010
「……もしもし」
『初めまして。「パッショーネ」のボス、ジョルノ・ジョバァーナです。以後お見知りおきを』
「お初にお目にかかります。日本から来た羽川翼と申します」
『なるほど、日本から……いえ、実は僕の身体にも、半分日本人の血が流れているんですよ。つい親近感が湧いてしまいました』
電話越しに聞こえてきたその声は、私の予想に反してとても若々しいものだった。
おそらく、年齢は私とそう変わらないはず――にもかかわらず、その落ち着き払った態度と貫禄は、まさしく組織を統べる者にふさわしい。
こうして話を聞いているだけでも、彼の持つカリスマ性が電波を介して伝わってくるかのようだ。
だけど電話の向こう側の彼は、きっとドッピオさんの言う『ボス』と同一人物ではないのだろう。
ミスタさんが話していたように、ドッピオさんが先代の『ボス』の腹心なのだとすれば、ジョルノさんはその『ボス』の後任ということになる。
そしてギャングの世界において、トップの座が入れ替わるというのが何を意味するのか――部外者の私でも、何となく想像はつく。
それも、あまり良くない想像が。
『まずは電話でのご挨拶となってしまったことをお詫びいたします。本来であれば面と向かって直接お会いしたかったところなのですが、生憎今は色々と立て込んでいましてね……こうして電話するちょっとした時間を作るのにも一苦労ですよ』
「随分とお忙しくされているのですね」
『ええ、おっしゃる通り。ただまあ、立て込んでいるとはいってもボスとしての仕事がではなく、僕の個人的な問題なのですが――なんでも長年失踪状態にあった僕の父親が、今になって復活したとのことで』
「はあ……『復活』ですか」
『その影響で、関係各所から僕のもとへひっきりなしに連絡が……おっと失礼。これは今回の件とはまったく関係のない話でしたね』
無駄な話はやめておきましょう――無駄無駄。
そう言ってジョルノさんは小さく咳払いをすると、話題を切り替えた。
『さて、ではそろそろ本題に入りましょうか。早速ですが、まずはお互いに情報を共有したい。イタリアに来て早々こんなことに巻き込まれて、あなたもさぞ困惑していることでしょう。ですから順を追って、我々の組織が現在置かれている状況について説明したいと思います』
「よろしくお願いします」
『話は六年前まで遡ります。事の起こりは、当時の「ボス」の娘を巡って勃発した組織内部の抗争でした。僕が所属していたチームは、ボス直々に娘の護衛任務を命じられたわけですが……紆余曲折あって僕らはボスを見限り、組織の「裏切り者」となったのです』
「見限った? それはまたどうして」
思わずそう尋ねてしまった私だったが、ジョルノさんは特に気に障った様子もなく、淡々と話を続けていく。
まるで、あらかじめ質問されることを予期していたかのように。
『任務の裏に隠された、ボスの邪悪な企みを知ってしまったからですよ。彼が我々を護衛の任に就かせたのは、決して娘を守るためじゃあなかった。正体を隠して生きていく上で脅威となり得る我が子を、自らの手で確実に始末するためだったのです。ただただ己の保身のためだけに、何も知らぬ娘や僕たちを利用しようとしたボスは紛れもなく「吐き気を催す邪悪」でした』
「邪悪……」
『そもそも僕が「パッショーネ」に入団したのも、麻薬の密売を扇動していたボスを打ち倒し、街を浄化するという秘めたる目的あっての決断でしたからね――組織に反旗を翻すことに関しても、とうに覚悟は決めていました。そして結論から言えば、「下剋上」は成功裏に終わったといえる。犠牲は大きなものでしたが、ボスは倒され、僕たちの下で組織は新たな一歩を踏み出した。そのはずだったのですが……』
「……かつての『ボス』の右腕である、ドッピオさんの存在がネックになっていると」
ジョルノさんが言い終わるより先に、溜息混じりに私はそう呟いた。
組織の裏切り者たちが『ボス』を相手に下剋上を果たし、その座を
たとえジョルノさんの言う通り、『ボス』がどれほど悪い人間だったのだとしても。
