104年後からの今 作:requesting anonymity
ハリー・ポッターを始めとする6年生たちがヒイヒイ言いながら額に汗してソファみたいな大きさがあるドラゴンの骨付き肉の山をヒトが饗せるサイズに切り分けるべく皆で奮闘している頃。
4年生のアストリア・グリーングラスは先日のクリスマス休憩明けから仲良くなった、いちばん新しくできた友達の女の子と一緒にフリットウィック先生の呪文学の授業に挑んでいた。
アストリアの目の前のテーブルには紫色の油絵の具がベッタリと分厚く塗りたくられていて、アストリアはその絵の具汚れに杖を向けている。
「スポンジファイ!」
アストリアが大きな声でハッキリと呪文を唱えた途端、テーブルはフニャフニャになった。
「あら? ふっかふかになっちゃったわ。どうしてかしら? ロミルダちゃん判る?」
「スコージファイよ。『
つい先日新しくお友達になったばかりの同級生、グリフィンドールのロミルダ・ベインにそう指摘されて、アストリアはどうやら目から鱗が落ちたらしかった。
「そうなのね! ありがとうロミルダちゃん。あたしもっかいやってもいーい?」
「もちろんどうぞ。成功したら交代してね」
アストリアがもう一度ロミルダからテーブルの絵の具汚れへと視線を移してみたらぬいぐるみのようにフニャフニャのふかふかになってしまっていたはずのテーブルはすっかり元の硬い木製に戻っていたが、はたしてフリットウィック先生がいつの間に魔法をかけてテーブルを元に戻してくれたのかは、アストリアにはサッパリ判らなかった。
「それじゃあ、えっと、待ってね……むむぅ……スコージファイ!」
心を落ち着けてからアストリアが呪文を唱えると、テーブルの絵の具汚れがいくらか薄まった。
「むむむ……これってきっと成功じゃないわよね…………スコージファイ!」
アストリアが再度そう唱えても、まだ僅かにテーブルには紫色が残っている。
「んぅーー…………でもぉ……ロミルダちゃん交代しましょ!」
もうしばらく挑戦し続けたかったアストリアは、しかし完璧には成功できなくて悔しい気持ちをぐっとこらえてロミルダ・ベインに実践練習の順番を譲った。
「ロミルダちゃんが上手くできるところ見せてくれたらあたし勇気もらえる気がするの」
素直な子なんだろうなとは以前から思っていたものの実際に仲良くなってみたら予想より100倍ほど素直な子だったアストリアから純白の圧力をかけられて、ロミルダはごくりと唾を飲んだ。
なにしろこのロミルダ・ベイン、ただ単に同級生の中では大人びた雰囲気を纏っているというだけで、別に学年1位の成績を誇っていたりはしない、平均的な学力の女の子なのだ。
もちろん得意科目も複数あるが、それだってあくまでも4年生の範疇の優秀さであって、
「そう? でもあなたにはもう勇気があるって私は思うわよグリーングラス」
今から練習する魔法ではなくアストリアのくりくりとした瞳に意識を集中してしまっているロミルダ・ベインは、他人の下世話な噂話や悪口を楽しまない女の子と仲良くなるのは初めてだった。
だからアストリアに最初に話しかけた時、それはロミルダにとって果敢な挑戦だったのだ。
(お友達になりましょうって提案するのにあんなに勇気が要ったの、私いつぶりだったかしら)
そしてフリットウィック先生がいつの間にどんな呪文でそうしたのかはアストリアにもロミルダにも判らなかったが、とにかくロミルダが杖を構えるのと同時にアストリアが杖を下ろしたその瞬間、さっきまでテーブルに塗りたくられていた紫色の油絵の具がべっちょりと完全復活した。
「スコージファイ!」
ロミルダが杖をテーブルに突きつけてそう唱えると、紫色の絵の具汚れがかなり綺麗に落ちた。
「……パパならこれでも納得してくれるけど、ママは赦してくれないわね」
そう呟いたロミルダがもう一度「スコージファイ」と唱えてみても未だに薄っすらとだがテーブルには紫色の染みが残っていて、ロミルダは杖の振り方が違ったのかしらと予測は立てつつも、さりとて他に上達の手がかりも無いまま再び復活した油絵の具を今度こそさっぱり完全に洗い落とすべく杖を振って呪文を唱え、がむしゃらに練習の回数だけを重ねていく。
そんな中またしても、アストリアの振る舞いがロミルダ・ベインを驚かせる。
「ねえねえフリットウィックせんせ、あたしとロミルダちゃんにもう1回お手本見せてほしいの。あたしたち上手くできてるつもりなのにね、この絵の具さんが綺麗に落ちてくれないのよ」
(絵の具さん……?)
