魔法使いですが、物理で殴りたいと思います   作:咲鋼

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よっしゃ終わったー!

どうも、インフルの隔離期間に苦しめられている咲鋼です!

今回はいつもより多く書かれていますからねー

追記、大幅に変更加えました


第1回イベント前編

ルール説明がされると、スクリーンに転移までのカウントダウンが表示された。ゼロ、という数字とともに、参加者全員が光に包まれ、転移した。

 

(とりあえず、楓と戦ってみたいけど、バレそうだからはじめはできれば会いたくないな)

 

そう思いながら、閉じていた目を開くと廃城の中にいた。

 

「ほかの人は…いないな」

 

とりあえずFPSの基本として、屋上へと(ハイグラを取りに)向かうと

 

楓がいた。

 

しかもこっちをちょうど見ていた。

 

内心、FPSで部屋に入った途端後ろから襲われた時の悲鳴を上げながら、こちらを見つめている黒色の相貌をじっと見つめ返した。

 

(いや、落ち着け...心を平静にして考えるのだ...5メートルほどの距離があるし、何のために変装用だけの装備品を買ったんだ、バレないバレない)

 

「俐斗《りと》くん?」

 

一瞬でバレた。

 

(アイエエエ!?ナンデワカルノ!?このゲームをやっていることは、たぶん理沙とかが自分の部屋にあった新しいヘッドギアとかで察したんだろう。でも、なんで僕の正体が一瞬でばれたの!?)

 

そんなリアンの混乱も知らず、可愛らしく首を傾げて不思議そうにしている楓だったが、自分が似た別人の可能性など微塵も感じていない様子だった。

 

(やばいやばい、どうやって......あ!そうだ!)

 

そこでリアンがとったのは

 

「りと、とは誰だ?私の名前はブロス・フゥンダル、ブラッドハウンドと呼んでくれ。」

 

声を変えて、別人(某狩人)のふりをすることだった。

 

「え……ぅん~~? たしかに声も喋り方も違うような…」

 

(、!)

 

「そうだ。世界には3人似た人物が居るというからな。君も勘違いしたのだろう」

 

「そう…なのかな?」

 

(よっしゃ--!バレずに済んだーー!)

 

バレてないと思っているらしいが現在、楓の頭の中では本能で目の前の人=俐斗となっており、俐斗がいっているのなら違うのかも、という謎理論で楓の中で別人になっているだけだったりする。

 

「そういえば、君は誰なんだ?」

 

「メイプルって言います!」

 

「そうか、それでメイプルはどう動くんだ?」

 

「どう?」

 

「いや、ここで敵を待つか、敵を探しに歩くのか」

 

「私AGIが0で足が遅いから、ここで待とうと思うよ」

 

 

0!?

 

 

「うん!」

 

あまりの極振りに頭痛がしてきたが、嫌な予感を感じ、周囲にプレイヤーがいない事を確認してからメイプルというキャラクターの性能について聞いてみた。

 

この時点で顔見知り以上だが、2人とも普段の距離があまりにも近すぎて気が付いていない。

 

「ヒ、毒竜(ヒドラ)を食べた? え、いやそれ以前にVITが200超え…?」

 

その内容はスキル【ヒドラ】やユニークシリーズの装備を始め、ステータス面だけでも理解の範疇を超えており、自信を持っていたバグ仕様に近いスキルすら確実に上回る理不尽の塊と言えた。

 

そのヤバさを伝えようとすると、MP消費が激しいという弱点がある麻痺や毒状態、さらには強力な召喚獣ともいうべき本体の竜を召喚する事が出来る複合スキル【ヒドラ】。そして、【悪食】というスキルを盾に装備した効果によって、触れた相手を無条件で武器ごと喰らい尽くす上にMPへ還元することで

 

 

即死と状態異常の無限ループが可能になっている。

 

 

さらに、それらを乗り越えてメイプルに到達したとしても、待ち受けるのは鉄壁じみた防御力を誇る天然の城塞。しかも装備の能力で十分ごとに4HP回復する。

 

