黒い太陽に憧れて!   作:ポンノ

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お気に入りが50を突破した……!すっげぇ嬉しいよ俺は!
皆様、ホントにありがとうございます!!!
そんな今回はクロノの強さが大体わかります
きしめん食べたい


6話 ……もうお前でいいや

 

 元悪魔憑きのエルフっ娘、アルファを救い出し、『シャドウガーデン』が設立されたあの日から約3年。

 俺もシドもアルファも同年代だったらしく、全員が13歳になった。

 ……にしては、シドは妙にガキっぽく、アルファは異様に大人びて見える。

 同じ13歳だと言うのに。

 この格差は何なんだろうか。

 

 

 

 ……閑話休題。

 そんな苦労が増えた3年の間、俺はほぼシドとは関わらないでいた。

 単に面倒くさいというのもあるが、一番の理由は『ゴルゴム』だ。

 ここ最近……というか1年間で、あの三神官共は多種多様な怪人を毎日、それも5、6体ほど襲ってきやがる。

 それこそアネモネやツルギバチ、カニにクロネコ……ホントに多種多様だった。

 

 もうね……疲れたよ俺は。

 1年前……それこそ『シャドウガーデン』結成してからの2年間は一定のペースだったじゃんかよ。

 何がお前らを急かしてんだよ。

 

 それに、同じ様な怪人ばっかだから飽きたんだよ。

 もっと怪人のバリエーション増やせよ。 

 初めて戦ったときのワクワク感を返してくれよ。

 

「グギャァ!」

 

 ……そんな事を考えながら、今日も俺は怪人を殺す。

 先程から戦っていたのはコガネムシ怪人。

 初陣では呼吸出来なくて余裕で死にかけたが、そこら辺は『キングストーンフラッシュ』でどうにかして、キック一発で仕留めた。

 んで、それ以降の戦いでは相手が何かする前にキックで仕留めている。

 そんな単調な作業を今回含めて50回くらいは行っている。

 気が狂う。

 

「はぁ〜……マジで休み欲しい」

「ならば俺が与えてやろう!」

 

 度重なる疲労からか、その場に座る俺。

 そんな俺が呟いた独り言を聞き取ったのか、丘の上に居る何者かが声を上げる。

 

 丘の上に居る人形の存在は、全身を覆う赤紫色の鎧状の甲殻と背中のマントを装備した、片手に剣、もう片方に盾を持つ怪人。

 剣聖ビルゲニアだ。

 

「死と言う名の、永遠の休みをな!」

 

 そう叫ぶと、ビルゲニアは丘から飛び降り、片手に持っていた剣『ビルセイバー』を、俺目掛けて振り下ろす。

 俺は面倒くさいという気持ちを全力で抑えて起き上がり、振り下ろされた機動の見えやすい剣を躱し、それにより生じた隙をついて蹴りを食らわせる。

 

「ぐっ……この威力、流石は『キングストーン』の力とでも言うべきか」

「戯言はいい。来い」

「その余裕……いつまで持つかなぁ!」

 

 蹴られた箇所を抑えつつも、俺の挑発に釣られ、『ビルセイバー』を構え、俺目掛けて突撃する。

 方向転換の出来ぬ、実にわかりやすく、愚かな攻撃方法。

 まるでサイ怪人だ。

 

 となれば、対処法は同じだ。

 真っ正面から打ち当たって、ヤツの角……じゃなくて剣をへし折る。

 

 空中に跳び上がり、敢えて『キングストーン』の力は使わず、己の肉体の力だけで突撃してきたビルゲニアの『ビルセイバー』の剣先部分を思いっきり殴る。

 これで破壊……というほど戦闘は甘いものではない。

 だが、剣先の向きを変えられたことにより、ビルゲニアの体制は崩れる。

 その好機を狙い、ビルゲニアの顔面を思いっきり回し蹴りをし、もう一度ぶっ飛ばす。

 

「ぐはっ……!」

 

 飛ばされた勢いは、俺が思ったよりも消えなかったようで、そのままの勢いで荒々しい岩肌に衝突し、少量の血反吐を吐く。

 

「な、何故だ……何故連続で戦い続けているというのに、そこまで動けるのだ」

「……お前だったか。あの量の怪人用意してきたの」

 

 随分とまぁ、回りくどい事をするもんだ。

 大方、大量の怪人共を毎日送ってくることで、俺の体力、さらには精神をじわじわと削っていく事で、頃合いになればビルゲニアが攻めるって感じだったのだろう。

 

