IS ~宇宙に憧れた男~   作:narakumogara

14 / 18
宇宙に。

超空間への移動ができたことを確認したのち、戻ってきた試験運用艦を確認する。

 

「えーと、ひとまず外見は、装甲がちょっと融解しているな。」

 

「それと、内部空間に置いておいた肉は……お、焼けてない。」

 

居住環境整備装置の機能は問題なく働いているっと。

 

 

 

「レオ、計測器のデータはどうだ?」

 

「外装に近い居住空間において、温度の上昇を確認しております。また、プラズマ発生器の照射部分に多少の劣化を確認。再使用には、一定時間の冷却が必要かと思われます。」

 

「空間移動に伴うネットワーク切断の影響で、一部計器の時間にズレが発生しています。」

 

「地球時間換算で、約10分の1程度の修正が必要です。」

 

ふむ……今のところ大きな問題はなさそう…と。

 

「割といいんじゃないか?」

 

とりあえず装甲はより高性能なものに置換して。

 

あと装甲を覆うように発生させているエネルギーシールドを二重にするか。

 

 

……よし、修正できた。

 

こういう時に物質変換器は楽だね。

 

量子変換した状態で配列をいじるだけだから、一度設計した後の修正がしやすい。

 

 

 

「よおおし!できた!」

 

これでひとまず、宇宙空間に繰り出す準備ができた!

 

「よしレオ!明日明朝、宇宙に出るぞ!」

 

「yes、マスター」

 

こうして俺たちは、宇宙に飛び出すこととなった。

 

 

 

翌朝

 

 

「各種計器確認……異常なし。」

 

「装甲・エネルギーシールド状況確認……異常なし。」

 

「物質変換器……異常なし。」

 

 

 

「レオ、レクト、シリウス、イプト。」

 

 

「みんな大丈夫か?」

 

 

「yes、問題ありません。」

 

「自己診断、異常なしです。」

 

「もんだいな~し!」

 

「いけるよ……!」

 

 

なんだか、感慨深いものがあるな。

 

空を飛びたかった。自由でありたかった。

 

誰にも束縛されずに、ゆったりとした生活を送りたい。

 

偉大なる宇宙に飛び出して、たくさんの未知と出会いたい。

 

そんな夢への第一歩が、いま。

 

「外宇宙航行用旗艦<天照(アマテラス)>」

 

「―――発進!」

 

 

始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

某所にて

 

 

 

 

 

「なっ!?男性がISを纏っているだと!?」

 

 

「とにかく関係各所に連絡を!!!!」

 

 

「ど、どうしてだよ……!?」

 

 

「一体どうしてこうなったんだ……!」

 

 

 

原作が、始まる。

 

 

 

 

 

「おやおや~?どうしていっくんがISに乗れてるんだろ?」

 

「ちーちゃんと似た遺伝子に反応しちゃったのかな??」

 

「でもま、面白くなりそう~!」

 

「そうだ!いっくんのために専用機作ってあげよ!」

 

「せっかくだし、白騎士のコアを使っちゃって~」

 

「名前は―そう

 

 

―――<白式>―――

 

 

なんてのはどうかな?」

 

 

 

 

「どうして一夏がISを動かして……」

 

「せっかく一夏をISから遠ざけてきたのに……」

 

「くそ……!」

 

 

 

「(……これで、俺はみんなを。千冬姉を守れる……!力が手に入った。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マスター。織斑一夏がISを動かしました。」

 

「宇宙に出てすぐに、か。」

 

ここからが正念場かもしれない、な。

 

「レオ、最終試験運用を開始。各種防衛設備の確認後、全ステルスを解除してくれ。」

 

 

「yes、マスター。」

 

 

 

主人公の姿が、世界に知られる。

 

 

 

 

『臨時ニュースです。』

 

『世界初の男性IS適合者が発見されました。』

 

『名は織斑一夏。かのブリュンヒルデの身内です。』

 

 

 

『緊急速報です!』

 

『たった今、地球の衛星軌道上に、謎の巨大戦艦が突如出現しました。』

 

『対象は沈黙を保っています。』

 

『現在、各国の首脳陣による臨時会談が行われ、ISによる偵察が決行されました。』

 

 

 

 

 

 

 

「マスター、早速偵察が行われるようです。」

 

 

「んじゃ、その前にこちら側から声明を出しておくか。」

 

 

「レクト、偽装用ホログラムとボイスチェンジャーを噛ませて<中界>で全ネットワークをハッキングしてくれ。」

 

「かしこまりました。」

 

 

 

 

 

 

『あーあー、全世界の諸君。聞こえるかな?』

 

『私の名は<エトワール>。もちろん偽名だが、れっきとした地球人だ。』

 

『そして、たった今衛星軌道上に出現した戦艦の主だ。』

 

 

『私の目的は、外宇宙への航行。』

 

『現在、地球の衛星軌道上にて、最終試験運用中だ。』

 

『地球に危害を加える意思は、ない。』

 

『最終確認が完了し次第、地球を離れる。』

 

 

『攻撃を加えないでくれたまえ。』

 

 

『こちらから攻撃することはないが、防衛行動はとる。』

 

 

『私たちに関わらないでくれれば、それで十分だ。』

 

 

『以上だ。諸君の理性ある行動を願う。』

 

 

 

 

side 篠ノ之束

 

 

「……は?」

 

「なにあいつ。」

 

「どうして束さんより先に宇宙に行ってるのかな?????」

 

「ちょーっと束さん、怒っちゃったかも。」

 

据わった瞳で、目にもとまらぬ速さで、キーボードを叩く。

 

「……なにこれ。」

 

「束さんでもわからない技術で通信が阻害されてる。」

 

「私を超える技術力がある……?」

 

 

「……ふざけるな…!」

 

 

彼女は一目散にラボを飛び出し、外に出る。

 

技術の粋を込めて作り上げた、彼女の専用機<玉座の謁見>を起動させる。

 

「私より先に宇宙に行くな……!」

 

 

「つぶしてやる……!」

 

普段のおっとりとした、眠たげな眼は十二分に開かれ、血走った目で、獣の如く歯をむき出した表情で。

 

大空を駆けていった。

 

 

 

 

天災との対峙まで、あと数刻。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。