*ホネの 実力者に なりたくて!   作:セッジョー

4 / 27
*1ひょうかが ついてしまった!
 さくしゃに ちめいてきな ダメージ。
*あぶない… 0ひょうか だったら
 しんでいた。

…1評価ついてしまった。(悲しみ)
人によって作品の好みもあるしね!仕方ない!
でも応援してくれる人や感想を書く人がいるから頑張って書きます!


*『近道』 使用は 計画的に!

サンズが来る少し前に遡る…

 

side シド

 

肉塊に魔力を送り込み始めて1ヶ月。僕はついに魔力暴走を制御することに成功した。

…これで魔力操作の技術はサンズに少しぐらいは追いつけたかな?

そして暴走を制御した結果、肉塊がなんと金髪のエルフへと変貌を遂げた。あんなに腐ってたのに元に戻るんだなぁ。

 

「…よっと。」

 

意識が無く、こちらに軽く倒れてくる彼女を受け止め、地面にそっとその体を寝かす。

 

…うーん。これどうしようか?

訓練に行ったサンズが戻るまで待つのもありだし。

 

──あ、陰の実力者ムーブでこっち側に着いて貰おう。

サンズのおかげで台本は完成済みだしね。

 

 

 

「…ん……っ…」

少ししてエルフの少女が目を覚ます。

 

 

 

刮目せよ、この陰の実力者ムーブを。

 

ん"ッん"ん"…

声を整えてっ…と。

 

「目が覚めたか…」

 

普段と違う深めの声色で言葉を発する。

するとエルフの少女は体をゆっくりと起こし、驚いて自分の体を眺める。

 

「…っは!…私の体、嘘!?」

 

そんな様子の彼女に、僕はサンズから得たディアボロス教団の情報で作った台本通りの一言を告げる。

 

「君を蝕んでいた呪いはもう解けた。……もはや君は自由だ。」

 

「あなたが…私を……呪いって?」

 

中々良い反応するなこの子。というか一番欲しかった質問だね。

 

「あぁ…呪いというのは…君達、英雄の子孫にかけられた、忌まわしき呪いだ。

…驚くのも無理はない。だが君も…知っているだろう?」

 

後ろにあった木箱から教典を取り出す。

 

「教典にある3人の英雄が魔人ディアボロスを倒し、世界を救ったという御伽話。…あれは本当にあったことさ。」

 

その言葉にハッ、とした素振りを見せる彼女。

 

「魔人は死の間際に呪いをかけた…それが君を腐った肉塊に変えたものの正体だ。

だが何者かが歴史を捻じ曲げ、君達を悪魔憑きなどと蔑まれる存在にした…」

 

「ッ!」

 

どんどん分かっていく真実に彼女も驚きっぱなしのご様子。

 

「その黒幕の正体は…いや、その前に君はどうしたいか訊いておこう。これを知れば君にも危害が…」

「構わないわ!」

 

食い気味にそう答える。素晴らしい覚悟を持っているようだ。

 

「フッ…ならば教えよう…」

 

彼女も固唾を呑んだ様子で次の言葉を待つ。

 

「…()()()()()()()()

 

僕がその黒幕を語ると、苦虫を噛み潰したような表情に変わる。

 

「魔人ディアボロスの復活を目論む者達だ。奴らは決して表舞台には出てこない。…我が使命はその野望を陰ながら阻止すること…かな。」

 

そう言うと彼女は救世主を見るような目でこちらを見る。

 

「そう…我が名はスタイリッ……いや、我が名は──シャドウ。」

 

おっと危ない。

教団を狩るんだから盗賊スレイヤーは違うからね。

…っていうか即席で考えた名前だけどカッコいいな、シャドウ。今度からこっち使おう。

 

「陰に潜み、陰を狩る者。」

 

「…シャドウ。」

 

いやー、今の僕、結構陰の実力者っぽくない!?