今のアストリアと同じ発言をもし自分がしたらルームメイトや友人たちはどんな顔して笑うだろうかと思い浮かべた結果、きっと友人たちは私が誰かの真似をしてふざけているものと解釈するに違いないと直感したために、ロミルダ・ベインはまるで自分がこの世の穢れを知ってしまっているかのように、あたかも自分がもはや無垢でも純真でもないかのように錯覚してしまっていた。
ベラトリックス・レストレンジやリータ・スキーター、それにあのドローレス・アンブリッジなどと比べれば自分がまだどれほど清らかな心の持ち主なのか、ロミルダ・ベインは知らなかった。
「ねえロミルダちゃんフリットウィック先生がお手本もいっかい見せてくれるって!」
「ほんとう」
ロミルダは驚いていた。フリットウィック先生が快く手本を見せてくれるらしいという事実に対してではなく、遠慮なく先生に手助けを求めるアストリアの素直さに対してでもなく、そんなアストリアの素直さを、アストリアが様々な科目で遠慮なく先生たちに助けを請い、それを受けて先生たちが皆、スネイプですらすんなりと手を差し伸べるという光景を先日アストリアと新しくお友達になってから初めて目にしたかのように感じている自分自身に対して、ロミルダは驚いていた。
「あたしとロミルダちゃんのためにゆっくりやってくださるかしらフリットウィック先生?」
フリットウィック先生が立っていた教卓から、1年生の誰より小さいフリットウィック先生がいつも足場替わりにしている何冊もの分厚い本の山がアストリアとロミルダが練習を続けていたテーブルへと1冊1冊飛んできて、そこにフリットウィック先生のための足場ができあがる。
「もちろんいいですよ。では杖を大きく遅く振りますから、よく見ていてください」
アストリア・グリーングラスは自分と同級生なのだからホグワーツに入学した年からずっと、いくつも同じ授業を同じ授業で受けていたのに、だから同様の光景を去年以前にも何度も見ているはずなのにもかかわらずクリスマス休暇が明けたその日に、アストリアに話しかけてお友達になってもらった日に、その時に初めてアストリアの貴重なほどの素直さを目にしたかのように己は錯覚していると、ロミルダ・ベインは自覚したのだ。
自分が過去にもしかしてアストリア・グリーングラスの心の清らかさに由来する素直な振る舞いを嗤ったことがあるかもしれないだなんてロミルダは考えたくなかったし、もし自分や友人たちがそんな真似をしていたのだとしたらその時の自分たちの下卑た嗤い声がアストリア・グリーングラスの耳にどうか届いていませんようにと、ロミルダは願うことしかできなかった。
果たして過去の自分と友人たちが本当にそれほどまでに愚かだったのかも、あるいは流石にそこまで見る目の無い奴らではなかったのかどうかも、ロミルダにはどちらとも確信が持てなかった。
どちらだとしても、今はもうそんな真似は絶対にしないという意味では同じことだった。
誰かの素直さを嗤うことも、友達の努力をからかうことも、それは己自身の醜さを大きな声で喧伝しているだけでちっとも面白くなんかない振る舞いだと、ロミルダ・ベインはもう知っている。
「スコージファイ」とフリットウィック先生が唱え、テーブルから紫色の絵の具が完璧に消える。
「……あたしもしかして杖の振り方まちがえて覚えてたかしら? ねえフリットウィックせんせ、あたしがスコージファイするとこ見ててほしいのだけれど、いーい?」
アストリアの要求を、フリットウィック先生は当然に了承する。
「もちろん構いませんよ――おや、どうしましたかミス・ベイン」
いまミス・ベインは洗浄呪文の唱え方など見ていなかったと、アストリア・グリーングラスと会話しながらも他の生徒にもきちんと注意を払っていたフリットウィック先生は気づいていた。
「私、ただ興味を持っただけなのに、こんなにも違って見えるのね。フリットウィック先生」
ロミルダ・ベインはそれが何についての話かを説明しなかったのに、フリットウィック先生は何もかも見透かしたかのように穏やかで優しげな笑顔を浮かべた。
「人生の糧になる知識とはそういうものですよミス・ベイン。ただ視界に入っているだけなのと、興味を持って注視するのとでは見えるものはまるで違います。これは授業にも言えることです。ただ視界に収まっているだけで見ようとしていないのでは、目を閉じているのと大して変わらない」
1年生の誰よりもずっと小さいフリットウィック先生は、しかしとても存在感があった。
「あたしフリットウィック先生が呪文するところをちゃんと見てたのよフリットウィック先生! なのにどうしてこの絵の具さんはどうしてもちょっぴり残っちゃうのかしら?」
