此奴等が正規派閥なのは間違ってますか?   作:絶対偽悪

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昔々

 昔々あるところ、大地に空いた大穴があったそうな。

 大穴からは幾千万もの異形共が生まれ、人に仇をなし人々を困らせていた。

 

 そんな世界でも人々は頑張って生きており、やがてその頑張りを見守っていた神々は暇潰しも兼ねて力を貸してやることにした。

 

 蹂躙から始まり、英雄の台頭による戦争、そして神の力を借りたことによる手軽な強化で、ダンジョンのモンスターから魔石やドロップアイテムを搾取する探索の時代がやってきた。

 

 

 さて、神々が地上に下り困ったのは何もダンジョンだけではありません。魂の輪廻を管理する他の神々も仕事が増えてさあ大変。

 仕事を楽しむ者も居るが、やってられるかと自分達も地上に目指す神々が増えていくる。

 

 

 その神様もそんな神の一柱。

 あえてオラリオから適度に離れた森に降り、さあて眷属を探してみようと歩きだすと、森の中から鳴き声が聞こえてくるではありませんか。

 

 はて、こんな森の中に子供が? 神様は不思議に思いながら鳴き声の聞こえる方に向かうと、男の子が蹲り泣いておった。

 

「これこれ(わらべ)よ。こんな森の中、何故一人で泣いている?」

 

 男の子は顔を上げて神を見つめる。そして、ポツリと呟いた。

 

「盗賊が……」

 

 ははあ、さては盗賊に襲われてしまったのだろうと神様は思いました。それにしては身なりが綺麗な………ああ、なるほど、大人達に真っ先に逃がされたのだろう。

 

(わらべ)よ、泣いてはいけない。生かしてもらったあなたは、立ち上がり歩かなくてはその者達が浮かばれない」

 

 すると男の子は不思議そうな顔をするではありませんか。

 神様は首を傾げ尋ねます。盗賊に村が襲われわけではないのか? と。男の子は盗賊が死んでしまったと答えました。

 

 はて、その盗賊は君の親が居たのかな?

 

 男の子は首を横に振る。

 

 では、君の住んでいた村が食うに困ったのかな?

 

 男の子は首を横に振る。

 

 ならば、気の良い奴等だったのか?

 

 男の子は首を横に振る。

 

 ははあ、食うに困り落ちぶれた知り合いの村かね?

 

 男の子は首を横に振る。

 

 では、一体全体何故泣いているのか? 神様は気になり尋ねて見ることにした。

 

 男の子は漸く泣き止み、ゆっくりとを顔を上げ口を開いた。

 

「ボクが殺したかったから」

 

 

 

──────────────────

 

 

「それが私の初めての眷属との出会い」

「え、ホラーじゃん」

 

 昔を懐かしむように語る女神にヘスティアがドン引きしながら呟く。森であった子供が泣いていて、殺したかったとか言いながら顔を上げるって100柱中97柱はホラーという怖い話だ。

 

「でもさ、そんな悪党を殺してやる〜って復讐者でも君の派閥は正規派閥なんだろ? 何でオラリオから嫌われてるの?」

「それを話すには、暗黒期について語らなくてはいけないわね」

 

 

 

 

▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲

 

 

 

 暗黒期。

 ゼウスとヘラが黒竜に敗れ、ロキとフレイヤの襲撃によりオラリオから去った後、直ぐに訪れたオラリオの悲惨な時代。

 

 悪が幅を利かせ、正義は縋りつきこそされるも絶対性を示せず民が震えて暮らす暗黒の時代。その日も、血と怒号が響き、血が舞い、殺戮者の嬌笑と獲物の断末魔が奏でられた。

 

「『腐れ黄金の果実』」

 

 逃げ惑う者達に追い付き背を蹴りつけ腹から足先を出し、別の男に向かい蹴り飛ばし、近くの男の首を千切りながら詠唱する。

 短文詠唱。詠唱の短い魔法は、その分威力が落ちるのだが足元の魔法陣(マジックサークル)が威力を上げる。

 

「いやああああ! 兄さん!」

「馬鹿、逃げろ!」

「はっはぁ! お別れのチューしてやんなきゃなあ!」

 

 兄の首を持つ殺戮者に叫ぶ少女に、殺戮者はゲラゲラと笑いながら首を投げつける。両親を失い唯一の肉親である兄の首を受け止め──

 

「『パリス』」

 

 兄の首が爆ぜ、少女の上半身ごと消し飛んだ。

 肉片、骨片、臓物、血液が飛び散り、そんな仲間の無惨な最後に奥歯を噛み締めながらも逃げを選択する男。

 

「………あ」

 

 だが、遮るように現れた極東の服を着た男。剣閃が閃く。男の首が飛んだ。

 

