピッカァッ!!」

「ポッチャッ!!」

 

ポッチャマは正面からピカチュウを受け止める。衝突と同時に轟音、共に冷気と蒼雷が吹き荒れる。

 

「ピッ!」

 

弾かれたのはポッチャマ。ボルテッカーの衝撃に凍剣は砕かれ弾き飛ばされる。そこに更にボルテッカーで追撃を掛けるピカチュウ。

 

だがポッチャマもすぐさま空中で身体をひねり体勢を整える。そしてみずのちかいで水柱を立たせ、それを足場に再度ピカチュウに斬り掛かる。

その踏み込んだタイミングで再度ヒレを凍らせ凍剣を形成。先程と同じように両者同時に技を撃ち合う。

 

結果は変わらず、またしてもポッチャマが押し負け弾き飛ばされる。

 

そしてそのままピカチュウの猛攻。ポッチャマは凍剣で何とかボルテッカーを受け流すも、完全に雷撃を防ぎ切ることが出来ず、ポッチャマの身体を飛び散る雷により焼き付いていく。

 

『 おおっとッ!!ポッチャマ、ピカチュウのボルテッカーに防戦一方、このまま勝負が決まってしまうかぁ!?』

 

会場中に歓声が響き渡る中、解説席に座るワタルは疑念を抱かせていた。

 

『 (何故アンカーくんは何もしない…?ポッチャマの凍剣はピカチュウに一切通用していない…それなのにずっと凍剣を使わせ続ける理由は…)』

 

バトルコートに立つアンカーに視線を送る。目を輝かせながら、狂おしい程の笑みを浮かべている姿。

 

『 (まさか…!!?)』

 

ワタルがアンカーの思惑に気付いたのと同時に、盤面が動く。

 

「ポチャ!」

「ピカ!?」

 

ポッチャマの凍剣が遂にピカチュウを捉える。先程までピカチュウの手持ち最速のゲッコウガすら上回る素早さに翻弄されていたポッチャマが、段々とその素早さに適応していく。

 

「……!!?」

 

レッドはその違和感を一瞬にして看破、ピカチュウにすぐさま指示を出す。

 

「ピカ…ヂュゥゥウウウッ!!!」

 

ボルテッカーの全力解放。身体に纏っていた蒼雷は無秩序にバトルコート上を駆け巡る。

 

「あーあ…バレちまったか…!!せっかくバレねぇように薄く、極微小に素早さが下がるように調整してるってのによぉ!!」

「………」

 

放たれた雷撃により、バトルコート上に薄らと張っていた白いモヤが散らされていく。

 

これはこごえるかぜ、それを威力としては10にも満たない最大まで薄めた技。

ただ、気づかれにくく、じわじわと身体を蝕んでいく冷気。

それがピカチュウの素早さを奪っていたのだ。

 

『 なるほど…凍剣を使い続けていたのは場の冷気に気付かせないため…凍剣から放たれていた冷気はブラフだったわけか』

 

「今のピカチュウの素早さはゲッコウガ以下、ポッチャマなら十分に対応出来るッ!!」

 

ポッチャマの一撃がピカチュウに命中する。斬られた箇所から冷気が吹き出し動きが鈍る。

 

「ポッチャ!」

 

更に追撃。先程までとは違いポッチャマが攻勢に出る。ピカチュウのボルテッカーを的確に捌き、流す。

 

ピカチュウが四方八方から攻め立てるも、全て完全に、無傷で防ぎ切る。

 

逆にポッチャマの凍剣はじわじわとピカチュウを蝕み、冷気によって素早さを削ぎ落としていく。

 

ここに来てポッチャマの優勢、そう誰も疑わなかった。だがそれだけで倒せるのならリビングレジェンドと呼ばれない。

 

「ピッ!!」

「ポチャ!?」

 

ピカチュウの姿がブレ、捉えた凍剣が空振る。唐突にピカチュウの動きが可変する。

 

「電光石火か!!甘ぇ!!」

 

空振った体勢から、凍剣から放たれる冷気の勢いでポッチャマが高速回転。電光石火で急激に素早さが上がったピカチュウへ凍剣を振りかぶる。

 

ブレる。

 

またしてもポッチャマの攻撃は空振りに終わる。

 

「は?」

 

次の瞬間にはポッチャマが宙に舞っていた。

 

「………」

 

アンカーを射抜くレッドの瞳。

 

「(何が起こった…!?見えなかった…!!俺の目を持ってしても!!)」

 

吹き飛ばされたポッチャマへ視線を送る。

 

「(落ち着け…焦れば終わる…!!まずはピカチュウが今何をしたかだ…最初の素早さが上がったのは電光石火なのは間違いない。冷気で下がった素早さであの速度を出すのは先制技の電光石火しかない…だが不可解なのは2回目の加速…!!高速移動…いや、素振りが無かった…レッドのピカチュウとはいえ、絶対に高速移動には予備動作がある…これはどれだけ練度を上げても変わらない…!それを俺を見逃すわけがない…!!)」

 

これまで培ってきたトレーナーとしての経験、転生者という理の外の知識、そして自他共に認める埒外の身体能力に動体視力。ありとあらゆる事象を総動員させ、思考が駆け巡る。

 

『 速い!速すぎるぞピカチュウ!!ポッチャマが奮戦するも影すら掴ませない、まさに超高速ッ!!』

 

あのポッチャマが手も足も出ず削られていく。

 

「(待て…何故ポッチャマが削られている…?レッドのピカチュウなら電光石火と同時に他の技を組み合わせる事は容易なはず…なのに何故それをしない…出来ない…それは考えにくい…だとすると…既に何か技を組み合わせている…?)」

 

ポッチャマの凍剣が弾け飛ぶ。

 

