真面目そうな地味はメガネをとったらもちろん美少女。そんな彼女は中学3年生でちょっぴりエロい。ラブラブカップルの一年間。生成AI画像付きでどうぞ。

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地味っ子側のリア充生活。
メガネを取ったら美少女という王道設定で、作りました。

こんなざっくりとしたストーリーでもけっこうカワイイです。


地味っ子メガネがちょっぴりエロい

 

※※※

 

 小学生の頃の葵(あおい)は明るくて自信家で可愛かった。男子からの人気が高かったが地元公立中学へは進学せずに私立中学受験をした。

 

 俺は葵に片想いをしていて、同じ難関中学を受験。無事に合格をしたものの中学1年・2年と別のクラスで接点はまるでなし。片想いを継続したまま無駄に2年間を過ごす。

 

 そして中学3年。やっと葵と同じクラスになったが、毎日何か声をかけようとしては挫折した。その勇気も出ないまま4月も下旬になった。もうすぐゴールデンウイークで焦りばかりが募っていく。

 

 幸い葵に彼氏ができた話は聞かない。浮いた話もぜんぜんないし、誰かが葵を好きという噂も聞かなかった。

 

 葵は中学でどういうわけか地味なメガネをかけて大人しく過ごしていた。俺の観察する限りはたいてい女子と平和に過ごしている。小学生の時とは別人のようだった。

 

※ ※ ※

 

 そんなある日の放課後、葵が1人教室に残って何やら作業をしていた。優等生だし、何か委員会か学級の仕事かもしれない。勉強を放課後の教室でするとは考えいにくい。

 

 俺は声をかけようとして教室に無駄に残っていた。窓の外からは部活の音が聴こえる。

 

「あのさ・・・葵・・・」

 

 言葉が見つからなかった。「何の作業してるんだ?」とか、「小学生以来の同じクラスだな」とか、いろいろ考えたけれど、どうにもまとまらないし、だいたい気の利いたことなんて言えないし、でもここで声をかけなければ家に帰って後悔するのはわかっていたし・・・

 

 それでとりあえず名前を呼んだ。

 

 葵は作業をしている手を止めて顔をあげた。地味なメガネをかけている。

 

画像① 放課後の葵

 

【挿絵表示】

 

 

「・・・何?」

「映画行かない?」

「はい?」

「・・・」

「・・・」

 

 自分で引くぐらいにストレート。3年ぶりに話しかけて、いきなりデートを誘うとかありえないとすぐに自覚した。

 

 まるで世界の時間が止まったようだ。

 

「・・・」

「・・・」

「・・・」

「・・・」

 

 何の返事もない。もしかして聞こえなかったか。

 

「えっと、映画・・・好きか?」

「なんの話をしているの?」

「葵の話、・・・いや、映画の話か?」

「そうじゃなくて、もう少し文脈をもってわかりやすく説明してくれる?」

「ああ、うん・・・」

 

 自分の顔が真っ赤なのを自覚した。けど、葵の顔も赤く染まっている気がする。

 

「文脈って・・・起承転結のことだよな?」

「違うと思うけど」

「えっ、文脈って何・・・」

「意味のつながりかなぁ・・・」

「ああ、うん。だからだな・・・起承転結だろ」

「もうそれでいいよ」

 

 そういって葵はおかしそうに笑った。あんまり学校では笑わないから、とても可愛く見える。口元を隠して女の子らしい仕草だ。

 

「いつからかはっきり覚えてないけど、俺は葵が好きだ。これが『起』。でもって、今までずっと片想いしてた。これが『承』でいいのか?」

「・・・」

「それで、今日、葵が1人だったからやっと声をかけた。『転』だな」

「・・・で、『結』は?」

「お前の返事」

 

 葵の顔が真っ赤になっている。どっちの顔が赤いだろう。手のひらを俺にみせて、『ちょっと待ってくれ』のジェスチャーをしている。

 