「ではもう一度やってみましょうかミス・グリーングラス」
フリットウィック先生が再び杖を振り、テーブルの上に紫色の油絵の具がベッタリと復活する。
「スコージファイ! むむぅ……スコージファイぃ!」
アストリアが杖を振って洗浄呪文を唱える度に、ロミルダ・ベインはあたかも自分の心の穢れが洗い落とされていくかのような穏やかな心地よさを感じていた。
それは汗をかいた身体でシャワーを浴びる行為にも似た、爽やかな喜びだった。
しかし、シャワーでも洗浄呪文でも落ちない穢れというものもあった。
(マクラーゲンの奴、どう誘えば一緒にシャワー浴びてくれるかしら……自信あるのに……)
4年生女子の中では背も高めな方で、友人たちからも大人っぽくてステキと評されることが多いロミルダ・ベインはしかし、別に恋愛経験が豊富だとかそういうわけでは、ぜんぜんなかった。
なのにどうして自信があるのかと言えば、私ってけっこう美人な方よねという自負を別とすれば、ルームメイトたちといつも貸しあって読み漁っている恋愛小説が根拠の全てだった。
ダルシベラ・フィルバートの詩集なんか何回読み返したやら解らないロミルダ・ベインも、そんなロミルダの容姿やファッションセンスなどをいつも褒めている友人たちも、大人っぽいという褒め言葉が子供だけに与えられるものだなんて、これっぽっちも気づけていない。
「ロミルダちゃんロミルダちゃん、ロミルダちゃんったらテーブルをお花畑にしちゃってるわ」
「え、うわ! ごめんなさいフリットウィック先生!」
咄嗟に謝罪の言葉が出てしまったことが示す通り束の間授業からも呪文からも意識が逸れていたロミルダ・ベインは、フリットウィック先生からお小言を貰いつつ慌ててテーブルの上からどっさりと溢れていた大量の紫色のお花を手で払い除けた。
「ただ視界に収まっているだけで見ようとしていないのでは、目を閉じているのと大して変わりませんよミス・ベイン。ましてや呪文を唱えようとしている時は尚の事、です」
去年までなら多少のことであればけろりとした態度で先生たちのお説教を聞き流しつつ言葉でだけごめんなさいと反省してみせることができたのに、いまロミルダは何故だかとても強い罪悪感に襲われて、まるで自分が恥も何も知らない哀れな愚か者かのように思えて、全身がみるみる熱くなって汗をかいてしまうのだった。
「いっしょに頑張りましょうねロミルダちゃん!」
授業に積極的かつ真剣に取り組まないことを恥ずかしいと感じるようになったのも、昨年度までのロミルダ・ベインからすれば考えられないほどの心情の変化だった。
しかしロミルダ・ベインがアストリアから良い影響を受けて進歩的な心変わりをしているのとは対照的に、ただ肉体的疲労のみによって、なし崩し的に心変わりしている者たちが森には居た。
「ねーえ゙なぁんで私たちったら魔法使ってないのぉーー……」
うめき声を上げながらもノコギリで肉を捌く手は止めないパドマ・パチルが真っ二つに切り分けようと格闘しているのと同じ肉塊に挑んでいるトレイシー・デイビスが文句を言っていないのは何もトレイシーが殊勝なわけではなく、ただ単に私語する元気すら残っていないだけなのだった。
「ふんっぎゅ、ぎゅぅ、ううーーーぐぐぐぐぐ…………ふ。ぐえぇぇーー……」
「別にハグリッドも
もはやドラゴンの骨に引っかかったノコギリを外すことすらできていないトレイシー・デイビスにマクゴナガルは一旦作業を中断してはどうかと提案したが、トレイシーも誰も休もうとしない。
みんな一刻も早く肉が喰いたいのだ。
「そこらの鳥の骨ってのは、中がスカスカっで! いくつもの細かい柱みたいな構造で強度を担保してる。飛ぶには軽さが必要だからそうなってる。なのにこのドラゴンはっ……よーし切れた!」
「ザビニきみってホントに疲れてるともう皆に喋った知識かどうかの区別がつかなくなるんだね」
さっきも聞いた雑学をまた披露したザビニと協力してドラゴンの尻尾をスライスし続けているネビルは、一見するとまだいくらか体力と余裕が残っているようだった。
「しっかしザビニの言いたいこともわかるぜ。こんなクソ重い骨してなーんで飛べるんだか」
「『ドラゴンは何もかもフィジカルで実現してるわけじゃない』って、チャーリーが言ってたな」
ベッドくらいある骨付き肉を一緒に解体しているシェーマスとロンの会話に隣で聞き耳を立てながら自分も黙々と肉体労働に従事していたハーマイオニーは、ふと気づいた。
「ねえハグリッド先生、ドラゴンってその肺の隣にある臓器に貯蔵してるガスを消費して火を吹くんだって、さっき教えてくれたわよね? でもさっきの説明は『体内に可燃物を蓄えている』って話だけで、それにどうやって着火してるのかってことは……教えてくれてないわよね?」