『……ヴィネガー・ドッピオが幽霊として未だ現世に留まっているという事実は、我々にとってまったく想定外のものでした。もう既に死んでいる人間なのだから、そこまで過剰に反応する必要はないじゃあないかと思われるかもしれません。ですが、彼は新しく生まれ変わった「パッショーネ」の秘密を知る者――到底看過することのできない存在なんです』
「秘密……ですか」
『ええ。ですが翼さん、今のあなたからすれば、もはやそれは「秘密」でも何でもありませんよ』
「?」
『どんな集団においても、過渡期の混乱というのは避けられないものです。ましてや、当時僕は年齢にしてわずか十六歳――そんな子どもが突然組織のトップに躍り出たとなれば、いらぬ反感を買うであろうことは明らかでした。だから僕は、前任者が自身の情報を隠していたことを利用して、以前からこのジョルノ・ジョバァーナが「ボス」であったかのように振る舞うことにしたのです。そしてこのことは、現「パッショーネ」上層部をはじめとするごく一部の者しか知らない』
「……なるほど。なんとなくですが、おおよその事情は飲み込めてきました」
つまり内部からの反発を抑えるため、『下剋上』の事実そのものを無かったことにしたのだろう。
上手く情報をコントロールしさえすればそんな芸当も可能なのかもしれないけれど、しかしそれは当然、一連の抗争と直接関わりを持たない第三者を相手とした場合に限られる。
抗争の当事者であれば。
それも、旧体制派の残党であれば――『ボス』の仇へのせめてもの意趣返しとして、組織の現トップ陣が抱える『秘密』を暴露することで、彼らの面子を潰そうとする可能性も十分考えられる。
ジョルノさんたちがドッピオさんの存在そのものを脅威とみなしているのも、ならば致し方ないのかもしれない――だけど。
「ジョルノさん。私から一点だけ質問させていただいてもよろしいですか?」
『構いませんよ』
「言葉は悪くなりますが、つまるところあなた方は……ドッピオさんを『始末』しようとしているのですか? 旧体制の遺産である彼を完全にあの世へ送り、組織が抱える暗い過去を清算しようとしていると?」
『ええ、早い話がそういうことになります――ですから、改めて僕からも翼さんに協力をお願いしたい。これはかつて「パッショーネ」が正しからざる道を歩んだがゆえの、いわば「けじめ」の問題です。生憎僕たちだけでは対処の難しい案件ですが、「適格者」であるあなたなら、彼との接触を通じてその弱みを探ることができるかもしれない』
「弱みを――探る」
『もちろん、無関係の一般人であるあなたを巻き込んでしまう以上、我々としてもその落とし前はきっちりつけなければなりません。ですから、この件が無事解決に至った暁には――成功報酬として、翼さんから出された要求を何でも一つ聞き入れると約束しましょう』
「…………」
顎に手を当てて考えこむ私。
ジョルノさんから出された申し出は、打算的に考えれば実に『オイシイ』話だ。
聞くところによれば、『パッショーネ』はイタリア全土に勢力を張り巡らせている一大組織だというし――そのネットワークを利用させてもらえば、忍野さんの行方を追う私の旅にも大きな前進が見込めるかもしれない。
まあ、反社会的勢力から支援を受けるというのは、一般的にあまりというか……かなり褒められたことではないけれど。
だけど現状では、それが最善の選択肢であることも確かだ。
私にとっても、ジョルノさんたちにとっても。
そして場合によっては――ドッピオさんにとっても。
「――分かりました。いずれにせよ今さら無関係を決め込むわけにもいきませんし、私で良ければ謹んで協力させていただきます。ただ……」
『ただ?』
「私はあなた方だけでなく、ドッピオさんにとっての『代理人』でもありまして……実はあの階段で言葉を交わした際に、ドッピオさんからとある言伝を頼まれているんです。彼を『始末』するというのであれば、せめてその前に、今から私がお伝えすることを聞いていただけませんか?」