 教室に誰も来ないことを願うばかりだ。

 

「まず、告白ってもう少し考えてするものじゃない?」

「すまん」

「別に謝らなくてもいいけど、心の準備みたいのが普通あるでしょ?放課後に校舎裏に呼び出すとか、手紙とか、ケータイでのやりとりとか、順序みたいのが」

「すまん」

「突然告白されても困るんだけど」

「でも、告白するから準備しておいてとか、それってもう告白だろ」

「知らないよ・・・」

 

 葵が溜息をひとつついて、作業に戻った。

 

 俺は立ったまま黙ってそれを見ていた。5分が過ぎ、10分が過ぎ、葵が部活の引継ぎのためのマニュアルを作っていることがわかった。

 

 せかしてもしょうがないので、俺は1つ離れた机に座って葵の返事を待つ。

 

 葵が作業を終え、筆記用具などを片付け、書いたレポートをクリアファイルに入れ鞄にしまった。

 

 それから立ち上がって、教室から出て行こうとした。

 

 俺はその姿を見送る・・・わけにはいかない。

 

「おいおいおい、葵。返事、返事をくれよ」

 

 葵は振り返った。その姿もカワイイ。いつのまにかずいぶんと成長している。小学生の時のような小動物的な溌剌さはなくなって、落ち着いた雰囲気だ。

 

「・・・うん」とうなずいた。それから走るように教室から出て行った。

 

「・・・OKってことだよな・・・」

 

 俺としてはデートの予定とか、見る映画とか相談したかった。

 

※ ※ ※

 

 翌日の放課後になんとかケータイの連絡先を交換し、家に帰ってからやり取りをする。

 

 日取りと観る映画が決まった。大人気アニメの劇場版というのは意外だったが、実写の恋愛ものなんかよりは気が楽だ。

 

 急追、俺は服を一式新調してデートに望んだが、葵はパーカー姿でおよそデートらしくない恰好だった。

 

 言葉数少なく映画館まで移動する。座席は予約済で現地で清算する。お金を払おうとする葵に、「最初のデートぐらい男を立ててくれよ」って言ったら了承してくれた。

 

「2回目もあるの?」と、聞いてきたあたりが実に葵である。賢そうにみえて少し抜けているところがある。

 

「そんなに資金があるわけじゃないから、図書館デートとかだな」

「中学生だしね」

「いいの?」

「何が?」

「2回目のデート」

「とりあえず、1回目終わってから考えようかな」

「ですよねぇ・・・」

 

 葵が売店のメニューを見ていた。ジュースやポップコーンが高い。

 

「高いね」

「高いな。何か食う?」

「別に食べたいわけじゃないんだけど・・・」

「喉がかわいた?」

「ううん」

「何?」

「テンプレ的にはポップコーンなのかなって」

「ああ、そうだな・・・なら買ってみるか」

「半分出すよ」

「いや、初デートだし、ここは俺が・・・」

「なんでも男が出すのを強要するのはよくないんじゃないかな。奢られる方もしんどいんだよ?」

「そういうもん?」

「うん」

「なら半分・・・」

「ううん。奢ってもらう」

「ふぁ!?」

 

 なんか楽しそうにクスクス笑っている。でかいポップコーンBOXを抱えてご機嫌な様子だった。

 

 座席についた葵が「あげないよ?」と言った。何かボケてるつもりなのか、判然としなかった。

 

画像② ポップコーンと葵

 

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「別にいいが・・・喉かわくんじゃね?」

「鞄に水筒はいってるから」

「持ち込み禁止だぞ・・・」

「固いなぁ・・・アキ君は」

「あっ」

 

 そっか、俺の名前は彰久と書いて「あきひさ」と読む。子供頃は葵に「アキ君」と呼ばれていた。小学校の頃はお互いによく遊んだが、高学年ぐらいからだんだんと遊ばなくなり・・・すっかり忘れていた。そういえば俺も「葵」といきなり下の名前で呼んでいた。

