ゲゲゲの謎 龍の花嫁ルート(旧題:龍の花嫁)   作:負犬惜志夢

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いやほんとに
(2024年2月10日)遅れました。


昼の話

休日というものをご存知だろうか

もちろんその文字の並びも姿形、意味や意義はよく知っている。

それでは存在は?

水木は休日というものがわからない。

それは勤め先が邪智暴虐な上司がおり、奴隷のように働かされているからそんな日が取れないというわけではない。

ちゃんと彼の会社では休みというものが設定されている。

そして彼は同僚がどう言った時間を過ごしているかを知っている。

寿司、焼肉、ラーメン、飯を食べに行く、飲みに行く。

ランニング、バッティングセンター、ゴルフ、人によってはカラオケ体を動かして鬱憤を晴らす。

スナック、キャバクラ、風俗、異性の方と交流を楽しむ浅く、深く。

一通りは誘われて行ったことがあった。

わからなかった。

場を盛り下げないような立ち回りをすることに必死で結局仕事より疲弊した。

みずきは生粋の仕事人だったというわけでもない。

労働は自分のものを奪われないようにするためにしているものであって仕事を好きだと思ったことはなかった。

─────と、このように羅列していったのには理由がある。

それは

 

「水木さん」

 

「──ぁあ、すぐに」

 

 

 

まっしろなワンピース

 

肩と鎖骨が露出していて、健康的な輪郭は見る者の視線を誘う

 

最初は前に手を組んでいたが

 

「…にあっ、て、ますか?」

 

自分をよく見て欲しい。

 

手を後ろに組んだ。

 

そんな少女の姿に、少女の想いに

 

水木は目を奪われた。

 

「────。」

 

頬は首筋まで赤く染まっている。

 

そして、少女の目。

目は口ほどに物を言うとは言うが

不安、怯え、嬉しさ、恥ずかしさ。そして大きな期待。

色とりどりの情動を抱き、自身を射抜いている。

水木は圧倒された

その上で

 

「沙代さん」

 

「...は、い」

 

褒め言葉というものがある

優れているものまた─────心を動かされたものに掛ける言葉である。

自身の言葉を尽くしてその存在に賛辞を与えるものである。

自分の内にある情動を形にして伝えることは、伝える側のそれまで生きてきて自分の内に蓄えてきたものからなっている。

他者の特に、異性に掛ける言葉となると燃え上がらない男はいないだろう。

しかし、あまりに飾り立てた言葉を使ってしまえばそれは滑稽な印象を与え、掛けられた者の気を害することもある。

さあ、そんな重大なイベントに当の水木は

 

「よく似合っています。」

 

シンプル。

取り立てて言葉を飾らず、最小限かつ簡潔に伝えた。

水木は会社の営業において一目置かれている。

普段から飾った言葉をかけることに至っては百戦錬磨である。

その水木が端的に沙代の装いを評したことはよく知る人が聞けば驚くことだろう。

そんな言葉を掛けられた少女は

 

「は、ぅ」

 

つい、気をやってしまうのであった。

 

出発は少し日が傾いてからにした。

 




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