『……ふむ、なるほど。ヴィネガー・ドッピオから我々に向けたメッセージですか』
「はい」
『もちろん、ぜひお聞かせ願いたい。向こうの言い分も聞かずに一方的に「始末」するというのは、僕としても後味の良くないものを残しますからね――彼は何と言っていたのですか?』
ジョルノさんの言葉に促され、私はあくまで中立の立場から、ドッピオさんに関する事実のみを淡々と伝える。
コロッセオで死亡した後に幽霊となり、例の『階段』にその存在を縛り付けられていること。
『ボス』の安否を気にしており、それこそがこの世に残した未練だということ。
未練を断ち切るためにも、彼の代わりに私が『ボス』の身に起きた真相を探っているということ。
「――以上が、私がドッピオさんから伝え聞いた彼の現状です。とはいえこれまでのお話を伺う限り、『ボス』の生存はほとんど絶望的と言っても良いのでしょうけれど……」
半ば諦観気味に、そう話を締めくくる私。
私の話に無言で耳を傾けていたジョルノさんは、しばらく何かを考え込んでいる様子だったが、やがて私にこう切り出してきた。
『翼さん。つまり、あなたはこうおっしゃりたいのですね? かつての「ボス」の安否を示す確たる証拠を、ヴィネガー・ドッピオに突きつける――そうすれば彼は未練を残さずあの世へ行くことができ、結果的に我々としても「旧体制派の粛清」という目的を達成できる。全員が等しく得をする、ベストな解決法であると』
「ええ。たとえあなた方にとって彼らがどれほど『邪悪』な存在だったのだとしても、真実に到達する権利――いえ、義務はあるはずです。もっとも、その『真実』はひどく残酷なものなのかもしれませんが」
『真実に到達する義務、ですか。……それはまた、随分と皮肉な話だ』
「?」
まるでどこかにいる誰かを哀れむような口調で、ジョルノさんはそんな台詞を呟く。
言葉の真意を掴めず私が返答に窮しているのを悟ったのか、彼はすぐに話を切り替えた。
『いや、申し訳ない。これは僕の説明の仕方が悪かったと言うほかないのですが――翼さん。どうやらあなたは、一つ大きな勘違いをしているようだ』
「勘違い……ですか」
『ええ。先代の「ボス」がどういった顛末を迎えたのか、そういえばまだお話ししていませんでしたね。ここからは少々込み入った話になりますが、最後までお付き合いいただけると幸いです」
ジョルノさんはそう言うと、電話越しに小さく咳払いをした。
そして一拍置いたのち、どこか厳かな口調で語り始める。
『結論から言えば、先代の「ボス」……あのディアボロという男は、今もこの世のどこかで生きています。そう、言うなれば――「生きている死者」として』
ディアボロ。
イタリア語で――『悪魔』の意。
011
『突然ですが翼さん。実を言うと僕は超能力者なんです』
「そうですか。凄いですね」
『…………』
「どうかしましたかジョルノさん? 突然押し黙ってしまって」
「いえ、てっきりもう少し驚かれるかと予想していたのですが……。何だか肩透かしを食らった気分ですよ』
黄金の理解力にも程があるでしょう、とジョルノさん――いや、もちろん適当に受け流したわけでは断じてなく。
これまで吸血鬼や幽霊、化け猫に喋る虎と、数々の怪異と遭遇してきた私である。
今さら超能力者の一人や二人現れたところで、特段驚くほどのことではない――それに。
「これまで会話してみた印象では、ジョルノさんが意味もなくそんな冗談を口にする方とも思えませんでしたしね。ですからおそらく、その『超能力』というのが……先代の『ボス』であるディアボロ氏の生存と関係しているのでしょう?」
『話が早くて助かります。そうですね……一般にその能力は、「スタンド」と総称されている代物なのですが』
そう言ってジョルノさんは、スタンドに関する詳しい説明を始める。
曰く、それは持ち主の『傍に立って』超常的な能力を行使する守護霊のような存在であり、普通の人間には視認できない
『パッショーネ』にはそうした『スタンド使い』が数多く所属しており、ジョルノさんやかのディアボロ氏もそのうちの一人であったのだという。
