それもこれもオリ主のキャラが完全に定まってないせいだ
おのれ俺の無計画性
ポトフ食べたい
シドの右腕兼相棒になって約半年。
胃にそこそこデカい穴が開いてそうな今日この頃、俺はいつもの掘っ立て小屋で新しく調達したバイク、「ロードセクター」の調節中である。
コイツはBLACKSUNで信彦が常用していたものとは完全なる別物。
だってコイツ、見た目は勿論のこと、お試しで全力走行させたら960km/h位出したんだぜ?
こんなのに信彦常用できんでしょ。
流石に怪人といえど無理でしょ。
死ぬでしょ。
あ、そうそう、実はこのロードセクター、『ゴルゴム』の白ローブ……もとい三神官が狙っていたらしい。
なんでもこのバイク、文明破壊用マシンとして『ゴルゴム』の支援を元にとある技術者が作った代物らしい。
んで、それを回収するべくして動いたカミキリ怪人を処して、その上で手に入れたのだ。
アイツ弱かった。
ちょっと触覚部分にライダーキックしただけで倒せた。
これも修行の成果だな……
ま、だからと言ってこんなので満足はしていない。
こんなんじゃ、『黒い太陽』には辿り着けない。
今よりももっと強くなり、どんな相手にも負けないような、神秘の象徴のような存在になるのだ。
……それにしても
「『世紀王ブラックサン』……か」
三神官が呼称していた、俺が変化したあとの存在の名前。
どうにもその名が頭に浮かび、つい口に出してしまう。
最初聞いたときは何も感じなかったのだが、シドとかいう中二病のせいでか、将又なにか別のことが起因しているのか、妙に気になるようになってしまった。
「シドに聞かれたらどうなるか……」
「僕が何だって?」
「うっわ」
突如として背後から現れてきやがったシドに対し、全力で嫌な顔を作って対応する。
こういうシチュエーションで驚きよりも煩わしいって思うパターンあるんだ。
「んだよシド、急に現れてきやがって。つーか、いつから居た」
「クロノがそのバイクいじってた時から居たよ?」
「いやそんなまさか……お前さては気配消してたな?」
「正解!」
ニッコニコの笑顔を浮かべ、シドは言う。
殴りたいこの笑顔とはよく言えたものだ。
つーか、その時から居たってことはさっきの聞かれてたよな?
最悪。
「それにしても『世紀王ブラックサン』ねぇ〜。いい名前じゃんか。どう?裏の名前、『ブラック』とかにしてみない?」
「うっせぇ死ね」
「クロノがブラックなら……僕は『シャドウ』とかにしてみようかな?ねぇねぇ、どうかな?」
「話聞け。そして死ね」
「相変わらず口悪いなー」
シドの独り言めいた発言に、淡々と暴言と共に返答しつつロードセクターのサスペンション調整に取り掛かる。
バイクの調整は良い。
思いの外心を落ち着かせれる。
それこそ、後ろで小屋内を物色してるシドが気にならなくなる程には。
「ねぇねぇクロノ。これ何?」
「科学辞典。動き回んなシド」
「じゃあこれは?」
「顕微鏡もどき。そこに座ってろシド」
小屋内を歩き回り、気になったものを取り上げては俺に見せ、判明したらその場に戻し、また気になったものを見つけて取り上げるを繰り返すシド。
そんなガキじゃねぇんだからよぉ……。
「つーか、なんでここに来た。昨晩盗賊狩りには付き合ってやったろ?」
「あ、そう言えば忘れてた。んー……でもまぁ、クロノがそのバイクの調整終わってからでいいよ」
「おう。んじゃお言葉に甘えてやらせてもらうぞ」
「出来たら早くねー」
「あいよ」
先程までより少しピッチを上げて、ロードセクターの最終調整を進める。
あとはクラッチをバトルホッパーと同じ位の距離に設定すれば……
「……ほい、完了っと」
俺流に調整した、完璧なロードセクターの出来上がりだ。
これで初めて乗ったときの不快感が無くなる……はず。
「……あ、終わった?」
「おう。んで?ここに来た目的は何だ、シド」
俺を待ってる間、先程取り上げていた科学辞典を見ていたシドは、俺がやっていた作業が終了したのを伝えると、再び置いてあった場所に戻す。
そういうとこはしっかりしてんだなコイツ。
「ここに来たのはねークロノに見せたいものがあったからなんだよ」
「見せたいもの?」
「そうそう、昨日拾ったんだー。付いてきてくれる?」
首を傾げ、俺に訪ねてくるシド。
まぁ怪しさ全開だわな。
っていうか、昨日拾ったものってなんだ?
昨日アイツなんかやってたか?
いやまぁ、昨日はあの虐殺だけ付き合って、その後のことは何も知らないから、多分その時に拾ったもんだろうけど……絵画とかか?