 

「何?」

「ああ、俺は『アキ君』だったなぁって、懐かしいな、久々に呼ばれた気がする」

「苗字呼びにした方が逆に恥ずかしいんだけど」

「そうだな」

 

 2人の時間が昔みたいに打ち解けるのは時間が必要かもしれないし、戻れるようなものではないのかもしれない。

 

 でも、そんなに大きな壁は感じなかった。

 

 映画がはじまり、映画が終り、喉の乾いた俺たちはそのまま解散をせずに某ハンバーガーチェーンに入った。

 

 そこでは葵が会計してくれた。

 

 あと、大事なこと言い忘れたけど、ポニーテールが可愛かった。

 

 ポニーテールがすごく可愛かった。本人には言えないから、ここで2度言っておく。

 

※ ※ ※

 

 葵はゴールデンウイーク中も塾があったのでなかなか遊べない。葵は塾に通っていた方が生活のリズムがしっかりするからいいんだそうだ。俺はもう学校の勉強だけで精一杯なので塾は辞めてしまった。

 

 中高一貫なので内部進学できる。一般の公立中学と違う分、気楽といえば気楽だ。

 

 葵とは学校ではあまり会話をしない。その理由と地味っ子メガネを演じている理由を話してくれた。

 

「私さ、小学生の時いじめられていたんだ」

「へぇ・・・なんか女子から浮いているなぁとは思ったけど」

「うん。ひどいいじめでなかったと思うけど、ハブらているというか、陰口をいつも受けていたと言うか。女子のいじめって陰湿だからさ」

「原因は?」

「男子。ほら、私はよくもててたし・・・」

「自分で言うか」

「言うよ。そうでもなかった?」

「そうだと思うけど」

「ならいいじゃん。ちゃんと自己分析を客観的に出来てる証拠だよ」

「まぁそうかもしれないけど。それで?」

「告白してきた男子とかいて、その子のことを好きな女子から嫌われたのがきっかけじゃないかな」

「あ~、わからんでもないな」

 

 そんなこんなで中学では地味に過ごしたいんだそうだ。

 

「それでキャラ作りしてみたんだけど、これが意外と気楽というか、性分にあっていて」

「地味キャラ?」

「優等生キャラといって欲しいけど」

「元々仕切りたがりだったもんな」

「そうかなぁ。一応妹キャラでもあるんだけど」

「姉がいるんだっけ」

「4つ上のね」

「その割にはしっかりしているよな」

「親がチャランポランだからじゃないかな?反面教師というか」

「・・・そうなんだ」

 

 学校外では普通に話をするので、電車の乗り換え駅のあたりで待ち合わせして、そこからは地元まで一緒に帰るようになっていった。

 

「あんまりめんどなことに巻き込まれたくないから、学校では仲良くできないからね」

「わかった」

「でも良かったよ。アキ君が空気も読まず告白してきてくれて」

「なんだそりゃ」

「男子を避けてこっそり生きてきたものの、このまま青春時代がまったく色気もなしに終わるんじゃないかと少し不安だったから」

「その気になればモテるんだから、不安はなそうだけどな」

「女心は複雑なの」

 

 モテたいけど、モテたくないというのは確かに複雑だ。

 

「メガネぐらいもう少しカワイイのに変えてみたら?」

「やっぱりそう思う?」

「うん。まぁ・・・今のままでもいいとは思うけど」

「じゃあ、メガネ買うの付き合ってくれる?」

「それはもちろんいいけど」

 

 メガネを外すと美少女になるというのはマンガ定番の設定だが、それを地で行く葵は自分が美少女であることを自覚している点が少し違う。鏡を毎日見ているのだから当然といえば当然か。

 

 多くの年頃の女の子が少しでも可愛くあろうと努力しているのに、それを隠す事に努力するというのも健気で泣ける。

 

 そういうわけで、葵はメガネを新調して赤いメガネにした。イメージもだいぶ変わって大人しいが明るい印象になった。

 

