*ホネの 実力者に なりたくて!   作:セッジョー

13 / 27
*オリジナル さいごだ
*おわらせられて ひとあんしん


アンテ公式サイトやら色々回ってまして…(言い訳)
更新遅れてすいません…許して。


*そのホネに 食事を出せば…?

 

『イータ』

 

シャドウガーデン『七陰』第七席に属す、桑の実色の髪と瞳を持つエルフ。

研究、開発にゾッコンでマイペースな性格の持ち主であり、技術力が高いこともあって建築家でもある。

また、研究のためなら犠牲を厭わないサイコパスな一面も持ち合わせている。因みに研究費が嵩張ってガンマに怒られることも多いとか。

 

そんな研究者肌な彼女が人語を喋る骸骨の『サンズ』に興味を示さない訳が無く…

 

「サンズ様……せめて血だけでも……」

 

こうなってしまうのは必然である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side サンズ

 

「イータ…どうしようか……ま、折角此処に来てんだし行くしかない、か…」

 

仕方なく気持ちを切り替えて城に向かう。

実際、行ってみたいのは本当だしな。

 

シャドウガーデンの科学担当とも言えるイータはサイコなサイエンティスト。今まで「解剖させろ」やら「実験台になれ」やら言ってきていたが、喜んで体を預けるシド(イータ以上のサイコ)じゃないオイラはのらりくらりと躱して来た。来たのだが……

 

「流石に限界…そんな予感がするぜ。」

 

実験室から滅多に出ないイータが()()()()()()()だってよ。…へへ、今回は本気らしい。

 

そんなこんなでたどり着いた城の門。それを少しの間眺め、足を一歩先に進めると門が開く。…つまりは其処に()()ってことだ。

 

「…お出迎えとは中々希有な事してくれるじゃないか、イータ。」

 

門が開かれた先に見えるのは危険思想をお持ちの研究者。

 

「これも目的を……完遂するため……」

 

「へへ…一応その目的とやらを聞いておくぞ?」

 

No.2(サンズ)は貴重な存在……対話できる骸骨……研究データの宝庫……!」

 

ゆっくりと、そして端的に言葉を述べていくイータ。この会話からもマイペースさが分かってくるだろうな。

 

「だからこそ……今日こそは捕まえる……もう、我慢は無理。」

 

その我慢を持続させてくれ…って言っても無駄か。てかNo.2って呼び方よ…実験体みたいなんだが?

 

「我慢の限界ねぇ…だったらどうする?」

 

「戦闘は非効率……だけど今回は仕方ない。……大人しく捕まって。」

 

…ま、普通そうなるよな。ただオイラも易々と捕まりに行く性格じゃない。

 

「へへ、丁重にお断りするぜ。」

 

そう言うとイータはそう、と一言告げ、少しムスッとした目つきで見つめてくる。…そうやって罪悪感を促しても無駄だぞ。実験に付き合ったら何されるか分からない。

 

「……別に死ぬ訳、ない……ダメ?」

 

なっ!?今度は上目遣い……ハァ、多分無意識なんだろうな。

 

「…分かった。」

 

「そう……なら、実力行使……え?本当……!」

 

普段あまり感情を表に出さない彼女が目に見えて分かるぐらいに喜ぶ。…目、キラッキラしてんな。

ま、これまで実験に一回も手を出して無かったオイラもオイラだし、死なさないって言ったからそこら辺は信用したい。

戦闘が非効率なのは共感できるしな。

 

「じゃあ……こっち、来て?」

 

こうして、目の下の隈が目立つ低身長の研究者エルフはオイラを連行していくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究室にて…

 

 

 

 

 

 

 

「…イータ。これは何だ?」

 

今、オイラは椅子に拘束されてる。

 

連れて来られたと思った矢先、椅子に座れとの命令。言われるがままに座ったら手足を金具で急に固定されてこのザマだ。

 

「逃げるかも、しれない……最低限の、配慮。」

 

…は?とか思った奴。これがイータだ。

 

「逃げる事は無いんだがな…所で何するブスゥ!イテッ!」

 

目を瞑りながら喋ってたら、断りもなく右腕に注射器ブッ刺しやがった!?

