デルタは隣で周囲を警戒し歩く指揮官“ヴィンセント上級大尉”の事を考えるつつ、もう一つの長期任務のことを思い出す。
『でしたら、私にΛ-1に加わり、ヴィンセント上級大尉を監視しろ、とのことですか』
『そうだ、デルタ、シグナルで監視と評価、アークへの動向などのスパイ活動となる。我が社の中では、タクティカルに動ける“スカウティング”が適任と判断した』
…
(あれから随分経つが未だに底してない何かをもってる人物であり、このスパイ活動も本人はもちろん、副官としての役割をになってるベルクトにも知られているが特に気にした様子もない。指揮官は本当に不思議な人だ。)
「どうした?デルタ??」
「ぃぇ...間も無く日の出です。」
遠くのビル群の隙間から見えてきた光さす方へ顔向ける。
すると太陽を背にして黒い点が2個あるのが遠目で見えヴィンセントがつぶやき
。
「...やはり予定より早すぎる。ジャマーを破壊して偵察データを受け取ってからLZ(Landing Zone 降着地域)に侵入してくる手筈なんだが...」
「隊長〜まさか、手柄欲しさに強攻して来な...ぃ....」
ヴィンセントとベルクトはそう話していると黒い点はどんどん大きくなり、直ぐにVTOL輸送機2機が上空を通過して行った。
「やってくれる!分隊!駆け足!ジャマー破壊を急ぐぞ!」
「フォーメンションF.C(Fireteam Column)!」
号令と共に2列の縦隊となって道に転がる瓦礫等を避けながら走るスピードをどんどん上げていく。
すると遠くの方で爆発音が聞こえ、そちらに目を向けるとエンジンから黒い煙を拭きながら今にも落ちそう輸送機2機が高度を落としていく。
高度を落として強制着陸しようとしてる先にはラプチャーがいたのだろう、ラプチャーの有効射程内に入ると、次々と攻撃を受け地面に機体を叩きつけていった。
「こうなるとは思ってたよ!隊長!もうすぐ破壊目標地点に到達します!」
「こんな大騒ぎなったらステレスする意味はない!派手にやってこちらの方にラプチャーを引きつける!」
大通りに全速力で駆け抜け、ジャマーが設置されてる公園へとたどり着く。
ラプチャーが10体ほど彷徨いている。
今までの経験上、ジャマー本体への銃撃よる破壊は時間がかかる為、まずは周りに居るラプチャーの掃討にかかる。
ハンドルサインで3人にそれぞれ5m間隔で遮蔽物分かれるように伝えて、公園を半包囲する形で配置に着き、一呼吸おく。
「これより公園全体をEA(Engagement Area 交戦地域)に指定。敵勢力を排除せよ。ベルクト、EMPグレネードの準備。タイミングを合わせろ。」
「ラジャー、EMPグレネードスタインバイ」
「し、シグナル、デルタもいつでもいけます。」
静かにそれでも力強く開戦の合図を告げる
「Λ-1!エンカウンター!」
ヴィンセントとベルクトのEMPグレネードを投擲し地面に落ちる瞬間、デルタとシグナルによる射撃音。
2体のラプチャーが蜂の巣され、残りが射撃音がする方へ砲身を向けようとしてるところにEMPグレネードが炸裂。
動きを封じられたところを今度はヴィンセントとベルクトの一斉射撃で次々と破壊されていく。
ものの数秒でかたがつき、最後に脚部と砲身撃たれて動くとも反撃する事も出来ない一体が駆動音をけたたましく鳴らしている。
「撃ち方やめ!!
こいつは残し、コーリングシグナルを鳴らさせる。ベルクトとシグナルは敵が来るまでにジャマーにC4を仕掛けろ!」
「「了解!」」
「デルタは俺と周辺警戒!」
遮蔽から出て、ヴィンセントとデルタは周囲を見つつ警戒。
ベルクトとシグナルがジャマーに近寄り有線式の次々とC4を仕掛けていく。
するとどこからともなく、あらいる方向からラプチャーの駆動音次々と聞こえてくる。
「くるぞ!増援だ!ベルクト!仕掛け終わったか!?」
「あとちょっとです!」
「木偶の坊共が来るぞ!急げ!」
遠くから朝立ちの薄い霧のなから無数の赤い光が見えてくる。そのうちに一つが強い光るを放つ。ヴィンセントは急いで遮蔽に伏せるとさっき顔を出して所に荷電粒子の光の筋が通りすぎる。
「Weapons free! Weapons free!!」
そう叫ぶと各自が自分の判断で射撃し始める。ヴィンセントは瀕死だったラプチャーにトドメをさし、ヴィンセント自身のサイバーウェアの基幹システム“アポジー・サンデヴィスタン”を起動。反射神経と肉体制御を限界まで高め、自身以外の時間の流れが極端に遅くなる。
MCX mod2のハンドガードを遮蔽物に預けて委託射撃し、迫りくるラプチャーのコアに確実に弾丸を叩き込む。マガジン内の弾を打ち切った所で、サンディスタンスの持続時間が終わりクールタイムに入る。
その間に遮蔽に隠れマガジン交換しボルトリリースボタンを叩きボルトを前進させ弾丸を送り込む。再度射撃姿勢に入り応戦する。
各員が順調にラプチャーの屍を増やすが次々と湧いてでくる。
「指揮官、撃破数が50を超えましたが、見えるだけでまだ30機以上います。包囲状態に入りそうですが、どうしますか?」
「よし、各員!公園から撤退する!
