*ホネの 実力者に なりたくて!   作:セッジョー

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*じごくで もえて しまえば いい
*みんなも すきかな?

皆さんは最強キャラや強キャラのセリフで好きなものありますか?
自分は当然サンズのセリフを推薦しますが!


*モブは モブらしく!

side シャドウ

 

屋根を伝い、駆けていく黒尽くめの二人を眺める。

よく見れば冷や汗を浮かべているものの、何やら確信して笑みを浮かべて……へぇ、もう逃げた気でいるのか。

 

暫くして息切れを起こしたのか、それとも状況確認か…兎も角、立ち止まった二人。

 

気配を消して近づき、スライムで片方を抉る。赤黒い血が舞う中、僕は…

 

「まさか、逃げ切れるとでも思っていたのか?」

 

ただ一言、呟くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

強者にのみ許される台詞…

 

「それは残像だ…」「どうした…もう終わりか?」「所詮はその程度か…」

…まぁ、色々あるよね。

そのランキングの上位に入ってそうな言葉を言い放った今、僕のボルテージはMAXだ…が、まだ今夜の舞台は幕を下ろしていない。

 

「お見事です、シャドウ様。」

 

「ニューか…」

 

何処からともなく…と言っても僕は事前に分かっていたが、ワンピースを着たニューが黒尽くめの男を僕とで挟みこむ様な位置に佇んでいた。

 

「これ程早く確保なされるとは…流石です。後はお任せください。…情報を引き出します。」

 

…あ、色々丸投げして良いんだね?じゃあお言葉に甘えて…

 

「…ぬかるなよ。」

 

一言告げ、この辺りで僕は退場させてもらうことにする。…サンズもこれで満足かな?

 

 

────────────────────

 

魔剣士学園の個室、そこでは王女姉妹が対話していた。

 

「とにかく無事で良かった…」

 

昨夜にあった襲撃で負傷したアレクシアの左腕を見ながら言う。幸いにも深い傷ではないため、後遺症もないだろう。

 

「通り魔事件の犯人は『シャドウガーデン』ではなく、それを騙る別の集団、ということ…?」

 

「シャドウはそう言っていました。」

 

するとアイリスは真剣な顔つきになり、話を続ける。

 

「私も先の王都同時襲撃事件でシャドウガーデンの二人…その内一人とは対峙した……いや…『人』ではないか。」

 

「相対した一人は()()()()、もう一人は…」

 

「『()()()』…そう名乗り、骸骨の姿をした者。」

 

その名前を出した途端、アイリスの表情が苦虫を噛んだような表情に変わる。

 

「一度戦ったけれども…まったく歯が立たなかった。」

 

え?私が見た時はそこまで強いと思わなかったのに、という返事が反射的に出ようとしたが、グッと抑えるアレクシア。

 

「他の報告からも彼らが極めて高い戦闘力を持っていることが分かった以上、見過ごす訳にはいきません。それに…」

 

()()()()()()()()…ですね。シャドウと敵対している……」

 

「その…姉様の敵はシャドウガーデンと、教団のどちらなのですか?」

 

アイリスはその言葉に俯き、暫くして再び口を開く。

 

「…両方よ。この国で勝手なことは許さない。」

 

王女という立場、そしてこの国最高峰の魔剣士の立場としてアイリスはそう答える他なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side シド

 

翌日、いつも通りにバスに乗って学園に向かう、のだが…

 

「…なあ、アイツら知ってるか?昨日アレクシア王女を無理やり襲ったらしいぜ?」「しかも二人がかりで…」「キモ…なんで捕まってないの?」

 

あれ?

 

「…ほんと、二人とも何やってんの…?」

 

「ぬ…濡れ衣なんだ。信じてくれ!」「し、シド君は信じてくれますよね?」

 

周囲になんとか弁解を試みるも「見られた、キショ…」って撃沈するヒョロ、そして頼みの綱のように僕に縋るジャガ。

 

「…二人も落ちるとこまで落ちたね。」

 

「「シド(君)!?」」

 

僕がそう言えば膝から崩れる勢いでショックを受けるヒョロとジャガ。

このまま僕まで目立ってしまっては仕方ないので少し助言する。

 

「冗談だよ。…で、今日チョコはどうするんだっけ?一応持ってきたけどさ。」

 

「…そうだ!その手があった!チョコを渡してイメージアップすれば…」「今回のことも無かったことに!?」

 

「「あわよくば女の子と…!!!」」

 

我がモブ友がうおおおお、と盛り上がってる様子を眺めつつ、ため息をつく。

 