ハーマイオニーの質問を聞き届けて、ハグリッドは満足げにニッコリした。
「グリフィンドールに5点。そこがまさにドラゴンてえ生き物の神秘的な部分だ」
6年生たち全員を合わせてもまったく比較にならない圧倒的な手際の良さでドラゴンまる1頭をいくつもの家具みたいに大きい骨付き肉に解体したハグリッドは、そこからさらに生徒たちが食べやすいサイズにまで次から次へと捌き続けながら解説する。
「ドラゴンの身体にゃ、よーく燃えるもんをタップリ蓄えとく機能はあっても、それに火ぃつける機能はどこにも無えんだ。それにザビニとシェーマスの言っとったことも合っとるぞ。ドラゴンってえのは体重と筋肉の量とハネの大きさから考えると、飛べるわけねえって結論になるからな」
「ええ?! でもドラゴンって火を吹くし空を飛ぶじゃないのハグリッド!」
そう叫んだハンナ・アボットを始めとして、巨大骨付き肉の解体作業を続けながらでもハグリッドの言葉を聞き取ることに己の集中力を割けた者たちが一斉に驚きの声を上げる。
「何それ。どうやって飛んでるのかも火を吹ける理由も実は解んないってこと?」
ジャスティン・フィンチ=フレッチリーが一旦ノコギリを握る手から力を抜いて休息しつつ、周囲の皆と疑問点を共有した。
「…………えっ、ドラゴンっ……飛べっ……ないんです、か…………?!」
そう漏らしたトレイシー・デイビスは今や、骨付き肉を切る途中で引っかかって動かなくなったノコギリに体重を預けることでようやくどうにか座らずに身体を支えていた。
「話を半分しか聞いてなかったんだなデイビス? 『おそらくドラゴンは魔法で飛んでる』とそういう話だろう今のは。おまえやっぱり休んだらどうだ。多少休憩したからって取り分は減らんぞ」
ノットがトレイシーを気遣っている背後では、ロンが「チャーリーが言ってた意味がわかった」とかなんとか呟きながら外した骨に残った肉をこそぎ落としている。
「でもノットくんもっ……みんなもっ……まだ頑張ってるのに……わたしだけㇸ」
「立てない奴に何ができる。しばらく座ってろデイビス。誰も咎めないから」
セオドール・ノットは杖を振ってトレイシー・デイビスのすぐ後ろに値が張りそうなしっとりした革張りのソファを創り出し、さらに杖を振ってトレイシーを強制的にそのソファへ座らせた。
「すぉわえ、えっと、すいませ…………ありがとございます……」
杖をさらにもう一振りして毛布までかけてくれたノットくんに、トレイシー・デイビスはありがたさと申し訳なさと小っ恥ずかしさで縮み上がりながらも、どうにかお礼は言えた。
「そうだ。それでいいんだデイビス。感謝を伝えるべき場面では、謝罪をするべきじゃないんだ」
「お前のそれが感謝の言葉を受けとった人間の適切な態度だとは僕には思えないねノット」
軽口を叩いて友人をからかうという心の余裕をかなり久しぶりに見せたドラコ・マルフォイもまた他のほとんどの6年生と同じように汗だくだったが、その表情はなぜか晴れやかだった。
闇の帝王の怒りを買った両親共々殺されるかどうかの瀬戸際という現状を打開するための唯一の計画の特に重大な局面に挑んでいるドラコは、とにかく気分転換できる機会を欲していたのだ。
ひとつの物事だけに全ての集中力と全ての時間的余裕を注ぎ込むべき危急の場面でこそ、人は休息を欲するのだ。
そしてドラコがここ最近ずっと無意識に欲していたのは、肉体ではなく精神の休息だった。
精神さえ休められるのなら肉体の酷使は問題ではないどころか、今のドラコにとってはむしろ歓迎できるものですらあった。それは昨年度までのドラコからすれば考えられない変化だったが、果たしてこれを心の成長だと喜んでいいものかどうかはドラコ自身にもよく判らなかった。
ドラコ・マルフォイがこれまでの人生で培ってきた常識においては、肉体労働とは哀れなマグルや従順なるべき屋敷しもべが雇い主やご主人様からの命令を遂行するための手段なのであって、決して自分たち純血魔法族にふさわしい問題解決方法ではないのだ。
ドラコは父上と母上から授かった幼年教育において、屋敷しもべの仕事を自分たちが代わりに行うのは「失礼」だと、召使いの仕事を主人が奪うという罪であり道徳に反すると学んだのだ。
純血を標榜する由緒正しい魔法族の伝統的な価値観において肉体労働とは、はしたないのだ。
「よし切れたぞ。次だノット」
「お前なんでそんな楽しそうなんだマルフォイ」
「おや、授業を楽しむことは不道徳だとでも教わるのかノット家では。真剣に取り組んでいないからこその心の動きだとでも?」
