*ホネの 実力者に なりたくて!   作:セッジョー

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* このさくひんが ランキングに けいさいされた。
* さくしゃは ひんしだ。

前回の投稿からずっと驚きっぱなしです!
数多くのUAと評価。本当にありがとうございます!


*そのホネ 実力を 示す。

side サンズ

 

クレア・カゲノー…やっぱ攫われたか。

前々から教団員がシドの家付近にいたし、教団に狙われてるのは分かってたから…ま、予想通りだな。

教団員をこれまで泳がせていたのは意図的。教団のアジトを知るために仕方なく、だ。

教団の奴らって隠れるのは上手いわけで、アジトを見つけるのはなんやかんや、この方法が一番手っ取り早い。

 

んで、昨夜はシドにクレア・カゲノーが攫われた件と、隠しアジトの場所やらを報告。

 

オイラはその後隠しアジト付近で待機中ってところ。

シド、七陰が来るまでは下手に動かないようにしている。

シドのことだから救出は今夜に決行なんだろうし、気長に待つぜ。

七陰とは会うの久しぶりだから少し楽しみだったりもする。

 

 

あ、シャドウガーデン内でのオイラの役回りはちょっと特殊でな。

オイラは組織内では自由にやらせてもらっていて、基本的に単独行動で、独自に情報を調べて持ち帰るのが仕事。特に命令は受けず、自分の思うがままにやることをやる感じだ。

持ち帰った情報内容にアルファとかが驚くことも多々あったり…っと話が逸れたな。

 

オイラがこんだけ自由に動けるのは盟主…シャドウからの太鼓判を押されるほどの実力と隠密能力を持っているのと、オイラが自由を好むという私的な理由もある。

ま、そんなだからシャドウガーデンに帰ることも少ない訳で…今回は大体3ヶ月ぶりかな。

七陰の成長を見る良い機会だ。

 

 

 

 

…時は過ぎ、夜へと変わる。

 

 

 

「…来たな。」

 

指定した箇所にシャドウと七陰が近づいてくる。

…お、あっちも気付いたみたいだな。

 

「「「…サンズ(様)!」」」

 

「よう。3ヶ月ぶりってところか?久しぶりだな。」

 

呼ばれたので返事をする。七陰は久しぶりに会えたのか嬉しそうにしている。…が、喜ぶのはまだ早い。

 

「思い出話に花を咲かせるのは今じゃない…だろ?シャドウ。」

 

「その通りだ。…今夜、我らはアジトを潰し、我が姉を救う!」

 

その言葉に頷き、気持ちを切り替える様子の七陰。

案外、様になってるんじゃないか?陰の実力者。

 

…さぁて、オイラも動こうかね。

 

 

────────────────────

 

 

──隠しアジトにて…

 

 

そこには白髪で歳は中年辺りの教団幹部、オルバ子爵と手首を金具で拘束されたクレアがいた。

 

「…クレア・カゲノー。貴様は悪魔憑きらしき兆候が現れた時、弟に治してもらったそうだが…。」

 

「勘違いよ。あの子に治せるわけないんだから。」

 

「確かにそうだ。が、念のため弟の方も…」

 

『弟に何かする。』その言葉、その行動はクレアにとって地雷だった。

前話では触れていなかったが、このクレア・カゲノーと言う女、()()()ブラコンである。

 

オルバがその言葉を発した刹那。なんと彼女は右手の拘束具の鎖を壊し、左手首の肉を削いで拘束から逃れたのだ。

 

「あの子に何かあったら…絶対に許さない!!」

 

クレアがそう言って放つ一撃をオルバ侯爵は避け、彼女の手首に目の焦点を合わせる。

 

「貴様…!手の肉を削いでッ!」

 

クレアは激昂し、怒りのままに言葉を発する。

 

「お前も…愛する家族も!友人も!全て殺し…」

 

だが、オルバも生身の15歳の少女に負けるほど弱いわけではない。

 

「…ふんっ!」

「…グゥッ!」

 

顔面への容赦のないその拳は、魔力を完全に纏えない彼女の意識を奪うのには十分な一撃だった。

 

「小娘が…。まあいい、適合者かどうかはその血を調べれば分かる…」

「オルバ様!」

「何事だ!」

 

慌てた様子で駆け寄る教団員の1人。

 

「侵入者です!」

「何ッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

焦った様子で走るオルバと教団員の足音が響き渡る。

 

「敵は恐らく7()()。影のように何処からともなく現れて、兵たちを次々と…!我々では歯が立ちません!」

 

侵入者が見られた現地へと向かいながら現況を聞くオルバ。

その報告全てが本当だとは信じきれないぐらいの異常事態だった。

 

「…ありえん、ここには王都の近衛に匹敵する騎士を…

 

なッ!…何だと!?

 

飛んで来たのは仲間の生首、オルバ子爵はとうとう先程の報告を認める他無くなってしまった。

 

「何が起こっていると言うのだ!」

 

そして辿り着いた先で見た物は…

 

──隠しアジト内では戦い…というより蹂躙が行われていた。

教団員は虫のように呆気なくやられてしまい、辺り一面に広がるのは遺体と返り血。まるで地獄のような光景だった。

その中心には漆黒の服を身に纏う7人がおり、オルバと対面している。

 

オルバは明らかに動揺した感じられる声で問い質す。

「貴様ら…一体…!」

 

「我らはシャドウガーデン。

ディアボロス教団の壊滅を目的とする者。

我々は全てを知っている。

魔人ディアボロスの復活、英雄の子孫、そして…悪魔憑きの真実。」

 

7人の少女…七陰が次々に言葉を口にすると、オルバは驚愕する他無かった。何故、何処で、その秘密を知ったのか。

 

「…ディアボロス教団。その名を!秘密を!何処で知ったァァァ!!!」

 

そう言った瞬間、オルバは距離を詰めて斬りかかる。

 

ガキイィン!!

