バトルファイト
それは、【アンデット】と呼ばれる53体の不死の存在が、己の種族の繁栄をかけて戦う、バトルロイヤル。
勝者となった種は、黒い石版モノリスを通じて地球上の有機生命体とコンタクトし、バトルファイトを管理する存在――【統制者】から地球上の全生命を自分の望むがままに変革できる万能の力が与えられ、その後の世界を自分の思い通りのものにできる。
そして負けた種達は、モノリスによって【ラウズカード】と呼ばれるカードに封印されてしまう。
また、バトルファイトには1体だけ、異なった存在がいた。
どの種の始祖にも該当しない存在、【ジョーカー・アンデッド】。
ジョーカーにはモノリスのように、アンデッドをカードへ封印する能力を持ち、他のアンデッドが腰に巻く【アンデッドバックル】とは違う【ジョーカーラウザー】を使い、アンデッドが封印されたラウズカードをラウズする事で、封印されたアンデッドの姿に化身する事ができる。
そしてジョーカーが優勝すると、ジョーカーの肉体とモノリスから、【ダークローチ】と呼ばれる怪人が出現し、世界を滅ぼしてバトルファイトをリセットさせる。
1万年前、バトルファイトの戦いで、ヒトの始祖たる不死生物・ヒューマンアンデッドが優勝し、あらゆる動植物が暮らす世界がもたらされた。
そして優勝したヒューマンアンデッドも、願いを叶えた後に封印された。
それから長い年月が経った。
2001年のある日、チベットの洞窟内で、壁画に残された人類基盤史と、アンデッドが封印された52枚のラウズカードが埋め込まれた結晶体【ボードストーン】発見された。
これらから得られたバトルファイトの事実を解明する名目で、人類基盤史研究所
順調に研究は進められていたが、研究員の1人である
BOARDの理事長、
この直後に、ライダーシステムの提唱者の研究員である
解放させた張本人である義人は、行方不明となった。
完成したライダーシステム第1号・ギャレンの装着者に、若手研究員である
着々とアンデッドを封印して行き、やがて戦力増強の為に開発されたライダーシステム第2号・ブレイドの装着者に、一般人の青年である
橘と剣崎はアンデッドの封印に一層尽力していくが、2004年の初頭、研究所の地下に保管されていた無数の卵から孵化したローカスアンデッドの分身であるイナゴの大群により、剣崎と義人の娘で烏丸の直属の研究員である
剣崎と栞は、ネットでBOARDを知り、仮面ライダーの取材を試みていたライター、
戦いの中で剣崎は、解放されたヒューマンアンデッドとマンティスアンデッドを封印し、
一方で、不可解な失踪をしていた橘は、ライダーシステムに体を蝕まれ、烏丸等への恨みを抱えながらさまよっていた。そして密かに烏丸を救出していたのだ。
しかしシステムに欠陥はなく、苦痛の原因は橘自身の精神的弱さに起因しているものだったが、彼は認める事ができなかった。
そんな時、橘の前に伊坂という人間に化けていたピーコックアンデッドが現れ、副作用はあるもののかりそめの力を与えた。伊坂に恩義を感じた橘は、ピーコックアンデッドに言われるまま、アンデッドを封印して回る。ピーコックアンデッドの目的は、新たなライダーシステムを作ることであった。その為に橘に必要なアンデッドを封印して回らせ、烏丸を操り新たなライダーシステムを作らせていた。
そんな橘の体を心配して、大学時代の同級生で恋人である
それを知った橘は怒り、ピーコックアンデッドと戦い、見事封印してみせた。
これでまた共に戦えると思った剣崎だったが、橘は小夜子を危険に巻き込んでしまった事を後悔し、戦う事を拒絶してしまう。
そして伊坂ことピーコックアンデッドが作らせたライダーシステムは、カテゴリーエースで封印されたスパイダーアンデッドの邪悪な意思を色濃く反映する物であった。
虎太朗は意識を操られ、バックルで新たに変身しそうになるが、剣崎のおかげで意識を取り戻し、バックルを手元から落とす。
