オーバーロード~至高のもう一人は救済を望む〜   作:アバダケダブ郎

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全国の餡ころもっちもちさんのファン皆さんすみません(先行入力)
※オリジナル設定&原作キャラ崩壊注意


26.人間の目玉って要ります?

「<製作者 風鈴菓>…って、ええ!?なんでふうかさんの名前が!?」

 

「クラフトスキルの製作者名ですよ

あまのまさん製の装備についてるのと同じやつ

 

魔化手術<デモニック・サージェリー>もクラフトスキルの一種なので」

 

「それは知ってますけど…どうしてここに?」

 

「それは、こいつが餡ころもっちもち(もっさん)のペットだからです

…たぶん」

 

ええっ!?と仰天するモモンガさんに慌てて補足する

 

「現実で飼ってる方のじゃなくてゲームの方の

実はハムスターを買うとき、どんな感じか分からなくて試しにとゲームで飼ってみたんですよ

 

それで思いのほか気に入って、もっと活躍させたいからと強化を頼まれたんです」

 

「でも餡ころもっちもちさんって遠距離狙撃(イーグルアイ)手ブレ完全無視(ストレングス・オブ・タイタン)、あと永久隠密(シャドウウォーカー)も取ってますよね

それぞれ野伏せ(レンジャー)狂戦士(ベルセルク)それに暗殺者(アサシン)の最高位スキルなので、

一番近い野伏せ(レンジャー)派生のテイマースキルでも6レベル分スキルポイントが足りないはず…」

 

何この人こわい

人のビルド当たり前のように暗唱できるとか

 

「飼ってたのはAOGに入る前、まだガチってない頃です

悪質PKに絡まれて、テイマースキルが消えるまでリスキルされて

このハムスターもその時に消されたんですよ」

 

「その悔しさが、餡ころもっちもちさんをヘルヘイムの狙撃王(シモヘイヘ)に駆り立てたのですね‥」

 

ともっさんの心境を勝手に代弁し、PKへの怒りを露にするモモンガ

…実はマッドサイエンティストのスキル上げ用実験体の確保に協力してくれてただけだし、

歩むもなにも元からバトロワゲーのトップランカーでドンカツを主食にしてるような人です

 

…なんて言い出せない空気

SNS遡れば全盛期(やんちゃ)してた頃のエピソードがどんどん出てくるけど

 

モモンガさんやってないからな…

丸くなった後のゆるふわお嬢様な一面しか知らないのだろう

 

「だけど、ペットがこっちにいるということは…

来てるんですね、餡ころもっちもちさんも!」

 

興奮気味に共感を求めてくるモモンガさんには悪いけど、可能性は低いと思う

 

スキルが消えて野生化したペットだから本人との関係はもう切れてるはず

 

うきうきとハムスターに状態異常治療のポーションを飲ませるモモンガさん

 

「う、ううん…はっ!ここは!某は確か…!」

 

「森の賢王と言ったか?二つ選択肢をやろう――」

 

嬉しさのあまり顔がニヤけるのを止められず、却って不気味なモモンガに気圧され

獣は即座に服従を選んだ

 

■■■■

 

「これが…森の賢王?」

 

ハムスターの背中に乗ってンフィーレア達の元に帰ると

案の定信じられない、と言わんばかりの反応をされた

 

まあこんな可愛い生き物が森の賢王だなんて思わないもんね

 

「大丈夫ですよ

ちゃんとテイムしてますので、暴れたりはしませんから」

 

「フーリン殿の仰る通りでござる

この森の賢王、殿達に仕え共に歩む所存

 

皆々様にはご迷惑をおかけしたりはせぬでござるよ」

 

モモンガさんの実績作りなんだから本人が主人になるべきなのに

自分もテイマークラス持ってる癖に何故か必死にこっちに押し付けられた

 

黒鎧着た大男がハムスターに跨るシュールな絵面が見たいのに

まあ、もふもふしてて座り心地良いからいいんだけど

 

「すごい!なんて立派な魔獣なんだ!」

 

「強大な力と英知を感じるのである」

 

力?英知?と突っ込むモモンガを置いてけぼりにして

 

口々にハムスターを称える一行

 

「ど、どうしたでござるか?フーリン殿

某の顔に何か付いてるでござるか?

