*さくしゃの なみだが とまらない。
お気に入り登録者500越えちゃったよ…
誤字脱字報告毎回助かってます!
コメントも全然受け付けていますのでどんどん送って大丈夫です。大体のコメ返します。
side シド
「!……貴方、帰って来てたの?」
「あぁ、さっき戻ったさ。…先にベータのとこ行って現況聞いて来たがな。」
アルファとサンズがそう話す。
いやー、嬉しいね。本当に久しぶりじゃん。
…ってか待ってくれ。
「サンズ。…背が伸びてないね。」
「あぁ、全く伸びなかった。スケルトンだからかな?ま、別に困ってない。身長低いのも色々便利だし。」
ふーん、ならいいか。
「シド、アンタ結構マズイ状況だな。このままじゃ犯人確定だぞ?」
「そーだねー。」
訳あってケチャップ塗れになったバーガーを頑張って食べながら話を聞く。
…やっぱ調味料は適量じゃないと駄目だな。
「そのバーガー、私のだから今度奢ってちょうだい?」
「…サンズ、払え。」
「オイラは食ってないが?」
ケチャップかけた張本人が何言ってんだか。絶対に払ってもらうからな。
「支払い云々は考えとくとして…アルファ、最近上手くやってるか?」
「教団の調査を進めてるわ。ガーデンの組織力強化も同時進行中よ。」
「新しい拠点と資金源はバッチリか?」
「えぇ、どちらも完璧。」
「そうか、それは喜ばしいな。…ま、シドに話戻すか。」
あ、話戻す感じね。
「久しぶりなんだからもうちょっと長く話せば良いのに。」
「今回の事を片付けたら時間は作れるでしょう?……王女誘拐は教団の手の者よ。目的は濃度の高い『英雄の血』ね。」
「『血』ねぇ、ならまだ生きてる可能性が高いのか。」
「教団だってすぐに殺すほどバカじゃないはずだ。英雄の血は貴重だからな。濃度が高いとなりゃ尚更だ。」
なら、一応助けないと駄目か。王女ポジって大体物語に関わってくるし、元々恋人だったし。…名義は、だけど。
「貴方が何故王女とロマンスを繰り広げていたのかは知らないけど、きっと理由があるのよね?私達には到底理解できないところまで貴方は見据えてる。…けど、もう少し私達を信用して。」
「…恋人の件について死ぬほどシドに問い詰めたいが、一旦話を続けよう。作戦の概要は?」
「準備が出来たらベータが知らせるわ。だから貴方達は待機しておいて。私は先に行くから、バーガーの件忘れないでね。それで…シド、貴方を尋問していたあの二人だけど、どうするの?」
どうするも、僕にとって楽しいモブの時間を作ってくれた二人には感謝さえしてる。
「彼らは彼らの仕事をしたまでだよ。寧ろ、報酬を受け取るに値する。」
「…そう。気が変わったら言って。デルタも来てるし。」
「「デルタ来てるの(か)?」」
「シドに会いたがっていたわよ。サンズはサプライズになるわね。」
と言って、アルファは窓から出て行った。
部屋には僕とサンズだけ。
「…さて、サンズ。手伝って欲しいことができたんだけど。」
「あー、いいぜ。…対価は王女と恋人の話な。」
「は!?それは無しだ!ナシ!」
「全ては…この日のため!」
僕とサンズは手分けして影の実力者コレクションを装飾していた。
「…アンタ、資金をこんなことに使ってたのか。」
「『こんなこと』って言うなよ…結構重要なんだよ?質素な暮らしの陰の実力者とかカッコつかないじゃん。」
サンズはふとコレクションを一望し、一言告げる。
「アンタ、金欠になってないか?そこのグラスとワイン、明らかに盗賊狩りだけじゃ足りないぞ。」
ギクゥ!突かれたくない所を!