「イゾー! もう来たのか!? はやいはやい、もっとゆっくりしてろ!」

 

 俺が全員殺すんだからー! と抗議する美少年に、極東の青年は呆れたように肩を落とす。

 

「その結果逃げられたら意味がないだろ。それに、殺し過ぎたらメアリーが怒るぞ?」

 

 呆れながらため息を吐く青年は、しかしその間にどんどん人を斬る。縦に斬り左右に分けたり、前後に分けたり、横に切り薄くしたり………。

 剣も盾も魔法による防御すら斬り伏せてみせた。

 

 男はあまりに鮮やかな剣技に血の一滴すらつかない刀身に日光を反射させ、そのスキルを持って万物を切り裂く。

 

 負けじと少年も獲物に襲い掛かり、血と臓物、人が死んだ匂いが辺りに充満する。と………

 

「そこまでよ!」

 

 紅色の髪をした少女が現れ少年と青年に向かい叫ぶ。2人はピタリと動きを止めた。

 少女は上半身の吹き飛んだ少女の死体を見て眉根を寄せる。

 

「良くも好き勝手………絶対に許さない!」

 

 少女が片腕を上げると周囲の血がその威に従うかの如く浮き上がり圧縮し、複数の剣が浮かび上がる。

 

「死ね!」

「あっぶな!」

 

 慌てて避ける少年。少女のスキルごと全て切り落とし、ただの血に戻す青年。と……

 

「はい、そこまで」

 

 無風の剣の雨を革を張り作った傘が止める。傘を指し直し、疲れた様子を見せるのはハイエルフの少年。

 

「全く君達は、身内同士で殺し合ってどうするのさ。それとアレク、こういう殺し方は良くないと何時も言ってるだろ?」

 

 ハイエルフの言葉に少年は肩を竦めペロッと舌を出す。反省してねえなこいつ。

 

「死ね、この狂人共!!」

 

 と、物陰に隠れていた生き残りがハイエルフに向かい………

 

「よっと」

 

 皮膚が残る人の頭部と手足の骨でできたメイスで殴り殺された。

 ハイエルフはん? と首を傾げて苦悶の表情を浮かべたまま固められたメイスとピクピク痙攣する男の顔を見比べる。

 

「ああ、親子! ん、兄弟? ヒューマンの年齢ってわかりにくいからなあ………ま、いいや。余った素材とくっつけよ」

「っ!!」

「あ、エド! この子達もお願い、怪我なんてさせたら承知しないからね?」

 

 と、少女の言葉にハイエルフは気絶してるだけの20から10の3人ほどの美女美少女を見つめ、面倒くさそうにため息を吐いた。

 

 

 

▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲

 

 

「エドー! メアリーが、また最初に風呂はいった〜!」

「メアリー! 君は最後って何時も言ってるだろ! ああもう、風呂を一度洗わなきゃ………」

「何よ、別に上がってから落とせばいいじゃない」

「ならお前もどうせ上がってから血ぃ落とすんだから湯船に血をいれるなよ」

「あら、忘れたの? 私はスキルで血を浴びれば浴びるほど、髪の毛や肌の艶が良くなるのよ?」

「そういえばそうだった」

「僕らの中で一番の年上だったもんね」

「年長者に譲るべきか………でも年寄りの風呂って最後のほうが良いってきいたような?」

「2人共、女性に年齢に関してどうこう言ってはいけない」

「イゾー! 好き、結婚して!」

「それは断る」

 

 などと和気藹々と話す四人の人類。そんな彼等主神(おや)たる女神はあらあら、と笑う。

 

「今日も皆仲が良いわね〜」

 

 

 

 

▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲

 

 

 

「盗賊を殺したかった? ああ、仇なのかしら?」

「違う」

「違うの?」

「人を殺したかっただけ」

 

 その言葉に女神ははて、と首を傾げる。

 

「それなら、村人を襲う方がまだ安全じゃないかしら?」

「何言ってんの? 人を殺しちゃいけないんだよ?」

 

 

 


 

 

最恐最悪のファミリア

【エリス・ファミリア】

 

殺戮者(カーネイジ)】アレク

趣味〘人殺し〙

ヒューマン

 

Lv.4

力∶E581

耐久∶A865

器用:B709

敏捷:S901

魔力:A803

対人類B

耐異常D

魔導C

《魔法》

【パリス・トロメア】

詠唱式『腐れ黄金の果実』

付与魔法・爆発属性

爆散鍵『パリス』

 

【オイノネ】

詠唱式『裏切りを持って毒と成せ』

付与魔法・毒属性

付与対象・傷

 

【アイスファイア】

詠唱式『凍えて燃えろ、爛れて凍れ』

二重属性(デュアルマジック)・氷/炎

苦痛増加

《スキル》

災血戦(エニュオー)

