*ホネの 実力者に なりたくて!   作:セッジョー

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*ゆうじんに キレられそう

更新を渋りに渋りまくった結果、見てくれる友人にボケカスゥ!されそうになったんで急ぎで作りました。(自業自得)


*怠惰じゃない サンズとは?

side サンズ

 

「で、いつ来るんだ!今日?明日?それとも…ムグッ!」

 

「さっきから喚いて五月蝿いな?」

 

水を得た魚のように騒ぎ立てるシドの口を塞いで物理的に黙らす。

オイラが居るのバレたらどうすんだ。

 

「決行日はハッキリ分かってない。少なくとも近日中にってことぐらいだ。」

 

そう言ったらシドは口に置かれた手を退かし、顔を顰めてため息をつく。何か一本取られたような反応だな。

 

「…こんな時に限って休養をとったから、明日から行くのは不自然になっちゃった…あぁ!ネームドキャラと会わなければ良かったのに!」

 

「ネームドやらモブやらはどうでもいいが…辻褄合わせとけ?その怪我をあの試合で見せつけたんだったら、何日か休むのがセオリーってとこだ。」

 

「ここに来てモブムーブが逆に障壁となったか。仕方ない、か…」

 

とか言って、あの手この手で学園に立つのがシドという人間。だから釘をしっかり刺しとく。

 

「…ま、オイラの見立てじゃ奴等が本格的に動くのは5日後じゃないかと睨んでんだ。だからその時丁度でモブに復帰すりゃいい。もしそれ以前に来ちまったら…取り敢えずは真っ先にアンタに伝える、どうだ?」

 

それに、学園に何かあってもアンタの魔力感知なら直ぐに分かるだろうしな。

 

「…えーでもさ「これまで散々我儘に付き合ってんだ。一回くらいこっちの話にも乗れ?」…分かったよ。」

 

言質とった!勝ちだ!…つっても5日後とかは完全に()()()なんだがな。あ、狡いとかは無しだぞ?

 

「じゃあ話は終わりだ。長居してバレたら洒落にならないからな。」

 

「あ、ちょっと待…」

 

まだ話を続ける気だったのだろう、オイラを留めようとするシド。それを完全に無視して近道を発動させる。

じゃあ向かうとするかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、トラブルメーカーに事実無根の襲撃日を伝えたってところで…

 

「な、なんですってぇえ!?」

 

…と思わず耳を塞ぎたくなるような大声で叫んだガンマについて触れた方が良いだろうな。と言いつつオイラに耳は無いが。*1

 

先ず、確定した事項をシャドウガーデンに報告する為にミツゴシに帰還。その際ガンマの手が丁度空いているらしく、概要の全部を伝えた。

襲撃、教団といった単語が出てきた為に驚きを隠しきれていなかったが、それでも冷静に応じてくれたガンマ。流石にこの様な緊急の事例は何度も経験済み、か。

 

「その場合、各地に散らばっているガーデン員を一度王都へ集めるのが正解かと。何名程動かしましょうか?今すぐに、となれば王都中から召集して…100名に届くかと。」

 

ガンマは今回の件にうってつけの人材。欲しい情報をホイホイ出してくれるから助かるぜ。

 

「…これは完全にオイラの推論でしかないんだが、奴等が考え無しに学園を襲うのは明らかに変だと思わないか?こんな大規模な作戦は滅多に無い。」

 

「確かに…一筋縄では行かない可能性は十分にあります。」

 

「と、なりゃ…最初から大人数で制圧ってのはリスクがある。」

 

だからって、こっちの構成員を捨て駒にするって案は却下だがな。それじゃ、奴等(教団)と同じになっちまうし、何よりサンズの手法とは遠くかけ離れている。

 

…あ、そうだった。一応言わないとな?

 

「…単刀直入に言うが、シドは都合上、5日は動けない。つまり肝心の学園にガーデンがノータッチの状態だ。」

 

「え…な、なななっ!?」

 

「だから今回は…オイラが学園の偵察へ動こう。」

 

ここでガンマの悲鳴にも近い声が響き渡って、最初に繋がるわけだ。…へへ、情報量が多すぎたかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ガンマ

 

主様が動けない…?