「ほ、ほら王女と付き合ってたから…融通が効いてさ…。」
「へー、……アンタ金に釣られたな。」
ギクゥ!×2
なんで妙に鋭いかなこの骨。
「図星か……事が済んだらキッチリ話してもらおうか。勿論、手伝った分とバーガー分な…。」
どうやら諦めるしかないようだ。
「…シド、取り敢えずはこんなもんか?」
「うん、完璧だ。あぁ、心が満たされるぅ…。
仕上げに今日届いたばかりのこの手紙をset…(ネイティヴ英語)」
後は時を待つだけ…
side out
数時間後…空も暗くなり、寝静まる人々も増えてきた時間帯。
窓が開き、ある人物が入ってくる。
そしてその部屋に向かって歩く。久しぶりとなる主との対面に心なしか興奮しているようだ。
「…ベータだな。」
部屋に入れば、自分に背を向けながら玉座に座るシャドウガーデン盟主…シャドウの姿があった。
部屋一面を見渡すと、普通では入手が難しい物ばかりが並んでいる。その品々がシャドウと噛み合い…神秘的で、尚且つ威厳を発揮している。
その様子に思わず恍惚した表情を浮かべてしまう。
「時は来た…今宵は陰の世界…。」
シャドウがそう告げる。
「陰の世界…月の隠れた今宵は、正に我等に相応しい世界ですね…!」
ベータが言葉を返すとシャドウはグラスに口を付け、ワインを嗜む。
「準備が整いました。」
「そうか。」
「アルファ様の命により、動員可能な者は全て王都に集結させました。…その数114人。」
114。その数は多いように思われるが、彼の反応次第にもよる。戦闘力からすれば万全と言えるが…
「114人。…良いだろう、十分だ。」
「!…勿体なきお言葉です。」
どうやら問題は無かったようだ。
「作戦は、王都に点在するディアボロス教団…フェンリル派アジトの同時襲撃です。それと同時にアレクシア王女の魔力痕跡を調査…突き止め次第確保します。」
シャドウが頷く。
「全体指揮はガンマが、現場指揮はアルファ様が取り…私はその補佐を。イプシロンは後方支援、デルタが先陣を切り作戦開始の合図とします。部隊ごとの構成は……」
「いや、どうやら…シャドウが招待状を受け取っているらしいぜ?」
ベータの背後から響き渡る声。その声に応じてシャドウが手紙を開き、ベータに手渡す。
「これは…!」
「デルタには悪いが……プレリュードは僕が奏でよう。
…今宵、世界は我等を知る!」
「…へへ、ベータはシャドウと同行してくれ。オイラはアルファに諸々伝えてくるからよ。」
「へ!?は、はい!」
シャドウとベータは同行するとのこと。
心中では同行できる嬉しさとサンズに対するありったけの感謝で溢れていることは本人以外知る由もない。
『近道』を使い、去っていくサンズを見届け、シャドウとベータは招待された場所へと赴くのだった。
side サンズ
『近道』…っと。
「よう。アルファ、にデルタ…いきなり悪いな。」
場所は変わり、時計塔の上。
此処であれば街を一望するのも容易であり、バレる心配もない。
「んんー?…あ!サンズ様なのです!」
そう言うのはデルタ。七陰の一人で犬の獣人、黒い髪で戦闘狂。あとバカ。
そして、一番困るのは……
「がうぅぅぅ!!!」
オイラを見たら噛もうとしてくる事。…オイラ、スケルトンだからさ?犬と骨…つまりそゆこと。
襲ってくる犬を当然のように避け、その犬に落ち着けと一言。
「デルタはその癖を早く止めなさい…。久しぶりなのは分かるけど。
サンズは……シャドウから伝言?」
「あぁ、『先に動く』だとよ。ま、作戦は変更無しで良いだろうな。」
「了解よ。丁度開始するところだったから、最終確認ができて良かったわ。」
「それは何よりだな。…デルタはどうだ?」
「バッチリなのです!早く闘いたいのです!」
「あー、やり過ぎないように気をつけ……言っても無駄か。」
「?」
明らかに分かってない顔をするデルタ。アルファも黙って頷いているのでやはり無駄か。
「……時間ね。デルタ!」
「はい!なのです!」
時間が来たみたいなのでデルタを行かせるアルファ。それに応じてデルタは
雨はポツポツと降ろうとしている。
side アレクシア
…誘拐されてからどのくらい経ったのかも分からない。
昼夜さえも知れないこんな場所に何日も居ては流石におかしくなってしまう。
拘束されたまま、血を抜かれるだけ。食事もまともではない…そんな生活では諦めるしかなかった。
…少し外が騒がしい。地下にあるであろうこの施設が揺れることもある。
「…五月蝿くて寝ていられないわよね。…けど起きていた方が良いわ。きっと楽しいもの。」
近場に居る
「ちくしょう、ちくしょう!!」
私から血を抜いた白衣の男が牢を開けて入ってくる。
「奴等だ!奴等が来やがった!み、皆殺し。皆殺しだ!」
気が狂ったように…いや、元々おかしかったか。その男は血が入った巨大な注射器で悪魔憑きを刺し、血を注入した。恐らくは私の血。
「嫌な予感がするわ…止めておきなさい。」
そんな私の小言などお構いなしに血は入っていき、悪魔憑きはみるみる巨大になった。まさに巨人、怪物。
そして、変貌した瞬間に男を突き刺してしまった。
あぁ、私もここで死ぬ。とそう悟った…が、
「!…助けてくれたの?」
予想とは裏腹に、私の拘束を錠を壊す事で解放してくれた。
助けてくれたかと聞いても答えは返らない。
そして、その悪魔憑きは地面を突き破って外へ出て行った。
side サンズ
いきなり作戦とは違う場所でデカい騒音がして駆けつけてみれば、なんか悪魔憑きが巨大化して暴れてる。
…こりゃ、『英雄の血』の効果だろうな。
悪魔憑きが暴れている周辺の建物の屋上。そこから眺める。
暫くすれば、赤髪赤瞳の『アイリス王女』。王都ブシン流を広めた、表世界の強者が来た。
…お手並み拝見と行くかな。
…結論から言おう。
確かに保有する魔力量は多いし、剣術の腕がある点は評価できる。しかし、魔力操作がなぁ?