 

「痛覚はアリ……表皮は骨の様に固い訳じゃなく……人と然程変わらず……形は骨なのに。」

 

今度は冷静に分析してるし…てか何気にダメージ食らったの久しぶり過ぎるんだが?というより骸骨になって初めてまともに受けたんじゃないか?

 

「ノーダメ記録が…」

 

「何か……言った?」

 

「いや、なんでもない」

 

ちょっと複雑な気分になったが終わったことは仕方ないか…

?…何か違和感が急に……

 

オイラが顔を右腕の方へ向けたら注射器で液体が抜かれている最中だった。…一言言ってくれてもいいのに。

 

「血と見られる物質は無色……何故?」

 

そして始まる分析、これにはため息が漏れる。…って血は無色なんだな。

 

「さあ、何でだろうな?オイラも聞きたいくらいだ。」

 

この身体を提供した教団に聞け、とは言えないのでしらばっくれておく。実際、こんな身体の作りになったのか知らないのは事実だし。

 

「解析してみる……待ってて。」

 

「『待て』しかできないが?」

 

こっちは椅子に縛られているのに何かできるとでも?*1

…ってもう実験始まっちゃってるし。

 

 

 

数分後…

 

 

 

「大体……何か分かった……不思議な液体。」

 

どうやら変な物が身体に流れたって話らしい。笑えるよな。

 

「人の血と……成分は殆ど同じ……だけど()()の割合が、多い。」

 

魔力が……あ、そういえばアンテのモンスターって魔力で実体を作ってるとか言う設定あったよな。それに近かったりするのか?

 

「比較してみれば……モンスターと、人間が混ざった様な……心当たり、ある?」

 

「…さあな、初めて知ったぜ。」

 

なんかいつ元人間ってバレてもおかしくない気がする。ま、バレたところで…って訳だがな。

 

「さて、研究はまだ続けるのか?」

 

「うん……もっと興味、湧いた。」

 

…長くなるなこれは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…つまりだ、2重スリット実験のC実験によって電子の波と粒子、両方の性質が現れ、その辻褄を合わせるためには──」

 

「おお……不思議な話……難しいけど、面白い。」

 

現在時刻は午後7時。大体昼間から此処に居るから5時間以上は滞在してることになるな。

…今はイータに授業中。

 

え?何でそうなるかって?

 

いやー『量子力学』って聞いたことあるか?あれ、アンテ内でもサンズ絡みで出てくるからちょっと調べた事があって、基礎中の基礎は分かる。

ま、本当に付け焼き刃程度の知識ではあるのだが。

 

そしてイータの実験の中で少しその話をしたら、「教えて」とせがまれたので簡単にではあるが教えてあげている。

 

本当に不思議だよな。電子を観測するかしないかで性質が全く変わってしまうのだから。

 

話は一旦ここまでにして…つまりは教えることになったから椅子から脱出できた、って思ってくれ。

 

(シャドウ)の『陰の叡智』も凄いけど……No.2の知識も凄すぎ……」

 

『陰の叡智』…シドが前世の知識にそう名付けた。とは言ってもアイツは大体大雑把に教えてるんだがな。

 

「シャドウのは端的過ぎるとオイラは思うけどな?」

 

「その知識の……出所を知るため……やっぱり、解剖すべき。」

 

本気でやり始めたら洒落にならないので、やめろやめろと念を押しておく。…どうせやるんだろうけど。

 

そんなこんなで多分イータの要件は終了。今回は比較的安全な様で助かった、とか思っていたら…

 

「イータ、ご飯持って来たけど起きてる?」

 