突如告げられたその一言、それは私の冷静を奪うのに十分であり、思わず飛び出る声は制御できなかった。

 

その後に何故、と反射的に口から出そうになるのをグッと抑える。…そう、きっとあるのでしょう。私達には到底理解できないであろう企てが。

であれば深入りは禁物。素直に受け止めることが一番望ましい行動…。

 

そしてもう一つ、サンズ様の単独偵察。普段の任務であれば心配を通り越して安心まで与えてしまうけど…今回に至っては学園への侵入、そして素顔も世間には知れ渡っている状況で……

ハッ!それは傲慢よガンマ、サンズ様にそんな心配は無用でしょう!?*2

 

「…落ち着いたな?」

 

「ああっ、申し訳ありません!」

 

先程から様子を見ていたサンズ様から声を掛けられる。

思い返せば…驚いて、悩んで、焦って…それを全部見られて…あぁ、恥ずかしい…!

 

「取り敢えず、オイラの指示で其方は動かせる様にしてくれ。動員は王都に居る数だけで良い。」

 

「は、はい。ではその様に…」

 

「…へへ、想像している様なヘマはしないさ。」

 

「へ?」

 

その瞬間サンズ様はフッ、と姿を消してしまい、この場を去ってしまった。

簡単に私の内心まで見通してしまうなんて…

 

「──本当に畏ろしい御方。…ふふ、頑張らないといけないわね!」

 

サンズ様より託された令、今は此方に集中しなきゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side サンズ

 

今できる事は全てやった。これでやっと一段落…いや、此処から始まる、が正しいか。

今から始まるのは地獄。タイムリミット5日の過酷にも程があるオーバーワークだ。

 

「学園とシドの監視…両方を同時に進行か。…へへへ、やるしかないな。」

 

ま、別に戦闘もしないし、ただ見つからないようにするだけの仕事。さっきの試合観戦とは違って大雑把に見るから、バレにくい。何ら問題は無いさ。

 

「何にも起こんなきゃいいんだが…」

 

そんな淡い希望を抱きつつ、学園に向かう。覚悟を決めた筈なのに重い足取りであったのは気の所為だと信じたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………何も無い!?

 

この4日間、ミツゴシで披露した魔力無しの状態を維持し続け、教団(狂人の集い)シド(狂人)の動向を見れる範囲で見た…が、何にも動きが無い!?

何も無かったのは良しなんだが、逆に雲行きが怪しくなってきた。

 

ま、今日はシドの復帰日だ。少しは肩の荷が…いや下りないな。てか逆だ、絶賛5徹中のオイラへ更なる積荷が乗って来たらしい。へへへ…

 

よし、一旦今日の任務を終えたら帰還して休憩を挟もう。一回頭をリセットだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side シド

 

5日振りの登校、少し離れただけで妙に懐かしく感じたけど、特に気にする事では無いので何気なく校門を通過する。久しぶりの学校では何故か皆が優しい気がした。何でだろう。

 

午前中最後の授業が少し早く終わり、空いた時間でスライムで軽く作成したハンドグリップで握力を鍛える。勿論、他人に見られないよう隠しながら。

 

ふと耳を傾けるとヒョロジャガの話が偶々入ってきた。

どうやら早く終わったのは生徒会演説の何やらがあるから。そして、3年…姉さんの学年は課外学習に行っている。

後から起こるであろう事態を考慮すれば、戦力が減ったと見ていいかもしれない。

 

暫くするとドアが開かれ、二人の女生徒が入って来る。

あ、片方ローズ先輩じゃん…って生徒会長だったね。

 

「では生徒会の補欠選挙について…」

 

人前で話すのは慣れている、と言わんばかりに流暢に喋るローズ先輩。まあ結局聞き流すんだけど。

 

数分後、ここで()()()()が起こった。ハンドグリップの形が崩れ、スライムが操れない。つまり魔力が練れないのだ。

 

ああ、サンズ。来たんだねその時が…

 

瞬間、僕はなんとなく言ってみる。

 

「来るッ!」

 

その時、ドアを突き破る音が重なった。

 

そして学校にテロリストが…教団の奴等が攻め込んで来る。そう、妄想上でしか無かった光景が、今目の前に在る!