一般的には高いとみなされそうだけど、まだまだなんだよな。細かいところが甘い、雑!
こんな感じでうーん、と唸っていたらアルファが来た。
「何か悩んでいるようね。」
「いや、割とどうでもいいことだぜ?」
「そう…シャドウも貴方も、やはり何か抱えているのよね。だからって、余計な詮索はしないけど。」
いや、王女のことだからマジで関係ない……ま、いちいち説明するのも面倒だな。
「そうか、助かるぜ。……アレ、止めるか?」
アレ、というのは王女の攻撃。
あの悪魔憑き、攻撃を喰らえば再生を繰り返している。つまり、王女は悪魔憑きを痛めつけているだけなのだ。
悪魔憑きの真実を知るアルファからしたら黙って見過ごせる訳がない。
…え?なんでオイラは何もしなかったかって?そりゃ、七陰の作戦に下手に手を出さないようにしたいからな。
シャドウが作戦をちょっと変えてるだけでも大変だろうし。
…ま、オイラも作戦変えたくなったら変えちゃうかもだから、なんとも言えないんだけど。
「えぇ、これ以上は見過ごせないわ。」
「…分かった、オイラも行くよ。」
アルファは頷き、アイリス王女の元へ二人で向かうのだった。
side アイリス
自分の持つ剣に、己の持つ赤色の魔力を込めて連続で斬る。再生するなら再生できないほど切り刻めば良い!
「はあぁぁぁぁぁ!!!」
力、速度の両方を兼ね備えた剣技。赤色の魔力の軌跡を残しす程の速さでの連続斬り。
よし!ダメージは着実に入っている!
「このまま……ッ!?」
気がつけば目の前に誰かが背を向けて立っている。
気配が直前まで無かった!……この事件の主犯なの?
「それが苦しめるだけだと…何故分からない。」
「…何者だ!」
それを聞かないという選択肢は無い。犯人かもしれない以上、聞かなければならない。
「アルファ。」
その漆黒のスーツを纏ったエルフの女性は『アルファ』と名乗った。
「そして、オイラはサンズ。スケルトンのサンズさ。」
「!?」
背後!?
…気配が先程と違って全く感じ取れなかった。
更には、漆黒の見慣れない服を着ている骸骨。
到底、理解が追いつかなかった。
すると突然、化物が動き出し、アルファと名乗ったエルフを叩き付けた……ように見えたが。居ない。
「奴は何処へ!?」
「へへ、上だよ。」
「…なっ!?」
side out
「可哀想に…痛かったでしょう。」
漆黒の剣が生み出される。それも背丈を超えるサイズで。
そして、魔力が剣に集中し青い魔力が輝く。それは巨大な炎のようにうねった。
「…もう苦しむことはない。悲しむことはない。」
そして、繰り出された一撃。
化物を倒すほどの威力ある一撃であったが、同時に美しさも感じられるものだった。
「アルファ、腕を上げたな。」
化物がその一撃によっていなくなったと思えば、少女の姿がそこにあった。
「貴様は……まっ、待てっ!」
「観客は観客らしく、舞台を眺めているだけで満足していなさい。…我等、
煙が濃くなり、アルファの姿が消える。
再び見えるようになれば、そこには…
side サンズ
『近道』でアルファの所に飛び、「少し用事がある」と告げる。
アルファは困惑するも、直ぐに「何か考えがあるのね」と言って先に帰ってもらった。
「何故貴様はそこにいる!先程までは私の背後にいた筈!」
「へへ、手の内はそう簡単にバラさない趣味でな?言う気はない。
…さて、アイリス王女だったか?オイラと少し…
因みにオリ主君はケチャップ大好き。あのバーガーもヨユーで食える。
オリ主君の容姿
スライムスーツによりパーカーを着ている。
スライムスーツなので黒。
原作の戦闘時の白黒サンズの衣装を思い浮かべてくれたら分かります。