※ ※ ※

 

 そんな葵との学校での接点は少なかったが、体育祭ではクラスリレーの選手を一緒にやった。

 

 普段は茶道部と文芸部と書道部を掛け持ちして、影の薄い文化部代表みたいな葵だったが、運動は元々得意だった。

 

「ほんとうはバスケやりたかったんだけど」

 

 ならやればいいと思うがメガネを外すのが嫌だったらしい。そこまでして自分を隠す必要があるのかどうか。

 

 休日に電車で陸上競技場まで行って、2人でリレーの練習をした。葵の提案だったが200円程度の入場料でトラックアンドフィールドが自由に利用できるのは驚いた。

 

 なんでわざわざこんなとこまで?と思ったが、学校では練習したくないらしい。

 

「ちょっとした思い出作りだよ」と葵が言ったが、確かにそうなった。

 

 葵は更衣室でちゃんと体操服に着替えてきた。俺は家からジャージの下にユニフォームを着てきた、(ちなみに一応陸上部)、帰りはシャツを替えるだけのつもりだ。

 

 葵がジャージのズボンを脱ぐと、紺色のブルマをはいていた。こんなのネットの画像以外でみたことない。

 

「・・・おい、そんなのまだあるんだな」

「えっちぃでしょ?ダメだよ、そんな目で見ちゃ」

「いやいやいやいやいや・・・わざとだよねぇ!?」

「わざとだけど、えっちくはないんだよ。陸上用だし」

「そういう問題か?」

「そういう問題でしょ。学校では絶対着ないけど」

「そりゃな・・・」

 

画像③ ブルマの葵

 

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 準備体操しているだけでもエロいので、思春期の俺としては股間を正常には保てない。

 

「男の子だなぁ・・・」としみじみと葵が感想を言った。

「あのな・・・」

「とにかくエッチな目で見ちゃだめだから」

 

 無理難題。準備体操してから一緒にストレッチをする。開脚前屈している葵の背中を押してみるが、体はなかなか柔らかい。あと思ったよりもずっと華奢な体つきだった。

 

 なんとか耐えて、その後トレーニングを一緒にした。俺は一応陸上部なので走り方のレクチャーをする。葵は運動が好きなので覚えるの早いしセンスが良かった。

 

 かくして、葵の思惑通りにいい思い出作りができた。思い出というか、目にブルマ姿が焼き付いてしまい、新しい性癖に目覚めたともいう。

 

 以後、なんど夜のおかずでお世話になったか・・・げふんげふん。

 

※ ※ ※

 

 夏休み前には関係をはっきりさせたくて、葵に相談したら、「ああ付き合うってこと?よろしくね」とあっさりとした回答が返ってきた。

 

「俺でいいんだ・・・」

「今更だよね」

「もうちょい悩んだりしないのか?」

「よくわかんないけど、あんまり気を使いたくないし、地味キャラの私を好きになってくれる人が他にいるのかな?」

「メガネ変えてから少し噂になってるけどな」

「へぇ・・・気をつけよっと」

「なんだか変装しているみたいだな」

「そのつもりだけど」

 

 たぶん葵は少し変なやつなんだな。

 

「たまにはコンタクトでも使ってオシャレしてみたら?」

「そう?じゃあオシャレしてデートしてあげるからケーキでも奢ってね」

 

 そういうわけで、夏休みに葵が俺の彼女になり、デートする時にオシャレをしてくるようになった。

 

画像④ ケーキと葵

 

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 コンタクトにして女の子らしい恰好をすると、流石の美少女っぷりで、こっちが緊張する。おまけに営業スマイルのような笑顔をしてくる。

 

「私ってカワイイよねぇ・・・」

「おう・・・」

「彼女なんだし、ちゃんと褒めた方がいいと思うけど?」

「あっ、うん・・・可愛いです」

「よし」

 