台本通りに面白いくらい進んだよ。これもサンズの集めた情報があってこそだ。

後で感謝しとかないと──

 

 

 

 

 

「なぁ、今どういう状況だ?」

 

 

 

 

その骨、突然現る。

 

 

 

 

「わぁっ!?」

「ひゃぁ!?」

 

前言撤回。サンズ、君のせいで陰の実力者ムーブが最後で台無しだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

side 金髪少女のエルフ

 

困惑…それは今の私を表すのにピッタリな言葉だった。

 

「サンズ!『近道』は察知しにくいって最近言ったばっかじゃん!僕の陰の実力者ムーブがああああ!」

 

「それについては悪いって。ま、この子に取り敢えず服着せろよ。」

 

「…はぁ、分かったよ。」

 

と言って私に服?のようなものを着せてくるシャドウ。

私は突然現れた骸骨に驚いて、暫くこの2人の会話を聞くしかなかった。

シャドウと仲が良さそうに見えるけど、生きている骸骨なんて見るのは当然初めて。

一体何者なの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side サンズ

 

場を乱したことを一旦シドに謝り、その子に服…というかスライムスーツを着せるように言ったオイラは、シドからこの状況について聞いた。なんでも悪魔憑きの魔力暴走を制御できたと思ったら、悪魔憑きがこの子になったらしい。

その後ディアボロス教団について語ったら、教団を潰すのに付き合ってくれるとのこと。何でシドが勝手に話進めてんの?

あと、スタイリッシュ盗賊スレイヤーからシャドウに名前変えたらしい。マジで何勝手に進めてんの?

 

「…あの…あなたは骸骨…よね?一体何者なのか教えてくれない?

悪い…人?じゃないのは分かるのだけれど。」

 

おっと、例のエルフの子から質問が飛んできたな。

 

「へへへ、オイラはサンズって名前だ。モノホンのスケルトンだぜ?」

 

シドと話した結果、元人間とかの話はあんま語らないようにしようってことになった。ま、話すと経緯が面倒だから長くなるし。

あとシドが、

「ディアボロス教団と戦う時にさ、『オイラをこうした(スケルトンにした)んだ。報いは受けてもらうぜ。』とか言ったらカッコよくない?」

って言ってたからってのもある。正直こっちはどうでもいい。

一番の理由は『弟が死んだ復讐だ』なんて言ったらなんか空気重くなりそうだから、だな。

雰囲気暗くなんのはサンズとして嫌だし、自分で暗くなる要因作りたくないってのもある。

 

「…本当に喋れるモンスターって実在したのね。貴方も教団を潰すのが目的なの?」

 

「オイラ以外の同族は見たことないがな…あぁ、ディアボロス教団は完全にオイラの敵、と言っとくぜ。」

 

と会話を交わしてるとシド…いやシャドウが告げた。

 

「英雄の子よ…我らと共に歩む覚悟はあるか?」

 

その言葉にエルフの少女は応じ、

 

「病…いえ、呪いに侵されたあの日、私は全てを失いました。醜く腐り落ちるしか無かった私を、救ってくれたのはあなたです。だから、あなたがそれを望むなら、私はこの命をかけましょう!」

 

これは…中々覚悟がお有りで。

 

「そして罪人には死の救済を!」

 

その言葉にシャドウはフッ、と微笑し、手を差し出す。エルフの子は覚悟を決め切った顔でその手を取る。

 

「…敵は恐らく、強大な権力者とかだ。」

 

「ま、真実を知らずに操られてる奴も少なくはないだろうぜ。」

 

「でも、立ち塞がる者に容赦は出来ない。」

 

お、シャドウの好きそうなセリフだな、今の。

 

「他の英雄の子孫を探し出して、保護する必要もあるわね。…組織の拡張と並行して拠点を整備しないと。そのための資金集めも。」

 

…へへへ、これは物凄く優秀な人材を獲得できたようだな。

 

「その通りだ。じゃあ…そうだな、僕らの組織はシャドウガーデン。そして君は…()()()()と名乗れ。」

 

 

──シャドウガーデン、ここに結成。

 

 

 

 

 

「ちょっと待てシド。オイラはアンタの下にはつかない約束だぜ?」

 

「陰の実力者ムーブを乱した罰だ!って言うか2人でボス、とかでもアリじゃない?こっちとしては譲歩してるんだけど。」

 

「オイラはそういうの向いてないって…ハァ。」

 

ホント、コイツ自由すぎるな。

ま、教団潰しには組織で対抗するのが一番か。

 

 

 

 

 

 

side シド

 

シャドウガーデンを結成してから3年。

13歳となった僕は──

 

 

川沿いの開けた場所。そこには僕と僕の()()()が剣を持って対峙していた。

「えぃやぁぁぁぁー!!!」

 

言ってる自分ですら情けない、と感じてしまうほどの弱々しい声を上げて斬りかかる。

 

「えいっ!」

 

「……」

 

僕は剣を振り、その剣を顔一つ変えずに無言で受け止める姉さん。剣と剣がかち合い、ギリギリと金属の擦れる音がする。

 

「…踏み込みが甘い!」

 