 

くすぐったいでござるよ」

 

いや、もしかしたら私の見えてる姿と実際の姿が違うのかなって

触って確認してるんだよ

 

…ちゃんともふもふの毛だるまだよな?

 

「モモンさんはどう思います?」

 

「ただのでっかいハムスター」

 

ですよねー

おかしいのはこの世界の人間のセンスだ

 

■■■■

 

「フーリンさん、その魔獣を連れ出した場合、カルネ村にモンスターが襲いかかったりしませんか?」

 

「どうなるんですか?」

 

問われたのは私だからと律儀に伺ってくるハムスターに返答を促す

 

「その可能性はござろうな」

 

「そんな…で、でしたら

僕をお二人のチームにいれてくれませんか?」

 

「何故に?」

 

「僕はエンリとこの村を護りたい

僕にその強さの欠片でも教えてほしいんです!

薬学については自信がありますし、荷運びでもなんでもします!

 

だからお願いですっ!」

 

いい覚悟だ少年

 

『まさかと思いますが』

 

『いいじゃないですか、どんなマジックアイテムでも使えるタレントですよ?

宝物庫で埃かぶってるクラス専用装備とか色々活用できそうじゃないですか』

 

『40秒で支度しな!的な理由じゃなくて安心しました

 

営利目的なら私に任せてくれませんか?

良い考えがあるので』

 

なんか変なフラグを立てたモモンガにリードを渡して観察していると

パーティーには入れないけど、カルネ村でエンリの元鍛えられてみてはどうか?

と勧誘していた

 

『なんでカルネ村?』

 

『レアなタレント持ちですし、ただでさえ狙われてるふうかさんと一緒だとちょっと守りきれる気がしないです

それに比べカルネ村ならルプスレギナ達が守ってくれますし

ついでに恋心を抱いてるエンリにくっつけて恩を売れれば、自分から協力してくれかもですし』

 

『ウブな少年の恋心を利用するとはお主も悪よのう』

 

でも確かに、エンリが邪教にラリってる以上、宗教の違うエ・ランテルに迎え入れるのは色々危なっかしいし

二人でカルネ村にいた方が安全かも

 

ハムスターの居なくなった森にはアウラが定期的にペットを散歩させて縄張り主張させることになり

防御面はむしろ強化される流れになった

 

…間違って薬草取りを襲いそうなので、その点を確認するとちゃんと人を襲わないように徹底させるとのこと

ナザリックのNPCがみんなアウラみたいに聞き分けのいい子だったらどんなに良かったか

 

帰り道は順調そのもので、魔物の襲撃どころかサーチに引っ掛かったそばから全力で逃げ出していくシルエット達

そして私はハムスターに乗ってるので全然疲れない

そわそわと見上げてくるニニャも一緒に乗せて、ズンズンとエ・ランテルに進んでいく

 

 

「登録…ですか」

 

「ええ、組合で魔獣を登録すれば、冒険者同様に色んな所へ自由に出入りできます」

 

「その際に名前が必要、と

…そのままハムスターで良くない?」

 

どうせこっちの人達は存在自体知らないっぽいし

 

『いやいや、そんなピ〇チュウをピ〇チュウって付けるような

犬を犬って読んでるのと同じですよ?横文字ですけど!』

 

と突っ込んでくるモモンガ

 

『じゃあ何が良いんですか?』

 

『ハムスケ…いや、大福とか?』

 

『じゃあハムスケで』

 

実はこの子メスなんだけど、わざとミスマッチな名前を選んだ

うふふふとお上品な笑顔を浮かべながらモモンガさんを七面鳥撃ちにする餡ころもっちもち(もっさん)が見たいので

再会できたらだけど

 

ハムスター改ハムスケの名前が決まり、ンフィーレア達と別れ、モモンガとハムスケ三人で組合に向かう道中

道端からの悲惨な叫びに呼び止められた

 

「なあ!あんた、あんたが第六階位の魔法が使えるっていう聖女様なんだろう?

