今回からファンタスティックビースト4及び5の考察&予想が強く入ってきます。あくまで個人的な想像によるものですので、今後発表されると信じている映画とは異なる展開になるかもしれません。今作はあくまで「これまでのFBシリーズや原作者の傾向と歴史的背景を考慮すると、こうなるんじゃないかな」と想像を膨らませて書いたものです。
それを踏まえたうえで、お読みください。
その日、ホグワーツは朝から不穏な空気に包まれていた。
「おはよう、アルファード」
トムは支度を整えながら、隣のベッドの友人に話しかける。しかし、彼の声は返ってこなかった。この時点で、トムはおやっと首をかしげる。アルファードは朝から耳障りなくらい陽気なのに、返事ひとつないとはどういうことなのだろう?
「アルファード?」
トムは制服に手を通しながら、アルファードのベッドに視線を向ける。
アルファードは起きていた。ベッドの端に腰を掛け、ぐったりとうなだれている。具合が悪いのか、と心配したが、すぐに違うことが判明した。彼は新聞を食い入るように見ていたのだ。
「……なにかあった?」
トムも後ろからのぞき込み、思わず息を飲んだ。
「……グリンデルバルドが侵攻を開始した?」
グリンデルバルドの顔が新聞の一面を飾っている。オランダ、ルクセンブルク、ベルギー、そしてフランスに侵攻を開始したらしい。
「……ルクセンブルクは早々に白旗を挙げた。これ、かなりマズいぞ」
アルファードの声は酷く怯えていた。顔から血の気が失せ、まるで死人のように震えあがっている。
「フランス魔法界が陥落したら、次はイギリスだ。しかも、フランスにはかなり多くの魔法使いが遠征してる。それが負けたら、いよいよ危ないかもしれない」
「姿くらましで戻ってくれば……いや、そう簡単にはいかないよな」
トムはそこまで呟き、反論の言葉を飲み込んだ。
いつだったか、アルファードから「国境には姿くらまし禁止魔法がかけられている」と説明を受けたことを思い出した。
「アルファードの眼から見て、撤退が一番理にかなった作戦なのか?」
「たぶんね。新聞では調子のよいこと言ってるけど、ちょっと前のノルウェーでも、グリンデルバルドに手も足も出なかったんだ。唯一、勝つ手段があるとすれば……ダンブルドアが先陣を切ることだろうけど」
「それはないな」
トムは速攻で言い切っていた。
「きっと、今日も朝食の席にいるよ」
「そうなんだよな……」
実際、この日の朝食の席には、ダンブルドアの姿があった。
とはいえ、表情が険しく、大広間に現れたと思ったら、料理を二、三口だけ食べ、すぐに立ち去ってしまった。多くの生徒は「今日の変身術は休講か、ミネルバ・ロスの授業になるぞ。もしかしたら、宿題免除になるかもしれない」などと噂したが、そのようなことにはならず、恐ろしいまでにいつも通りのダンブルドアが教鞭を執った。ダンブルドアは声のトーンも杖運びも笑いを取るタイミングも、もちろん宿題の量も普段と変わらない。
あまりにも普段通り過ぎて、トムの眼には逆に不自然に映っていた。
とはいえ、そのことを気づいた同級生はいなかった。二日も経てば、「ダンブルドアが落ち着いているから、きっとなんとかなるのだろう」という空気が漂い始めていた。
廊下を歩いても、グリンデルバルドの話題を耳にすることは一日、また一日と減り、「来週のグリフィンドール対ハッフルパフの試合、どっちが勝つと思う?」や「レイブンクローのあいつが魔法薬調合で失敗して、また聖マンゴ送りになった」などといった日頃のものへと戻りつつあった。
もちろん、恐怖で怯える者や危機意識を高める者もいた。
前者はスリザリン寮の生徒たちが多かった。フランスやオランダなどに分家や別宅があり、親しみを持った地がなすすべもなく蹂躙されているのだ。現地の様子を詳しく知りたくても、ふくろうを飛ばせることができない。特に、ブラック家の面々は不安定になっていた。普段陽気なアルファードでさえテンションが下がり、新聞にかじりついている。ルクレティア・ブラックは食事をするときに手が震えているのが分かったし、ヴァルブルガ・ブラックの目つきは日に日に鋭くなっていった。
後者の筆頭は、アラスター・ムーディである。
「お前たちの眼は節穴か!? ダンブルドアの行動が変わっていないことこそ、極めて危険な状態の証なのだ!」
これが彼の最近の口癖で、いつにも増して緊張感を纏っていた。ぴりぴりと電気か雷を直接肌にまとわりつけているのではないかと思われるほどで、彼の近くでちょっと足音を立てただけでギロっと睨まれる始末。ますます近寄りたくない奴になってしまっている。