イプシロンの声が聞こえてきた。確かに腹も減って来たな。どうしようか…と頭を回しているとそのまま研究室へ入ってくる。

 

「起きてるなら返事を…へっ!?サンズ様?どうして此処に…」

 

「驚かせて悪いな。ま、成り行きで此処に辿りついた感じだ。気にすんな。」

 

「ですが…何やら変な事されてませんか?イータは前々から研究対象として捉えているようで…」

 

そんなことは別に…無いって言ったら嘘になるな。

 

「問題なく……研究できた……ブイブイ。」

 

イータは両手でピースサインを出して答える。いや、常識的な問題はあったがな?

 

「やっぱり!何かしたわね!サンズ様、申し訳ありません…」

 

こちらに向きを変えて謝るイプシロン。ちな常識を教えてやれ、と伝えようと思ったが断念。イータだから無駄だよな。うん。

 

「その事はもう大丈夫だ、気にしてない。…じゃあオイラは腹が減ったから帰ろうと思う。じゃあ──「待ってください!」どうした?」

 

「夕食は私に任せてください!今から作れます!」

 

ご自慢の(盛ったスライム)を張ってそう答える。

 

…いいんだな?後悔しても遅いぞ。

 

「分かった、じゃあ食堂に案内してくれ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手間を取らせるのは悪いし、簡単に作ってくれれば良いぜ、

とは言っといたが…経験上、凄いのが出てくるんだよなぁ。それが彼女なりの敬意なのは分かるけど。

 

暫くして、完成した料理が並べられていく。…やっぱり豪華、食べるのが勿体無いぐらい。

 

「…イプシロン。オイラに料理を出すことはどういう事か分かるか?」

 

と言って懐から()()()を取り出す。

 

「さ、サンズ様。それは…」

 

オイラが右手に握る物、それは…

 

『ケチャップ』

 

後にイプシロンは理解する。これがケチャラー(サンズ)による暴力なのだと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…へへ、美味かったよ。ご馳走さん。」

 

「…お気に召したようで……何よりです。*2

 

ケチャラーのオイラに料理を出すとこうなるのは覚悟して貰わないとな?…申し訳ないけどね。

 

「一日来て、どうでしたか?私達の拠点は…」

 

イプシロンに少し緊張気味に尋ねられる。

 

「文句無しだ、また来たいぜ。」

 

「その際は精一杯のおもてなしを…」

 

「そういうのはシャドウにやってくれ、オイラは興味ない。」

 

「…そうですか…では、またのご来訪をお待ちしております。」

 

「へへ、じゃあな一番弟子。」『近道』

 

「へ…一番…ふ、ふふふふ♪」

 

 

────────────────────

 

 

「イータ、貴方結局何したのよ?」

 

今回サンズにしたことを問い詰めるイプシロン。

サンズも去ったことにより、気になっていた実験内容について説明を促す。

 

「特に危険な事は……してない……医者の検診の、真似事。」

 

「…あら?貴方にしては普通じゃない。気まぐれ?」

 

「次の機会が……また来る様に……優しめにした。」

 

どうやらこれもイータの策略の一つだったらしい。

 

「…ハァ…変わらないわね。で、どんな結果が?」

 

「これ……見てほしい。」

 

「え!?……これって…」

 

出された資料にあったのは()()()()()()について。そこには…

 

「…サンズ様には臓器が…」

 

「そう……()()()()……解剖の必要は、無くなった……でも、謎。」

 

 

 

 

 

その頃サンズ…

 

()()()()()()って…へへ、典型的すぎるな。」

 

笑みを浮かべて満天の星空の下、帰路を辿るのだった。

*1
近道で簡単に抜けれます。

*2
本音:殆どケチャップの味じゃない!?




ケチャラーとマヨラーを舐めてはいけない(真理)

オリジナルはこれにて一旦終了。次回から原作に入っていきます!
誤字脱字報告、評価、コメントもお待ちしております!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。