その際にシステムが起動し、バックルから現れた光の壁が虎太朗に迫る。剣崎は虎太朗を突き飛ばし、光の壁に当たる。
それにより変身しかけるが火花が散り、剣崎は吹き飛び、バックルが紛失してしまう。
紛失したバックルは1人の男子高校生、
それを知った橘は、先輩として睦月を指導し鍛えようとするが、アンデッドの呪縛は強く、睦月の精神を侵食していった。
そんな折、研究の為にチベットへと向かった烏丸の使いとして、争いをこのまないアンデッド、タランチュラアンデッドこと
嶋と対話し、自身の戦う理由が義務や使命などではなく愛だと悟った剣崎は、嶋から烏丸が開発したアイテムである【ラウズアブゾーバー】を受け取り、【ジャックフォーム】と呼ばれる強化変身能力を得る。
そして嶋は、睦月の力となる為にあえてカードに封印されたが、効果は現れずに終わる。
それからしばらく経ったある日、自身もジャックフォームの力を得た橘は、栞の父である義人と接触し、剣崎が封印したアンデッド達と融合しつつあること、始の正体がジョーカー・アンデッドであること、ジョーカーが勝ち残ると世界が滅びることを知らされる。
剣崎の身を案じた橘はジョーカーの危険性を訴えるが、始を信じる剣崎は力ずくでも考えを曲げない。
義人は剣崎を安全に確保する必要があると橘を言いくるめ、剣崎に改造実験体トライアルを差し向ける。
剣崎は戦いの中でカテゴリーキングであるコーカサスビートルアンデッドを封印し、アンデッド13体と融合した【キングフォーム】へと進化してトライアルを撃退したが、その力に呼応した始はジョーカーとしての自分を抑えきれなくなってしまう。
ただ強さだけを渇望する睦月はジョーカーに興味を抱き、やみくもに戦いを挑んで敗走する。
誇り高いタイガーアンデッドこと
始を救いたいと思う剣崎は、睦月や橘と取引してラウズカードを集める。剣崎からカテゴリーキングのカードを受け取ったジョーカーはワイルドカリスの姿を得て、自我を安定させる。
橘によって義人の元に連れてこられた剣崎は、義人がアンデッドを解放した張本人であること、自身の肉体がアンデッドて融合を繰り返したことでジョーカーに近づきつつある事を教えられる。
その後、義人は睦月をそそのかして剣崎を襲わせる。剣崎はキングフォームとなって応戦するうちに理性を失って暴れだし、橘の制止を受け付けない。駆けつけた始の説得により、ようやく正気を取り戻した剣崎は、キングフォームを使いこなしてみせると決意する。
一方で義人は、元BOARD理事長だった天皇路から、本物の広瀬義人は死んでいること、自身の正体はトライアルBであることを知らされる。
トライアルBは義人の意志を継いでアンデッド研究を続けようとするが、父の偽者の存在に怒った栞に呼び出される。
待ち構えていた剣崎等とトライアルBは戦闘に入り、そこへ天皇路が差し向けたトライアルGも加わる。
乱戦の中、トライアルGが栞に危害を加えようとするのを見たトライアルBは、天皇路に改竄される前の記憶を取り戻し、義人から託された栞を庇って力尽きる。
現代のバトルファイトに不自然さを感じた光は、統制者のモノリスを管理する天皇路が一連の出来事を仕組んでいたことを突き止める。
もはや誇りある戦いができないと悟った光は、暴走を続ける睦月に封印される事を選ぶ。
光と嶋のカードを手にした睦月は、2人の助けを得てスパイダーアンデッドの呪縛を打ち破り、 スパイダーアンデッドを封印して本当の仮面ライダーになった。
一方で天皇路は人工アンデッド・ケルベロスを誕生させる。彼の目的は、自らが究極のアンデッドとなってバトルファイトに勝ち残り、万能の力を得て今の人類を破滅させ、新たに創造した人類の支配者になることであった。BOARDも仮面ライダーもその為の道具でしかなかった。
悪しき野望を阻止する為、4人の仮面ライダーは団結し、ケルベロスとなった天皇路を倒す事に成功し、その天皇路を、独自に調査していたギラファアンデッドこと