 

そして……その剣は間違いなく当たった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──地面から飛び出した骨に。

 

 

「おっと、相手はオイラにやらせてもらうぜ。」

 

「なっ!?」

 

8人目……オルバにとってその情報は初めて知った物だった。

 

「8人目だと!?…ありえん!情報では7人のはずだった!」

 

 

そして奥から現れたのは1人の…骸骨だった。

 

 

 

side アルファ

 

サンズ…彼の持つ謎は多い。

彼が最初に私と出会った際に見せた『近道』。あの技を見た時には"彼は強い"と私は即座に判断していた。

そして、その判断は間違っていなかったというのは、彼が私の特訓に付き合ってくれた際に痛いほど実感することになる。

 

──()()()()()()()()()()()()

私が未熟であることは分かっていた。けど、ここまで圧倒的に、余裕を持って躱される事実。それは彼と私の差がそれ程までに大きいことを象徴していた。

訓練を繰り返して腕が上達したと実感しても、彼と戦えばまた同じ結果になった。後に七陰が来ても変わらない。

 

…何より、彼はそれ(避けるだけ)だけだった。

 

ハッキリ言って、彼が攻撃らしい攻撃をする場面を見たことがない。

 

 

…だから私は今から起こるこの光景を目に焼き付けよう、と決心したのだった。

 

 

──────────────────────

 

 

突然出てきた骨。それには警戒せざるを得なかったけど、彼の声が聞こえた瞬間にはその警戒は安心感になっていた。

 

「…貴方、こんな技を隠していたのね。」

 

「おっと、アンタら七陰に見せんのは初めてか。」

 

その言葉に頷く私達。驚いている子や感激している子もいるわ。

 

「相手が8人目が居ると知ったのはこのタイミングらしいわよ。…バレて無いなんて流石ね。」

 

やっぱり貴方は凄い。私達の想像なんて簡単に超えてくる。

 

「へへ、褒めても出てくるのはギャグだけだぜ?」

 

「…それは今度の機会にして頂戴?」

 

今はそんなことしてる場合じゃないでしょう?

 

「何だこの骨は!?突如出てきて……なっ、骸骨だと!?」

 

「へへへ…まぁ、()()()は幹部だ。殺さない程度に…

 

遊んでやるよ!!!」

 

「…ほざけぇぇぇえ!!!!」

 

勝負は一瞬。サンズに剣が当たる寸前で彼は消え、ガインといった音が鳴ったと思えば、オルバの周囲から覆い尽くすように骨が出て拘束、そして彼が指を鳴らすと、骨が一つ、オルバの右肩を貫通していた。

 

「ガッ…ハッ……!!!」

 

「良かったな、まだ一本目だぜ?」

 

そう言ってオルバの後ろの方から現れ、刺した骨を引っ込める彼。刺さった骨が抜けたオルバの肩からは血がボタボタと溢れている。

 

「ま、知ってることを話したら2本目は無しにしてやる。」

 

彼が言葉を発している際、オルバはこちらを睨むように伺いながら懐を探り、()()()()を取り出して噛み砕いた。

 

「ウゥオォォォォ!!!」

 

オルバの肩の傷は錠剤によって完全に塞がったが、血管が異常に剥れ上がり、理性を保てているか怪しい状態。恐らくドーピングの類いでしょう。

──面白い手品ね。

そして、オルバは雄叫びを上げて彼に斬りかかる。

 

「…おまえ、つまらないことするんだな。」

 

余裕を持って当然のように躱す彼。

 

だけど、

 

「ガァアァァァァ!!!」

 

避けられた先の地面を叩き割って逃げるオルバ。どうやら隠し通路に逃げたらしい。

 

「すぐに追いかけます。」

 

ベータがそう言うが、私は必要ない、と告げる。何故なら…

 

「この先にはアイツ(シャドウ)が居るから…だろ?アルファ。」

 

「…その通りよ。」

 

「へへへ、ならオイラ達は後始末かな。」

「ちょっと待ってくれない?」

「…どうした?」

 

「さっきの骨についてだとか…色々聞きたいことが出来たわ。」

 

「…へへ、後始末やる間に教えてやるよ。」

 

ふふっ、そう言ってくれると嬉しいわ。

 

 

 

side サンズ

 

あの後案の定質問攻め。今まで七陰との訓練では避けるだけだったから使ってなかった骨攻撃。…そりゃ驚かれるよな。当然のように骨使って攻撃するとか、この世界の異端にも程がある。

…ま、喋る骸骨だからそもそも存在が異端なんだけど。

 

つっても、シドは本当に別行動はこのためにしたのか?

 

…後でとっちめてやる。

 

 

その頃シド…

 

 

「…迷った。」




迷ったシドを見て一言。
サンズ「知 っ て た」

というわけで今回はここで終了です。
オリ主君はどうやら七陰にはあまり自分について話していないようですね。…謎キャラとしての地位を確立している模様。
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