「…………いや、お前が充実してるだけなら何でもいい」
自分と共に2人用のノコギリを使用してドラゴンの骨付き肉を解体し続けるドラコを正面からずっと見ていたセオドール・ノットは「この種類の作業に喜びを覚える奴ではなかったはずだ」と驚いていたが、僕はマルフォイの敵ではなく友人なのだからマルフォイが今楽しそうにしていることに疑問など持つ必要は無いのではなかろうかと思い直して、再び肉体労働に集中し始める。
「マルフォイ、たとえお前が嫌がっても、僕はお前の味方をするからな。ウィーズリーの奴がポッターに対してそうするように、僕はお前にそうする」
「気持ちはありがたく受け取らせていただくとも。だが今のところ特にそんな必要は無いね」
両端に持ち手のついた2人用の大きなノコギリをマルフォイと息を合わせて操って、4人掛けのソファみたいな骨付き肉を1人掛けのソファ4つに切り分けながら、ノットはたった今「嘘つけ」と思ってしまったのが表情に出ていなければいいんだが、という不安を両腕や肩、それに腰や膝などにビリビリと染み渡って感じられる肉体的疲労に意識を向けることで振り払った。
ドラコがいま閉心術を用いて不安や焦燥を頭の中から追い出し、さらにそれと並行してドラゴンの解体作業を楽しむことで無理矢理に気分転換しているとは、ノットは予想もしていない。
「たまにはこういうのも………っ悪くないじゃないか」
一見すると晴れやかな表情をしながらそう呟いたマルフォイがノットと息を合わせて切り出した1人掛けのソファは、ダフネ・グリーングラスやパドマ・パチルなどの手で枕くらいの塊に切り分けられ、さらにミリセント・ブルストロードとテリー・ブートを始めとするグループが枕を厚切りのステーキにスライスしていく。
「先生この僕らに貸していただいてるやたらめったらスルスル切れる包丁は何ですか」
厚切りステーキを量産する手を止めないまま、テリー・ブートが例のおかしな先生に訊く。
「ステュムパリデス青銅だよー。ステュムパリデスの鳥の骨格、まあ穏便なところだと抜け落ちた羽根とかから加工して作る金属製品はギリシャのトリポリらへんの名産品なのさ」
これは試験に出るわと直感したハーマイオニーは先生の発言をすぐさまノートに書き留めたかったが、しかしハーマイオニーもまた肉を切っている最中で、右手も左手も塞がっていた。
そうして主には作業全体の8割以上を1人でこなしたハグリッドのお蔭で、ハリーたち魔法生物飼育学を受講している6年生はスネイプの推測よりもかなり早く、たっぷりと時間に余裕をもったまま、とうとうドラゴンの肉にありつける準備が整ったのだった。
「んじゃ、きみたちを竜痘に感染させるわけにはいかないんで、魔法で滅菌するよ」
昨年度に闇の魔術に対する防衛術の講師を務めてくれていた例のおかしな先生はそう言って杖を掲げ、そのまま腕をぐるりと大きく振りながら、ホグワーツでは決して教えない呪文を唱えた。
「プロテゴ・ディアボリカ」
声を上げる間もなく、アルバス・ダンブルドアもスネイプもマクゴナガルもハグリッドも、グロウプとアラゴグと蜘蛛たちもハリー・ポッター他6年生の生徒たちも、お肉も骨もドラゴンの皮と内臓が収まって浮かんでいる大きな泡も周囲の木々と蜘蛛の巣も何もかも、一瞬で爆発的に燃え広がって撒き散らされた不気味な青い炎に呑み込まれた。
「部長ドラゴンの血の入った瓶は――ちゃんと避けてますね。えらいわ部長。かしこい」
「ぶちょうこの血あたしもちょっと貰っていいですか!」
現役の神秘部職員であるその2人の魔女だけは、青い炎に覆い尽くされた景色の中をスタスタ歩いてドラゴンの血が貯蔵された大きな広口瓶の状態を確認していた。
「そりゃもちろんダイジョブだよオリバンダーくん。だって僕がむかーしギャレスとサッちゃんと一緒に調べて見つけたんだもの。成分が変わっちゃってレシピ狂うから魔法薬に使う材料を悪魔の守りで殺菌しちゃダメだってことをさ――分けたげるからちゃんと申請出すんだよクローディア」
自分はどこもヤケドしていないし熱くもないと、クラッブとゴイルよりもさらに遅れて気づいたトレイシー・デイビスがソファに座ったまま周囲を見回してみれば、皆も先生たちも巨人も蜘蛛も蜘蛛の巣に覆われた木も地面の落ち葉も土も草も、青い炎に包まれたまま何ひとつ燃えていない。
そのまま1分ほど燃え盛った青い炎は、何の前触れもなく見間違いみたいにすんなり消えた。
「そもそも正気の人間はその呪文を生物由来の品の殺菌消毒に使おうなどとは思いません」
「正気の人間は殺人をしないんだよスネイプ先生」