 ……いや、まじで回りくどいな。

 タイマンで勝負しに来いよ。

 実践経験が天と地ほどあるぞ、今の俺とお前。

 

「結局、お前の計画は失敗だった……ってか」

「……ッ!まだだ!まだ終わっていない!」

 

 俺の言葉に、歯ぎしりを鳴らして立ち上がる。

 先程のパンチで少々ヒビが入った『ビルセイバー』に魔力を流し、オーラを纏わせ、ソレをコチラに投げつける。

 軌道の変更も可能、当たればボディが切り裂かれる……って感じのクソ技だ。

 

 ……が、その対処法は実に単純。

 剣が投げられて、その間は遠隔操作されているのだ。

 

 となれば、離れたところで剣を奪えばいいのだ。

 こういう遠隔操作系のものは、離れれば離れるほど制御が弱くなる。

 かつての戦闘でバトルホッパーで逃げたお陰で見つけた、素晴らしい対処法だ。

 

 先程蹴り飛ばしたお陰もあってか、俺とビルゲニアの距離は推定7メートル。

 これだけあれば十分なのだ。

 勢いをつけて飛来する『ビルセイバー』を、最低限の動きで回避し、すぐさま持ち手を掴み、『キングストーン』のエネルギーを注ぎ込み、制御権を剥奪する。

 

「何っ!?」

「コイツは……お返しするぜ!」

 

 愛用していたであろう剣を取られ、焦るビルゲニア。

 生憎、俺は制御の仕方は知らんので、そのまま全力で投げつける。

 ……のだが、お粗末な命中力だったもんで、ビルゲニアの右側に飛んでいき、その奥の岩肌に深く突き刺さる。

 

「……やっぱり当たらねぇよな。投擲もトレーニングメニューにいれるか」

「きっ貴様ァ!!!」

 

 俺の余裕そうな態度に腹を立てたのか、後ろに突き刺さった『ビルセイバー』を引き抜き、己の肉体を『ビルセイバー』に纏わせたようなオーラに変化させ、俺の上に辿り着いたところで元に戻る。

 

「これで終いだ!死ね、仮面ライダー!」

 

 落下の勢いに身を任せつつ、オーラを纏わせた『ビルセイバー』を俺の首目掛けて振り下ろす。

 俺はその攻撃を躱さず、ただその場で止まる。

 そして『ビルセイバー』は俺の首に当たり……止まった

 俺の体を切り裂いたわけでもなく、弾いたわけでもなく、首元にあたったところで止まったのだ。

 

「何だと……!」

「……そんなしょうもない剣で、俺の首を掻っ切ろうと?」

 

 首に当てられた『ビルセイバー』をしっかりと掴み、ビルゲニアの装甲で覆われた肉体を、『キングストーン』のエネルギー全開でぶん殴る。

 

「ぐはぁ!?」

 

 予測していなかったであろう反撃をモロに喰らい、勢い良く後ろに飛ぶビルゲニア。

 そんなビルゲニアに対し、俺は淡々と語る。

 

「確かお前、『世紀王』とやらになろうとしてるんだっけか?」

 

 未だ起き上がれず、蹲るビルゲニア。

 俺はゆっくりと歩みつつ、語り続ける。

 

「って事はだ。お前はこの戦いで俺から『キングストーン』を奪いたい。つまり、“俺を殺す事”が目的ってわけだ」

「……そ、それが何だというのだ!」

「俺はお前が邪魔だから殺す。お前を殺して、その次は三神官。んで最後に創世王だ」

 

 ようやく片膝立ちが出来るほどには回復したビルゲニアの胸ぐらを掴み、声を少々荒げて言う。

 

「お前が生きてようが死んでようがどうだっていいし、どうでもいい。お前と戦ってお前を殺す事ってのは、俺にとってただの過程にしか過ぎねぇんだよ。目的でもなんでもねぇんだよ」

 

 俺の言動、そしてその言葉に纏わせた覇気に怯えたのか、ビルゲニアの顔から先程までの自信がなくなる。

 

「ただ道端にある石ころを蹴っ飛ばすみたいに、缶が置いてあるから蹴っ飛ばすように……そんくらいの意識でしかねぇんだよ」

 

 胸ぐらを掴んだ手と逆の手、つまり右手に『キングストーン』のエネルギー、そして圧縮しまくった魔力を込める。

 そんな俺の拳を見つめ、ビルゲニアは焦る。

 

「や、やめr」

「ライダーパンチ」

 

