IS ~宇宙に憧れた男~   作:narakumogara

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原作開始

とある学校の教室。

俺は一人、居心地の悪さに身を固めていた。

 

IS学園。

日本に設立された各国合同のIS専門の学園。

基本的に学生・教職員ともに女性で構成され、三年かけてISについての専門家を育成する高等教育機関だ。

 

俺も本来ならこんな学校に関わることはなく、普通の高校に進学していたはずなのだが……

 

何の因果かISを動かしてしまったせいで、たった一人の男子生徒としてここにいる。

 

全世界にニュースで放映され、顔と名前を公開された挙句、進路さえも強制的に決定されてしまった。

 

「……ハァ。」

 

「(どーしてこうなったんだろうなぁ……)」

 

視線が、痛い。

 

針の筵っていうのは、こういうことを言うのだろうか。

 

 

これからどうしようかと一人思案していると、教室のドアが開く。

 

「はい、皆さん揃っていますね。」

 

「では、HRを始めたいと思います!」

 

小柄な女性が教壇に立つ。

 

 

「では早速……」

 

「今日からこのクラス、1年1組の副担任を担当することになりました、<山田真耶>と言います。皆さんよろしくお願いしますね!」

 

爽やかにそういう女性—いや、山田先生。

 

「「…………」」

 

誰も反応しない。マジか。

 

というか目線がこっちから動いていないが。

反応してあげろよ。涙目になってるじゃんか先生。

 

ぐ、仕方ない……

 

 

「よ、よろしくお願いします……」

 

 

小鳥の囀り程度の声量だったが、静寂が支配しているこの場では聞こえたようだ。

 

まるで救世主が現れたかのような表情の変わり方で喜んでいる。

 

「……!はいっ!よろしくお願いしますね!!!」

 

そして、俺に向かう視線はより鋭さを増す。どうして。

 

 

「では、出席番号の順で自己紹介をお願いしますね。」

 

無慈悲にも自己紹介が始まったんだが。

 

そうして一人ずつ自己紹介が始まったが、誰も聞いていない。こっちずっと見てる。

 

というか話している本人も目線は動くことなく、言っていることはとても雑な内容な気がするが……

 

ていうか俺『お』だから割とすぐじゃん!

何言えばいいんだほんとに……

 

そうして内心頭を抱えていると、

 

「……りむらくん!織斑君!」

 

「は、はいっ!!」

 

山田先生が眼前に迫ってくる。うお乳でっか……

 

「ご、ごめんね?驚かせちゃったかな?」

 

「で、でも今『あ』から始まって、『お』なんだ…?」

 

「自己紹介、お願いできるかな……?」

 

とても気を使われて話しかけられる。そんなに気を使わなくても……

 

「あ、はい!」

 

咄嗟に起立する。椅子が大きな音を立てたけど、それどころじゃない。

やっべ、考えていたこと全部吹っ飛んだ。

何言えばいいんだっけ……

 

「えー……とぉ……」

 

「お、織斑一夏です……」

 

視線が痛い。期待にこもった視線が突き刺さる。

ど、どうすれば……

ほ、他の人も雑だったし、俺も雑でいいか……?

 

「い、以上です!!!!」

 

がたがたっ。

 

何人もの女子生徒が崩れ落ちる。

なにその『もっと色々言ってくれると思っていたけど、透かされた』みたいな反応。

前の子もこんなもんだったじゃんか!!

 

そう思いつつ、これからどうしたらいいんだろうと持て余していると。

 

べしぃ。

 

鋭い痛みが俺の頭皮を襲う。

痛い。なにこれ?体罰?

 

そう思いつつ、痛みの与えられた方向を向くと

 

「げっ、関羽!?」

 

「誰が三国志の英雄か。馬鹿者。」

 

再び痛み。

 

この声、この痛み、この背格好。

 

この女性は……

 

「ち、千冬姉!?」

 

「校内では織斑先生だ。馬鹿者め。」

 

また叩かれる。俺の頭は太鼓じゃあないんだが。

 

「ぐっ……」

 

「それにしても、だ。貴様、まともな自己紹介すらできんのか。」

 

 

「あ、織斑先生。会議はもう終わられたんですか?」

 

「ああ、山田先生。初日なのに任せて悪かったな。」

 

「いえいえ、副担任ですから、このくらいはしないと……!」

 

先生?任せる??

