貞操逆転世界でも僕は何も変わらない   作:壱水彩

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前投稿してたけどなんか消したやつ


現地イベントでの一幕

 

 推しのVTuberの現地イベントに到着した俺は周りの視線をものともせずにソワソワと浮足立っていた。場所は年中色々なイベントが開催されている幕張メッセの入場口前。自分にしては珍しく服装を整えて軍資金を手に隣の友と今か今かと待っている。う〜ん...やっぱ髪色が白だと目立つなぁ。だが甘いな..!オタクが集まるイベント事では堂々としていればどうにかなるという古の教えがあるのだ...!

 

 髪を黒色に染めることを一度は考えたが、パッパとマッマに申し訳なく、ここは古の教えに従っている。帽子を被っていてもチラチラ見られてはいるが想像していたよりかは視線は少ない。これもエボンの賜物だな...!

 

「なあ(けい)、こんなに女の人が多いの初めてで緊張するし、さっきからめっちゃ注目されてるんですけど.....」

 

ざわ... ざわ... ざわ...  ざわ...

 

「ふっ..案ずるな利〇川...」

 

「いや誰だよ」

 

「今……今だけを頑張るんだ....!今を頑張った者……今を頑張り始めた者にのみ………明日が来るんだよ...!」

 

「地下労働施設みたいなこと言うな。えぇ....なんか今日テンション高くない?」

 

 会場チケットが二枚当たったので親友の颯太(そうた)にスライディング土下座で一緒に行くようにお願いしたのは一週間前。

ハッハッハ、奴は四天王の中でも最弱....!まだ後ろには「土下寝」、「焼き土下座」、「詫びろ..詫びろ..詫びろ..詫びろッーー!!土下座、別名(ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロングごめん寝)」さん達が構えているのだ。ヨシッ!抜かりはないな....!

 

 

「そんなことよりカナタと合流するんだろ?間に合うのか?アイツ一人でしんぱ....いや、よくよく考えたら全然心配じゃないわ。遅れるって連絡してゆっくり行こうぜ。」

 

 実は颯太の他にもう一人の親友のカナタとも行くことになっているのだ。カナタとはよく趣味が合い、推しのVTuberや好きなゲームの話をよくする。

最近は大好きなゲームで夜更かしする日も多く、自制しなきゃなと思っている。

 

 そんなカナタだが、外見が自他認めるロリ美少女なのだ。いやー入学式で男って言われたときは耳を疑ったよ。いわゆる「男の娘」というもののジャンルにハマる民の気持ちが分かったよ。僕もカナタにジャニりたいって一瞬でも思ってしまって帰った後にカナタの写真(せいしょ)に向かって「詫びろ..詫び(ry」を誠心誠意やらして頂いた。その夜のパソコンの履歴にSMモノがなぜかあったが気のせいだろう。

 

 そんな前の世界にいたならネットの変態達(ジェントルマン)相手に一稼ぎできそうな外見をしているカナタは街を歩いていてもめっちゃ可愛い女の子としか見られず、入学式の日に説明があったクラスメイトからも未だにナニがついているのか疑われている。あった方がお得とは前の世界でも言われていたけどこの世界では男女共に好かれている。そりゃあ、前の世界でイケメンなのに女子ってことだからな。嫌いな人いんの?そこ、颯太と試合決定で。

 

 

 お!くだらないこと考えてたらもう入場できるようだ。こういうオタクが集まるイベントってなんか興奮するよね。ベテランの先輩の勇姿を見ることができるのだ。

 

 まっ、予想通りほとんどが女性で数少ない男性も年齢が高い人が多いけどね。冗談抜きで10代の男子って俺達だけなんじゃないか?い、いやいや流石にそんなことないよな...?

今になって現状が見えてくる社会に入ったら通用しないような無計画オタク。うるせぇ...!人生メンタル強ければどうとでもなるんだよ....!

