オーバーロード~至高のもう一人は救済を望む〜 作:アバダケダブ郎
視界が暗転した次の瞬間、私たちは闘技場の中にいた
何かが暴れたように砂地が荒れ、微かに焦げ臭い匂いが充満している
まさか、襲撃が!?慌ててモモンガさんの姿を探すと——当の本人は幼女に抱きつかれて満悦していた
『モモンガさんもロリコンの血筋であったか…』
血は争えんな。流石エロ鳥頭(ペロロンチーノ)の親友である。
『やめて!? そんな全肯定されたら下手に軽蔑されるよりもキツいんですけど!?』
大丈夫ですよー。どうせ法改正で結婚年齢を引き下げる話も出てますし。
結婚すればなんと親の借金を5%、子供を産めばさらに5%でなんと10%も免除できるんですよ!慈悲深いね!
え、倫理<教え>はどうなってるんだ倫理<教え>は!!って?
何を言ってるのですモモンガ君。減少し続ける労働人口に歯止めを掛けるため、ひいては大和民族の存続のため資産家様達が国よりも何よりも大事な身銭を切り崩して下さっているのですよ?
ありったけの爆竹を地下鉄に詰め込んで、企業のビルに突っ込ませ、盛大に感謝の意を示すのが幸福な市民というものです。
なんて伝言<メッセージ>を飛ばし合っている間に吸血鬼ロリ、もといエロ鳥頭(ペロロンチーノ)のNPCシャルティアとその姉マーラ様(ぶくぶく茶釜)のNPC、ダークエルフの双子姉アウラが喧嘩を始め、
遅れてやってきた軍神武御雷さんのNPC、昆虫魔コキュートスに仲裁された。
さらに遅れて師匠(ウルベルト)のNPC、悪魔デミウルゴスとタブラさんのNPC、サキュバスのアルベドがやってきて、闘技場に守護者NPC達が勢揃いした。
■■■■
『先に言っておきますけどね』
ドス黒いオーラを放ち、守護者NPC達を睥睨している威圧の王様からこっそり伝言<メッセージ>が飛んでくる
『設定通りというか、NPC達が忠誠を向けてくるから、そうれに応じるため仕方なく
仕方なく!上位者として威厳を振舞ってますからね!だから変に茶化さないでくださいよ
中身がこんなのってバレないようにこっちは必死にアドリブしてるんですから!』
『ちょうどモモンガさんが年甲斐もなく中二病を再発したんじゃないかと心配していたとこなので、それを聞いて安心しました』
『だから茶化さないでくださいってば!』
あ、絶望のオーラが強くなった。感情で出力が変わるのかな
そんな感じでNPCたちの忠誠の儀を眺めていると、心なしかげっそりしているモモンガさんと目が合った
「至高の御方が一人、フーリンカ様の従者、ラッフィー。御身の前に」
傍から見ればモモンガさんがラッフィーを凝視しているわけで
そりゃこの子からしたら「なんでみんな頭下げてるのにお前だけ突っ立てるんだ?」って言われてるようなものだよなぁ
あまりうちの子苛めないで欲しいんだけど?
「素晴らしいぞ、守護者たちよ!お前たちなら失態なくことを運べると強く確信した!」
こっちの気も知らずに芝居がかった仰々しい仕草で宣告するモモンガさん。
「さて、現在ナザリック地下大墳墓は原因不明の事態に巻き込まれている」
そういって視線を移すと、その先でセバスが一礼し、外の状況を報告してくれた。
なんでもナザリックは元いた沼地ではなく、見知らぬ草原に転移しているらしい。
伝言<メッセージ>で相談した結果、ユグドラシルでは最高レベルだったけど
この世界ではどの程度の強さか分からないので、
安全を考慮してダークエルフの双子の弟、マーレに土魔法でナザリックを隠してもらい
残りのNPCには警護の強化と情報収集をさせることにした。
打ち合わせ通り命令を出し終えたモモンガさん
と思いきや、何を思ったのか自分のことをどう思っているか全員に聞き始めた
『NPC達が自分の意思で動いているのならちゃんと気持ちを聞いておかないと、
万が一反乱でも起こされたりしたら大変ですよ』
こんなやり方で本音なんて聞けるわけないだろうに
いきなり上司が目の前に来て「お前、俺のことどう思ってる?ん?」ってやられたら、全力で靴を舐めるに決まっている。
現にみんな背中がむず痒くなるような美辞麗句を並べてモモンガさんのことを全力でヨイショしている。
「 ——最後まで私たちを見放さずに残っていただけた、慈悲深き御方です」
…引退勢はそう言う風に思われてるのね。これは、名乗り出るのはやめた方がいいかも
伝言<メッセージ>
『ラッフィー、私のことはみんなには黙ってて』
『…わかりました、マスターがそう望むのなら、言う通りにしますね』
あ、これは失敗したかな…信頼してないって思われてそう
『急に伝言<メッセージ>が切れましたけど、大丈夫ですか?』