『ただ、ディアボロのスタンドである「キング・クリムゾン」というのが、これがまた厄介な能力でして……詳細については割愛させていただきますが、ともかく、まともにやり合えば始末されるのが僕たちの側であることは明白でした。だからこそ僕は、とある方法を用いて自らのスタンドを「進化」させたのです』
「進化?」
『ええ。一時的にではありますが、僕の能力「ゴールド・エクスペリエンス」は、スタンドを超越した存在である「レクイエム」へと変貌を遂げ――そして見事ディアボロを打ち倒すことに成功した。あのとき最後に僕たちが見た光景は、「レクイエム」のラッシュ攻撃によって、無残にも川へと落下していくヤツの姿でした』
「……ですが、彼はまだ生きているという話でしたよね? ということは、その『レクイエム』はディアボロ氏に致命傷を与えはすれど、完全に息の根を止めるまでには至らなかったと……?」
私が確認を取るために投げかけたその質問に、なぜかジョルノさんは答えない。
代わりに、『これは組織の者に調査を行わせた結果判明した事実なのですが』と前置きした上で、こんな話を始めた。
『今から六年前の二〇〇一年四月、一人の男の死体がティベレ川河口付近で発見されました。検死を担当した医師の報告によれば、死因は腹部外傷による失血死、推定年齢は三十歳から四十歳で身元は不明――ただ司法解剖の直後、異常としか言いようのない現象が発生したようでしてね』
「?」
『医師がほんの少し目を離した隙に、その遺体は――
「……!」
『部下からの報告にはまだ続きがあります。同年五月、イギリスのニュー・スコットランドヤードに複数の市民から奇妙な通報が寄せられました――ピンク色の長髪の男が、犬に吠えられた拍子にバランスを崩して道路に倒れ、そのまま車に轢かれたと。ですが……周囲の人間が気付いたときには既に、男の姿は幻のごとく消え失せていたというのです」
「…………」
『そして――』
その後はしばらく、ジョルノさんが部下から伝え聞いたという『報告』の内容が続いた。
二〇〇一年八月、ケルン、転落死。
二〇〇二年二月、マルセイユ、焼死。
同年六月、モスクワ、溺死。
二〇〇三年七月――
「……もういい」
私の口から発せられたのは、自分でも驚くほど乾いた声だった。
感情を奥にしまいこみ。
心をほんの一瞬だけ押し殺し。
全ては、あのときの『痛み』を思い出さないようにするために――誰の痛みを?
そんなことは分かりきっている。
今ここにいる『自分自身』だ。
「――っと、すみません。ちょっと過去に、それなりに大きな怪我をしたことがあって。どうもそのときのことを思い出しちゃったみたいで……」
『お気になさらず。こちらこそ、配慮が足りず申し訳ありませんでした』
「いえ……それでつまり、ジョルノさんはこうおっしゃりたいのでしょうか? 『レクイエム』の攻撃を受けた後、ディアボロ氏は時間や場所をランダムに移動しながら、様々な原因によって死を迎え続けている――そしてそれこそが、他でもない『レクイエム』の固有能力である、と?」
『ええ。男の外見的特徴に関する目撃証言がいずれも、かつて直接対峙したディアボロと奇妙なほど一致していたことから、僕もそう結論付けました。というのも実は、この僕自身も「レクイエム」の能力の実態について、明確には自覚できていない節がありまして……「推測」という形でしかお伝えすることができないのです』
「推測……」
『ですが、少なくとも次に言う事柄だけは――はっきりと「心」で理解することができました』
終わりのないのが『終わり』。
それが『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』。
この世の掟を淡々と告げる裁判官のように。
大罪を犯した者を粛々と断罪する処刑人のように。
『パッショーネ』の若きギャングスター、ジョルノ・ジョバァーナはそう話を締めくくった。
「…………」
