真に守り抜く   作:しんぴのまもり

4 / 46
UAが2000を突破しました。感謝致します。

追記:見返すと今の真守と比べるとややキャラ崩壊していたので、一部発言等を修正しました。


真守と赤血①

 4月6日、僕は加茂先輩とともに初めての任務についた。

 

「では、今回の任務についての説明を。

 京都の○○区にある廃ビル。そこで複数の低級呪霊を窓が視認。

 それと同時に低級呪霊では出し得ない強い残穢も確認され、念を入れて二級術師のお二方に当たってもらうことになりました」

 

「成程、説明感謝する」

「ありがとうございます」

 

 自動車を運転してくれている補助監督の人……伊地知さんが今回の任務の説明をしてくれる。

 伊知地さんはいつもは東京にいるが、五条悟の京都での長期任務の合間に僕達の任務も請け負うことになったらしい。

 この業界はブラックだ。

 ここで僕はあることに思い至る。そう言えば伊地知さんは師匠の後輩だったな、と。

 よし、少し学生時代の師匠について聞いてみよう。

 

「あの、伊地知さん。少し聞きたいことがあるんですけど、学生の頃の師匠ってどんな人だったんですか?」

 

「任務のことについてではないんですね……まあ良いですけど。

 とは言っても話せることはそこまで多くないですよ。私が入学してから数ヶ月後に、二宮さんは学校に来なくなりましたから」

 

「えっそうなんですか」

 

「はい、ですからその少ない時間しか私は二宮さんと話す機会はなかったのです。

 その時も今と大体似たような喋り方でしたが、今は昔と比べると、壁があるように感じます」

 

 師匠に壁? 僕は全く感じることができなかったが、学生時代を知っている人からすると何か分かるものがあるのだろうか。

 

「二宮よ。どうやら到着したようだぞ」

 

 と加茂先輩の呼びかけで僕は任務へ向かっていた事を思い出し、車から降りる。

 件の廃ビルは思ったよりは小綺麗な見た目だったが、どこか不安を感じさせる雰囲気を醸し出していた。

 

「では、帳を降ろします。ご武運を」

「闇より出でて闇より黒く その穢れを禊ぎ祓え」

 

 伊地知さんが帳を降ろしたことで、空が黒で包まれ、僕らの活動は目につかなくなる。

 とりあえずまずは一階の探索を行う。すると早速

 

「たゼイに……ブぜイダ…」

「マッ…テヨォ…」

「イッケエ」

「ナゼ…うちキラれタんだ…」

 

と数体の呪霊が湧き出てくる。とはいえこの程度の低級呪霊なら術式を使うまでも無い。

 

「ほっ」ザシュッ

 

師匠からもらった刀で次々と切り捨てて行く。

加茂先輩も残弾数を気にしてるのか弓を使わず、単純な呪力操作のみで祓って行っている。

 

「任務は初めてと聞いたが、中々やるな二宮」

 

「ありがとうございます。師匠に鍛えてもらいましたから、このぐらいは。

それに加えてこの『二宮丸』はその師匠が使い込んだ名刀。

呪力のない人が振り回したとしても4級呪霊ぐらいなら楽に倒せます。

加茂先輩の方も流石と言うべきか、慣れた手つきですね」

 

「私も加茂家で弛まぬ訓練をし続けてきたからな……

いや待て、その刀二宮丸と言うのか?」

 

「? そうですけどどうかしました?」

 

「……いや、何でもない

一階の呪霊はあらかた祓い終えたようだから、2階へと向かおう」

 

◇◇◇◇◇

 

その後次々と出てくる呪霊を倒しつつ、僕達は最上階に向かった。

そして……

 

「……!! 二宮」

 

「分かってます いよいよ本丸のようですね」

 

そこには二級呪霊が4体程いるだけではなく、準一級と思われる呪霊が佇んでいた。

 

「私が準一級を、二宮は残りの二級呪霊を祓ってくれ」

 

「分かりました   出番だ、ミク」

「了解 マスター」

 

二級を相手取る以上、術式は当然開放する。

さらに持ってきたスマホを素早くタップする事で、軽快な音楽を流し始める。

 

「!! 帳の中なのに電波が繋がっているのか!?」

 

「師匠が改造してくれたんです 今は呪霊に集中しましょう」

 

「……了解した! そちらは頼んだぞ」

 

そう言うと加茂先輩は準一級呪霊と共に隣の部屋へと戦場を移行させて行った。

先輩は僕と同じく二級術師だ、準一級が相手なら、必ず勝てるとも限らないだろう。

なるべく早く倒さなくては。

 

そう思い、扉の鍵をかけつつ呪霊に対し術式の開示を僕は行う。

 

「僕の術式の効果は大きく分けて3つ。

一つ目は見て分かる通り直接的に相手に危害を加えないという縛りで自立する式神、ミクの召喚。

二つ目は音楽を流す事でその音楽を聴いた人が今まで込めた思い、呪いを吸収する事で、半永久的に呪力を得続ける事。

この時の曲は当然聴いた人数が多いほど呪力が増える。

そして…」

 

━━━━瞬間、音楽に合わせた動きと共に二宮真守の呪力量が爆増する。

 

「リズムに乗って動き続けるという縛り、その代償としてその間僕の呪力は、曲が終わらない限り凄まじい速度で増え続ける」

 

この能力により、二宮真守は呪力切れが起こらず、五条悟にも匹敵する継戦能力を手に入れる。

さらに、それに追い討ちをかけるかの如く、音楽が流れる間初音ミクは踊り、歌い、印を組み続ける。

初音ミクと魂をリンクさせている二宮真守はこれらのにより、庵歌姫の単独禁区(ソロソロキンク)の如く、術式の効果がさらに底上げされる。

呪術師において、術式の手順を肩代わりするものがいる事はこれ以上ない優位性を持つことになる。

そして得た呪力の全てを特級術師が使い込み、呪力に慣れ切った刀が受け止める。

 

「先輩が強敵と戦っているんでね、さっさと倒させてもらう」

 

そう言うや否や真守はより近くにいた二体の呪霊に一瞬で近づき、一体に掌底打ちを喰らわせつつもう一体を熟練の手捌きで切り刻む。

ものも言わずに跋除された呪いには目も向けず、素早く股下を潜り抜け退路を塞ぐ。

 

(二級呪霊は術式を持ち得ない。肉弾戦にしか頼れない以上、こうして逃げ道を無くしさえすれば僕に向かって突撃してくるしか道は無いだろ)

 

そして狙い通り突撃してきた呪霊に対し真守は何故か刀を鞘に仕舞う。拳のみでも倒せるという慢心?否。

 

「シン・陰流簡易領域。 抜刀」

 

呪術師が刀を使うのならばまず間違いなく入るであろうシン陰流に、真守もまた入門していた。

迎撃の範囲に入った呪霊は受け止めることも避けることもできず一瞬で両断され、残った呪霊もまた風圧で耐性を崩していた。

そしてその隙を見逃すことなく放たれた鋭いアッパーカットにより、最後の呪霊も抵抗すらできずに祓われた。

 

「さて、先輩の助太刀に向かうとするか」

 

 




二宮丸

命名:二宮玉枝
  ネーミングセンスは兎も角呪具としては一級物。
  呪力を込める人によっては游雲の4分の3ぐらいの威力を叩き出せる。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。