*ホネの 実力者に なりたくて!   作:セッジョー

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*せんとうシーン むずかしい


この話のバックアップが一度消えてしまって遅れました…
引き続きオリジナルです。つまらなかったら申し訳ない!
一応、駄文注意と書いておきます。

評価60人越えありがとうございます!


*接近戦も 魅力的。

 

side ラムダ

 

サンズ様から放たれた圧、それは呼吸をすることすら忘れてしまう程に重く、思わず畏怖の念を抱いてしまう。

たった一瞬、圧が放たれたのはほんの僅かな時間。しかしその一瞬で膠着状態を生み出している。動こうにも動けない。

 

「…成程、じゃあ此方から仕掛けるかな。」

 

サンズ様が口を開いたと思えば右手を振り翳す。その際に私も身構える。ただ、サンズ様の手には何も…

 

「へへ…下に注意だぜ?」

 

その発言によって呆気に取られていると下から魔力を察知した。範囲も広い。

 

「くっ…」

 

出所不明の魔力が迫ってきている以上、何もしない訳にはいかない。安全圏を把握してその場から飛び退く。

 

ガッ!

 

先程の場所を振り返れば無数の骨が地面から現れていた。

 

正直言って理解が追いつかない。当たり前だが、今までに骨が突然出てくる経験などは無い。この骨は一体何だ。アーティファクトの類…違う。それは七陰も使っていない。

そもそもアーティファクトなどという借り物の力で強くなることをあの方々は望んでいない。…イータ様は確かアーティファクトを使っていたがそのような部類の考え方はしていないはず。そしてサンズ様もそうだろう。

 

「急に骨?が出てきたんだけど!」「下に注意ってそういう…」「さっきの圧といい…実力は間違いないですね。」

 

観客からも予想外の事態にざわめきが起こる。

 

「オイラの能力、って言えばいいのか?…ま、骨を操れるんだ。突然出現したりするから対応してくれよ。」

 

能力?…確かに骨を見ればサンズ様の魔力が存在していることが窺える。しかし体外の魔力を完全にコントロールする、などできる芸当では…いや、サンズ様はそれを可能にしているのだろう。到底、私では辿り着ける気がしない。

 

そうこう考えている内にサンズ様は右手を此方側に突き出し、手の平を上にして指を巧みに動かす。

 

「次行くぜ。」

 

突然、前方に横並びの骨が現れる。正に壁と言えるように聳え立つソレは私の方へ動き出す。それも速い。

 

即座に横跳びで避けると、見えたのはサンズ様の頭上一帯に骨が散らばっている様子。サンズ様が人差し指を私に向けると、そこにある全ての骨が私の方へ方向を変える。

 

「貫通はしない程度だが、当たると痛いぞ?」

 

手を少し後ろに下げ、勢いよく前に突き出す。すると骨が一本ずつ急速に迫る。

 

「…速いッ!」

 

的確に私を狙ってくる骨を避けたり、弾いたり…

しかし、全ては捌き切れない。やはり何度か掠ってしまう。次第に追い詰められ、最後には…

 

「ガハッ…!」

 

腹部に強烈な一撃。直接鳩尾を殴られたような痛みが刻まれる。加減をされて尚、この威力…勝てる訳が……

 

「勝てる訳がない…だろ?」

 

「!!」

 

「図星だな。ま、別に勝とうって思わなくても良いだろ?…オイラの実力を推し量ろうとしたんだろ?分かってたさ。」

 

な…そんな!

 

「いいえ!その様な事は一切…」

 

「ラムダ?」

 

「…ッ!」

 

サンズ様は圧を放ち、私に真偽を問い質す。

 

「事実を聞いている。良いな?」

 

「……無礼を承知で申し上げると…思い当たる節があります。」

 

「へへ…ならどうする、実力は分かったんだろ?ここら辺で止めとくか?」

 

「…いえ、此方から持ちかけた手前、中断など選択肢に有りません!」

 

サンズ様がその言葉を聞いた途端、笑みが一層増した様な気がした。

 

「ま、一応言ってみただけだ。てな訳で、ウォーミングアップ…準備運動は残念ながらここで終わり。」

 

そう話しつつ、何気なく右手を鳴らすのが見えた。すると、周りに散乱していたり、壁の様に立ち塞がっていたりしていた筈の骨がすぐさま消えていく。そして、最後には何事も無かったかの様に元の闘技場の姿があった。

 

…それよりも先程の言葉を聞くに、今までの猛攻は遊びでしかない。つまりは此処からは()()を出してくるとも言える。

 

「嘘!今までのが単なる準備…?」「ここから更に苛烈に…」「No.2恐るべし…」

 

再度観客席が沸く。一体何を…

 

「普段はこんな事絶対にしないんだが…」

 

サンズ様の付近に骨が一本漂う。それは円を描きながら右手の方へと向かっていき、

パシッ、と右手で掴んだ。

 

「今回は()()()だけで行かせてもらう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side サンズ

 

接近戦。それはサンズにとって無縁であり、原作でのサンズの戦闘にそんなものは無い。しかしそれはゲーム内での話。

 

…あの戦いをもし、漫画やアニメで表現するとしたら?あの戦いの凄さ、激しさを最も上手く見せるシチュエーションは?