 止めるように懇願するビルゲニアの言葉を遮り、顔面を勢いよく殴り飛ばす。

 抵抗出来るわけもなく吹き飛んでいったビルゲニア。

 

「キングストーン……バイタルチャージ!」

 

 それで倒せるわけが無い、ということは十分に理解してるので、腹部の前で両拳を重ね、『キングストーン』に今俺が持つエネルギー、そして鍛え上げた魔力を込める

 膨張させた力は何十倍にもなって全身に巡り、身体から蒸気が溢れ、目が赤く輝く。

 

 まだ完全に立ち直れていないビルゲニアを見据え、今度は足に力を溜め、空中に跳ぶ。

 空中で一度身体を縮め、右足に溜め込んだ全エネルギーを収束させ、縮めた身体を一気に伸ばし、足が赤熱発光するほどのスピードで降下する。

 

ライダァーキック!!!

「喰らって……たまるかぁ!」

 

 最後の足掻きとでも言うべきか、ビルゲニアはもう片方の手に持っていた盾『ビルテクター』で防ごうとする。

 だがそんな抵抗も虚しく。

 俺の強化しまくったライダーキックは、今までヒビしか入れられなかった『ビルテクター』を砕き、勢いは少し弱まったものの、ビルゲニアの胸元に命中した。

 

 だがそれでも死にはしない。

 このしぶとさだけは評価に値するのだが……。

 

「こ、これで終わりと思うなよ……!次こそは必ずその首を掻っ切ってやるぞ、仮面ライダー!」

 

 負け犬の遠吠えとでも言うのか、拳を握りしめ近付く俺にそう叫び、ビルゲニアは己の身体をオーラに変えて逃走した。

 これで当分は来なけりゃ良いんだが……。

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 ビルゲニア戦を乗り越え、このまま何もせず帰れたのかと言われたら全く持ってそうではない。

 ビルゲニアと戦ったところから2体。

 帰り道に1体。

 計3体の雑魚を倒し、ようやく我が家、掘っ立て小屋に辿り着く。

 

 「あぁ……ようやく穏やかに寝れる」と安堵し、掘っ立て小屋の扉を開く。

 そこには……

 

「……お、やっと帰ってきた。遅かったじゃん、ブラック」

 

 白金色の髪をした、猫の獣人。

 俺が三人目に治した、元悪魔憑きのノーパンのストーカー猫。

 ゼータだ。

 

「……んだよ、ゼータ。俺すげぇ眠いんだぞ」

「大丈夫、そんな時間は取らせないし。ちょっとした報告だけ、ね?」

「……まぁいいか。伝えてくれ」

 

 俺はその場で立ち止まりながら、ゼータの報告を聞く。

 

「……主のお姉さん、クレア・カゲノーが誘拐された」

「誘拐……まさか教団が関わってるのか?」

「御名答。場所は主が突き止めてるから、今夜助け出しに行く」

「なるほど」

 

 教団が関わってるってことは、多分『英雄の子孫』関連のことだろう。

 って、それを俺に伝えるって事は……

 

「……それって俺も参加する感じか?」

「主はそう言ってたよ。まぁアルファ達『七陰』も来てるんだし、参加したらどう?」

「……そうかぁ」

 

 参加すること自体に何の文句もないのだが、今はあまりにも眠すぎる。

 今14時位だし……あと3時間くらいは寝たい。

 そんくらい寝れたら復活できる。

 とは言え、今の俺は相当な疲労が積もりに積もってるから、叶うなら快眠をしたい。

 それこそ、何か抱き枕でも抱きながら……

 

 ……待てよ?

 今俺の眼の前に居るこの娘、すっげぇもふもふしてるよな?

 多分、というか確実に抱き心地いいよな?

 

「……もうお前でいいや」

 

 このままゼータを抱き枕にして寝てやろう。

 そう考えてからは、多分過去最高速度で動けたと思う。

 体内時計を弄って、3時間後に起きれるようにしたら、足にちょいと魔力を流し、恐らく油断していたであろうゼータに突っ込み、そのまま奥にあるベットにinする。

 

「ちょ、ちょっとブラック!?いきなり何して……」

「3時間くらい寝る。そしたら解放してやる。おやすみなさい」

 

 そんなわけで俺はお日様の香りを嗅ぎながら、夢の世界へと旅立っていった。

 こりゃぐっすり寝れますわ。

 




ゼータからはお日様の香りがするんだ……
それはそれとしてこの男、覚えてるだけで1825体の怪人をぬっ殺しております
そんだけ戦ってたら性格も歪むし、ビルゲニア如きならボコボコに出来ます
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