え、もしかして千冬姉って……

 

「え、千冬姉って教師だったの……いったぁ!!!!」

 

「だから織斑先生だと言っているだろう。」

 

口で言えばわかるのに、暴力もつけてくるのはどうして??

 

俺は痛みに悶えながらも、心中でそう考えていると……

 

「千冬姉って呼び方……おんなじ苗字……」

 

「え、二人ってもしかして……!」

 

「身内なんだ……!じゃあもしかして、ISを動かせるのもそれが関係してるのかなぁ?」

 

ざわざわと騒がしくなる教室。

 

 

ぱぁん

 

甲高い破裂音が教室を駆け巡る。

 

「うるさいぞ貴様ら。」

 

みな瞬時に黙る。なにその集団特技。

一人どうでもいいことを考えていると、千冬姉がはなし始める。

 

「んんっ。諸君、私が織斑千冬だ。」

 

「我々教員は、君達新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。」

 

「私の言うことはよく聞き、よく理解しろ。」

「出来ないものには出来るまで指導してやる。」

 

「私の仕事は若干15歳を16歳までに鍛え抜くことだ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな」

 

……それなんて軍隊?

学校の教員が絶対に言わないようなことを言うが、それに対しての反発はなかった。

あったのは……

 

「はぁ……あの千冬様にご指導していただけるなんて……光栄……」

 

「やっぱり千冬様って格好いいわ……」

 

陶酔している女子生徒が過半数であった。

嘘だろみんな。それでいいのか。

 

「で?挨拶も満足にできんのか、お前は」

 

「いや、千冬姉、俺はー」

 

べしぃ。

 

三度目の暴力。俺の数少ない脳細胞が……

 

 

「さて、時間がもったいない。自己紹介は後で個々人でやれ。」

 

「早速だが授業を始める。」

 

「山田先生、お願いします。」

 

まだ自己紹介、数人しかやってませんが……

 

 

そんなこんなで、俺のIS学園での生活が始まったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 主人公

 

 

「んー。特に変化はないねぇ……」

 

念のため、原作の舞台となるIS学園の様子を監視しているが、特段変わった様子はない。

 

「ただ、各国の上層部だったりが、ここを奇襲しようとしてるのは見えるなぁ。」

 

そのまま放置していてもいいのだが、わざわざ攻められるのを待っているだけなのもあれだ。

 

「シリウス、新しく配備した迎撃用EBの慣らしはできてるか?」

 

「ばっちぐーだよ!問題なく運用可能!」

 

 

迎撃用EB<パラディン>

 

各国からこちらに攻めてくることを考えて、用意したEB。

 

全長4m程度の大きさで、白銀の騎士の見た目をしている。

搭載している基本武装は、騎士らしく長剣と盾。

それに加え、ISコア回収用の乖離剤と、万が一捕獲された場合用の自爆装置。

 

後は部隊編成に応じて、高機動パッケージ・重装備パッケージ・銃撃戦パッケージなどを搭載することで、複数距離に対応させている。

 

ちなみにこのパラディン、扱い的には一般兵を想定しているので、天照の内部に量産ラインを作っている。

 

今のところ、500機くらい製造されています。

 

強さで言うと、ISで言う第四世代程度のスペックはありますな。

 

そしてそれを操るのは、戦闘担当のシリウス。

 

このためにシミュレーションゲームを遊ばせてたので、戦略級の軍事行動ができます。

 

うーむ。やりすぎた感じが否めないが、負けるよりはマシなので。

 

 

 

 

 

「よし、シリウス。パラディンを戦闘配備。こちらに攻撃を仕掛けてきたら迎撃して、ISコアだけを奪取してくれ。」

 

「可能な限りでいいが、人は生かして返してくれな。」

 

「おまかせあれ~!」

 

 




申し訳ありません。
ここで一旦毎日投稿をストップさせていただきます。
理由は単純にストック切れです。

今後は不定期に更新してまいりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
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