リアンはこれを聞き、こう思った。

 

(天然の偶然の産物だけど、ラスボスよりラスボスしてるじゃん)

 

ニコニコと心底楽しそうにしている彼女をよそにリアンは決心して告げる。

 

「すまないが、私もランキングに入ることを目指している。そろそろ狩りを始めないといけないのでな。また会おう、同志よ!」

 

そう言い、こっそり近づいてきていた剣士に迫りながら一発殴ろうとした瞬間、

 

 

「ーー【パラライズシャウト】!」

 

 

「ウグッ、ガッ」

 

「グッ!」

 

突如放たれたメイプルの範囲麻痺攻撃に、両者とも前のめりに倒れ込んだ。特にリアンは走っていたので1回転し、仰向けになった。

 

「な、何が…」

 

起こった? と感想を漏らす間も無く、動けないリアンの耳にズリズリ…と重い何かを引きずりながら近づく足音が入ってきた。つい先ほどまで居た位置からゆっくり…ゆっくり…聞こえてくる。

 

痺れる体に鞭を打ち、頭だけを逸らして前を見ると、

 

「ちょっとお邪魔しますよーっと」

 

転んだ向きが悪いせいで、そこまで遠く逃げれなかった彼は、少なからず麻痺耐性があったのか、殺人鬼に遭遇したような顔つきで必死に命乞いを口にしていた。

 

しかし、メイプルの頭の中を占めるのは、暇になると思っていたイベントで楽しく過ごせる相手が見つかって、まだいるという嬉しさのみ。剣士の悲痛な叫びは一切、聞こえていない。

 

 

「お、おのれ…この黒薔薇の騎士、がぁぁぁぁぁあん!」

 

 

盾に触れた瞬間、煌めくエフェクトになって散る不運な剣士。

本人から聞いていたが、何という理不尽さなんだとリアンは怖気を感じた。

当のメイプルといえば、一仕事終えたとばかりに「んー!」と背伸びをしてから、笑顔で振り向き、

 

ガシャン!

 

 

とリアンの顔の真横数センチに、黒い大楯を突き立てた。

 

ヒッ!

 

思わず地声が漏れそうになった。

 

「ねぇ……何で逃げるの?」

 

 

「メ、メイプル…さん…?」

 

 

その表情は、純粋な疑問を浮かべた子供のような無垢さだったが、見下げられる角度と太陽の逆光のせいか、光がないように思える瞳孔から薄ら寒いナニカを感じずにはいられない。

 

 

「お兄ちゃん…ブラッドハウンドさん? なら傍に居てくれるよね。もっとお話ししてよ」

 

 

「あ…ぁ…」

 

 

「あっ、そっか! ついつい、やっちゃった…。痺れてうまく喋れないよね。ごめんなさい」

 

 

 

そこに一切の悪感情は無く、

 

 

「…でも、これでゆっくりお話し出来るから...... 籠の中の鳥、だね!」

 

 

ずっと、メイプルは笑っていた。

 

「さっ、ブラハさん。こっちでお絵かきでもしよ!」

 

 

未だ痺れて動けないリアンを、お気に入りのぬいぐるみのように引きずって、メイプルは無駄に高い画力で昇り竜を描きながら、他愛もない話を投げかけ続ける。リアンは適当に話を合わせながら、症状が時間回復するのを待つ。その間、

 

(無策に逃げようとしても再び麻痺を掛けられて無限ループに陥るか、恨みを残しそうだな。ん~じゃあ…)

 

そこで、

 

「あぁ、わかった。そしてメイプル、提案なんだが、

 

苦渋の決断だが、メイプルに取引を持ち掛けた。

 

共闘しないか?

 

それは、今回のイベントにおける最悪の共闘依頼だった。




次回、くそこんぼ

誰がいいとか...ある?

  • メイプルとサリーだけでいい
  • 楓の木全制覇(野郎はいらねぇ)
  • ほかのギルドも...
  • Yes、ロリータ!No タッチ!
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