 本人曰く、ウルトラマンみたいなもので長い時間を美少女ではいられないらしい。難儀な性格だな。

 

 俺としてもメガネをかけた地味っ子の葵も好きなので助かる。あと美少女モードの時はちょっと下半身がもぞもぞして落ち着かない。いや、いつもか・・・

 

※ ※ ※

 

 夏休みも一緒に過ごすようになった。お互いの家にはいかず図書館デートか、部活がある時は一緒に学校へ行くようになった。人がいないのであんまり目立たない。駅から学校はさすがに別々に歩いた。隠しているつもりはないけど、妙な噂にはなりたくないらしい。

 

 そんな夏の暑い日に、ガリガリ君をかじりながら、「プール行こっか」と葵が言った。近所に安い市民プールがある。

 

 俺はもちろんOKをして、トランクスタイプの水着を買った。さすがにスク水という年齢でもない。

 

 葵は競泳水着だった。水着なんて何を着てもエロいものだと思うが、葵の発育した体のラインが出るのは流石にくるものがあった。

 

 俺からは何も感想が言えないが、葵は平然と俺の水着をみて、

 

「つまんない。そこはブーメランじゃないの?」と言った。

「いや、恥ずかしくて無理だろ・・・それにマッチョでもないし」

「そう?そこそこいい体していると思うけど」

「なんか男女逆だな・・・なんでそんなおっさんみたいな発言してるんだよ」

「だって、アキ君は私をじろじろとやらしい目で撫でまわすように見るだけで、ちっとも感想いってくれないから」

「いやぁ・・・」

 

 正直、セクシーすぎて言葉にでない。まじかで見るもんじゃないな。付き合っているとは名ばかりの、まだ手も握ったことない相手だから戸惑うばかりだ。

 

 それから市民プールでバシャバシャと遊んだが、何かスイッチが入ったようで「競争しようか」と葵が言う。

 

 往復の50メートル自由形。賭けるのは「キスする権利」で、俺が葵にしてもらえるらしい。

 

 この場合、俺に拒否権がないのが前提なわけだが、勝っていいのか、いけないのかよくわからない。

 

 けれどそれは杞憂に終わって、葵は俺なんかよりもずっと泳ぐのは速くて勝負にならなかった。

 

 勝った葵が満足そうに満面の笑みを浮かべている。

 

画像⑤ 競泳水着の葵

 

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「しょうがない。勝ったお前に、俺がキスしてやろう」

「うん、いらない。もっとそういう雰囲気が作れたらね」と、まったく相手にされない。

 

 誘われているかと思えば、からかわれる。俺が葵を好きなのでしょうがない気もするが、恋人としての仲はあまり縮まっていない気がする。焦ってもしょうがないけど。

 

 あと特筆すべき点があるとすれば、平泳ぎを真後ろから見るとすげぇエロくて、我慢できずに途中でトイレいったことぐらい。

 

 平常心で我慢するには無理ゲーすぎた。

 

※ ※ ※

 

 夏休みは楽しく過ごせて、部活のための登校も楽しかった。これを機に2学期からも登下校はできるだけ一緒にしたいと思う。

 

 お金がないので図書館デートが多く、あとはマックの上でシェイク一杯で粘り、ケータイの小さい画面でアニメを一緒に見たり、音楽を聴いたりした。

 

 お盆休みが終わった頃に、葵がプールのチケットを貰ってきた。大きなプールで波のプールやウォータースライダーがある。

 

 葵は新しい水着が欲しいらしく一緒に買いに行くことになった。

 

 その時はさすがに試着を見せてくれたり、水着に関する意見を聞かれたりはしなかった。

 

「思ったよりも恥ずかしくてアキ君をからかえなかった・・・」と葵が店を出た後にいった。そりゃそうだろう。

 

 葵はちょっと変った子だと思うが、一体どの方向を目指しているのかわからない。本人もキャラに迷走している自覚があるようだ。

 