そう言って僕を剣ごと弾き飛ばし、姉さんとの距離が離れる。

 

「うわぁっ!」

 

一応受け身は取っておいて、剣を構え直す。が、すぐに姉さんが接近し、横振りの一撃。

それを剣で受け止め…切れず、飛ばされて浅めの川へ落ちる。

 

「ふぇぇ…お姉ちゃん強いよー」

 

「…成長しないわね。」

 

勿論、全部演技である。やろうと思えば姉を簡単に圧倒することだってできるけど、それじゃあ陰の実力者ではなくなってしまうからね。

 

話を変えて……僕の姉、『クレア・カゲノー』。

類稀な剣の才を持つ、カゲノー男爵家の期待の跡取りってところかな。

 

因みに家での僕の立ち位置は空気。平凡な魔剣士見習いってのが僕に対する評価。

 

 

そして姉さんは15歳。

貴族は15歳になると王都にある『ミドガル魔剣士学園』に通うことになる。

姉さんも通うことになった…のだが。

 

 

 

 

 

いざその日になって…姉さんは姿を消した。

 

 

僕は荒らされた姉さんの部屋を眺めている。

 

「何たることだ……寝込みを襲ったといえ、あのクレアを!

相手は相当な手練に違いない!」

 

妙にシリアスな雰囲気を出して喋るこのハゲ…父は『オトン・カゲノー』。もう名前についてはツッコまないでおく。

 

「だから、仕方ない…と。…そういうこと?」

 

と顔は笑ってるが明らかにキレているのが母。『オカン・カゲノー』。

 

「え…いやそんな訳じゃなくてね。ただ、事実を述べたまででね…」

イイワケ スンナコノハゲェェェ!!(ドガァァァン

ヒィィィ!!!

 

と、まあ怒ると怖い一面も持ち合わせている。

ここにいてもハゲが痛ぶられる絵面が目に入るだけなので離れることにしよう。

 

 

まあ、姉さんの行方については心当たりがあるけど。

 

「…ベータ。」

 

僕がそうと呼ぶと、

 

「はい、シャドウ様。」

 

と告げ、側にいたメイドが姿を変えて銀髪、泣きぼくろを持つエルフとなる。

 

『ベータ』はシャドウガーデンの一員であり、アルファがあの後に悪魔憑きをひょいひょい拾ってくるものだから、今ではメンバーが僕含めて9()()となった。

 

「アルファは?」

 

「クレア様の痕跡を探っています。」

おぉ流石。

 

「姉さんはまだ生きてる?」

 

「恐らく。犯人はやはりディアボロス教団のものです。…それも幹部クラス。」

 

「…何故姉さんを?」

 

「クレア様に英雄の子の疑いを掛けているものかと。」

 

「なるほどな。」

 

…昔姉さんに悪魔憑きの症状が出たとき、ストレッチと称して治したよなぁ。…これバレたらディアボロス教団が僕を狙ってくるんじゃないか?…今回は早めに潰したいところだ。

 

「ご覧ください。」

 

促されるまま地図を見る。

…おぉ、調べ上げられてるな。…ただあの箇所のマークが無い。

 

「我らが突き止めた奴らのアジトです。…しかし、この中の何処にクレア様がいるかは…まだ…」

 

「フッ…そこだ。」

スライムを操作して地図のとある箇所を突き刺す。

…完璧な位置。

 

「…そこに姉さんはいる。」

 

実は昨日、サンズが僕を訪ね、教団の隠しアジトを見つけたという報告をしに来たんだ。何でも、攫われる姉さんを隠しアジトまで追ったらしい。

 

「えぇ…?ですが、ここには何も…はっ!

…まさか、この暗号はブラフ!…だとするとこの記述と照合すれば…全て繋がる!

シャドウ様!ご指摘のポイントに隠しアジトがあると思われます!」

 

「やはりな…」

 

「この膨大な資料を一瞬で読み解き、見抜くとは…流石シャドウ様!」

 

…なんか凄く拡大解釈されてる気がするが、まぁいいだろう。

 

「…フッ、七陰に伝えろ。決行は今夜だ。

…それと、アイツは既にアジト付近で待機済みだ。」

 

「え?…まさか来ているのですか!?

 

 

       サンズ様が!」




『近道』の強み(シドにとってはいい迷惑)が出た回でしたね!
この回は好き嫌い別れそうですが、ご了承の程…

オリ主君はシャドウガーデンでも自由を満喫している模様。

1/30 日間ルーキー 3位
あぁ……(死)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。