悲しいことに、トムはこのグリフィンドール生に気に入られていた。少しでも、トムが近くにいると察すると、彼は瞬く間に飛んでくるのだ。
「トム! ちょっと来い、決闘の訓練をするぞ! いまの時世、この瞬間にでも戦闘に発展するかもしれないからな。油断大敵だ!」
こうなると、あとは面倒極まりない。
最近では、トムも数回に1度くらいの割合で勝利することも増えてきたが、ムーディを倒せば倒すほど、彼は目を爛々と輝かせ立ち上がってくるのだ。
『いまのは良いぞ! 良い妨害呪文だった!! だが、もっとキレを増すことができるはずだ!』
と。
ムーディに捕まったが最後、その日は疲れて何もできない。ヴァイオリンに触れることもできず、そのままベッドに沈む日だってある。
しかしながら、この日は上手く切り抜けることができた。
「すみません、ムーディ先輩。これから、ケトルバーン先生のところに行く予定がありまして……」
「ケトルバーンに?」
「はい。ニュート・スキャマンダーから直々に頼まれているんです。『トム・リドルにケトルバーン先生に預けてる僕のヒッポグリフの世話を任せる』と」
ムーディは苦虫を嚙み潰したような顔になった。
「なるほど……ニュート・スキャマンダーの頼みなら仕方あるまい。それも、この戦争に何かしら役立っているのだろうからな」
ムーディはニュートの業績を知っているらしく、彼の名前を出せば大抵の場合は見逃してくれた。
トムはムーディの気が変わらぬうちに、脱兎のごとき速さで「魔法生物飼育学」の教室に駆けだした。教室といっても野外にあり、森番の小屋にも似た小さな建物である。周囲には、ホグワーツで飼育している魔法生物が飼われており、ニュートのヒッポグリフもいた。
「先生、遅くなりました」
トムが到着したとき、ケトルバーンはとある魔法生物をブラッシングしていた。
「ああ、トム。手伝いに来てくれたのか、頼もしいよ。ちょうど、頼みたいことがあってね」
「演劇の伴奏ならお断りしますよ」
トムが先に断ると、ケトルバーンは顔を半分こちらに向け、愉快そうに笑った。本人としては楽しそうに笑ったつもりなのだろうが、左目を含む顔の半分が包帯に覆われているので、いささか不気味である。
「手厳しいな。そのことも頼もうと思っていたが、今回は違ってね」
ケトルバーンは世話をしていたであろう生物に背を向けると、ひとつの古びたトランクを出してきた。
「簡易版のトランクだ。一昔前は捕獲袋と呼ばれていてな、一時的に魔法生物を保護することができる」
「なにか新しい魔法生物を捕獲しろと?」
「このなかにニュートのヒッポグリフを隠して欲しいんだ――そんな険しい顔をしないでくれ。これには深い事情がある」
ケトルバーンはそう言うと、声をわずかに潜めた。
「実は魔法省からの勅命でな……ホグワーツのヒッポグリフとセストラルを供出するようにと」
「海峡を越え、新しい部隊を送り込むためですか?」
「違う違う。撤退のためだよ。おっと、人には話すんじゃない。あくまで極秘の命令だ」
ケトルバーンは極秘という言葉を口にすると、もう一度、辺りを見渡した。
「魔法省は闇祓いを含めた魔法兵の引き揚げを決めた。数日以内に、ダンケルク周辺に兵を集め、一気に海峡を渡らせるという方法になるが……何分、天馬が足りなすぎる」
「だから、先生はセストラルを整えていたんですね」
トムは、先ほどまでケトルバーンが世話をしていた魔法生物がいるであろう場所に目を向けた。すると、ケトルバーンはくすっと笑った。
「そこにはいないよ。いまは、あっちで食事中だ」
ケトルバーンが指さした方を見れば、地面に置かれた生肉が自然と持ち上がり、豪快に削られていく様子が分かった。おそらく、あの場所にセストラルがいるのだろう。肉のとりあいでもしているのか、両側から引っ張られているのが見えた。
「セストラル、僕も見たいものです」
「見ない方が幸せだよ、絶対的にね」
ケトルバーンの顔から笑みが消え、真面目な口調で言い放つ。だけど、それも一瞬で、すぐに見慣れた笑みを浮かべていた。
「どこまで話したっけ? ああ、そうだ。数日以内にホグワーツの天馬を率いて、ダンケルクに向かう手はずになっているんだ。そのとき、ニュートのヒッポグリフが残ってると、魔法省に難癖をつけられるかもしれない。だから、捕獲袋に入れて預かって欲しいんだ」
「餌は?」
「捕獲袋の内部に自動給餌機がある。二週間くらいなら問題ない。1日に1度、ヒッポグリフを取り出して、健康状態の確認をすること。君ならできるはずだ」
ケトルバーンはそう言うと、ニュートから預かっているヒッポグリフだけを集め始めた。