「(後者とすると何だ…ポッチャマが耐えられている時点で電気技じゃねぇ…なら他の技…補助技ならそれを俺が見逃す筈がない…!!だとすると…!!)」

 

ポッチャマが放つ冷気が掻き消される。そしてまたしても吹き飛ばされる。認識すら出来ぬ超高速。その種は…

 

「そういう事かよッ!!俺でも初めて聞いたぜそんな無法技ッ!!ポッチャマッ!吹雪ッ!!」

 

力業。

 

冷気がポッチャマを中心に迸る。全てを凍てつかせる死の風。バトルコート全体を覆うほどの特大規模の範囲攻撃。

 

その吹雪が、真っ二つに切り裂かれる。そして吹雪を繰り出した直後の隙を見せたポッチャマへと迫る閃光。

 

「そうだよなぁ、そう来るよなぁ!!アンタほどのトレーナーならこの吹雪を容易く乗り越えて無防備のポッチャマへ到達する…!!理解ってたぜレッド!」

 

踏み込んだピカチュウの足下が揺らめく。

 

起爆。

 

「………ッ!?」

 

巨大な水柱がピカチュウを呑み込んだ。

 

「アンタのピカチュウ、速すぎんだよ。素早さが下がった状態で俺の目にすら捉えられない速度。種は割れたぜ!電光石火の状態で更に電光石火の重ねがけ!通りで見えねぇはずだ。同じ技なんだから同時にも切り替えもしなくて済むんだもんなぁ!」

 

ピカチュウが水柱から逃れ、着地する。

 

起爆。

 

「なら、そのスピードを出せねぇように妨害すればいいだけだよなぁ!?」

 

このバトルの最中、ポッチャマが仕込んだみずのちかいはバトルコートの至る所に設置されている。まさにこのバトルコートはみずのちかいの地雷原。

 

「…………」

 

ここでレッドが初めてアンカーを見て、笑った。

 

「くるッ!!」

 

ピカチュウが駆け出す。電光石火へ更に電光石火の重ねがけ。超スピードでバトルコートを駆け巡る。

 

次々とみずのちかいが襲い掛かるが、起爆するよりも速く走れば問題ないという速さのゴリ押しで突破していく。

 

早業。

 

起爆。

 

「みずのちかいは設置技じゃねぇ、ポッチャマの意思でも起爆する!」

 

ピカチュウが足を踏み締める直前の起爆、回避など出来るはずもなくまたしても水柱に呑み込まれる。

 

「………!!」

 

水柱を突き破り雷撃が迸る。ボルテッカーに電光石火の組み合わせ。

凄まじい速度で駆け出し、ポッチャマとの距離を詰める。

迸る雷撃が荒れ狂い、目の前の地面を焼き焦がし、強制的に仕組まれたみずのちかいのトラップも破壊していく。

 

だが、そこに先程までの超速度は存在しない。

 

「ポッチャマッ!」

 

レッドと目が合う。これは正真正銘、正面からの技のぶつけ合い。

 

「ハイドロ…カノンッッ!!!」

 

力業。

 

ボルテッカーとハイドロカノン。電気と水の究極技が交わる。

 

轟音。

視界が黒煙に塗り潰される。

 

 

 

一瞬の静寂。次の瞬間には黒煙を突き破り、黄色い閃光が飛び出した。

 

「そりゃそう上手くいかねぇわな!!」

 

力業に、本来反動技であるハイドロカノン。

その硬直は長く、回避は間に合わない。

 

起爆。

 

それはポッチャマの足下。

みずのちかいの地雷が仕込まれていた。

 

その爆風で煽られ空を飛び、先程まで自身がいた位置で空振りに終わったピカチュウを眼下に置く。

 

「ハイドロ…まてポッチャマ、避けろッ!!?」

 

ポッチャマが避けた先には、黒煙の奥に紛れ込むように滞留していた黒雲。

 

「しま…!!」

「ピッガァ!!」

 

轟音と共に雷がポッチャマに降り注ぐ。

 

「……」

 

ポッチャマが地に落ちる。ぐるぐると目を回し、戦闘不能。

それと同時に歓声が爆発する。

 

『 レッド選手が先制ーッ!!未進化同士での激闘を制したのはピカチュウだーッ!!』

 

 

アンカーは静かにポッチャマをボールへと戻す。

そのまま、視線をレッドへ向けた。

 

「(完全に読まれていた…)」

 

最後のボルテッカー。避けることまで織り込み済み。

 

「(いや、違うな…俺たちなら避けられると確信してた…)」

 

だからこそ、回避先にピンポイントで落とされた雷。

 

「…さっきの俺への意趣返しって感じだなこりゃ」

 

大きく深呼吸し、呼吸を整える。頬を軽く叩き、新たなムーンボールを構える。

 

目の前に立ちはだかるのは、天に届く壁のような存在。それを前にして尚、笑う。

 

「あんまワクワクさせんなよッ!!」

 

 

 

 

 

 




ピカチュウ
化け物。単純に速くて攻撃が高い。電光石火中に電光石火をすることでアンカーの目ですら追えない速度を出すピカ様。当然の如くボルテッカーの反動は無い。

ポッチャマ レベル83
レベルはほぼ上がってないがこの辺りになると普通。みずのちかいにヒレを突っ込んで氷の剣を生成出来る。モンスターハンターのゴシャハギに近い。冷気の剣とは違い実体があるため打ち合いには向いている。
何故かポッチャマが剣使い枠になりつつある。




というか実況と解説が難しすぎる…

次の話なんですが久しぶりのガチバトル回です。描写の仕方なんですがどちらがいいでしょうか?

  • 実況や解説を入れる
  • 今まで通りトレーナー間だけで完結
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