 

 

 ん..?あれは..YouTubeの本配信の現地実況か...!フッ、我が勇姿を世界に轟かすときが来たな..!そんな風に意気揚々とカメラとインタビュアーさんに近づいていこうとするとグッと肩を掴まれた。

 

「また何かやらかすつもりだろう..?ここは行かせないよッッ..!」

 

「フフッ、成長したねソウタエモン...後でコラボのどらやき食べに行こうね」

 

「二人ともこんなところでなにしてんの....?」

 

....!新手のスタンド使いか..!?あ、俺たちが結構な時間待たせているカナタ皇后陛下ではおありませぬか...!待たせてごめんね...。後でなんか奢るよ。

 

「時間も少ないし、早く行こうよ」

 

「それもそうだな。っとその前に.....」

 

..!?もういないだと!?俺がザ・ワールドを使えないばかりにネットデビューを逃しちまったぜ。ま、いっか。最初はなにかご飯食べたいな。

 

 

 

 

 

 

 

 YouTubeでの切り抜き動画が伸びて登録者数も増え始めている事務所の初のイベントということもあってスタッフも慌ただしい動きをしている。数あるVTuberの中でも異質な、中身がプロゲーマーであるということを公表している赤見(あかみ)セラは不機嫌そうな様子で次の現地実況の準備をしていた。

 

 次世代プロゲーマーの中でも頭一つ抜きん出ていると言われている彼女が不機嫌な理由はもちろんゲーム関係である。

 

(今思い出してもムカつくわ...!アイツちょっとゲームがうまいだけなのになんで煽り技術まで身につけてんのよ..!)

 

 周りの人間はまさか彼女が不機嫌な理由が前日のクソゲーでゲーム友達に煽られたからだとは考えもしないだろう。しかしそこは彼女も立派なプロである。気持ちを切り替えて次の自分の企画に備えている。

 

 赤見セラがプロゲーマーであることを公表しようとしたとき運営はもちろん猛烈に反対した。話題性ができるのはいいと思うがそれと反対にプロゲーマーとしてのRed賢者は顔を出しており身バレのリスクも高まる。だが運営の懸念とは裏腹に普通の配信でカミングアウトしたところ、その切り抜きの再生数がグングン増えてプロゲーマーでVTuberという唯一無二の個性で人気を高めていった。身バレに関しても赤見自身がプロ意識の塊で心配していたことは今は起こってない。

 

[ワクワク]

[まだー?]

[セラ、今日は自重しろよ。ほんま頼むから]

[配信中に急にエロゲーしだす奴だぞ。無理に決まってんだろ]

[おいおい公式配信だぞ。うちの赤見さんをなめてもらっちゃ困るな...!私は明日には謝罪配信を出す迅速さを見せることに賭けるぜ..!]

[誰も信用してないの草]

 

 配信開始数分前になりチャット欄も盛り上が....これは盛り上がっているのか..?なんか私の心配ばっかされてんだけどそんな私信用ない?しょーがないなぁ。ここはリスナーのみんなに私がやるときはやるってところをちゃんと見せつけないとな...!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三人でコラボ商品なるものを食べてひとまずお腹を満たした。子供の頃夏祭りとかで買った焼きそばとか美味しかったなぁ。あれなんでだろうって一時期めっちゃ考えてたな。俺のIQ5000000が導き出した結論はできたて+思い出補正+謎の物質だ...!。前者二つは解明できているが後者の謎物質が全然分からん。一度夏祭りでお店の人に聞いてみるか..?

 

「なんか急に黙ったよ。どう思う颯太君?」

 

コソコソ  コソコソ

 

「絶対にしょーもないこと考えてる」

 

 おい..!そこ!聞こえてるぞ..!全くこの研究が理解できないとは..。

 

 それにしても人が多いな。昼を過ぎてからさらに人が増えている。当初はもっと注目されるかと心配していたが流石はイベント会場..!癖が強い人が多くてなんとか馴染めている。

 

 ん..?あれ?またしても公式配信のカメラさんを人混みの中から発見したんだが。颯太にも言われてるしここは我が忍者歩法でそろりとかわすか。

 

「あのーすいません!そこのかっこいいお兄さん!そう、そこの白髪の!少しお話聞かせてもよろしいでしょうか?」

 

...!?やべぇ!ここはいつもの無表情モードで無難なことを言うか!