セブルス・スネイプが差し挟んできた疑義をさらりと受け流しつつ、その先生は杖を持った右手と何も持っていない左手を同時に別々に振って、ドラゴン1頭分ある肉の山脈から全体の半分くらいと、大きな泡に閉じ込められて浮かんでいたドラゴンの内臓のほとんど全てを魔法で操ってハリーの目線よりも少し高い空中に並べ、さらにもう一度杖をクルリと回した。
すると鱗に覆われたドラゴンの皮らしきものが空中に出現し、周囲に浮かんでいた肉や内臓がそのドラゴン皮らしきものに巻き取られて包みこまれていく。
元あったドラゴンから剥がされた皮はずっと、ダンブルドアの足元に放置されている。
そして数十秒もかからずに、肉と内臓がパンパンに詰まったドラゴン皮の袋ができあがった。
「こうすれば食べやすいだろうアラゴグくん? 皮で袋を作ってその中に肉を詰めたよ」
「骨と血も入れてくれると嬉しいんだが」
「そうなのかい? じゃあ血を……こんぐらいと、脊柱も半分あげようね」
アラゴグは「最高だ」と言いながら鋏をカチャカチャ鳴らし始めたが、それはもちろんロンを始めとする何人もの生徒の不安を煽った。
「肉にありつくつもりでおる以上、儂も働かねばなりませんな。先輩」
「アルバスはかわいいからなんにもしてなくてもお肉あげちゃうよ?」
ダンブルドアは左手をさっと振り、ドラゴンの肉が詰まった大きな袋は数十個に増えた。
「それで足りますかな、アラゴグどの」
「ドサドサという音でわかるぞ。まだ増え続けているな。これなら子供たちも満足するだろう」
そしてマクゴナガルが杖を振ると網やら串やら皿やらナイフとフォークやらのバーベキュー用品セットがポンと小気味いい音とともに空中に出現して独りでに飛行して適切に配置され、次いで皆が待ち望んでいた椅子も人数分現れて、ついにお肉を焼いて食べる時間が来た。
「我らに与えられた分のドラゴンの肉を食べ初めていいぞ我が子たちよ」
アラゴグから許可が出た瞬間、蜘蛛たちは一斉にダンブルドアがありったけ増やした鱗と皮つきのドラゴンの肉塊に殺到した。
「火はいつもの火なんでしょうな、先輩。できれば他のもっと穏便な呪文が好ましいのですが」
「僕がインセンディオやるとどうなるか知ってるだろうアルバス。それに僕のインセンディオとかインフラマーレじゃドラゴンのお肉に火ぃ通すには火力不足だしさ――」
「動物の形になるから好きなんだと口を滑らせてオミニス先輩に叱られた経験がお有りでしたな」
ダンブルドアから図星の指摘をされたその先生は露骨に視線を逸らしたままこっそり杖を振る。
「ペスティス・インセンディウムぅー」
見る者に本能的な恐怖を感じさせる強烈なオレンジ色をした悪霊の火は、100匹ほどのネズミの形になって空中に整列し、規則正しい隊列を維持したまま各々が担当する網の下へと歩いていく。
「ホグワーツで生徒に教えていない呪文をいったいいくつ生徒たちの前で唱えるつもりですか?」
「んー? でも僕6年生の時から悪霊の火でお肉焼いてるしヤケドしたことないよミネルバくん」
「悪霊の火でヤケドをしないのは当たり前です。ヤケドで済むような呪文ではないのですから!」
ミネルバ・マクゴナガルからの苦情を聞き流したその先生は、誰よりも先にドラゴンのお肉をいくつか確保し、それを自分の杖に挿した。
その先生が肉を挿した杖は、ハリーには金属か何か不思議な素材でできているように見えた。
あの杖ほかに見たことないよなとハリーは疑問を抱いたがそんな些細な謎は、ありったけのドラゴンの肉を今から好きなだけ焼いて喰うのだという現実の前では1秒すら保たずに消えていった。
グリフィンドール寮の寝室のベッドくらいある骨付きリブステーキ、というよりはそれだけでホグワーツの全員が満腹になるくらいの肉がついたアバラ骨まるまる1本を握りしめたグロウプの膝にはいつの間にやら不死鳥が鎮座していて、グロウプはその不死鳥に骨付き肉を翳している。
独りでに空宙を移動していくつもの網にずらりと並んだ様々な形や切り方の肉はハリーたちが凝視しているすぐ目の前で驚くほど迅速に焼けていき、そしてハグリッド先生から号令がかかった。
「じゃあ、好きなだけ喰ってくれ!」
歓喜の叫びを上げている者と早速食べ始めている者とにハリーたち6年生は別れていて、はたして自分がどちらなのか、叫んでいるのか食べているのかはハリー自身にもよく判らなかった。
ただ、ドラゴンのステーキは想像の10倍美味しかった。
自分たちの目の前のちょうどいい位置に浮かんでいるいくつもの網の下の空中にうずくまっている大勢のネズミの形をした火がどれだけ危険な魔法かなんて、気にしている生徒は少数だった。
「あたし特製のバーベキューソースをみなさんにあげちゃいます!」
「わあ、ありがとうクローディア」