「何がしたかったんだ?」

「もっとこう・・・お姉さんキャラでアキ君の顔を真っ赤にするような・・・」

「で、実際には?」

「平静を保つので精一杯で、アキ君なんて連れてくるんじゃないかった」

「ひでぇ言われようだな・・・」

 

 帰りに屋台でラムネが売っていたので飲んだ。夏らしいデートだったと思う。

 

※ ※ ※

 

 プールデートは楽しかった。そしてエロかった。もう中三なんて煩悩しかない。俺はきっと下半身の付属物か何かなのだ。

 

 葵はセクシー路線でなく、カワイイフェミニンなピンクの水着を選んでいた。

 

「ちょっと子供っぽすぎるかな・・・」と反省していたが、俺としてはとても似合っていると思う。

 

「いいんじゃないか?可愛いと思うぞ」

「可愛すぎるんだよね・・・もっとこう・・・セクシーさとか欲しかった」

「じゃあなんでそれにしたんだよ」

「水着を選んでいる時に、アキ君がこの水着を何度もみてたから、好みなのかなぁって」

「ああ、うん。大正解」

 

 バレバレだった。

 

「だったら、もう少し褒めてくれてもいいんじゃないかな~」

「すごくカワイイと思う」

「どれくらい?」

「そうだな・・・」

 

 変な言葉しか思い浮かばなかったので、口に出すのはやめた。

 

「とにかくすごくカワイイよ。ここにいるどの子よりも」

「そう?ならいっか」

「メガネはしたまんまなんだな」

「あとではずすけど」

 

画像⑥ ピンク水着の葵

 

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 波のプールでは浮き輪をつけて漂った。目線が合うとニコッと笑う。太陽も笑顔もまぶしい。

 

 2人乗りのウォータースライダーでは、俺が後ろになった。葵の胸を後ろから覗き込むように堪能する。けっこう大きくて谷間がしっかりとあった。普段は着痩せするタイプなのかもしれない。

 

 指一本触れていない俺は、紳士なのか、チキンなのか。まぁ後者なのは自覚している。

 

※ ※ ※

 

 夏が終り、秋になった。

 

 葵と一緒に勉強することが多くなったので、俺の成績が伸びている。葵はトップクラスの優等生であるが、俺は部活組にしては頑張っている方だ。

 

 陸上部では芽が出なくて、表彰されたリ、大会で結果を残したりする事はなかった。けれど中間考査で50番以内になり、貼り出された成績に俺の名前がのっている影響は大きかった。

 

 中学のうちは男女共同の陸上部なので(人数が10人にも満たないせいもある)、後輩女子がいるのだが、その1人から「勉強を教えてください」と頼まれた。

 

 勢い了承したものの・・・

 

※ ※ ※

 

画像⑦ 図書館の葵

 

【挿絵表示】

 

 

「別れようか?」

 

 葵にそのことを話したら怒った。

 

「いやいやいや、浮気とかじゃないからね?」

「浮気かどうかはアキ君が決める事じゃなくて、私が決めることだと思うんだけど?私の心が傷ついたら、それはもう立派な浮気なんじゃないかなぁ」

「いやいやいや、ただの後輩だよ?陸上部の」

「うん。陸上競技を教えている分には私は何も口出してなかったよね?」

「ほら、ここ図書館だし・・・もう少し静かに・・・」

 

 葵の声のトーンが高い。このあたりはマナーがいい葵なだけに、けっこう本気で怒っているのがわかる。

 

「帰る」

 

 鞄に慌ただしくノートと筆記用具などをしまって、葵は立ち上がった。

 

「落ち着けって、断ってくるから。ちゃんと断るから」

「私はそういう男女のトラブルが嫌だってわかってる?」

「あっ・・・はい」

「わかってないよね?」

「あの・・・声」

「だから、帰るって!」

 

 図書館中に葵の声が響いた。

 

 正直驚いた。けっこう冷静なキャラだっただけに、こんなに激情するとは思わなかった。

 