 

「はい、大丈夫です。」

 

「....。」

 

 え!?なに!?俺なんかした?帽子脱いだだけなのに急に周りが驚いたような顔でシーンってなってんだけど!?あ、あれか..。髪が白なのに日本語がうまいことにびっくりしているのか。なんだなんだ。初対面の相手には話すとよく驚かれる。こちとら日本育ちの気持ちは誰よりも純日本人やぞ...!

 

「あの...大丈夫ですか?」

 

「あっ...!は、はい!少しかっこ良すぎてびっくりしましてね!」

 

 んーなんという切り返し..!さすプロだな。お、スタッフさんがイヤホン渡してきた。これで会話しろってことか?

 

「あ、あのッ..!赤見せ、しぇらですッッ!」

 

 おいおい大丈夫かプロ...?ていうかこの人プロゲーマーでもあるRed賢者さんじゃん。賢者の名前に恥じない戦略的なゲーマーが大丈夫か..?

 

「あの誰が推しとかありますか..?ち、ちなみになんですけど箱推しとかの場合は私推してくれてもいいんですよ!自分で言ってはなんですけど私ゲームうまいし..!他のVTuberと比べても面白いと思うし..!ゲームうまいし...!」

 

 なんでゲームを2回言った..?まぁ確かに前に少し配信を観に行ったときにゲームのうまさは凄いと感じた。プレイセンス云々よりゲーム自体の理解度が高く格上の相手にも状況次第で勝ってきた人だ。それなりに好きだし、同じゲーマーとして尊敬しているが...うーん..

 

「赤見...あか..あー...本当にすいません。スイさんです。」

 

 すまねぇ推しは裏切れないんだ。ん?なんか耳からぐぬぬって聞こえるんだけど気のせいか?

 

「そっそうなんだ!へえ..スイちゃん可愛いもんね...。はあ..好きになった理由とかある?」

 

 いやあからさまに落ち込んでるじゃん。ごめんじゃん。うーん、それにしてもスイちゃんの魅力か.....。

 

「お(しと)やかなんですけどおっちょこちょいでたまにあたふたするとことか。あっ昨日の配信も見ました?!手元が狂って全ロスして呆然とするとこは申し訳ないですけどお腹抱えるくらい笑って、その後に一からまたひたむきに頑張るところも魅力ですよね。後は人見知りでコラボ配信ではあんまり話さないところとか、自分の好きなゲームのときは饒舌になったりするところも好きですね!いやーまじで大好きですね。」

 

「あっ..そ、そうなんだ。予想以上にガチ勢なんですけど(小声)」

 

 フッ..少し話しすぎてしまったな。オタクの性が出てしまったか...。こればかりはしょうがない。まだまだ語れるぜ...ん?また肩掴まれてるんだけど...。こ、これは...!?振り返らなくても俺の超直感(サイドエフェクト)がヤバいと言っている...!。

 

「あのー友人がすみません。時間もあるのでここらへんで終わらせて頂いてよろしいでしょうか...?」

 

 笑顔...笑顔が怖いよ。颯太....。ここはカナタに..。うっ、あのカナタでも諦めの境地にいるだと...!?まずいな...

 

「あっ!すいません!インタビューありがとうございました!楽しんでいって下さい!」

 

 インタビュアーのお姉さんまで見捨てるだとッッッ!?ニッコニコの颯太が近づいて来るんですけど....

 

 

 

 

 その後、もっと危機感を持ってとの旨を颯太から言われそれに「詫びろ..詫び(ry」をしてなんとかその場を収めた。後日カナタから俺のインタビューの切り抜きがバズっているらしい。全世界に早口オタクを晒してしまい、今は冷静になって宇宙ネコ状態だった。

 

 

 

 




ちなみに自分も現地配信で黒歴史残したことあるからブーメランっていう....
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