「……おいロングボトムあいつは誰だ知り合いか」
ネビルとザビニは並んで椅子に座っていて、2人とも実にキチンとした所作でナイフとフォークを使いこなしてドラゴンのお肉を味わっている。
「あの子ね、ああ見えて僕らが入学するのと入れ替わりにホグワーツを卒業したロンのお兄さんの同級生なんだってさ。僕クリスマス休暇の間ロンの家にいたんだけどね、あの子も来てたの」
とてもそうは見えないと返したザビニに本人からクリスマス休暇中に聞いたクローディアの事情を説明しているネビルの背後で別な網を囲んでいるのは、セオドール・ノットとトレイシー・デイビスと、トレイシーのルームメイトであり同好の士でもあるじっとりした女子たち。
「ドラゴンのお肉ってやーらかくて美味しいんですねえノットくん。私はじめて食べました」
網の上でちょうどよく焼き上がったステーキ肉が独りでに切り分けられ、トレイシー・デイビスの手元の取り皿に積み上がって追加される。
大きな1切れをフォークで突き刺して口に詰め込んだトレイシーの幸せそうな顔を、トレイシーのルームメイトたちがノットくんの端正なお顔と見比べている。
次書く本の内容が決まったと、節操も遠慮も無い彼女たちは大切な友達でルームメイトのトレイシー・デイビスのステーキがパンパンに詰め込まれた頬から密かに天啓を得ていた。
(食べられちゃうとこ描きたいわね)
実際もしこの子が「そういう場面」に遭ったらと想像してみても、トレイシーが拒絶しきれる姿は、ルームメイトたちの誰も思い浮かべることができなかった。
「おい見てみろよハリー。グロウプの持ってる肉が焼けたぜ……」
「えっまさか不死鳥の熱で? 不死鳥ってそんなこともできるんだっけ?」
「何ができても不思議は無いわよ不死鳥は――ロンあなたどうしてオデコにソースがついてるの? どうやって食べたらそんなことが起きるの?」
ロンとハリーとハーマイオニーも周囲の皆と同じく独りでにスパイスなど振りかけられて焼かれて配膳までされてくれるドラゴンの肉を止めどなく食べ続けながらの会話を楽しんでいて、それらが先生たちのうち誰の魔法による挙動なのかなど、全く気にしていない。
アラゴグ以外の蜘蛛たちはどうやら皮袋詰めのドラゴン肉がお気に召したらしく、先程からずっと美味い美味いと大合唱するばかりで、もはや1匹たりともハリーたちの方を向いていない。
アラゴグも同じように皮袋詰めの巨大なドラゴン肉を味わっているのだが、アラゴグは他の蜘蛛たちとは違ってハグリッドとグロウプのそばから一切動く気配がない。
「そうじゃハグリッド」
皆が何度目かのおかわりをした頃、唐突にダンブルドア先生が口を開いた。
「ルーファス・スクリムジョール大臣から、わしがかねてより申し入れておった件についての正式な返答が、ついさきほど届いての。わしは今この場で、これをお主に通達しようと思う」
ダンブルドアの言葉に合わせてマクゴナガルが懐から1枚の大きな羊皮紙を取り出し、どこにも全く折り目がついていないその滑らかな羊皮紙をマクゴナガルは杖で操って、ハグリッドの目の前まで飛行させて浮かべた。
その羊皮紙に書いてある内容が真実だと理解した途端、ハグリッドはボロボロと洪水のように涙を流し始めてしまった。
「ルビウス・ハグリッド氏にかけられた1943年6月の事件に関する嫌疑は完全なる冤罪であったと1993年5月29日に発覚し、その後に事実関係が把握されたことで証明されている。よってルビウス・ハグリッド氏は1992年度の事件においてそうであるように1942年度の事件においても無罪であり、同氏は秘密の部屋を開いたことも自らが飼育している生物を使役して生徒を殺害せしめたこともないとウィゼンガモットが結論付けたことをここにお知らせする。また、ルビウス・ハグリッド氏がホグワーツ魔法魔術学校から強制退学処分となった根拠も1942年度の同事件であるため、同事件の真犯人が別人である以上ルビウス・ハグリッド氏の退学処分は取り消しとし、杖を持つ権利を始めとした強制退学処分によって同氏から剥奪された権利の全てを回復するものである」
控えか何かなのだろう別な羊皮紙の文面を読み上げたダンブルドアは、いつの間にかその左手にハグリッドの私物であるはずのピンク色の傘を携えている。
「魔法大臣ルーファス・スクリムジョールに代わって、我、ウィゼンガモット首席魔法戦士アルバス・パーシバル・ウルフリック・ブライアン・ダンブルドアがルビウス・ハグリッド氏に、同氏の正当なる所有物であるこの杖を、確かに返却する」
ピンクの傘はダンブルドアが握っている柄の部分から先端へ向かって溶けるように消え去り、その中からハリーが今までに見た誰の物よりも長い杖が顔を出した。