 俺はのこのこと葵の後ろについて図書館を出た。

 

 その日は口も聞いてくれなかった。ケータイでは既読すらつかない。

 

 俺は絶望した。まさか後輩女子の勉強をみる約束だけで浮気騒動に発展するとは思わなかった。

 

 そういうわけで、問題は迅速に解決しないといけない。俺は次の部活の時に後輩女子に「ごめん。勉強はみてあげられない」と断った。そのご、理由を追及された俺は「彼女がいる・・・」と打ち明けた。

 

 これがなかなか波紋を生んで、その後輩女子は泣くは、その友達からはひどい男呼ばわりされ、同じ部活の同級生女子からは、「だったら、彼女がいないなんて言っちゃダメでしょ」と怒られ、「サイテー」と付け足された。後輩の相談にも乗って背中を押したらしい・・・

 

 陸上部の他の男子によると、後輩の気持ちは誰がみてもわかっていたので、いつくっつくのかと見ていたらしい・・・と聞かされて驚いた。

 

 俺は知らないうちに、泥沼にはまっていたようだ。

 

 その後、誰と付き合っているのか追及されたが、迷惑が葵に及ぶのが怖くて黙秘した。人望はだだ下がりで、当の後輩女子は友達も含めてまとめて退部してしまった。

 

 まじ胃が痛い。

 

 おまけに葵は相変わらず既読無視状態。学校では素知らぬふりなので、取り付く島もない。

 

 どうしようもないので、葵の自宅まで押しかけてチャイムを鳴らす。休日なので葵の両親がいたが、「葵に会いたい」と直訴した。

 

 お母様は何か楽しそうだと目をランランと輝かせて迎えてくれたけど、お父様の目は死んだ魚みたいになっていた。

 

 ケーキまで出されて待つ事1時間。葵がやっと部屋から出てきた。

 

 俺は混乱していたのか、両親がいるにも関わらず事の顛末をすべて話した。興奮しすぎたのか話しているうちに泣いてしまった。

 

 話を聞いていたお母様が「えっ?別に何も悪くなくない?」と援護射撃をしてくれた。

 

「うん。それは知っているんだけど」と黙って聞いていた葵が同意した。

 

「ごめん」と俺は何度も謝る。

「別に浮気じゃないなら、そんなに謝らくてもいいんじゃないかな」

「そうだけど、ごめん。傷つけてしまって」

「別に傷ついてないけど」

「そうなのか?ならなんであんなに怒って」

「知らない。ただ・・・めんどくさいでしょ?」

「めんどくさい?」

「こういう男女のいざこざって、自分で知らないところで起こって、巻き込まれて・・・」

「ああ、うん・・・でも、俺も八方美人だったと思う」

 

 そう、後輩女子と楽しく過ごす時間も大切にしていた。まんざらでもない気分だった。あのまま勉強を教えていたら仲はもっと深まったと思う。そしたらもっと傷つけてしまったことだろう。反省ばかりだ。

 

「もういいから」

 

 葵が許してくれた。

 

 その日は夕食ですき焼きを御馳走になった。

 

 両親公認ってことでいいのかな。

 

※ ※ ※

 

 クラスで俺の相手探しが始まった。誰も俺に彼女がいることを嘘だとは疑わなかった。いないなら後輩を断るわけがないからだ。

 

 俺が思っている以上に可愛くて有名な後輩女子だったらしく、振った俺はバカ呼ばわりされている。その点、俺はけっこう葵に一途ともいえるかもしれない。

 

 かくして俺の彼女が誰か?という噂で持ちきりである。なるほど、確かに煩わしい。

 

 そんなある日、クラスの女子が移動教室の途中に近くにやってきて、「彼女って葵ちゃんのことだよね?」とずばり当ててきた。

 