残るアンデッドは始と金井となり、橘は人類を存続させるために、封印されているヒューマンアンデッドを睦月が所有する封印解除のカードで封印を解き、始と金井を封印するしかないと考え、睦月にカードを寄越すように言う。
ジョーカーとしての運命に抗う始を信じることにした睦月はその要求を拒否するが、橘との戦いに敗れてしまう。
しかし土壇場で橘も仲間を信じることを決め、捨て身の勝負に持ち込み金井を封印した。
ジョーカーが唯一のアンデッドとなった瞬間、始の意志とは関係なくダークローチが湧き出てきた。
人類を救うには、ジョーカーを封印する以外に手段がないと分かっていても、始に対して非情になりきれない剣崎は、睦月と共にダークローチを撃退して回る。
しかし、倒しても倒しても湧き出てくるダークローチとの終わらない戦いに、披露がたまっていく剣崎と睦月。
そんな中、彼らとは違う力で戦う、昭和の時代から戦い続けている仮面ライダー、昭和ライダー達と、未確認生命体と戦っていた仮面ライダークウガ、アンノウンと呼ばれていた存在と戦っていた仮面ライダーアギト、G3-X、ギルス、ミラーモンスターと戦っていた仮面ライダー龍騎、ナイト、オルフェノクと戦っていた仮面ライダーファイズ、デルタが駆けつけ、ダークローチを倒していく。
睦月は始に挑み、剣崎の代わりに封印しようとしたが、戦いに敗れ重傷を負ってしまう。
剣崎は他のライダー達と協力して、ダークローチを撃退していた際、チベットから戻ってきた烏丸と再会。
その隙をつかれ、ダークローチに動きを封じられた剣崎は、烏丸に助けられた橘に助けられる。
絶体絶命の状況でついに決意を固めた剣崎は、始との決戦に赴く。始は親友と思っている剣崎の手で封印される事を望んでいたが、剣崎に全力を出すよう求められる。
剣崎はキングフォームとなり、始と激しい戦いを繰り広げ、戦いの激しさが最高潮に達した時、剣崎は変身を解いた。
すると剣崎から、アンデッドと同じ緑色の血が流れ出ている事に気づいた始は、剣崎が戦いを通じてアンデッドと限界以上に融合し、もう1人のジョーカーへと変貌したことを悟る。
アンデッドが2体になった事で、勝敗は未決着の状態に戻り、ダークローチは消滅した。
しかし剣崎と始が近くにいれば、否応無くバトルファイトが再開してしまう。
バトルファイトを再開すると告げに来たモノリスを破壊し、アンデッドの運命と戦い、勝ってみせると宣言した剣崎は、始に人間の中で生きるように言い、別れを告げて仲間達の前から姿を消した。
こうしてアンデッドの脅威は去り、橘や睦月、栞や虎太朗、小夜子達は平穏な生活へと戻り、共に戦ってくれた仮面ライダー達も、各々の生活へと戻った。
始もまた、友の犠牲で得た人間の中での生を噛み締めながら、栗原親子の待つ家へと帰るのだった。
それから数十年の年月が経ったある日の夜のことだった。
その日は朝から激しい雨が降っており、傘をさして
だが、その激しい雨の中を1人の女性が、街は傘をさす人で溢れていた。
そんな中、1人の女性が傘もささずに、まるで何かから逃げるかの様子で走っていた。
「はぁ……はぁ……きゃっ⁉」
路地裏へと入った女性は地面に躓き、転んでしまう。
するとそこへ、1人の男が傘をささずに歩いてきた。
「あらら、転んじまったのか。治療してやるよ…………同胞にしてからなぁ!!」
「だ、誰があんた等の同胞になるもんですか‼」
「強情な女だな……まぁいいや、無理やり従わせればいいんだから‼ヒヒヒヒヒヒ‼」
男は不気味に笑いながら、段々と女性に近づいていく。
恐怖のあまり、腰がぬけて立ち上がる事ができない女性は、駄目だと悟り目を瞑る。
その時だった
―カツ カツ―
「えっ?」
「あ゛?」
激しく降る雨音よりも高い音が、その場に響き渡る。
すると、女性が逃げようとした先から、1人の人影が2人に近づいていく。