血液吸収(ブラッドドレイン)

血を浴びる事に全ステイタス上昇

対象が人類の場合効果向上

 

災厄ノ鎧(ブラッディカーネイジ)

生命吸収(エナジードレイン)

対象接触時体力回復

全ステイタス微上昇

殺害時全ステイタス大幅向上

『耐久』超向上

体力大幅回復

対象が人類の場合効果向上

 

【ボマー】

『パリス・トロメア』の効果向上

 

 

 

【人斬り】イゾー

趣味〘斬る事〙

ヒューマン

 

Lv.4

力∶E581

耐久∶D652

器用:S985

敏捷:S901

魔力:I54

対人類A

耐異常C

剣士B

《魔法》

【縮地】

詠唱式『瞬』

短距離転移魔法

《スキル》

【血染ノ月】

血液吸収(ブラッドドレイン)

血を浴びる度に『器用』大幅向上

体力回復

対象が人類の場合効果向上

 

 

【万物両断】

切断

回復阻害

 

【万里両断】

遠距離切断

 

 

血染め淑女(ブラッディ)】メアリー

趣味〘血浴〙

ヒューマン

 

Lv.4

力∶A972

耐久∶A912

器用∶F409

敏捷∶B897

魔力∶C770

対人類A

耐異常C

吸血鬼C

《魔法》

【ペイン・コーラス】

詠唱式『貴方の痛みは私の歌、貴方の叫びは私の愉しみ。さあ、共に歌いましょう』

苦痛魔法

対象に確率で『発狂』

対象・歌を聞いた者

感染拡大

 

【レッドカーペット】

詠唱式『古い痛みを差し出して。私は新しい苦痛を与えましょう』

出血魔法

古傷に効果大

 

【アイ・スクリーム】

詠唱式『赤、朱、紅。紅に染まる血染めの歌。私の苦痛をあなたにあげる』

砲撃魔法

損傷吸収(ダメージドレイン)

損傷度合いで効果向上

瀕死時効果超向上

《スキル》

吸血姫(ヴァンパイア)

血液吸収(ブラッドドレイン)

吸血行為による若返り

吸血行為による回復力超向上

吸血行為による魔力回復

吸血行為による全ステイタス上昇

対象が人類の場合効果向上

 

紅血ノ貴女(ブルーブラッド)

血液操作

血液硬化

 

 

【工房妖魔】エド

趣味〘ものづくり〙

ハイエルフ

Lv.4

 

力∶C708

耐久∶D690

器用∶A992

敏捷∶D675

魔力∶A934

対人類B

神秘B

耐異常C

《魔法》

【コカトリス・アイズ】

詠唱式『我が目は蛇』

麻痺魔法

 

【ロレンス】

詠唱式『結ばれない願いに安らぎを』

仮死魔法

 

【ロストペイン】

詠唱式『死のない傷を』

切断魔法

《スキル》

妖精血税(アールヴブラッド)

血液吸収(ブラッドドレイン)

血液を浴びる度に体力回復

血液を浴びる度に魔力回復

対象が人類の場合効果向上

同族の血により効果超向上

 

工血職人(レッドクリエイター)

加工時発展アビリティ『鍛冶』一時発現

素材の鮮度維持

 

妖精王命(アールヴレックス)

『魔力』超向上

同系統発展アビリティを二つ以上持っている眷属の『魔力』大幅向上

同系統発展アビリティを二つ以上持っている眷属の『力』向上

同族に対し無条件発動

 

 

 

 

女神エリス

エニュオーの名で呼ばれることもある争いと不和、殺戮の女神。

子供達が大好き。ペロペロしたい! ていうかしてる。

最初は闇派閥を作る予定だったがアレクと出会いやめた。アレクとは恋人同士。

 

 

【エリス・ファミリア】

全員が全員神々に『此奴等人として終わってる』と言われる趣味を持つ。

Lv.2のランクアップ時に目覚めた発展アビリティが対人類のみと言うイカれっぷり。

本人達は悪い事をしたら人に迷惑がかかるので基本的にやらない。

悪人なら好きにしていいよねとエリスに言われたアレクに誘われ残りの3人も加入した。苗字を捨てたのは家族と思われるとその人達に迷惑がかかるから。そんな良識を持ち合わせた根はいい子達とはエリス談。

モンスターに対してはそれぞれ『面白くないし』『言葉が通じぬから』『美しくない』『そのへんの動物で代用できるし趣味じゃない』と言う感想を持っている。石を投げられたら嬉々として殺しにくる。

悪人を切り善人を守ると言う人として生きる最低ラインを4人の誓としているため、食指が動く異端児もモンスターだからといって斬ることはない

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