「何のこと?」としらばっくれてみるものの、「あたし見たことあるんだ。実はあたしも2人の地域に近くって、図書館デートをよくしているでしょ?」と言った。

「・・・内緒にしておいてくれ」

「ビンゴ!」

「おい・・・内緒に・・・」

 

 その女子の証言と探偵さながらに俺と葵の図書館での2ショット写真までケータイで記録されていて、みんなに暴露された。

 

 別に悪いことしているわけでもないし、俺がどうしても隠したいわけじゃないけど、けっこう不愉快だった。でも内心、葵が彼女であることを自慢したかったし、ちょっと嬉しい気持ちがあるのも自覚している。

 

「えっ、葵ちゃんとかマジ?」

「あの鉄仮面が?」

「うわぁ、俺ショックで無理だわ・・・」

 

 隠れ葵ファンが思いのほか多かった。『メガネを外すと超絶美少女』なキャラで有名だったのと、作ったような地味キャラを支持していたようだ。気持ちは痛いほどわかる。

 

 葵は机の上でエヴァのゲンドウのように手を組んで顔の前に置き、じっと黙っていた。

 

「ねぇねぇ葵ちゃん、いつから付き合ってたの?」という質問に対して、

 

「小学生の頃からずっと」と答えていた。

 

 騒ぐみんなの様子を楽しんでいるのだろうか、後ろ姿からはわからない。俺は否定もせずに同意しておく。

 

「いつから好きだったの?」と続けて聞かていた。これは答えないだろうと思ったが、

 

「小学生の時からずっと」とあっさり答えていた。

 

 俺も初耳だったが、というか現在進行形で彼女が俺を好きだと言ったことはなかったので、けっこう一方的な片想いなのかと思う時もあるので驚いた。

 

 ただ、あのポーズを葵がしているのは口元を隠すためだと分かった。ニヤニヤを押し殺しているに違いない。

 

※ ※ ※

 

 12月。クリスマスシーズンになった。恋人たちの季節である。

 

 あるとても天気が良かった休日。俺と葵は電車に乗ってクリスマスイルミネーションを観に行った。

 

「あのさ・・・前から言おう、言おうと思ってたんだけど」

「ん?」

「恋人らしいことしようとしないよね」

「えっと、なんだ?」

「そういうのって女の子からリードすべきじゃないと思うだけど」

「えっと・・・エッチをしたいってこと・・・?」

「バカなの?死ぬの?」

「冗談だよ・・・」

「ふーん・・・冗談なんだ?思ってないんだ?」

「いやいやいや、その誘導尋問はやめて」

「・・・チキン」

「聴こえるようにぼやくなよ・・・」

 

 商業施設の巨大なクリスマスツリーを前にして、俺と葵はぼんやりと2人で立っていた。

 

 俺は葵の方をちらっと見る。今日はピンクのセーターを着ていてカワイイ。

 

 初めて、手をつないだ。

 

※ ※ ※

 

 帰りの電車で葵がうとうとと眠りだした。

 

画像 電車の葵

 

【挿絵表示】

 

 

『ゴンッ!』

 

 葵が後頭部を窓ガラスにぶつけて、恥ずかしそうにしたが、まだ眠いらしい。「俺に寄りかかって眠っていいよ」と言うと、少し迷ったみたいだが肩に頭を乗せてきた。

 

 寝顔が最高に可愛かったので、ケータイ記念撮影しておいた。

 

画像 寝ている葵

 

【挿絵表示】

 

 

 ね?

 

※ ※ ※

 

 バレンタインデーでは、終日一緒に過ごした。

 

画像 コートの葵。

 

【挿絵表示】

 

 

 とても寒い日で雪も少し降っていた。

 

 葵はチョコをくれなかった代わりに、

 

「キスしていいよ」

 

 といって、悪戯っぽい顔で目を閉じた。

 

 俺はずいぶんと迷ったが、チューした。

 

画像 キスの許可を出す葵

 

【挿絵表示】

 

 

 その唇は柔らかく、離れた後にもう一度チューした。

 

(おしまい)




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