 

その答えは『接近戦』であるとオイラは思う。

 

サンズの『回避』が接近戦によって見られるのは勿論、そもそも戦闘シーンでの一番の盛り上がりも()()によるのではないだろうか?

 

だからこそ接近戦は重要であり、サンズもやって良いと思ってる。…カッコつくじゃん?

 

 

さて、話は変わってラムダさんよ。

アンタにはシドのスパルタ指導の恐ろしさが分かる筈もないだろう。体験してないからな。

剣の技術とかのレベルが普通…より下だったりする*1オイラがシャドウレベルとまでは行かずとも、七陰レベルぐらいに渡り合うようになったんだぜ?一見凄いと思うだろ?……やってみたら分かるぞ。死ぬ、間違いなく。

 

アイツ(シド)は強くなれると判れば何でもやっちゃうから…オイラは文字通り命懸けで指導を受けさせられてた。

当たり前のように万回を超す素振りや動作の繰り返し。休憩無しのぶっ続け24時間…度を超えた鍛錬の日々を送りっぱなしだった。

結果として短期間で飛躍的な伸びを見せたものの、シドへの感謝の気持ちなんざ全く持てなかった。疲労感しか無かったのを鮮明に覚えてる。

 

正直、誇張無しでオイラだけしかこのやり方が出来ないと思う。割とマジで死人出るな。

…ま、剣技がマシになったのは列記とした事実、七陰レベルへ無理矢理引き上げられたぜ。

 

だからって、接近戦をガチガチにするサンズは違うし、剣技を多用も過信もする気は無い。

 

身内戦だからって言うのもあるが、接近戦オンリーはオイラも初めての試みなんだ。

 

「さて、ラウンド2と行くか。」

 

右手に持った骨を掲げ、そう告げた。

 

 

────────────────────

 

 

「行くぜ?」

 

サンズが言葉がラムダの耳に入った時には姿が見えず…

 

「なっ!何処へ…」

 

「背後は取られたら駄目だぞ。」

 

背中合わせになってそこに居た。

 

直ぐにラムダは反撃に転じる。飛び退きながら後ろへ振り返り鞭を振るう。が、そう簡単には当たらないのがあの骸骨。いとも簡単に鞭を弾く。

 

ただ、間合いに関してはラムダが得意とする距離となった。

 

「不肖ラムダ!行かせていただきます!」

 

ラムダは鞭を振るう。それも不規則な動きで分かりにくく、かなり速い連続攻撃。サンズもそれを捌く。

 

(剣での攻撃は何度も経験済み。対策も十分…果たして…)

 

ラムダは教官という立場である以上、ガーデンの主力武器である剣に対しては深い理解がある。サンズが使っているのは骨…いや、骨だが本質は剣と同じだ。

 

「ね、ラムダ教官押してない?」「言われてみれば…そうね。」「接近戦は苦手…?」

 

激しい攻防の末、身体に攻撃の一手を向かわせたのは…

ラムダだった。

 

(入るか…!一発!)

 

複雑な軌道を通りながら、鞭がサンズの左肩に向かい…

 

()()()()()()()()()

 

やったのは単純、体を少し捻っただけ。しかし、サンズの動作開始までが遅かった、故にラムダが当たると確信したのだ。この緩急の付け方こそが『回避』の秘訣。『Miss』と言う表示が今にも出てきそうだ。

 

とは言え、サンズに一度攻撃が入りそうになったのは事実。

 

サンズは一旦下がり、様子見に徹する。

 

「剣への対応、慣れている様だな。」

 

「…恐縮です。」

 

サンズは笑みを全く崩さずに話す。

 

(サンズ様の剣…十分に強い。技術も力も申し分無く、強者が持っていてもおかしくない剣だ。)

 

サンズの姿を再度見つめる。

 

(…ただ、無駄な動きはない筈…ない筈だが、何だろうか?()()が明らかに不足している…)

 

「サンズ様、何か出し惜しみをしていませんか?」

 

「へへ、そう思うか?」

 

「…私には重要な何かが抜けているように感じるのです。」

 

「…正解だよ。」

 