……あれ…アレクシアって路地に居たんじゃ無かったっけ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は進んで昼休み。

いつもより僕らにかかる視線が多いと感じたが、気にしない方向でいこう。

 

まずは手本を見せてやる、とヒョロが先陣を切った。

 

そして辿り着いたのは一つ上の二年の教室。僕とジャガは廊下の角で覗き見る。

 

「あ…あ、あにょっ!…チョ、チョコッ!あ、あにゃたにッ…こひぇ?」

 

素晴らしい滑舌でチョコを渡すヒョロ。僕からは後ろ姿しか見れないけど、多分イケメンとは正反対の顔をしているのだろう。渡す相手の顔がとんでもなく引き攣っている。

 

「ヒョロ君、まさかの上級生狙い…!?」

 

「…おい!俺の婚約者に何か用かァ?」

 

ヒョロの元にズンズンとやってきた、ガタイの良く、目つきの鋭い上級生。

無理矢理肩を組み、ガンをつけると、ヒョロは情けない顔になって固まった。

 

「にいちゃん、ちょっと向こうで()()()しようやァ…」

 

「…行きましょうか。」

 

「…だね。」

 

今回ばかりはジャガに同意だ。

 

因みに途中、悲鳴が聞こえたが無視しておいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次はジャガが作戦を実行するらしいので同行し、着いた先は図書館。

 

魔剣士学園の図書館は隣の学術学園との共有。つまり…

 

「学術学園の生徒が狙い?」

 

「そうです!でも自分はヒョロ君と同じ轍は踏みません。」

 

なるほど、一応ある程度の仲なのかな?

 

「相手の交友関係から好きな食べ物。登下校時間に歩幅に歩数。さらには寮の部屋番号!そして、いつも利用するトイレに、スカート丈、それから下着の色とスリーサイズまで調査済みです!!」

 

うん、やっぱりモブはモブだった。

血眼になってその如何わしい内容のノートを僕に見せてくるジャガ。…明らかに一人の男子が持ってもいい情報じゃない。

 

「このジャガ・イモの勝利をご照覧あれ!」

 

ステップしながら向かっていくジャガ。僕はため息をつくしか無かった。

 

「マイ、フェア、レ〜ディ〜〜!!!」

 

「キャアアァァァァァ!!!この人ストーカーです!」

 

そしてすぐに聞こえる悲鳴。ジャガの僕を呼ぶ声も後から聞こえたが、気にしたら負けだ。

 

さて、最後に僕のチョコが余ってしまったな。…ん?

 

「…この暗号、やはりお母様が研究していたものと酷似している……」

 

隣のスペースに沢山の本を置いて座るピンク髪の学術学園生徒。

…決めた。この子に渡してチョコのイベントは終わりにしよう。流れ的にもそれが自然だ。自分用のは今度珈琲を買いに行った時とかで良いしね。

 

「はい、チョコあげる。」

 

「…え?」

 

きょとんとした様子の彼女をそのままに、僕は魔剣士学園へ戻るのだった。

 

そう言えばあの子、前に見たような気が…?

 

───────────────────────────

 

チョコをもらった生徒…そう、()()()()は王女直々の依頼を受けているため、国内最高峰の研究室が利用可能だ。

そして今日も今日とてアーティファクトの解析に励む、のだが……

 

「何かしら…これ…」

 

突然貰った「ちょこ」という甘い匂いがする物。それを一つ掴んで見つめてみる。夕日に照らされたそれはツヤツヤと眩く、美しくもあった。

 

不意にガチャリ、と扉が開く。具合が悪そうに咳き込みながら入ってきたのはルスランだった。

 

「お父様…」

 

「ゲホッゲホッ……おや、それは『チョコレート』だね。」

 

「チョコレート?」

 

「最近人気の高級菓子さ。確か…ミツゴシ商会で売られているよ。苦労しただろうに。」

 

「先ほど男の子に貰ったんです。」

 

「ほう?」

 

ルスランは微笑み、低くも優しい声色で語りかける。

 

「それはきっと、君へのプレゼントだ。…一目惚れというヤツさ。」

 

「えっ!?…一目…惚れ…」

 

シェリーの脳裏には血塗れになりながら手を差し伸べる…シドとの不思議な出会いの光景が思い起こされていた。*1

 

「返事はどうするんだい?…きっと君の答えを待っているよ。」

 

「で、でも…私には…」

 

研究がまだ…とでも言おうとしたのだろう。だが、ルスランもその言葉を読んで遮るように言う。

 