―ゴロゴロゴロゴロゴロ―
まるでタイミングを見計らっていたかのように、イナズマがあちこちに落ち、その光が人影を照らす。
「え!?」
「なっ⁉」
照された人物を見て、女性と男は驚いた。
それもそのはず、そこにいたのは、仮面を付けた戦士なのだから。
そして、その戦士の名は――
「き、貴様はギャレン!?」
そこにいたのは仮面ライダーギャレンだった。
ギャレンは無言で女性に近づき、女性の隣に着くと足を止めて話しかけた。
「大丈夫か?立てるか?」
「えっ?…………は、はい!今なら、なんとか」
「なら行け。俺が用あるのはアイツだ」
「あ、ありがとうございます‼」
女性はギャレンにお礼を言い、その場から立ちあがり走って去っていく。
男は逃がすまいと、女性を追いかけようとするがギャレンに道をふさがれる。
「貴様!!よくも邪魔しやがったな!!」
「ここ最近、雨の日に限って女性ばかりが狙われてる事件が多かったから、ここら辺を張っていたらビンゴだったな?ネオロイド」
「て、テメェ⁉なんで俺がネオロイドだと分かった!?」
「教えると思うか?」
「だったら言わせるだけだぁああ!!」
そう言った男の姿が人の姿から異形の姿へと変わり、ギャレンに殴りかかる。
だがギャレンは、その拳をいとも簡単に受け止めてみせた。
「なっ!?」
「…………この程度か。期待はずれだな」
「なんだとテメ―「はっ!」―がっ!?」
怒った異形は再び殴ろうとしたが、先にギャレンに殴り飛ばされてしまう。
地面を転がる異形。ギャレンは右腰部にある【ラウザーホルスター】から【
「ここに来るまでに、他にも怪人を倒してきたからな。早々にケリをつける」
〔バレット ファイア〕
〔ファイアバレット〕
「ま、待て!待って―――」
「ふん!」
「ぎゃあああああああ!?」
ギャレンはギャレンラウザーに内臓されている、カードの収納ができる【オープントレイ】から、2枚のラウズカードを抜き取り、銃身部の【スラッシュ・リーダー】にカードをラウズし、ギャレンラウザーから炎の強化弾を撃ち込む。
撃ち込まれた異形は、悲鳴をあげながら爆発した。
それを確認したギャレンはギャレンラウザーをラウザーホルスターに戻し、空を見上げる。
雨は既にやんでおり、そこには雲1つない星空が広がっていた。
数秒間見た後、ギャレンは腰に巻いている【ギャレンバックル】の右脇にある【ターンアップハンドル】を引く。
それにより、バックルから光の壁――【オリハルコン・エレメント】が形成され、ギャレンを通過する。
そこにはギャレンのアーマーが解除された、橘朔也ではない男が立っていた。
男の名は
橘朔也と深沢小夜子の間に生まれた息子である。
何故彼が仮面ライダーギャレンになったのか。
それは約3年前まで遡る。
母である小夜子に頼まれ、買い物に行った朔也と真也の2人は、帰りに怪人と遭遇した。
朔也は変身しようとバックルを取り出したが、真っ先に怪人にバックルを弾き飛ばされてしまった。
それを拾った真也が、朔也の代わりにバックルを腰に装着し、仮面ライダーギャレンへと変身。
その場にいた怪人を撃退する事に成功した真也は、その日を境に2代目仮面ライダーギャレンとして戦う事となったのだ。
真也はバックルを腰から取り外し、ポケットからスマホを取り出し電話をかける。
『もしもし?』
「雨の中で活動するネオロイド、並びに他怪人の撃退完了しました」
『ご苦労だったなギャレン。今日はもう帰れ。明日学校だろう?』
「ありがとうございます。失礼します」
電話の相手に報告を終えた真也は通話をきり、スマホをポケットにしまってその場を後にする。
この日の数日後、世界を驚かすニュースが広がり、それに関係する事を、この時の真也は知るよしもなかった。
という事で、仮面ライダーギャレンを主役にしたIS作品になります!
次回は真也の日常編になります!
次回も是非読んでください!