「……まぁいいか。わかった」
「よし!じゃあ……そのバイクで行こう」
「良いぞ」
って事で、俺はシドに場所を教えられながら、調整したロードセクターで向かった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
シドに導かれ、昨日虐殺しまくった廃村の小屋に到着した。
その小屋の中には、謎の肉塊があった。
「……何これ」
「悪魔憑き」
「なんでそんなもの拾ってきた」
ノータイムで答えたシドに対し、これまたノータイムで疑問をぶつける俺。
なんで悪魔憑きを……てか初めて見た。
こんな肉々しい見た目してたんだ。
「なんで拾ってきたか……ねぇ。ねぇクロノ、この悪魔憑きの魔力の波長見てみてよ」
「魔力の波長?」
「いいからいいからー」
シドに促されるまま、悪魔憑きの魔力の波長を見てみる。
俺やシドを超越する程の大量の魔力を内包している。
化け物じみた魔力量だ。
……まさか。
「その顔、わかったみたいだね」
「……魔力暴走ってやつか」
「そうなんだよ!いや〜懐かしいよねぇー。僕も一回魔力暴走で痛い目見たんだけど、抑えれてからは魔力操作が前までよりも上手くできるようになったんだよ!まるで肉体が魔力に馴染んだみたいに!」
ちょいとシリアスな表情を浮かべた俺と真逆の顔でシドは説明を開始する。
「それで僕気付いたんだ……もし、もしもだよ?この肉塊の魔力暴走を制御できるようになったら、僕の魔力操作の技量はずば抜けて上がるんじゃないかなって」
「それでこの悪魔憑きの娘で実験を?」
「そう!自分の体じゃないから自由に使えるし、ノーリスクで『陰の実力者』に成れるんだよ」
「……」
絶句。
ふっつーに絶句。
コイツ頭が終わっておる。
元から倫理観がイカれてたのは知ってたけど、まさかこれだけ酷いものだとは。
多分今
「……そんな顔しないでよ。ほら、クロノにもやらせてあげるから」
「そういう話じゃねぇんだよアホンダラ。この娘が可愛そうだろ」
見た目はアレだが、これでも元は多分女の子。
こんな得体の知れない中二病に実験体にされるのは可愛そうだわ。
「いやでも考えてもみなよクロノ」
「……何をだよ」
「もしここで僕に協力すれば、クロノの夢……『黒い太陽』に近付けるんじゃないの?」
「ッ!……お前、いつそれを」
「さっき散策してた時に手帳みたいなの見つけちゃってねー」
シドの突拍子も無い発言に驚愕する俺に、シドはポケットから俺の手帳を取り出す。
あの手帳には、俺が『黒い太陽』になるために必要になってくるであろうモノ達を纏めてあるのだ。
それを取られてしまった。
「……警告だシド。それを返せ」
「やだねー」
腹部にベルトを出現させてシドを脅す。
だが、イカれ中二病には通じないようで、満面の笑顔を浮かべて手帳を開く。
「ふむふむ……中々丁寧に纏めれてるじゃんか。感心感心」
「テメェ!シドォ!」
シドに向かって飛びかかると同時に、『キングストーン』のエナジーリアクターが輝き、俺の身体が変身する。
普段怪人と敵対するときよりも目が赤く光る。
それ程の殺意と覚悟があるということだ。
「お前を殺してこの世から人間を滅してやる!」
「だいぶ過激なこと言うね!……まぁ、そうこなくっちゃ面白くないけど!」
そう言うと共に、シドは昨日実践投入したスライムスーツ、そしてスライムソードを装備し、俺のパンチを受け流す。
コイツの嫌いなところ、理不尽なまでに強いとこ。
「まぁまぁ、そんな怒らないでよクロノ。いい夢だと思うよ?『黒い太陽』に成るって。かっこいいじゃん」
「……っち」
シドの言葉に感情を抑え、俺は力を抜き、人の形に戻る。
コイツの嫌いなところ、言葉巧みに俺を唆すとこ。
……まぁ、俺が受け流されやすいせいでもあるのだが。
「ほらほら機嫌直してよクロノー。ほら、りんご上げるから落ち着いて。それとも梨のほうが良かったかな?」
「……バッタの餌やりじゃねぇんだぞ」
「え?バッタでしょ?」
「半分はな。でももう半分は人間なんだわ。人間に餌やりすんじゃねぇよ」
先程シドに向けた顔を維持し、落ち着きを取り戻す。
一応手帳は戻ってきたから良かったが……なんか嫌な感じだ。
「……それで?クロノはどうするの?協力してくれる?」
「……はぁ」
どうせここで断っても、また纏わりつかれるだけだろう。
今回は素直に受け入れよう。
「わーったよ。協力すりゃ良いんだろ」
「やったね。それじゃクロノ、頑張って魔力を使いこなして、僕は『陰の実力者』に、クロノは『黒い太陽』に成ろう!」
「お前二度と俺の前で『黒い太陽』って言うなよ。次言ってら頭と肉体サヨナラさせてやる」
「随分恐ろしい脅迫だね……」
そんなわけで俺達は悪魔憑きの娘を利用して、魔力の制御に勤しんだ。
嫌々だけど。
……ってな事を続けまくって約一ヶ月。
最初は嫌々だった俺も、段々と魔力の真髄を掴んで行けてるような感じがして楽しかった。
俺は……流されやすいんだ。
非力な俺を許してくれ……悪魔憑きの女の子……。
そして完全に魔力暴走を制御した時。
あの肉々しい悪魔憑きの娘は、金髪で顔の整ったエルフの女の子になった。
それも裸の状態でだ。
こんな事言うと軽蔑されるかもしれないのだが、正直興奮する。
とはいえ、これは男なら仕方ない事だろう。
なんせ男の三大欲求、性欲、性欲、性欲の中の性欲をビビーンと刺激してくるんだぜ?
っていうか肌ツヤツヤだしめっちゃ白い。
こんな綺麗な女の子っているもんなんだ。
そんな感じで内心悶々とする中、この娘を人の形に戻したもう一人の男はというと……
「あんなに腐ってたのに元に戻るんだ」
平然とした顔、態度、その他諸々で状況を理解していた。
お前……性欲母さんの腹の中に残してきた?
そう心の中で、俺は欲望を抑える為に突っ込んだ。
ときたまうまく書けてるか心配になる……大丈夫かしら
まぁいいや
今更ながら名前の解説だけでもしておこう
クロノ→黒の
フォルムーン→秋月(fall moon)
なんてシンプルなのでしょう