『ラッフィーに私のことを黙っておくように伝言<メッセージ>を送ってました。
って、ちょっ、視線!』
言われ、はっとなるも、時既に遅し。この流れでモモンガさんがラッフィーを見ていたらそりゃ、もう。
言うしかないわけで
「至高の御方の一人、風鈴菓様の一下僕でしかない、取るに足らない存在である私にも、
庇護と使命をお与え頂き、導いてくださった、恩義ある御方です」
と深く頭を下げるラッフィーに、
「各員の考えは十分理解した。今後も忠義に励め」
とだけ言い残し、フッと姿を消すモモンガさん。
これ、ラッフィーの返事に腹を立てて立ち去ったようにも捉えられるからもの凄く気まずいんですけど
抗議しようと思っていたら、向こうから伝言<メッセージ>が飛んできた
『え、なんですかあの高評価の嵐!?あいつら、マジですか!?』
『どうなんでしょう。あまりにもクサすぎてひたすら背中が痒かったです』
幸い、私のことはまだバレてないし、NPCたちの話を盗み聞きしてみよう
支配者の前では忠実に振る舞ってるけど、裏で何を言ってるのやら
■■■■
「このビ○チ!」
「はぁ?モモンガ様からあれほどの力の波動 ご褒美を頂いたのよ!
それで濡りんせんほうが頭おかしいわ 大口ゴリラ!」
「ヤツメウナギ!」
え、何この子たち怖い。
誰がモモンガの伴侶に相応しいか言い合ってたらどんどんヒートアップして、とうとう口汚く罵り合い始めた
「あー、君たち。女性のことは女性に任せるよ」
クイッとメガネを押し上げ、自分は関係ありませんとコキュートスを連れて離れるデミウルゴス
その後を追うようにマーレも小走りでついていく
『ラッフィー、デミウルゴスに付いてって』
『あの、それだとアウラちゃん一人になってしまいますけど… 止めなくて、大丈夫なのですか?
私は、アウラちゃんが心配です…』
大丈夫。というか関わりたくない。
メンヘラ同士の戦いとか全方位に飛び火しそうな危なっかしいもの
遠くから眺めて愉悦に浸るのが一番
それにモモンガさんを愛してるからの喧嘩だし、裏切る心配は無いはずだ
「個人的には、結果がどうなるか非常に興味があるところです
戦力の増強でも、ナザリックの将来という意味でもね」
「ど…どういうことですか?」
「偉大なる支配者の後継は、あるべきだろう?
モモンガさまは最後まで残られた。だが、もしかするといずれ他の方々と同じ所へ行かれるかも知れない
その場合、我々が忠義を尽くすお方を残していただければ、とねぇ」
「それハ、不敬な考えやも知れんゾ!」
「ただ…モモンガさまの御子息にも、忠義を尽くしたくはないかね?」
「ムッそれは確かに憧れル…いヤ、素晴らしいナ!」
離れたところからアルベドとシャルティアの正妻戦争を見学しつつ、そんな会話を交わす三人。
え、なにこの忠誠心ガンギマリの狂信者集団。
マルチに嵌った信者のように、見返りがあるから細い目ギラギラさせて忠誠心ごっこ演じてるほうがまだ人間味があって見ていて安心するんだけど!?
心底嬉しそうにモモンガに仕えるその様子に
上司の前では美辞麗句を並べつつ後ろ手に中指をおっ立てることを決して忘れない心卑しい人間であるところの私として恐怖しか感じず、
さっきから背中がむずむずして冷や汗が止まらない。
「ところで、君はあちらに混ざらなくて良かったのかねぇ?」
「私は…その、こうしてここに居させてくれているだけでも、これ以上ないほどに感謝していますので
それに…私のマスターはいまでもフーリンカ様なので、マスターの望まない、かも知れないことはしたく無いです
もし気を悪くさせてしまったのなら、ごめんなさい…」
話を振られ、時折こちらを意識するように視線を彷徨わせながら、慎重に言葉を選んでいくラッフィー
元々奴隷で、他人の気持ちに人一倍敏感という設定があるので、かなり辛そうだ
他のNPCと違って、私がいることを知っているわけだし、どこまでが本心なのか分からないけど
「それもそうだね。第一にお仕えする方が違えど、その直向きな気持ちは是非見習いたいものだよ
いつか——考えたくもないし、絶対にあってはならないことだが…
もし、モモンガ様の傍でお仕えすることが出来なくなったとしても…そう!例えば失望させてしまい、見捨てられることになっても
キミのように不変の忠誠を未来永劫捧げられるように、かくありたいと思っているよ」
「そうならないように、これからも一生懸命頑張らないと…!」
「うム、至高の御方のご期待に応えられるよう、これからも一層精進せねバ」
ぎゃああああ!背中がむずむずする!もう無理、忠誠心が高すぎて溶ける浄化されてしまう!