「オーク材とユニコーンの尾の毛、16インチ、かなりよくしなる。ギャリック・オリバンダー製。この杖はあなたがホグワーツに入学するにあたりダイアゴン横丁のオリバンダーの店で購入した物ですな、ルビウス・ハグリッドどの」
「そうです。そうですだダンブルドア先生様。ありがとうごぜえます。俺ぁ。おれはなんてお礼を言ったらいいか…………」
ハグリッドは感激しきっているしダンブルドアもマクゴナガルもなんだか祝福を強制するかのように暖かな雰囲気を放っているが、しかしロンには引っかかる点があった。
「こっそりアクロマンチュラを飼ってた上にそれを森に放して繁殖させるやつは退学が妥当だろ」
「ハグリッドが退学になった理由は秘密の部屋の件なんだから、その件が冤罪である以上は退学取り消しは当然よロン。むしろ遅いくらい。何年前の話よあなた達2人があの事件を解決したの」
ハーマイオニーはピシャリとロンの異議申し立てを突っぱねたが、その件に関してもロンには譲れない点があった。
「あの事件を解決できたのはきみのお蔭で、実際に解決したのはハリーだ。僕の手柄じゃない」
「あの時きみが一緒じゃなかったら僕はロックハートにやられてたよロン」
ハリーが2人前くらいある大きなスペアリブに喰らいつきながらそうフォローしたが、そのハリーの言葉の最後の方は別な声に邪魔されてロンとハーマイオニーの耳には届かなかった。
「おや。来てくれたのかいハグリッド……なんだいハグリッド泣いてるのかい。なんだい? 嬉しいのかい、悲しいのかい? ああ、嬉しいのかい。じゃあアタシも喜ぶとするかね」
急に響き渡った大音量のガラガラ声の正体を本能で察して、ロンが瞬時に縮みあがる。
しかし神秘部部長でもある例のおかしな先生は、平然とその声の主に挨拶した。
「おはようモサグくん。今ね、ルビウスくんの退学が正式に取り消されたとこだよ。きみも一緒にドラゴンのお肉たべるかい?」
蜘蛛の巣に覆い尽くされた木々の間、暗がりの向こうから姿を現したその蜘蛛は誰がどう見たってアラゴグよりもさらに一回り以上身体が大きく、それこそドラゴンくらいの存在感があった。
群れのナンバー2、アラゴグの妻であり一族の母であるメスのアクロマンチュラのモサグもまた、かつてハグリッドが森番の仕事を覚えつつ密かに卵から孵した大切な家族の一員だった。
「ねえ部長あなたどうして杖をそんな使い方しちゃうのかしら」
「杖に挿して焼くとね真ん中まで火がちょうどよく通って美味しいんだよオリバンダーくん」
「ぶちょうぶちょうあたしの特製ソース使ってみてくださいよう! こっちがチョコのソースでこっちがオレンジのソースです。美味しいと思います!」
ハリーたち6年生の生徒のみならずマクゴナガルまでフォークを肉に刺したまま驚愕を露わにしている中、蜘蛛たちを別にすればクローディアとオードリー・オリバンダーと神秘部部長の3人だけが、まったく何も気にせずドラゴンの肉を食べ続けていた。
「クローディアきみこっち来た瞬間は裸んぼだったのになんでソース何種類も持ってるんだい?」
「私が持ってたのよ部長。クローディア個人用の冷温収蔵庫が今朝またいっぱいになって、だから貰ったのよ。好きなの持ってっていいってクローディアが言うから」
その時響き渡ったバリバリゴリゴリという轟音を木が倒れてくる音だと思ったらしいラベンダー・ブラウンが悲鳴を上げたが、しかしハリーが音の出どころを見てみたら何のことはなく、ただでっかい骨付き肉の肉部分を食べ終えたグロウプがそのまま骨を食べ始めているだけだった。
「健康を絵に描いたような奴だな巨人ってのは……」
グロウプの豪快な食事風景を目の当たりにしたザビニが、目を見開いたままそう声を漏らした。
【モサグ】
ハグリッドが過去の不明な時期にアラゴグと引き合わせたメスのアクロマンチュラ。
アラゴグの妻。
公式設定では生年も没年も明らかにされておらず、ハグリッドが卵から孵したのか否かも不明。
16インチとは40センチちょいで、これはギャリック・オリバンダーが制作する通常の杖の長さの範囲を逸脱しており、ギャリック・オリバンダーが制作したと明言されている杖の中では最も長い杖である。なおこれがどのくらい長いのかというと、実写映画版ハリー・ポッターにおいてミネルバ・マクゴナガルの杖として使用されていた小道具の杖がちょうど16インチ。
(ミネルバ・マクゴナガルの杖は公式設定では9と2分の1インチ、つまり概ね24センチ)
なおハグリッドの杖の芯が何かは公式には明らかにされていない。
ロミルダ・ベインとアストリア・グリーングラスが同級生なのは公式設定。