勝利の女神NIKKE on DUTY   作:整備士Y

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プロローグ Act.2

 

「バカな事を言った俺が悪かった。デルタ状況は?」

「はい。ここから5300m先にある公園に、つい最近仕掛けられた高濃度エブラ粒子発生器が確認。周辺地域にレーダージャミンング、通信障害が発生してます。」

「ふむ...シグナル、この地帯の通信障害が発生してどれくらいのがたつ?」

「“観測所”からのデータによると発生して65時間です。」

「発生器からそう遠くない地点で、行方不明になってる部隊が最後の通信ログが5時間前....一時的に発生器が機能停止したか。」

 

机の上で展開してるデジタルマップに自分たちの位置を記す青い店と敵表示の赤い点、そして通信ログ地点を示す黄色い点の位置を見る。

 

黄色い点をタップすると通信ログ映像が映し出される。

軍服を着た指揮官らしき人間が涙顔で、カメラに必死に怒鳴っていた。

 

『クソ!クソ!クソぉぉ!!使えないニケどもめ!!ささっとくたばりやがって!!何が“お守りします”だ!!みろ!俺の腕を血だらけじゃないか!!クソ!』

 

銃声する最中、フラフラとカメラ映像が揺れて逃げてるのだろう。典型的なアーク指揮官だな。

 

『そもそも!こんな任務始めからおかしかったんだ!俺のような指揮官に量産モデルのニケなんか押し付けやがって!!何が簡単な仕事だ!あのクソ副司令!!該当地域の掃討だけで報酬も通常の倍だったのもおかしい!!』

 

カメラ映像は地面だけを写し、息が切れたのか、ゼハーゼハー言い立ち止まる。

 

『こんなはずでなかったのに....ぁぁあああ!やめてくれ!!!こっちにくるな!!!!ぁぁっぁっぁああああ!!!』

 

すぐそこまで迫っていた大型のラプチャーがドアップで映し出され最後は砂嵐となり映像が終了する。

映像映ってた部隊以外にもあと2部隊、同じような任務が言い渡され出動してるが、どちらも定時連絡がなく行方不明部隊に認定されてる。

 

「全員聞いてくれ、再度確認する。今より約5時間前に先ほど見た通信ログをアーク司令部が受信。その後掃討任務に派遣された3部隊と連絡が取れず行方不明となり、この3部隊をMIA認定、MIA部隊の捜索と奴等がお残ししたラプチャーを掃討するのが、今回の任務である。」

 

デジタルマップの自分達の位置からログ発信地点とジャマーの位置を線で結び、途中のルート取りと障害物を書き込んでいく。

 

「なお、アーク司令部より2部隊派遣されることになってる。それもどちらも学校を卒業したての“前戯すら知らない童貞”達だ。しかも今回はそいつらのバックアップに徹しろの事、偵察とジャマーの破壊、あとは残飯処理だ。」

「全くアークのお上は何を考えてるやら、これほどの損失してる出してる地域に新人を派遣するなんて...」

 

呆れながらため息を出すベルクト。

それに合わせて自分も肩をすくめる。アークの無謀な作戦は今に始まった事ではない、過去に何度、総司令部にランチャーを打ち込んでやろうか考えたことやら。

 

「質問はあるか?」

「はい。指揮官、発言よろしいですか?」

「デルタ、なんだ?」

「今作戦の最優先目的は部隊捜索ですが、我々は第一目標がジャマー破壊、第二目標に捜索部隊の支援でよろしいですか?」

「そうだ、偵察支援の結果はアーク司令部のオペレーターへと送る。その為にはまず我が隊がジャマーを破壊、通信障害を復旧させる。シグナル、障害復旧後はオペレーターへ偵察情報を送る。データの整理と通信機のチェックを頼む。」

「は、はい!り、了解しました....」

 

「交戦規定は告げる!

1、可能限り交戦は控え、目標の破壊せよ。

2、反撃を必要に場合は、火器の使用を許可する。

3、アーク派遣部隊への直接支援は避けよ。

以上だ。10分後に出発する!各員装具点検!」

 

「「「了解!!」」」

 

デルタ、シグナル、ベルクトの3人がそれぞれの持ち物を再度確認していく。

自分もここまで来るまでに消費した弾をマガジンに詰め直しマグウェルに納める。MCX mod2のマガジンを抜きチャージングハンドルを引き最後の1発を廃莢しレシーバーをテイクダウン、内部に異常ないか確認し再度閉めてチャージングハンドルを引きドライファイヤをして作動を確かめ、再度マガジンを差し初弾を装填、セーフティをかける。

今度はサイドアームの大口径ハンドガン“マロリアンアームズ・3516”

も同じ工程で動作確認する。

テトラ社が運営する子会社が特注で作ってくれて、最大の特徴となっているトリガーの前にマガジンハウジングを持つスタイル となってる。MCX mod2と同じく長年使っている愛銃だ。

いち早く準備が終わったベルクトが寄ってきて敬礼して。

 

「準備完了。いつでも行けます!」

「了解。いつも通り俺の背後は頼んだぞ。ベルクト」

「はい!お任せを!」

 

最後に腰に下げていたタクティカルアックスの位置を確認して、ヘルメットを被り頸にあるスロットにコードを接続しインターフェイス情報が視野内に流れてインプラントしている目“キロシ”を通して周りを見渡すと、全員準備が終わり整列していた。

 

「では、いこう。”タスクフォースΛ-1(ラムダワン)“状況開始!」

 

タスクフォースΛ-1、通常部隊の垣根を越えて複数から隊員が集められ、一時的な混成部隊を編成し、ヴィンセントが作戦行動を直接指揮する際に使われるコールサイン。

人類を守護し、勝利に為にニケになり兵器として生まれた変わった彼女達の更に前へ行き、アークの他の指揮官と違い、普通の人間では到底扱う事すら出来ないニケ用の火器を平然と撃つことできる。

ニケと共に肩を並べ戦列に加わる異質な存在。

 

ヴィンセントの物語である。

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