『モモンガさん!モモンガさん!!
アルベドとシャルティアどっちが好みですか!?
このまま忠誠心ガンギマリの狂信者たちに囲まれて余生を過ごしたくないなら
どっちでもいいから、さっさと子供作ってそいつにギルドマスターを押し付けて逃げた方がいいですよ!!』
『え?は?え? ちょっと離れた間に何が起きたんですか!?』
キャラ紹介2
名前:ラッフィー
性別:女
カルマ:100(中立-善)
レベル:100
種族:異業種(人造物系)
種族レベル:人間 Lv.1
合成獣<キマエラ> Lv.15
血肉人形<フレッシュ・ゴーレム> Lv.10
人造鬼神<フランケン・シュタイン> Lv.5
職業レベル:奴隷 Lv.3
ファイター Lv.6
ガーディアン Lv.10
クレリック Lv.15
テンプラー Lv.10
シールド・ロード Lv.5
プリーステス Lv.15
ヴァルキュリア Lv.5
説明:
主人公がテイマー系クラス”スレイブマスター”で作成した従者NPCで、ナザリックのギルドNPCとは別枠。
名前はFluffy(ふわふわ)Roughy(わしゃわしゃ)Laughy(笑顔を浮かべて)のトリプルネーミング。
ゲームの奴隷市場で売られているコモンレアのNPC”奴隷の少女”をベースに、課金ドーピングアイテムや課金NPCの因子をマッドサイエンティストのスキルで惜しみなく組み込んだ結果、
守護者NPCに引けを取らない性能にまで育成された。
わざわざ奴隷のNPCを買った理由は、貧しい自分に重ねて、いつかこの地獄のような現実から助けて欲しい、ある種の願掛けである。
素直で直向きな小動物系の性格の愛くるしい印象の少女だが、設定では奴隷時代に培った観察眼で相手の望む言葉を聞かせ、無自覚で操ってしまう天性の魔女。
この設定のせいで「内心では嫌がってるかも」と主人から要らぬ配慮を受ける
風鈴菓(ふうか)の引退後はギルドに託され、プレアデス共々メイド軍団として配備されていたが
最終日に復帰してくれるかも知れないふうかのため、円卓の指定席で待機を命じられていた。
外見:
ヨークシャーテリアのようなもふもふなピンク色の髪をした、怯えた金色の瞳が印象的な少女で、体中の至るところに縫合痕があり、ゴシック・ホラー・ロリータな風貌。
体中の部品を異業種の物に取り替えられており、皮膚、眼球から骨格、筋肉、血液まで元の人間の名残がない、テセウスの船。
四本の腕のうち二本は巨人種<サナトス>から移植したもので、それぞれにアーティファクト級のタワーシールドを釘で複数打ち付けられている
普段着はホワイトブリム製のメイド服の上にファーの付いたクロークを羽織った英国婦女風の装いで、
本気装備は修道服のようなチェインメイルに両手持ちのウォーハンマー、そして両目を隠す眼帯
イメージはアークナイツのゴールデングローを縫合痕だらけにして、背中に巨人の腕を2本追加で生やした感じ
戦闘スタイル:
主人のデタラメビルドとは違い、最初からヒーラータンクを目指した一貫性のあるビルド。
やまいこを参考にしたAIルーティンで、ノックバック特化の巨人の両腕とウォーハンマーで近づく敵を吹き飛ばしつつ、回復魔法をばら撒く。
ふうかが騎乗<ライド>することで一人二役の回復をこなす。
特に上位加速<ハイヘイスト>が得意で、
様々な強化魔法を組み合わせることで任意の対象を最大8倍速まで加速させることが出来、肉弾戦が苦手な主人に翼を授けたり
たっち・みーのような逸般人の人間卒業を手助けしたりできる