ジョルノさんから全ての情報を開示された私は、彼が口にした『終わりのないのが「終わり」』という言葉について、静かに思いを巡らせる――奇しくもそれはあの階段で、ドッピオさんが自らの置かれた状況を言い表すのに用いた言葉と全く同じものだった。
まともに生きることも、さりとて死ぬこともできず、宙ぶらりんの状態に留め置かれた者たち。
死を続ける忠臣と、死に続ける主君。
彼らは共に半永久的な『過程』に囚われ、死という真実にすら到達することはない――それを『運命共同体』と呼ぶのだとすれば、なんと皮肉な運命であることか。
「――改めて確認させてください。ディアボロ氏がいつどこで、どんな過程を経て死に至るかは無作為に決定されており……そして彼がかつてそこに存在していたことを示す証拠は、さもその全てを
『ええ、おそらくそうでしょうね。断言することまではできませんが』
「では、そうだとすれば――そんな人間が『今もこの世に存在している』と証明するには、一体どうすればよいのでしょうか? 現に私たちは過去の目撃証言を数件掴んでいるだけで、ディアボロ氏の現在の居場所については皆目見当もつかない状態です。仮にこのことをドッピオさんに伝えたとして、はたして彼は『納得』してくれるでしょうか」
『その点については、僕も翼さんと同意見です。形はどうあれ、かつて忠誠を誓った「ボス」が生きていると知れば、ドッピオとしては当然「もう一度会いたい」と考えるはず――しかしおっしゃる通り、生憎今の我々に、彼らの再会を実現させることは極めて難しい。……やれやれ、困ったことになりましたね』
電話の向こうで、ジョルノさんは小さく溜息をつく――何をすべきかは分かっているのに、そこに辿り着くまでの道筋が見えないというもどかしさでいえば、この私も同じ気持ちだった。
ディアボロ氏の所在が不明である以上、一番手っ取り早いのはこちらが何らかのアクションを大々的に起こすことで、彼の方から接触してきてもらうという方法なのだけれど……仮に提案したところで、ジョルノさんがそれを受け入れてくれるとは到底思えない。
そもそもジョルノさんからすればこのミッションの目的は、『パッショーネ』現幹部陣への不信を招きかねない旧体制派の残存勢力を、秘密裏に『始末』するというところにある。まさか行方不明者を探し出すテレビ番組でもあるまいし、そんな盛大な方法でかつての主君と忠臣の再会を演出しようものなら、それこそ本末転倒というものだ。
かといって、いつまでもこのまま手をこまねいているわけにもいかない。
どんなに長く見積もっても、タイムリミットは一週間かそこら――それまでにミッションを完遂させなければ、肝心の忍野さんの捜索にも大きく響いてくることだろう。
人探しのための人探し。
だからこそ私は無理を承知で、一刻も早く打開策を見つけ出さないと……
「――それなら、このオレにいい考えがあるぜ」
と、そのとき。
私たち二人の会話に割り込む形で、これまで私のすぐ横で沈黙を貫いてきたミスタさんがそんなことを口にした。
唐突な彼の登場に面食らいながらも、私はその言葉の真意を訊ねてみることにする。
「いい考えって……ミスタさん?」
「だーかーらー、そのまんまの意味だって。要するに、ディアボロが今どこにいるのかが分かりゃあいいんだろ? 何度も何度も繰り返し、世界のどこかで死に続けているヤツの居場所がよォ」
「それはまあ、そう……ですけど」
『ミスタ、何か心当たりでもあるのか?』
電話の向こう側から、ジョルノさんも興味深げな様子でそんな問いを投げかけてくる。
ミスタさんはそれに対して「おう」と短く答えると、そのまま話を続けた。
「いや、正直言ってオレにはディアボロの野郎がどこにいるかなんて、さっぱり見当もつかねーんだが……ヤツを探し出せる男の存在なら知ってるぜェ~。近いうちに死ぬ運命にある者を追跡する『石』――そういうスタンドを持った彫刻家のことをな」
そういえば話全体のテーマが分かりにくいな……と感じたので、五ヶ月ぶりにあらすじを書き改めてみました。
そんなわけで、この物語はラスボス組と少女たちの数奇な運命を追う冒険譚です。