内心ニヤリと笑い、今という時間を噛み締める。

 

…勝負は今、始まったばかりだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その一瞬で学園に存在していた平穏はすぐさま混沌へと化し、響き渡るのは悲鳴や血飛沫の音。

突如として現れた黒尽くめの集団により、瞬く間に学園は堕ちて行く。

 

無論、その対象は僕の居るこのクラスも含まれていた。

 

「この学園を占拠する。全員手を上げて動くな。」

 

テロリストの一人が告げ、教室には動揺の波が広がる。

 

「…此処がどういう場所か分かってない様ですね……魔剣士学園を占拠する?…正気の沙汰とは思えません。」

 

ローズ先輩は抵抗する気力に溢れているけど…多分魔力が使えないことを知らない…じゃあこの展開は!

 

「な…魔力が…!」

 

「フッ…気づいたところでもう遅い!」

 

僕のモブ式奥義が輝く時ッ!

 

「クッ…!」

 

「終わりだ!」

 

体はもう動き出していた。だって…最初に死ぬのは!

 

「やめろぉぉぉぉおおお!!!」

 

モブの役割だあっ!

 

僕の鮮血が重力に逆らって吹き出すのと対照的に、僕は重力に沿って倒れ、仰向けになり……()()()()()()()()()()()()()()()を発動するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…サンズ、君が僕に5日後って言ったから、僕は気が散る事無く修行ができた。君を信用して良かったと思うよ。

 

5日前に僕に伝えたのはサンズからの試練、つまりは僕に襲撃の対応策を…()()を完成させろ、という旨のメッセージなのだ。

だから僕は文字通りの命懸けで()()を習得した。究極まで極まったその技を…今此処でやる!

 

『モブ式奥義…十分間の究極臨死体験(ハート・ブレイク・アルティメットモブ)

 

────────────────────

 

誰よりも早く異変に気づいたのはシドだけでなく、その骨も同様だった。

そして…

 

「……なッ!?」

 

「いきなり悪いが…オマエらだけが問題無く魔力使えるんだな?」

 

魔力の都合上普段より劣っているものの、身柄を拘束するには十分過ぎる量の骨でその黒尽くめの男を壁へ押し付ける。

男が途中呻くも、そんな事は知らんとばかりに言葉を続ける。

 

「へへへ…大体仕組みについては予想できてんだ…」

 

「ハッ…ガハッ…」

 

その者の首根っこを掴んで最大限の威圧を放つ。

 

「…オマエのは…こんなとこだな。」

 

ふとそう言ったと思えば、骸骨の魔力が()()()()()()()

 

「…!?…!」

 

男は突然の事に驚愕し、目を見開く。しかしもう声を出せるほど余裕は無いようだ?。

 

「感謝する気は全くないが、あんがとさん。…そしてじゃあな。」

 

次の瞬間、男の脳天を骨が貫く。

先程よりも遥かに早く強い…否、元々のサンズへ戻ったのだ。

 

「…全く、面倒で手の込んだことするんだな…教団さんよ。」

 

地面に広がる血溜まりを少しの間眺め、やがてその身を翻して歩き去っていく。

 

「さっさと終わらせて休暇に入りたいんだが…ま、しゃあねえか。それにしても本当に5日後か……オイラにもアイツの偶然力が移っちまったか?」

 

脳裏に浮かぶのはシャドウガーデンの盟主の顔、思わずサンズはため息をつき、『近道』で消えるのだった。

*1
耳無しでも聞こえる不思議ボディ

*2
サンズがさっきまで学園に侵入していたことを知らない。てかサンズとシドしか知らない




サンズは怠惰でいいと思う!(あんな展開で何言ってんだこの作者)

タイトル少しだけ変えました。
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