お願いだ!助けてくれ!彼女を…みんなを助けてくれ!」

 

声の方を向くと、狭い路地の間から血塗れの男が今にも泣きそうな顔でこちらを見ていた

 

「どうしたんですか!?」

 

「とにかく酷い怪我なんだ!お願いだ、早く!」

 

それだけ言って、逃げるように路地裏に消える

 

『どう見ても罠ですよ』

 

『…でも、あの目は本当に必死でしたよ』

 

大きく溜息をついて、頷くモモンガ

 

「分かりました、そばから離れないでくださいね」

 

「某もお供するでござる!…でもフーリン殿、この路地狭くて通れないでござるよ…」

 

「じゃあ留守番で」

 

こっちを誘い込むように時折振り向きつつ前を走る男

これで性懲りもなく自傷男の仲間だったらいい加減キレるぞ

 

…なんて悪態をつきながら進んでいると

男が急に立ち止まり、ピシッと背筋を伸ばしたかと思えば

痙攣しながら仰向けに倒れてきた

 

――その片目に細い刺剣(スティレット)を突き立てられて

 

「あーあ、死んじゃった

助けを求めてきた人が目の前で死んでどんな気分?ねぇ、聖女サマ」

 

コロコロと鈴を転がり回すような、綺麗でそれでいて逆撫でするような女の声

薄暗い路地裏の闇から滲み出た金髪の女は歪な笑みを浮かべながら一面に広がる死体を蹴り分けながら近づいてくる

 

「なるほど、こいつが黒幕か」

 

「そだよー♪聖女サマを連れてこないと仲間を皆殺しにするって言ったら~血相変えて走ってった

あ、でもその頃にはもう彼女さんしか生きてなかったけどね~

ちゃんと殺したよ?これであの世で結ばれるよね ハッピーエンド大団円♪」

 

心底不快な下品な笑い声で、吐き気を催す邪悪な行いを声高らかに歌う女

 

「何の用って聞いてもどうせまともに会話も成立しないんでしょうね」

 

「そんなことないよぉ?これにはちゃんと深い訳があるんだよぉ~

少し信仰魔法が使えるからって、調子に乗って聖女気取りの生意気な小娘の鼻っぺしを折ってやりたいんだよねぇ~」

 

私はモモンガさんに話しかけてるのに一々割り込んでなんなのこいつ。

こういう変なのに絡まれるから第六階位は反対だったのに

 

「あ、ズボズボぶっさすのも良いよ?

信じる神様の為に後生大事に取ってたりする~?」

 

 

「…きs『モモンガさん、ステイ』

 

「本当、どうするんですかこれ

このまま見なかった事にして回れ右しても、容疑者確実ですよね」

 

反射的にDQN女に怒鳴りそうになったモモンガを制止する

相手のペースに乗ったら負けだ――というか認知したくも無い

 

「いいやぁ?なんかこさこさ貯めたお金でプロポーズするんだ!とか喚いてたから

祝ってたお仲間さんから一人ずつ手伝ってあげたんだよね~どう?素敵なブラッディーバレンタインでしょ?」

 

「冒険者のネームバリューで誤魔化せないですかね?」

 

「…アインザックさんに言えば何とかなるんじゃないですか?」

 

補助隠密化・補助三重化・補助最強化・上位傷害障壁<インビジブル・トリプレット・マキシマイズ・エイド・グレーター・ダメージ・バリア>

やれやれと肩を竦ませて、なにやら喚いてる女に背を向けて来た道を引き返す

 