するとサンズは()()()()骨を生み出し、左手で握る。

 

「珍しいだろ?…オイラは二刀流なんだ。」

 

ラムダは言葉を失った。二刀流…言うは易し、行うは難し。途方もない努力を重ねて手に入れた力なのだろう。

 

「此処からはちょっと本気でやらしてもらおう。」

 

前方…ラムダの方へ飛び、十字の構えで迫る。

ラムダが負けじと打った鞭の初撃を弾き、更に間合いを詰める。

 

「グゥッ…!アアアァァァァァア!!」

 

ラムダは鞭を連続で、それもできる最速で振るう。ここで詰め切られては敗色濃厚…そんな予感がしたらしい。武器同士の打ち合う音、擦れる音、地面にぶつかる音…それが激しさを象徴していた。

だが、気付いた時にはラムダへの王手目前。ここでサンズは鞭をわざと左の骨に巻きつけ…

 

「なっ…!グハッ…!!」

 

右の骨でラムダに一撃、そのまま骨ごと横へ投げ飛ばし、壁に激突する音がする。

 

「この骨も切れ味は無いから棍棒みたいなもんだ。…まだまだ行くぜ?」

 

瞬間、両手に骨を生成。そして地面から巨大な骨が顔を出し、サンズを乗せて前方斜め上に伸びる。

 

「速い!」「本気…恐ろし。」「あれが二刀流…良いなぁ。」「戦いが激し過ぎよ…」

 

「ケホッ……何!?」

 

ラムダが起き上がると、骨に乗り迫ってくるサンズが目に入る。

 

「休める暇も無いか…」

 

ラムダは飛び、その巨大な骨に鞭を()()()()()。そして鞭を引っ張りながら高く跳躍することで、サンズの頭上へ向かう。

 

「ハアァァァ!!!」

 

上からサンズを捉え、渾身の蹴りを放つ。が、其処にサンズの姿はもう無い。巨大な骨に大きな音が響いた

 

「!?……何処へ「残念だが…」…!」

 

ラムダの背後に立ち、()()の骨を握って、抜刀する直前の体勢になったサンズが居た。

 

抜刀…いや、抜骨の瞬間、()に『重力操作』を使用。元の速度に更に磨きがかかり、ラムダに向かって真っ直ぐ突き進む。そして正面に立つと、飛びながら真上に向かって一撃。

 

「更にもう一発…!」

 

ラムダの頭上に居るサンズは()()()()()()()()()()()()()()を受け止める。…そう、サンズの骨が一本になっていたのは上に投げていたからだ。

 

両手に骨を持ったサンズは、今度はラムダに『重力操作』を施す。

 

「!?…急に動けな「チェックメイトだぜ…」…クッ!」

 

上空から襲いかかるサンズは骨同士を交差させ、ラムダの首元に当てた。

 

正真正銘のチェックメイトと言える。

 

「………参り…ました。」

 

勝負あり。

 

 

すると…

 

ワアアアァァァァァァア!!!と、歓声が起こる。長いとは言えない時間の勝負だが、ガーデンの人間を惹きつけるのには十分なスパイスだったらしい。

 

「サンズ様も教官も素晴らしいです!」「憧れるなぁ…なりたいなぁ…」「訓練のやる気がちょっと増したかも!」

 

周りが盛り上がっている様子を眺めながらサンズもラムダも立ち上がる。

 

「…お疲れさん。治療はしっかりとやるからよ。」

 

「サンズ様も…お疲れでは無いですね。」

 

サンズは汗の一つも流れていないし、息も上がっておらず、無傷。ラムダは流石としか思えなかった。

 

「…サンズ様はこれから何を?」

 

「そうだな…一旦、本拠点の城内にでも行くかな。」

 

「ではその様に連絡をしておきます。」

 

そう言ってこの場を離れ、暫くするとラムダが報告の為に戻ってくる。

 

「連絡を取ったところ、()()()()が迎えるとの事です。あの方は普段この様な事はしないのですが…」

 

「へぇ、イータが……ん?

 

 

イータ…居るのか…

 

何処か遠い目をして、何か悟った様にサンズは呟いた。

 

────────────────────

 

ガーデン内の研究室。そこではイータ(マッドサイエンティスト)が不気味な笑みを浮かべていた。

 

「サンズ様……骸骨の研究……解剖したい……ふ、ふふふふふ…!」

*1
一応普通より少し上ぐらい。本人自覚なし。まぁ、比較対象がシャドウだからね。仕方ないね。




まだオリジナルは少し続きますのでご了承を。

この小説とはあまり関係ないですが、鳥山さんの訃報は本当に悲しかったです。ご冥福をお祈りします。

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