「ニュートがどこにいるか分かればいいのですが……先生ならご存じでは?」
「……いまはフランスでドラゴン部隊の指揮をとっているはずだが、すでに帰国命令が出ているだろうよ」
ケトルバーンの声色は心なしか暗く、トムは不安な気持ちになった。
「ダンケルクから撤退するということは、すでにグリンデルバルドも勘づいてますよね?」
トムもヒッポグリフの誘導を手伝いながら、教授に向かって尋ねる。
「ダンケルクでなくても、海沿いのどこかから脱出しないといけないと」
「そうだろうな。どこかしらの部隊を囮に使うくらいはするだろうが……魔法大臣の考えは、私には分からん。私がすることは、フランスに残された部隊を救出し、ホグワーツの天馬が一頭も欠けることなく戻ってくるよう努めることだ――いいか、君のすることは、ヒッポグリフの入った捕獲袋を守ることだ」
ケトルバーンは釘をさすように、最後の言葉を付け加える。
「はい、先生」
トムは物分かりの良い顔で頷いたが、内心は違った。
ケトルバーンに同行し、戦地に向かいたかった。この目でニュートの無事を確かめたかった。フランスを蹂躙しようとする敵を目に焼き付け、反撃の一手を編み出したかった。ジョナサンのことも心配だった。ダンケルクからパリまでかなりの距離があるが、状況を知ることはできる。
しかしながら、ケトルバーンに別の任務――という名目の待機命令を下された以上、いまのトムにはどうすることもできなかった。
ただ、何もせず待つばかりというのは、どうにも肌に合わず、もやもやとした日々を送っていた。
アイリスの誕生日パーティまでは。
※
ティナ・ゴールドスタインの登場は、トムにとっての転機だった。
ニュートの知り合いを名乗る彼女は、ドーバー海峡を渡りたがっていた。彼女の視線はあくまで子どもに向けられるもので、ヒッポグリフを渡したらすぐに置いて行かれることは目に見えていた。だが、口調や仕草からとにかく焦っていることが伝わってくる。そこをつけば、自分も同行できると確信した。
アイリスの誕生日を最後まで祝えなかったことだけが心残りだが、すぐに戻って再開すればいい。アイリスも「ニュートを助けて戻ってくるなんて、凄いわ。英雄的よ」と褒めてくれるに違いなかった。
「それで、ニュートから預かったヒッポグリフはどこ?」
ティナが聴いてきたので、トムは自身のトランクを掲げた。
「このなかにいるよ。だけど、本当に僕を連れて行ってくれるんだよね?」
「……ええ、もちろん。そのトランクを渡して」
「危ないよ」
彼女が手を伸ばして来たので、トムはトランクを力強く抱えた。そのまま一歩だけ下がり、彼女の眼をじっと見つめる。
「僕のトランク、内部が迷宮になってるんだ。ついこの間、1年のセオドール・ノットが勝手に忍び込んでね、迷子になったばかりだ」
「迷路? 何故?」
「ニュートのトランクの模倣だよ。僕の研究成果を勝手に奪われるわけにはいかないだろ?」
トムはすらすらと嘘を並べた。トムのトランクから何でも出てくることに、1年生のノットは興味を惹かれ、こっそり忍び込んだのは事実だったし、それに気づいたトムが悪戯心でトランク内部を迷路化し、泣かせてしまったのも本当のことである。だが、とっくに迷宮化は解いているし、ヒッポグリフたちの居場所は入口付近に置かれた捕獲袋の内部だ。ましてや、相手は歴戦の闇祓い。迷うことなど、万が一にもないだろう。
「ノットだけじゃない。呪文学のローネン先生も迷いかけた。トランク内部に構築した検知不可能拡大呪文の確認をしてもらいたくて案内したとき、はぐれかけちゃってね。先生は危うく噛み噛み白菜に食い殺されるところだった」
「噛み噛み白菜を育てたの?」
「そうだよ。オミニスさんから教えてもらったんだ。魔法生物同様、植物も心強い味方だって」
「だけど、君……何年生?」
「2年生」
すると、ティナは信じられないものを見つけたような表情を浮かべる。
無理もない、噛み噛み白菜のような危険な魔法植物は5年生でも扱いに苦労するのだ。そもそも、普通の2年生が検知不可能拡大呪文を習得するはずもない。
トムはますます笑みを深め、杖を取り出した。
「嘘じゃないさ。信じられないなら、貴方の指定した呪文を放ってみせるよ。いまここで。自慢じゃないけど、ホグワーツの決闘クラブ『杖十字会』で僕より強い人は1人だけ。決闘の枠組みやルールをなくしたら、僕が間違いなく最強だ」
トムは不敵に笑ってみせた。
すると、そのときだった。
「決闘の枠組みを外しても、アラスターには敵わないかもしれないぞ?」