「研究だけじゃなく人との付き合いも学んだ方が良い。学園とはそういう場所だ。…それで、解読は順調かい?」

 

アーティファクトの方へ目を見やりながらそう訊く。

 

「…まだ、始めたばかりなので…」

 

「それもそうだね……ウッ…ゴホッゴホッ!」

 

前より苦しげに咳き込み始めるルスラン。シェリーも堪らず立ち上がって声をかける。

その後暫くして落ち着き、ルスランは大丈夫と伝えた。

 

「最近は…調子が良いと思ったんだがね……私は良い娘を持った。」

 

「私こそ!…あの時、養子に迎えなかったら…」

 

その言葉にルスランはフッ、と笑い…

 

「君のお母さんも、優秀な研究者だった…頑張りなさい。」

 

思い出すようにそう呟いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side シド

 

何かあったのか、ヒョロとジャガが松葉杖を持ち始めたその日、僕は一枚の紙を持ってトボトボ下校していた。

その最中、ふと後ろに気配を感じたので振り向かずに声をかける。

 

「ニューか。」

 

「は、はい。」

 

突拍子もなく声をかけられたからか、焦って反応するニュー。…あれ、学園生徒じゃないよね?

 

「学園に通うの?」

 

「いえ、借り物です。制服を着ればある程度は目立ちませんし。」

 

まあここに来るのなら当然か。

 

「ここでは話しにくいので…あのベンチにしましょう。」

 

…てな訳でニューについていき、そのベンチに座り込む。

 

「シャドウ様が捕獲した黒ずくめの男ですが、やはり強い洗脳によって精神が壊されていました。…ディアボロス教団の尖兵、チルドレン3rdに共通する特徴です。」

 

「捨て駒、か…」

 

「残念ですが、どのような方法でも情報は……続きまして、無法都市の──」

 

ニューが話す報告を一旦聞き流し、手に持っている紙…『()()()()()()()()()()()()()()()()

これの話にしよう。

 

時間は今日の昼まで遡る…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前の代わりにエントリーしといたぞ、感謝しろよ!ちょー感謝しろよ!!」

 

僕の眼前にブシン祭選抜大会エントリーの用紙を押し付けて報告してくるヒョロ。

 

ブシン祭は二年に一回ある剣の大きな大会。そしてその出場枠を賭けて学園で大会が開かれるといったもの。

 

「僕たちも参加したかったんですけど、この怪我じゃちょっと無理なので…」

 

二人して足の大怪我だ。すごい偶然だね。

 

「…僕は出ないよ。」

 

「なんでだよ!もしかしたら女子の一人やふた…グフォアァ!!」

 

流石にちょっと勝手が過ぎるので鳩尾に一発入れた。

 

「そうですよ!出たらまだ可能せ…グフゥッ!!」

 

ジャガも当然同罪。

 

「は…腹が急に…」「お…同じく…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

という事情でブシン祭にエントリーされたので、断るか出場か…

 

「魔力適性のある孤児や貧民の子供に、薬剤投与と洗脳を施し、ディアボロス・チルドレンを作る…長年続いている教団の手口です。…教団の目的は我々を誘いだす事でしょう。」

 

「(ヒョロとジャガめ)はぁ…余計なことを…僕は(ブシン祭に)出ないぞ」

 

間違いなくモブとしては出るところじゃないな。

 

「…承知しています。ただ先日、サンズ様によって『ネームド』のチルドレン()s()t()が確認されました。()()()()()()()()()()です。」

 

「ネームド…?」

 

「チルドレンでありながら自我を維持できる1st。しかもそのネームドが来ているとなれば更なる目的があると推測されます。」

 

「そうか…根源的な目的に照らすなら…用意された舞台でも手段はある。」

 

逆手に取れば、モブムーブができる希少なイベントになる…!

 

「これは好機だ…とはいえ少し練り込みが必要か…じゃあね、ニュー。情報ありがとう。」

 

(最善手を即座に…いえ、初めから答えが見えている?)

 

「…これが陰の叡智……」

 

シドが全く関係ないことを考えていることは露知らず、ニューはただただ感嘆するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side サンズ

 

「ヘヘ…選抜大会ねぇ…どうなることやら…」

 

ニューからの報告じゃ、何でもアイツがブシン祭とやらに出る事になったらしい。

完全に勘だがやらかす予感しかしない……ハァ、仕方ねぇ。

 

 

学園、行ってみるか。

*1
シドは当然覚えてない




学園に サンズ参戦! (スマブラ風)

スマホ入力からパソコンへ移行したので誤字脱字注意です。
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