3時の方の路地まで移動。デルタ、ポイントマンを頼む。」
「了解。先導します。」
「ベルクトは起爆線を!シグナルは俺と援護射撃だ!」
「移動します!」「り、了解!!」
数体しかいない包囲が薄い方へ移動し始め、デルタが417DMRの正確な射撃でコア撃ち抜き無力化していく。
「進路クリア!指揮官行けます!」
「GOGOGO!!」
デルタが作った包囲を抜け穴に通り公園から遠ざかっていくが、粒子砲を乱射しながらついてきた10数体に応戦していく。
ラプチャーの半数以上はまたジャマーの守りに入ったのだろう。大半だ公園内に留まっている。
路地に入り十分に公園から離れた所でベクトルに合図を出す。
「やれ!ベクトル!!」
「待ってました!!たーまやーー!!」
そう言いC4の起爆剤と繋がっている有線のスイッチを数回押す。
轟音。大爆発と共に遮蔽越しに衝撃波と振動が伝わり、爆発されたラプチャーの破片やら飛んでくる
その衝撃で残り数体のラプチャーがよろめいたその隙を逃さんと全員で掃射し一掃する。前方視界に立ちこめる粉塵だけになり、キロシをスキャンモードにしてあたりを見回すが動くものはない。
「クリア!!」
そうヴィンセントは言うと、緊張の糸が切れたのかシグナルが座り込む。
「は、はぅ!す、すごい衝撃ですぅー」
「ベルクト!”また“やったな!!どんだけ仕掛けたんだ!!」
「.....テヘ♪」
ベルクトは爆発物の取り扱いについては超一流だが、やり過ぎる節がある。
本人曰く“爆発は芸術である”という。
いつものことながらため息吐きつつとりあえず、ゲンコツを頭に落とすと、ベルクトは頭を抱えて悶える。
「指揮官、”先ほどの爆発”で増援のラプチャーが大半が消し飛びました。戦果は76機まではカウント、そのうち3機はロード級でした。」
「あとは木っ端微塵になったか...ジャマーは?」
「ジ、ジャマー反応消失、破壊を確認しました。」
「了解した、分隊待機しろ!俺はアーク司令部にCALLする。シグナル繋いでくれ。」
そう言いとシグナルが背負う通信機に腕から出した接続ケーブルを繋ぎ、今回の作戦オペレーターに通信する。
「こちら、”Λ−1“聞こえるか?」
《....く...ぇます...》
「シグナル、通信感度を上げてくれ。まだ少しエブラ粒子が残留してるみたいだ。」
「了解...感度上げます。」
《アークから地上の作戦部隊へ!聞こえますか!?》
「アーク司令部、こちらΛ−1、感明よし。」
《やっと繋がりました!こちらアーク情報部のシフティーです!》
「シフティー、グリットD8の高濃度エブラ粒子発生器を破壊、第一フェイズを完了。作戦地域の浄化シーケンスを要請する。」
《了解しました!浄化シーケンスを開始!.....78.6%.....53.2%....21.5%....》
《通常通信可能範囲に減少しました!》
通信しつつ分隊にハンドサインで移動する事を伝え、シグナルの通信機との接続を切りケーブルを抜く。
「よし、こちらの分隊の現状を伝える。
現在ジャマー破壊後、指定偵察ポイントC7に移動中。これまでの偵察結果と地形データを送る。ただ作戦中にアクシデントが発生。データの敵勢力情報が合わない可能がある。」
《データ受け取りました!...アクシデント?...先ほどから上空待機命令の捜索隊の輸送機との通信が繋がりま....せ...!!まさか!》
「その“まさか”が原因だ。まだジャマーを破壊してないのにも関わらず輸送機2機が作戦地域に侵入、墜落した。」
『っ!!!エブラ粒子濃度が低下できたので至急、捜索隊に通信を繋げます!Λ−1分隊はそのまま指定ポイントまでの移動をお願いします!その後動きはおって指示を出します!!』
「了解!Λ−1通信終わり。」
通信を切ると分隊全員に目配りすると、呆れ顔のベルクトに普段通りのデルタと不安そうな表情のシグナルいる。
「分隊、駆け足で移動。指定ポイントで弾薬の補給と別命があるまで待機する...今日は長い1日になりそうだ...」
補足
サンデヴィスタン“アポジー”
人間性コストを大幅に使い驚異の性能を発揮するアイコニックのサンデヴィスタン
発動中、自分以外の時間の流れが85%遅くなる
ヘッドショットダメージ+10%
クリティカル率+14% クリティカルダメージ+13%
発動中に敵を無力化すると: 持続時間延長+20% スタミナ+22%
最大持続時間: 8秒 クールダウン: 25秒