トムの背中に重厚感のある声がかけられた。トムは弾かれたように振り返り、驚きの声をあげてしまった。
「ダンブルドア教授……ッ!?」
そこに立っていたのは、アルバス・ダンブルドアだった。
朝食の席に現れたときと同じ紳士的な服を纏い、帽子を被っている。ダンブルドアは帽子をちょっとだけつまみあげ、ティナに会釈をした。
「初めまして、ポーペンティナ・ゴールドスタイン。アルバス・ダンブルドアだ。君のことは、ニュートから聞いているよ」
「あなたが……どうしてここに?」
「それはこちらも聴きたい。君は本当にここに来て良かったのかい?」
ダンブルドアに尋ねられ、ティナの顔色が曇った。目には迷いが浮かび、あからさまに動揺しているのが感じられた。だが、心を落ち着けるように数度深呼吸をすると、今度は貫くような決意の固い目でダンブルドアを見上げていた。
「クイニーとジェイコブが帰ってこなくなって、しばらく経ちます。間違いなく、グリンデルバルドが関係しているというのに、魔法省大臣は――いえ、アメリカ魔法界は動こうとしません」
「ジェイコブとクイニーが? それは本当か?」
ダンブルドアが静かな声で聴くと、彼女は小さく頷いた。
「ジェイコブのおばあさんがポーランドで迫害を受けていたらしくて、彼は単身でポーランドに渡りました。だけど、ニューヨークの港に現れたのはおばあさんだけ。ジェイコブはおばあさんを助けるとき、一緒に逃げた他の人の身代わりになって、ゲットーに囚われてしまったんです」
ティナは最初こそ淡々と事実を語っていたが、だんだんと涙声が混じり始めていた。
「クイニーはすぐにポーランドに渡りました。『私は魔女なのよ。マグルのゲットーからダーリンを助け出せる』って……それなのに、あれから一通のふくろうも届かない。きっと、なにかあったんです!」
ティナも最初はポーランドに潜入することを考えたらしい。だが、いまの自分が単身で渡ったところで、なにができるのかとも思ったそうだ。かといって、アメリカ人が被害を受けているというのに、アメリカ魔法界は救出に動く気配がなかった。
そこで、ティナは魔法省に辞表を提出した。
ニュートのいる英国魔法界には、グリンデルバルドの脅威が迫りつつある。そこならば、闇祓いとしてグリンデルバルドを倒すための活動をしつつ、クイニーとジェイコブを助け出す方法を講じることができるのではないのか、と。
「2人の子どもは、ジェイコブのおばあさんに預けてきました。魔法にも理解のある方で、2人も懐いています」
「……そうか」
ダンブルドアは一度だけ目を瞑る。
まるで、なにかを悔いるように……そのあと、鮮やかな青い眼で彼女と――そして、トムを見た。
「ティナ、トムを連れて行くといい」
「ですが、この子はまだ……」
「2年生だが、新人の闇祓いより強いよ」
ダンブルドアはトムの肩をポンっと叩いた。
トムは驚いて彼を見上げる。授業中、ダンブルドアに褒められることは何度もあった。寮に点数を貰ったことは数えきれない。しかし、いつもと目つきが違った。
「だが、トム。約束して欲しい。必ず、生きて帰って来ることを」
いつかの授業で、トムがネズミを変身させたカップを危うく割りそうになった時以上に、真剣で冷徹な眼差しをしていた。
トムはごくりとつばを飲み込み、青い眼を見つめ返した。
「グリンデルバルドの手先は、間違いなく死の呪いを放ってくる。緑の閃光だ。触れた瞬間、即死する。それを防げる者はいない」
「盾の呪文を使えばいいのでは?」
「盾の呪文では防げない」
ダンブルドアの言葉に、トムは目を見張った。
たいていの呪文は盾の呪文で防ぐことができる。杖を使って呪文を唱えずとも、手を払うだけで盾を形成することができた。トムがムーディに敗北するときは、いつもこの盾の隙間を縫われたり、盾の死角から攻撃をされたりするときであり、盾の呪文自体は無敵で敗北知らずである。
その盾呪文が効かない魔法があるとは、にわかに信じがたかったが、ダンブルドアの言葉にはいつにも増して重みを感じる。
「避ける以外に方法はないのでしょうか?」
「理論上、1つだけ存在するが……魔法使いの長い歴史において、死の呪いを受けて生き残った者は一人としていない」
「分かりました」
トムは力強く頷いた。
だけど、どうしても――ダンブルドアが発した「理論上」という言葉が気になり、聞き返していた。
「理論上、どうすれば助かるのか……聞いても良いですか?」
ところが、その答えはトムの期待するものではなかった。
ダンブルドアは口元をわずかに緩めると、短く答えを口にするのだった。
「愛だよ。トム、愛の力だ」