「おい…さっきから無視してんじゃねぇよ」

 

「あまり頼りたくないんですよね…

なんか、あの人に借り作ると後が怖いっていうか」

 

「そういえば会った時もやたらスキンシップしてましたもんね

てっきりモモンガ(・・・・)さんにそっちの気があるんじゃないかって付き合い方を考え直してたところです」

 

聞けよこら…!と喚く何か

悪質PKはミュートするに限る

 

価値観が全く違う相手とまともに会話しても、不快な気分になるだけだ

 

「このクレマンティーヌ様をシカトしてんじゃねーよ!!」

 

ピシッと障壁に何かが当たる

煩わしさ全開で目線だけ後ろに流せば、刺剣を宙に突きたて忌々しそうに睨みつけてくるクレマンティーヌとかいう金髪女

障壁は、緑のまま

 

「この人さっきからなんなんですか?

モモンガさんのお知り合いですか?」

 

「さあ?急に戯れついてくるからふうかさんの友達かと思ってスルーしてました

なんか、こっちから声をかけたらすぐ案件にしそうな面倒くさいオーラ放ってたので」

 

「それ暗に私が面倒くさい女ってディスってません?」

 

済ました顔してんじゃねぇっ!と激高した金髪女が再度刺剣を繰り出し、障壁に弾かれる

 

「実際面倒くさいような…時たま」

 

「よしそこに直れ、私がどれぐらい面倒くさいか思い知らせてやろう」

 

不落要塞、流水加速、能力向上、能力超向上、疾風走破

となにやらぶつぶつ呟き、女が超速で肉薄してくる

 

ピシッ

 

障壁がほんのわずかに黄色く染まる

 

「ねえところで。その体、元は穴なんだけど

使ってて嫌になったりしません?」

 

「あんまり気にしたことないですね…

改造前に比べて味覚が少し落ちた気もするけど、体は軽いし関節もコキコキ鳴らないし

 

村娘を襲おうとして、邪魔した親御さんを八つ当たりで殺すようなクズですけど

乗っ取ってしまえば本人の意識なんてどうでもいいですし」

 

「そっかー、本人の意識なんてどうでも良いですもんね

腕砕き<クリップル・アーム>」

 

「があっ!?」

 

後ろでなにやら武器を振り上げようとした女が腕を抑えて呻く

 

「というか、モモンガさん

一応人前ですから、ちゃんとモモンのロールプレイしてください

どこから話が漏れるか分からないんですから」

 

振り向き、驚愕に目を見開く女に視線を落とす

 

「くそがああああ!!」

 

「足砕き<クリップル・レッグス>」

 

逃げ出そうとしたので、足に激痛の呪いを掛け、転倒させる

 

「え?それは新しい容物だからノーカンですよね

他に誰もいないですし」

 

「ええ、折角の人間ですし

一目見た時からホームウェアにしようとは思ってました

 

ただ生理的に受け付けないから、帰ったらまずは全身の皮を剥いで部品の総取っ替えですね

極地幼雪竜(ベビー・ノーザン・ムシュフシュ)…は勿体ないので、

羽毛蛇(ケツアルコアトル)…アウラが飼ってるのちょっとだけ皮借りても良いですか?

あと目玉も替えたいので、その目玉ちょっと培養させてください」

 

芋虫のように手足をじたばたさせて這って逃げようとする女の足を踏みつけながら、その腰に回した刺剣<スティレット>を抜き取る

 

「モモンガさんモモンガさん、人間の目玉って要ります?」

 




クレマンにガチギレして完全無視の切嗣スタイルを敢行した主人公
アライメントが違いすぎるんだよ(秩序-善)

阿吽の呼吸でそれを察せる程度にはモモンガさんの好感度がジワジワ高まってます(描写したつもり)
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